袴田事件再審決定 ただちに再審の開始を!
[14/03/27]
提供元:PRTIMES
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検察庁は即時抗告で再審を妨げてはならない
本日、袴田事件の第2次再審請求の審理において、静岡地方裁判所が再審開始を決定した。静岡地方検察庁は、即時抗告によって再審開始を妨げてはならない。袴田事件は、取調べでの不公正な手続きや、証拠の妥当性などが問題となってきた。検察庁は、袴田事件における真実と向き合い、今こそ司法の正義を実現すべきである。
袴田巖さんは、逮捕時から数えて実に47年以上も拘禁され、現在78歳の高齢である。この間独居房の中で、来る日も処刑の恐怖にさらされてきた袴田さんの苦痛は、想像するに余りある。袴田さんの精神の健康状態が懸念されていることは、日弁連の勧告からも明らかである。死刑確定者に対するこのような不当に長期間の処遇を、本来、法は規定しておらず、これはもはや拷問であるといっても過言ではない。袴田さんの年齢、健康状態を考えれば、これ以上再審の開始を先延ばしにしてはならない。検察庁は、DNA鑑定、検察から提出された新証拠、そして袴田さんの置かれた客観的な状況にもとづき、再審の早期実現に協力すべきである。
またアムネスティは、国際人権基準にもとづき、死刑確定者の独房での拘禁について処遇の改善を求めてきた。政府および法務省は、袴田さんをはじめとする死刑確定者の、精神状態を含めた処遇状況の情報開示と、処遇改善に努めるべきである。
本件は当初より、当局による捜査のあり方に多くの問題があった。一貫して否認を続けた袴田さんに対し、自白を強要する暴行や威圧がおこなわれた、と公判で袴田さんは主張している。また、勾留中には弁護人との接見と法的支援が十分に受けられなかった。一審では、供述調書は1通を除いて、信用性がないとして証拠採用されなかった。そして、3人の判事のうち1人が、無罪であるとの心証を抱きながらも死刑判決を下したと、後に明らかにしている。
証拠開示の点でも深刻な問題がある。検察は、第2次再審請求審において、裁判所の開示命令に応じる形で、はじめて約600点以上の証拠を提出した。この中には、原審で有罪の決め手となった自白と「5点の衣類」の証拠としての妥当性に疑いを生じさせる、重要な証拠も含まれていた。真実発見を妨げるような検察側の証拠の偏在は、著しい不正義である。証拠開示に関しても、国連の勧告に従って、政府は全面開示に向けた制度改革を直ちに進めなければならない。
再審を受けて、当局は、自白の際に虐待があったなどの袴田さんの主張について、検証をすべきである。さらに、二度と袴田事件のような悲惨な事件をくりかえさないために、政府は、国連の勧告に沿った司法制度の改革をすすめなければならない。すなわち、取調べの事後の検証を可能とする、取調べの全過程の可視化を確保しなければならない。また、被疑者の身柄が24時間、捜査機関の下に置かれ、自白強要の温床となってきた代用監獄制度を廃止すべきである。そして、被疑者が弁護士と、立会人なしに接見できる権利を確保すべきである。
アムネスティは、あらゆる死刑に例外なく反対する。死刑は生きる権利の侵害であり、究極的に残虐で非人道的かつ品位を傷つける刑罰である。アムネスティは日本政府に対し、取り返しのつかない刑罰である死刑制度の廃止にむけて、袴田巖さんを含めたすべての死刑確定者について、公式に死刑の執行停止措置をとること、社会的な議論を喚起することを要請する(注8)。また、刑事司法制度については、証拠の全面開示、取調べの全過程の可視化、そして代用監獄制度の廃止をはじめとする改革に、真剣に取り組むよう強く要請する。
アムネスティは、2008年に袴田さんを「危機にある個人」と認定し、公正な裁判を受ける権利の保障などを求めて支援を続けてきた。今後も、世界的な規模で支援の取り組みを続けていく。
◇アムネスティ日本のサイトはこちら◇
http://www.amnesty.or.jp
本日、袴田事件の第2次再審請求の審理において、静岡地方裁判所が再審開始を決定した。静岡地方検察庁は、即時抗告によって再審開始を妨げてはならない。袴田事件は、取調べでの不公正な手続きや、証拠の妥当性などが問題となってきた。検察庁は、袴田事件における真実と向き合い、今こそ司法の正義を実現すべきである。
袴田巖さんは、逮捕時から数えて実に47年以上も拘禁され、現在78歳の高齢である。この間独居房の中で、来る日も処刑の恐怖にさらされてきた袴田さんの苦痛は、想像するに余りある。袴田さんの精神の健康状態が懸念されていることは、日弁連の勧告からも明らかである。死刑確定者に対するこのような不当に長期間の処遇を、本来、法は規定しておらず、これはもはや拷問であるといっても過言ではない。袴田さんの年齢、健康状態を考えれば、これ以上再審の開始を先延ばしにしてはならない。検察庁は、DNA鑑定、検察から提出された新証拠、そして袴田さんの置かれた客観的な状況にもとづき、再審の早期実現に協力すべきである。
またアムネスティは、国際人権基準にもとづき、死刑確定者の独房での拘禁について処遇の改善を求めてきた。政府および法務省は、袴田さんをはじめとする死刑確定者の、精神状態を含めた処遇状況の情報開示と、処遇改善に努めるべきである。
本件は当初より、当局による捜査のあり方に多くの問題があった。一貫して否認を続けた袴田さんに対し、自白を強要する暴行や威圧がおこなわれた、と公判で袴田さんは主張している。また、勾留中には弁護人との接見と法的支援が十分に受けられなかった。一審では、供述調書は1通を除いて、信用性がないとして証拠採用されなかった。そして、3人の判事のうち1人が、無罪であるとの心証を抱きながらも死刑判決を下したと、後に明らかにしている。
証拠開示の点でも深刻な問題がある。検察は、第2次再審請求審において、裁判所の開示命令に応じる形で、はじめて約600点以上の証拠を提出した。この中には、原審で有罪の決め手となった自白と「5点の衣類」の証拠としての妥当性に疑いを生じさせる、重要な証拠も含まれていた。真実発見を妨げるような検察側の証拠の偏在は、著しい不正義である。証拠開示に関しても、国連の勧告に従って、政府は全面開示に向けた制度改革を直ちに進めなければならない。
再審を受けて、当局は、自白の際に虐待があったなどの袴田さんの主張について、検証をすべきである。さらに、二度と袴田事件のような悲惨な事件をくりかえさないために、政府は、国連の勧告に沿った司法制度の改革をすすめなければならない。すなわち、取調べの事後の検証を可能とする、取調べの全過程の可視化を確保しなければならない。また、被疑者の身柄が24時間、捜査機関の下に置かれ、自白強要の温床となってきた代用監獄制度を廃止すべきである。そして、被疑者が弁護士と、立会人なしに接見できる権利を確保すべきである。
アムネスティは、あらゆる死刑に例外なく反対する。死刑は生きる権利の侵害であり、究極的に残虐で非人道的かつ品位を傷つける刑罰である。アムネスティは日本政府に対し、取り返しのつかない刑罰である死刑制度の廃止にむけて、袴田巖さんを含めたすべての死刑確定者について、公式に死刑の執行停止措置をとること、社会的な議論を喚起することを要請する(注8)。また、刑事司法制度については、証拠の全面開示、取調べの全過程の可視化、そして代用監獄制度の廃止をはじめとする改革に、真剣に取り組むよう強く要請する。
アムネスティは、2008年に袴田さんを「危機にある個人」と認定し、公正な裁判を受ける権利の保障などを求めて支援を続けてきた。今後も、世界的な規模で支援の取り組みを続けていく。
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