【国立科学博物館 筑波実験植物園】 コレクション特別展示「不思議な植物、カンアオイ」を開催します! ≪2020年2月1日(土)〜2月29日(土)まで≫
[20/01/31]
提供元:PRTIMES
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国立科学博物館 筑波実験植物園(園長:樋口正信)において、2020年2月1日(土)から2月29日(土)まで、「不思議な植物、カンアオイ」の特別展示を開催いたします。
[画像1: https://prtimes.jp/i/47048/57/resize/d47048-57-983946-6.jpg ]
日本列島には約7,000種の維管束植物が自生していますが、中でもひときわ奇妙な花を咲かせる植物の一群がカンアオイの仲間(カンアオイ類)です。葉の下で、地面すれすれに真っ暗な口を開けて咲くカンアオイ類の花は、まるで世界最大の花として知られるラフレシアのミニチュアのようです。(実際にラフレシアと同様、カンアオイ類の一部の種ではハエの仲間を騙して花粉を運ばせることが知られています。)カンアオイ類は世界に100種程度が知られていますが、そのうちの50種が日本固有であり、またそれぞれの種が限られた地域にのみ自生することから日本の植物多様性を代表する存在だと言えます。一方でこれらの種の生育環境は悪化しており、多くの種が環境省レッドリストに絶滅のおそれのある野生生物種(絶滅危惧種)として記載されているという厳しい状況にあります。
今回の特別展示では、多様なカンアオイとそれを育む日本各地の森林環境のかけがえのなさをより多くの方に知っていただくべく、筑波実験植物園で研究用に保有する貴重なカンアオイのコレクションから約30種を公開展示します。種類ごとに異なるカンアオイの花の色、形、香りの妙を楽しみながら、その進化の舞台となった日本列島の地史、そして地域ごとに異なる日本の自然環境の独自性に思いを馳せてください。
コレクション特別展示「不思議な植物、カンアオイ」の概要
【開催期間】2020年2月1日(土)〜2020年2月29日(土)
(月曜日、祝祭日の翌日は休園)
【開催場所】国立科学博物館 筑波実験植物園(茨城県つくば市天久保4-1-1)
多目的温室
【主 催】国立科学博物館 筑波実験植物園
カンアオイ類について
分類:ウマノスズクサ科カンアオイ属カンアオイ節
分布:本州以南の日本全土、台湾、中国(近縁種は北半球に広く分布)
日本列島は世界でも有数の植物多様性を誇る地域ですが、その多様性は人間活動により危機にも瀕していることから、世界に36ある「生物多様性ホットスポット」の一つにも数えられています。日本列島の植物多様性の特色の一つとして、高い固有性をあげることができます。日本列島には約7,000種の維管束植物が自生していますが、およそ3分の1は日本以外では見ることのできない「日本固有種」です。この多様性、固有性の高い日本列島の植物相にあって、特に多様性が際立っている植物の一群がカンアオイ類で、日本に分布する全種のうち1種を除く50種が日本固有です。また多くの種は極めて限られた場所にしか自生せず、古くは東京帝国大学植物学教室教授の前川文夫博士が1万年で数kmしか移動分散しないと推定したことでも知られています。残念なことに、その多くの種は絶滅の危機に瀕しており、環境省の2019年度版レッドリストでは、日本に自生する種の半数の25種が絶滅危惧種とされています(準絶滅危惧種を含めれば31種)。
カンアオイの名前は「寒葵」に由来し、これは徳川家の家紋のモチーフとなっていることで有名な葵(フタバアオイ)に近縁で、冬でも葉が残る常緑性であることにちなみます。
≪展示予定のカンアオイの例≫
◆フクエジマカンアオイ Asarum mitoanum
長崎県五島列島で1994年という比較的最近に発見された希少種です。環境省レッドリストに記載はありませんが、もともと個体数が多くないため、絶滅の恐れが大きいと考えられます。
[画像2: https://prtimes.jp/i/47048/57/resize/d47048-57-453459-0.png ]
◆ヤクシマアオイ Asarum yakusimense
鹿児島県屋久島の山地に自生する種です。別名オニカンアオイと呼ばれており、鬼の腰巻きをイメージさせる大型の花が特徴です。カンアオイ類の中でも特にラフレシアに似た姿をした花には、シンナーのような独特の香りがあります。絶滅危惧II類。
[画像3: https://prtimes.jp/i/47048/57/resize/d47048-57-984351-4.png ]
◆フジノカンアオイ Asarum fudsinoi
鹿児島県奄美大島の湿潤な森林下に自生する種です。日本のカンアオイ類で最も大株になり、花も直径5cmを超えることがありカンアオイ類としては世界最大級です。また、株ごとに花の色や形に大きな変異があります。花には動物のフンのような悪臭があります。絶滅危惧II類。
[画像4: https://prtimes.jp/i/47048/57/resize/d47048-57-729406-2.png ]
◆ヤエヤマカンアオイ Asarum yaeyamense
沖縄県西表島の限られた場所にのみ自生する希少種です。日本固有種だと考えられてきましたが、2009年に台湾でも発見されたため、カンアオイ類では唯一日本固有種ではなくなりました。花には甘い香りがあります。絶滅危惧IB類。
[画像5: https://prtimes.jp/i/47048/57/resize/d47048-57-182646-3.png ]
◆タニムラアオイ Asarum leucosepalum
鹿児島県徳之島の石灰岩地に自生する希少種です。日本のカンアオイ類で唯一純白の花をつけるため、観賞価値も高い種です。環境省レッドリストに記載はありませんが、極めて個体数が少ない種で、その状況は絶滅危惧IA類にも相当すると考えられます。
[画像6: https://prtimes.jp/i/47048/57/resize/d47048-57-902169-1.png ]
国立科学博物館 筑波実験植物園
[画像7: https://prtimes.jp/i/47048/57/resize/d47048-57-745167-5.jpg ]
【開館時間】9:00〜16:30(入園は16:00まで)
【休 館 日】毎週月曜日(祝日・休日の場合は開園)
祝日・休日の翌日(土曜・日曜日の場合は開園)
※上記の休園日でも臨時に開園することがあります。
【入 館 料】 一般・大学生 320円
高校生(高等専門学校生含む)以下および65歳以上 無料
【所 在 地】〒305-0005 茨城県つくば市天久保4-1-1
【公式サイト】http://www.tbg.kahaku.go.jp/
[画像1: https://prtimes.jp/i/47048/57/resize/d47048-57-983946-6.jpg ]
日本列島には約7,000種の維管束植物が自生していますが、中でもひときわ奇妙な花を咲かせる植物の一群がカンアオイの仲間(カンアオイ類)です。葉の下で、地面すれすれに真っ暗な口を開けて咲くカンアオイ類の花は、まるで世界最大の花として知られるラフレシアのミニチュアのようです。(実際にラフレシアと同様、カンアオイ類の一部の種ではハエの仲間を騙して花粉を運ばせることが知られています。)カンアオイ類は世界に100種程度が知られていますが、そのうちの50種が日本固有であり、またそれぞれの種が限られた地域にのみ自生することから日本の植物多様性を代表する存在だと言えます。一方でこれらの種の生育環境は悪化しており、多くの種が環境省レッドリストに絶滅のおそれのある野生生物種(絶滅危惧種)として記載されているという厳しい状況にあります。
今回の特別展示では、多様なカンアオイとそれを育む日本各地の森林環境のかけがえのなさをより多くの方に知っていただくべく、筑波実験植物園で研究用に保有する貴重なカンアオイのコレクションから約30種を公開展示します。種類ごとに異なるカンアオイの花の色、形、香りの妙を楽しみながら、その進化の舞台となった日本列島の地史、そして地域ごとに異なる日本の自然環境の独自性に思いを馳せてください。
コレクション特別展示「不思議な植物、カンアオイ」の概要
【開催期間】2020年2月1日(土)〜2020年2月29日(土)
(月曜日、祝祭日の翌日は休園)
【開催場所】国立科学博物館 筑波実験植物園(茨城県つくば市天久保4-1-1)
多目的温室
【主 催】国立科学博物館 筑波実験植物園
カンアオイ類について
分類:ウマノスズクサ科カンアオイ属カンアオイ節
分布:本州以南の日本全土、台湾、中国(近縁種は北半球に広く分布)
日本列島は世界でも有数の植物多様性を誇る地域ですが、その多様性は人間活動により危機にも瀕していることから、世界に36ある「生物多様性ホットスポット」の一つにも数えられています。日本列島の植物多様性の特色の一つとして、高い固有性をあげることができます。日本列島には約7,000種の維管束植物が自生していますが、およそ3分の1は日本以外では見ることのできない「日本固有種」です。この多様性、固有性の高い日本列島の植物相にあって、特に多様性が際立っている植物の一群がカンアオイ類で、日本に分布する全種のうち1種を除く50種が日本固有です。また多くの種は極めて限られた場所にしか自生せず、古くは東京帝国大学植物学教室教授の前川文夫博士が1万年で数kmしか移動分散しないと推定したことでも知られています。残念なことに、その多くの種は絶滅の危機に瀕しており、環境省の2019年度版レッドリストでは、日本に自生する種の半数の25種が絶滅危惧種とされています(準絶滅危惧種を含めれば31種)。
カンアオイの名前は「寒葵」に由来し、これは徳川家の家紋のモチーフとなっていることで有名な葵(フタバアオイ)に近縁で、冬でも葉が残る常緑性であることにちなみます。
≪展示予定のカンアオイの例≫
◆フクエジマカンアオイ Asarum mitoanum
長崎県五島列島で1994年という比較的最近に発見された希少種です。環境省レッドリストに記載はありませんが、もともと個体数が多くないため、絶滅の恐れが大きいと考えられます。
[画像2: https://prtimes.jp/i/47048/57/resize/d47048-57-453459-0.png ]
◆ヤクシマアオイ Asarum yakusimense
鹿児島県屋久島の山地に自生する種です。別名オニカンアオイと呼ばれており、鬼の腰巻きをイメージさせる大型の花が特徴です。カンアオイ類の中でも特にラフレシアに似た姿をした花には、シンナーのような独特の香りがあります。絶滅危惧II類。
[画像3: https://prtimes.jp/i/47048/57/resize/d47048-57-984351-4.png ]
◆フジノカンアオイ Asarum fudsinoi
鹿児島県奄美大島の湿潤な森林下に自生する種です。日本のカンアオイ類で最も大株になり、花も直径5cmを超えることがありカンアオイ類としては世界最大級です。また、株ごとに花の色や形に大きな変異があります。花には動物のフンのような悪臭があります。絶滅危惧II類。
[画像4: https://prtimes.jp/i/47048/57/resize/d47048-57-729406-2.png ]
◆ヤエヤマカンアオイ Asarum yaeyamense
沖縄県西表島の限られた場所にのみ自生する希少種です。日本固有種だと考えられてきましたが、2009年に台湾でも発見されたため、カンアオイ類では唯一日本固有種ではなくなりました。花には甘い香りがあります。絶滅危惧IB類。
[画像5: https://prtimes.jp/i/47048/57/resize/d47048-57-182646-3.png ]
◆タニムラアオイ Asarum leucosepalum
鹿児島県徳之島の石灰岩地に自生する希少種です。日本のカンアオイ類で唯一純白の花をつけるため、観賞価値も高い種です。環境省レッドリストに記載はありませんが、極めて個体数が少ない種で、その状況は絶滅危惧IA類にも相当すると考えられます。
[画像6: https://prtimes.jp/i/47048/57/resize/d47048-57-902169-1.png ]
国立科学博物館 筑波実験植物園
[画像7: https://prtimes.jp/i/47048/57/resize/d47048-57-745167-5.jpg ]
【開館時間】9:00〜16:30(入園は16:00まで)
【休 館 日】毎週月曜日(祝日・休日の場合は開園)
祝日・休日の翌日(土曜・日曜日の場合は開園)
※上記の休園日でも臨時に開園することがあります。
【入 館 料】 一般・大学生 320円
高校生(高等専門学校生含む)以下および65歳以上 無料
【所 在 地】〒305-0005 茨城県つくば市天久保4-1-1
【公式サイト】http://www.tbg.kahaku.go.jp/