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「MONEX 個人投資家サーベイ 2013 年11 月調査」

個人投資家の関心は、欧州の金利動向・金融政策へ

 マネックス証券株式会社(以下「マネックス証券」)は、2009 年10 月より、マネックス証券に口座を保有する個人投資家を対象に、相場環境に対する意識調査を月次で実施しております。
 このたび、2013 年11 月11 日〜13 日にインターネットを通じて実施したアンケート調査1, 177件の回答結果を報告書にまとめました。




■調査結果の要約

(1)個人投資家の見通しDI(※1)は日本株と中国株は低下、米国株は小幅に上昇 (グラフ1・グラフ2)
 【日本株DI】 (2013 年10 月) 56→ (2013 年11 月) 39 (前月比-17 ポイント)
 【米国株DI】 (2013 年10 月) 25→ (2013 年11 月) 32 (前月比+7 ポイント)
 【中国株DI】 (2013 年10 月) -32 → (2013 年11 月) -46 (前月比-14 ポイント)
  日本の個人投資家に今後3 ヶ月程度の各国(日本、米国、中国)の株式市場見通しについてたずねた。前回調査時(2013  
年10 月実施)以降、日経平均が一進一退だったこともあり投資家心理は改善せず日本株DI は低下に転じた。一方、米国株DI  
は小幅に上昇。11 月8 日に発表された10 月分の米国雇用統計(非農業部門雇用者数)が予想に反しプラスであったことが要 
因の一つとして考えられる。中国株DI については、11 月1 日に発表された10 月の製造業PMIが前月より上昇したものの、中国 株関連指数が下落傾向だったことなどが影響してか低下。
 (※1)「上昇すると思う」と回答した割合(%)から「下落すると思う」と回答した割合(%)を引いたポイント

(2)業種別魅力度ランキング、「自動車」が首位を奪還 (グラフ3)
個人投資家が「魅力的であると思う業種」ランキングでは、好決算が影響してか「自動車」(2 位→1 位)と「医薬品」(3 位→2
位)が上位2 位を奪還。その他「通信」(6 位→5 位)、「小売り」(10 位→9 位)が順位を上げるなか、「鉄鋼」(9 位→10 位)など
が順位を下げた。特に、前回調査時1 位であった「不動産」は3 位に転落。

(3)個人投資家は、欧州の金利動向および金融政策に着目 (グラフ6、グラフ6-2)
 個人投資家が注目する国内のトピックでは、調査期間が 4-9 月期の決算発表が出揃った直後ということもあり企業業績につい
て注目度合が高まった。一方、調査開始前の週に欧州の中央銀行であるECB が半年ぶりの利下げを行ったことなどを受け、欧州の金利動向および金融政策に対する関心も高まっている。(前月比 欧州の金利動向:+5.5% 欧州の金融政策:+6.2%)

(4)消費増税後の対応について (グラフ7、グラフ8)
  2014 年4 月の消費増税後(5%→8%)の個人投資家の家計について、意識調査を行った。家計支出を減らすかどうかをたず
ねたところ、「はい(減らす)」39%、「いいえ」30%、「まだ分からない」31%となり、個人投資家の意向は分かれた。一方、消費税
増税に備えておくこととしては、回答者全体の約3 割が「特に何もしない」と回答するなかで「なんらかの準備する」と回答した個
人投資家は住宅・車の購入や白物家電の買い替えなど高額のものの事前購入と日用品、消耗品などの買い置きなどが挙げ、堅
実な面があることもうかがえた。


■調査結果

1. 株式市場を取り巻く環境について


2. 為替市場について


3. お客さまの日本株取引について


4. 注目するトピック


5. 消費増税後の対応


  「なんらかの準備をする」という回答のうち、住宅・車の購入や白物家電の買い替えなど高額のものの事前購入や日用品・消
 耗品などの買い置きなどを挙げた個人投資家が多かった。


■総 括 (マネックス証券チーフ・ストラテジスト広木 隆)

僕がいつも気にしているのは、「4.注目するトピック」という項目である。
個人投資家が今、何を気に懸けているのかを知りたいのだ。

このところ常に最多の回答を集めるのが、日本の企業業績。サーベイ実施期間が、ちょうど4-9 月期の決算発表が出揃った直後というタイミングもあり、今月のサーベイでも9 割近くの回答を集めダントツの1 位項目となった。僕は常々、「株価というものは企業の業績を反映して決まる。」と言っているので個人投資家の多くが企業業績に高い関心を寄せていることが分かって、非常に嬉しく思う。絶対数では日本の企業業績がトップだが、前月からの変化という点では欧州の金融政策がトップとなった。2 位は同じく欧州の金利動向である。この背景は容易に想像がつく。サーベイ実施期間の直前に欧州中央銀行(ECB)が予想外の利下げを行ったからである。

ユーロ圏インフレ率は0.7%とデフレ脱却途上にある我が国と同水準である。GDP の数字からは最悪期を脱したように見えるもの、桁違いの高水準にある失業率はじめ、欧州景気は依然低迷している。そんななか、「最悪期は脱した」という見方が主流となりユーロ高基調となっていた。これはECB としては容認できなかったのだろう。

ECB は主要政策金利であるリファイナンス金利を25 ベーシスポイント(bp)引き下げ、過去最低となる0.25%とした。過去最低の0.25%だから、もう後がない。そんなふうに市場に見透かされることを嫌ったのだろう、ECB 高官からは「マイナス金利にすることも場合によっては辞さない」との発言まで飛び出した。

かたや米国ではイエレン次期FRB 議長の指名公聴会での発言から金融緩和長期化観測が台頭、ダウ平均は一時16,000 ドル台の大台をつけるに至った。

欧米で金融緩和色が鮮明となるなか、日銀の出方にも注目が集まる。日米欧、この三極の金融政策が為替市場の力学を左右する。ところが米国はこれからまさに新旧FRB 議長の交代タイミングに差し掛かる。日本も、異次元緩和を決めた4 月からまだ1 年も経たず、さすがに年内の追加緩和観測は多くない。結局、もっとも早いタイミングで動けるのはECB なのだ。
日米欧、三極の力関係を崩す、次の一手は欧州発となるかもしれない。そんなシナリオの示現確率が高い。その文脈において欧州の金融政策が前月からの注目度変化でトップとなったのだろう。本当に個人投資家の相場を見る目の的確さには舌を巻く。

今回も皆様方のご協力で、大変貴重なデータを作成・分析することができました。本当にありがとうございました。今回のサーベイが個人投資家の皆様方の投資判断の一助となれば幸いです。

(マネックス証券 チーフ・ストラテジスト 広木 隆)


■調査の概要と回答者の属性
調査方式: インターネット調査
調査対象: マネックス証券に口座を保有している個人投資家
回答数: 1,177 件
調査期間: 2013 年11 月11 日〜11 月13 日


本情報は当社が実施したアンケートに基づいて作成したものです。
・ 本情報は売買のタイミング等を反映したものではなく、また示唆するものではありません。
・ 当社は記載した銘柄の取引を推奨し、勧誘するものではありません。
・ 当社は本情報の内容に依拠してお客さまが取った行動の結果に対し責任を負うものではございません。
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【マネックス証券株式会社について】
 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第165号
 加入協会:日本証券業協会、一般社団法人 金融先物取引業協会、一般社団法人 日本投資顧問業協会
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