みんなのコードと宮城教育大附属小、コンピュータサイエンス教育の実証研究2021年度報告書を発表
[22/04/14]
提供元:PRTIMES
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みんなのコードは、宮城教育大附属小と共同で実施している、「コンピュータサイエンス(CS)教育」の授業の実践・研究・カリキュラム開発を行う実証研究プロジェクト(以下実証研究)について、2021年度の報告書を発表しました。
このたび、特定非営利活動法人みんなのコード(東京都港区、代表理事:利根川 裕太、以下みんなのコード)は、国立大学法人宮城教育大学附属小学校(宮城県仙台市、校長:滝野澤 清史、以下宮城教育大附属小)と共同で実施している、「コンピュータサイエンス(CS)教育」の授業の実践・研究・カリキュラム開発を行う実証研究プロジェクト(以下実証研究)について、2021年度の報告書を発表しました。本報告書は、今後議論が始まる次期学習指導要領へも寄与できるよう、小学校段階からコンピュータサイエンスを扱う価値と具体的な授業事例をまとめたものです。
本実証研究の実施にあたっては、子ども・若者の未来を支援する日本財団(東京都港区、会長:笹川 陽平)に、「公教育におけるプログラミング教育必修化の定着と発展をとおした地域格差の是正」プロジェクトとして、助成いただいています。
[画像1: https://prtimes.jp/i/15742/63/resize/d15742-63-bf17cdee6de30f5549a8-0.jpg ]
実証研究について
本実証研究では、「デジタル社会をどう生きるか」を自分自身の言葉で語れ、「地方でも地方だからこそコンピュータでより豊かな生活を送れる」ということを実感できる子どもたちの育成を目指し、日本の公教育におけるコンピュータサイエンス教育のモデルケースとなるべく、カリキュラム開発及び授業研究を進めています(※)。小中学校を併設する宮城教育大学の特質を生かし、9年間の義務教育期間を通じた指導計画の作成及びコンピュータサイエンス教育の重要性について実証研究を行っています。
[画像2: https://prtimes.jp/i/15742/63/resize/d15742-63-0cec28eb10358360a1ed-1.jpg ]
報告書は、以下よりご確認いただけます。
■報告書
https://speakerdeck.com/codeforeveryone/2021nian-du-konpiyutasaiensujiao-yu-false-karikiyuramukai-fa-nixiang-ketefalseshi-zheng-yan-jiu
2021年度の取り組み内容
本実証研究2年目となる2021年度は、宮城教育大附属小の先生方に、プロジェクトにさらに関わっていただけるような取り組みを心がけました。
具体的には、学校内の組織体制の充実を図り、年3回の全体会並びにコンピュータサイエンス研究全体会を開催しました。なかでも研究全体会では、白鴎大学教育学部 教授(前文部科学省 初等中等教育局 視学官)上野 耕史先生のお話をうかがう機会をもうけ、提案授業を基にコンピュータサイエンス科で育てる資質・能力について学校内で深く話し合うことができました。
また、各学年とも年間10時間のコンピュータサイエンスの授業を実施し、2020年度実施した授業のアップデートに加えて、2021年度は新たな実践内容を追加しました。
[画像3: https://prtimes.jp/i/15742/63/resize/d15742-63-a0a4d1d342760bf4085c-2.jpg ]
2021年度の成果
コンピュータサイエンス科ならではの学びの内容が充実
2年生「つながるコンピュータ」の中で、2020年度の実践を再考し、新しいチャレンジをしました。2021年度の実践では、新たに校内のWi-Fiのつながりやすさを調査する活動を設定。その後の学習の中で、子どもがアクセスポイントの存在に自然に目を向け、ネットワークのつながりについて気づく姿が見られました。
[画像4: https://prtimes.jp/i/15742/63/resize/d15742-63-65a9ca72298019332b4d-3.jpg ]
[画像5: https://prtimes.jp/i/15742/63/resize/d15742-63-c386efe1ed80d117c8ba-5.jpg ]
オリジナル教材を使用した授業実践
4年生「入力した情報のゆくえ」の中では、インターネット上で入力した情報がその後どのように扱われるのかを体験的に捉える教材を使い、授業を行いました。生徒たちは「言われたとおりに入力する」という行動から、何が個人情報に当たるのかを考え、本当に入力してよいのか立ち止まって考えたりすることを学びました。「安全なサイトとそうでないサイトをどう見分けるのか」というコンピュータサイエンス的な問いにつながったことは、とても大きな成果になりました。
[画像6: https://prtimes.jp/i/15742/63/resize/d15742-63-26007b350eda048c5bee-6.jpg ]
[画像7: https://prtimes.jp/i/15742/63/resize/d15742-63-864c9de647e841ab9d04-7.jpg ]
コンピュータサイエンス科で学んだことを、学校内の課題に生かした児童の活動
6年生「AIってなんだろう」の中で、身近にあるテクノロジーの仕組みを学びました。学びを通して、コンピュータのよさを実感し、コンピュータをどのような場面で生かすことができるかを学びました。授業の後には、学校内でどんな問題があるか自ら生徒たちが考え、AIを使ったプログラミングを図書室の整理で生かせないか、学んだことを主体的に試そうとする生徒たちの姿を見ることができました。
[画像8: https://prtimes.jp/i/15742/63/resize/d15742-63-69f5c8e26bf3ae8f5948-8.jpg ]
[画像9: https://prtimes.jp/i/15742/63/resize/d15742-63-82ac7ca839ad7d6e0963-9.jpg ]
アンケート結果からの考察(一部)
2021年度の実証研究にあたり、授業終了後に、同校の児童・教員に対してアンケートを実施しました。2020年度に続き、パソコンやタブレットの普段の使用状況やコンピュータに対する考え、家庭での児童生徒が使用できるデバイスの状況などについて聞きました。
児童アンケート
【考察1.】『授業を受けたことで、8割以上の児童がコンピュータの学習は大人になった時に役立つと感じている』
各学年とも、8割以上の児童が「コンピュータの学習は大人になった時に役立つ」と回答。とりわけ5年生は、97パーセントの児童が「コンピュータがこれからの人生を手助けをしてくれていると考えている」と回答しました。
↓2021年度終わり・実践2年目
[画像10: https://prtimes.jp/i/15742/63/resize/d15742-63-a143850eb8dc3e7c5e19-14.jpg ]
【考察2.】『授業を通して、児童がパソコンやタブレットを楽しみながら使うことができた』
これからの時代を生きるデジタルネイティブの子どもたちにとって、パソコンとタブレットは、生活していく中で欠かせないアイテムになっています。本実証研究を通して子どもたちに一番伝えたいと考えていたことは、テクノロジー機器を扱うことを「楽しい」と感じてもらうことでした。2020年度の実践前には、6割の児童がパソコンやタブレットを使うことを「楽しい」と感じており、授業の中で頻繁にパソコンやタブレットを使うことで、8割以上が「楽しい」と実感したことがわかりました。
↓2020年度はじめ・実践前
[画像11: https://prtimes.jp/i/15742/63/resize/d15742-63-bf5422c88e1207e4078e-12.jpg ]
↓2021年度終わり・実践2年目
[画像12: https://prtimes.jp/i/15742/63/resize/d15742-63-1d3ccc21c9f26db0929b-13.jpg ]
教員アンケート
【考察3.】『先生方は実際にICTを活用することで、スキル格差は縮まる』
教員向けアンケートでは、本実証研究に取り組む前には、ICT活用スキルが教員間で格差が生じていると回答をした教員が54パーセントと、教員の半数以上が格差があると感じていました。その後、2021年度終わりに再度同じアンケートを実施した際には26パーセントに減少し、実際に学校全体でコンピュータサイエンスに取り組んだことで、教員間でのスキル格差の認識が低減したことがわかります。
↓2020年度はじめ・実践前
[画像13: https://prtimes.jp/i/15742/63/resize/d15742-63-416cebb0febbe1ceba32-15.jpg ]
↓2021年度終わり・実践2年目
[画像14: https://prtimes.jp/i/15742/63/resize/d15742-63-11a60a1579a12bc5bd91-16.jpg ]
2022年度に向けて
■実証研究の外部公開
2022年度は、より多くの方に小学校段階からコンピュータサイエンスを扱う価値と具体的な授業事例をお伝えするために、年3回実施する全体会の内容を他校への展開、コンピュータサイエンス研究会を広く公開することを予定しています。
■コンピュータサイエンス教材の研究開発
より効果的な学習が推進できるよう、コンピュータサイエンス教材の研究協力を進め、授業での使用を通して検証し改善を図っていきます。
■授業時間数の増加
これまで各学年で10時間実施していたコンピュータサイエンスの時間を20時間に増加し、学習内容の充実を図り、系統的なつながりを意識して指導できるようにしていきます。
■小中の連携
2022年度は新しい試みとして、小学校でのコンピュータサイエンス科での学びと、中学校での技術・家庭科(技術分野)内容「D 情報の技術」を中心とした学びがスムーズに接続する指導のあり方を追究していきます。それぞれの学校段階における実践内容を共有する機会を設定し、小中9年間が一体となった学びを視野に入れた取り組みを進めていきます。
本実証研究のプロジェクトメンバーからのコメント
■前 宮城教育大学附属小学校 教頭 佐藤 俊宏
本実証研究2年目の2021度は、飛躍的に進化を遂げた1年となりました。その背景の一つには、組織的な改善を図ったことにあります。2020年度の振り返りを受け、「コンピュータサイエンス運営委員会」「コンピュータサイエンスワーキンググループ」「コンピュータサイエンス全体会」と3つの縦の組織を設置し、各組織においての役割分担を明確にしました。そうしたことで、全体的な広がりがみられ、大きな成果として1時間のコンピュータサイエンスの授業をみんなのコードと職員プロジェクトメンバー全員で検討することができました。また、みんなのコードと職員がコンピュータサイエンスの授業について検討する機会を日常化したこと、これも大きな成果となりました。
2022年度は、本実証研究3年目の最終年度となります。本実証研究が、Society5.0の時代に向けた未来の学校教育の新たな指針となることを願って更に飛躍する1年としていきたいと思います。
■NPO法人みんなのコード 代表 利根川 裕太
本実証研究は、日本初の小学校段階からのコンピュータサイエンス教育のカリキュラムの開発にチャレンジをしています。2021年度は引き続きコロナ禍の厳しい状況が続く中でも、宮城教育大附属小での実践を学内全体で広めることができた1年でありました。本報告書は、同校に限らず、児童一人一台端末が定着しつつある、全国の小学校の参考になる事例を数多く掲載できたと考えています。
2022年度は、いよいよ最終年度になります。2021年度よりも授業実施時間数も増やし、宮城教育大附属小学校に留まらず、多くの学校現場の先生方や教育関係者の皆様にも展開できるよう取り組む予定です。これからもみんなのコードは、日本の公教育におけるテクノロジー教育のアップデートを推進し、「子どもがテクノロジーの価値創造者となることで、次の世界を創っていく。」のビジョンの実現を目指します。
■NPO法人みんなのコード 未来の学び探究部 プロジェクトリーダー 釜野 由里佳
本実証研究2年目となる2021年度は、宮城教育大学附属小とみんなのコードとの連携をさらに強化することができました。校内での全体会やコンピュータサイエンス研究全体会など、学校全体での取り組みを実施することができました。また、放課後の時間を使い、先生方と関連教材について勉強会を行うだけではなく、みんなのコードがオリジナルで開発した教材を実際に先生方に授業で実践していただくなど、新しい視点からの授業づくりを行いました。本報告書に掲載している授業実践例が2020年度よりも大幅に増えましたので、ぜひご覧ください。
2022年度は、本実証研究の最終年度となります。これまで宮城教育大附属小とみんなのコードで積み上げてきた2年間のコンピュータサイエンス教育の実証研究を活かしながら、学校内のみならず、外部にも広く展開できるよう、全力で取り組んで参ります。
本実証研究の概要については、以下のプレスリリースもあわせてご覧ください。
■2020年9月30日発表 「みんなのコードと宮城教育大学附属小学校、国内初「コンピュータサイエンス教育」のカリキュラム開発に向けて実証研究をスタート」(※)(https://code.or.jp/news/4344/)
■2021年4月1日発表 「みんなのコードと宮城教育大附属小のコンピュータサイエンス教育の実証研究報告書を発表」(https://code.or.jp/news/9946/)
このたび、特定非営利活動法人みんなのコード(東京都港区、代表理事:利根川 裕太、以下みんなのコード)は、国立大学法人宮城教育大学附属小学校(宮城県仙台市、校長:滝野澤 清史、以下宮城教育大附属小)と共同で実施している、「コンピュータサイエンス(CS)教育」の授業の実践・研究・カリキュラム開発を行う実証研究プロジェクト(以下実証研究)について、2021年度の報告書を発表しました。本報告書は、今後議論が始まる次期学習指導要領へも寄与できるよう、小学校段階からコンピュータサイエンスを扱う価値と具体的な授業事例をまとめたものです。
本実証研究の実施にあたっては、子ども・若者の未来を支援する日本財団(東京都港区、会長:笹川 陽平)に、「公教育におけるプログラミング教育必修化の定着と発展をとおした地域格差の是正」プロジェクトとして、助成いただいています。
[画像1: https://prtimes.jp/i/15742/63/resize/d15742-63-bf17cdee6de30f5549a8-0.jpg ]
実証研究について
本実証研究では、「デジタル社会をどう生きるか」を自分自身の言葉で語れ、「地方でも地方だからこそコンピュータでより豊かな生活を送れる」ということを実感できる子どもたちの育成を目指し、日本の公教育におけるコンピュータサイエンス教育のモデルケースとなるべく、カリキュラム開発及び授業研究を進めています(※)。小中学校を併設する宮城教育大学の特質を生かし、9年間の義務教育期間を通じた指導計画の作成及びコンピュータサイエンス教育の重要性について実証研究を行っています。
[画像2: https://prtimes.jp/i/15742/63/resize/d15742-63-0cec28eb10358360a1ed-1.jpg ]
報告書は、以下よりご確認いただけます。
■報告書
https://speakerdeck.com/codeforeveryone/2021nian-du-konpiyutasaiensujiao-yu-false-karikiyuramukai-fa-nixiang-ketefalseshi-zheng-yan-jiu
2021年度の取り組み内容
本実証研究2年目となる2021年度は、宮城教育大附属小の先生方に、プロジェクトにさらに関わっていただけるような取り組みを心がけました。
具体的には、学校内の組織体制の充実を図り、年3回の全体会並びにコンピュータサイエンス研究全体会を開催しました。なかでも研究全体会では、白鴎大学教育学部 教授(前文部科学省 初等中等教育局 視学官)上野 耕史先生のお話をうかがう機会をもうけ、提案授業を基にコンピュータサイエンス科で育てる資質・能力について学校内で深く話し合うことができました。
また、各学年とも年間10時間のコンピュータサイエンスの授業を実施し、2020年度実施した授業のアップデートに加えて、2021年度は新たな実践内容を追加しました。
[画像3: https://prtimes.jp/i/15742/63/resize/d15742-63-a0a4d1d342760bf4085c-2.jpg ]
2021年度の成果
コンピュータサイエンス科ならではの学びの内容が充実
2年生「つながるコンピュータ」の中で、2020年度の実践を再考し、新しいチャレンジをしました。2021年度の実践では、新たに校内のWi-Fiのつながりやすさを調査する活動を設定。その後の学習の中で、子どもがアクセスポイントの存在に自然に目を向け、ネットワークのつながりについて気づく姿が見られました。
[画像4: https://prtimes.jp/i/15742/63/resize/d15742-63-65a9ca72298019332b4d-3.jpg ]
[画像5: https://prtimes.jp/i/15742/63/resize/d15742-63-c386efe1ed80d117c8ba-5.jpg ]
オリジナル教材を使用した授業実践
4年生「入力した情報のゆくえ」の中では、インターネット上で入力した情報がその後どのように扱われるのかを体験的に捉える教材を使い、授業を行いました。生徒たちは「言われたとおりに入力する」という行動から、何が個人情報に当たるのかを考え、本当に入力してよいのか立ち止まって考えたりすることを学びました。「安全なサイトとそうでないサイトをどう見分けるのか」というコンピュータサイエンス的な問いにつながったことは、とても大きな成果になりました。
[画像6: https://prtimes.jp/i/15742/63/resize/d15742-63-26007b350eda048c5bee-6.jpg ]
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コンピュータサイエンス科で学んだことを、学校内の課題に生かした児童の活動
6年生「AIってなんだろう」の中で、身近にあるテクノロジーの仕組みを学びました。学びを通して、コンピュータのよさを実感し、コンピュータをどのような場面で生かすことができるかを学びました。授業の後には、学校内でどんな問題があるか自ら生徒たちが考え、AIを使ったプログラミングを図書室の整理で生かせないか、学んだことを主体的に試そうとする生徒たちの姿を見ることができました。
[画像8: https://prtimes.jp/i/15742/63/resize/d15742-63-69f5c8e26bf3ae8f5948-8.jpg ]
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アンケート結果からの考察(一部)
2021年度の実証研究にあたり、授業終了後に、同校の児童・教員に対してアンケートを実施しました。2020年度に続き、パソコンやタブレットの普段の使用状況やコンピュータに対する考え、家庭での児童生徒が使用できるデバイスの状況などについて聞きました。
児童アンケート
【考察1.】『授業を受けたことで、8割以上の児童がコンピュータの学習は大人になった時に役立つと感じている』
各学年とも、8割以上の児童が「コンピュータの学習は大人になった時に役立つ」と回答。とりわけ5年生は、97パーセントの児童が「コンピュータがこれからの人生を手助けをしてくれていると考えている」と回答しました。
↓2021年度終わり・実践2年目
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【考察2.】『授業を通して、児童がパソコンやタブレットを楽しみながら使うことができた』
これからの時代を生きるデジタルネイティブの子どもたちにとって、パソコンとタブレットは、生活していく中で欠かせないアイテムになっています。本実証研究を通して子どもたちに一番伝えたいと考えていたことは、テクノロジー機器を扱うことを「楽しい」と感じてもらうことでした。2020年度の実践前には、6割の児童がパソコンやタブレットを使うことを「楽しい」と感じており、授業の中で頻繁にパソコンやタブレットを使うことで、8割以上が「楽しい」と実感したことがわかりました。
↓2020年度はじめ・実践前
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↓2021年度終わり・実践2年目
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教員アンケート
【考察3.】『先生方は実際にICTを活用することで、スキル格差は縮まる』
教員向けアンケートでは、本実証研究に取り組む前には、ICT活用スキルが教員間で格差が生じていると回答をした教員が54パーセントと、教員の半数以上が格差があると感じていました。その後、2021年度終わりに再度同じアンケートを実施した際には26パーセントに減少し、実際に学校全体でコンピュータサイエンスに取り組んだことで、教員間でのスキル格差の認識が低減したことがわかります。
↓2020年度はじめ・実践前
[画像13: https://prtimes.jp/i/15742/63/resize/d15742-63-416cebb0febbe1ceba32-15.jpg ]
↓2021年度終わり・実践2年目
[画像14: https://prtimes.jp/i/15742/63/resize/d15742-63-11a60a1579a12bc5bd91-16.jpg ]
2022年度に向けて
■実証研究の外部公開
2022年度は、より多くの方に小学校段階からコンピュータサイエンスを扱う価値と具体的な授業事例をお伝えするために、年3回実施する全体会の内容を他校への展開、コンピュータサイエンス研究会を広く公開することを予定しています。
■コンピュータサイエンス教材の研究開発
より効果的な学習が推進できるよう、コンピュータサイエンス教材の研究協力を進め、授業での使用を通して検証し改善を図っていきます。
■授業時間数の増加
これまで各学年で10時間実施していたコンピュータサイエンスの時間を20時間に増加し、学習内容の充実を図り、系統的なつながりを意識して指導できるようにしていきます。
■小中の連携
2022年度は新しい試みとして、小学校でのコンピュータサイエンス科での学びと、中学校での技術・家庭科(技術分野)内容「D 情報の技術」を中心とした学びがスムーズに接続する指導のあり方を追究していきます。それぞれの学校段階における実践内容を共有する機会を設定し、小中9年間が一体となった学びを視野に入れた取り組みを進めていきます。
本実証研究のプロジェクトメンバーからのコメント
■前 宮城教育大学附属小学校 教頭 佐藤 俊宏
本実証研究2年目の2021度は、飛躍的に進化を遂げた1年となりました。その背景の一つには、組織的な改善を図ったことにあります。2020年度の振り返りを受け、「コンピュータサイエンス運営委員会」「コンピュータサイエンスワーキンググループ」「コンピュータサイエンス全体会」と3つの縦の組織を設置し、各組織においての役割分担を明確にしました。そうしたことで、全体的な広がりがみられ、大きな成果として1時間のコンピュータサイエンスの授業をみんなのコードと職員プロジェクトメンバー全員で検討することができました。また、みんなのコードと職員がコンピュータサイエンスの授業について検討する機会を日常化したこと、これも大きな成果となりました。
2022年度は、本実証研究3年目の最終年度となります。本実証研究が、Society5.0の時代に向けた未来の学校教育の新たな指針となることを願って更に飛躍する1年としていきたいと思います。
■NPO法人みんなのコード 代表 利根川 裕太
本実証研究は、日本初の小学校段階からのコンピュータサイエンス教育のカリキュラムの開発にチャレンジをしています。2021年度は引き続きコロナ禍の厳しい状況が続く中でも、宮城教育大附属小での実践を学内全体で広めることができた1年でありました。本報告書は、同校に限らず、児童一人一台端末が定着しつつある、全国の小学校の参考になる事例を数多く掲載できたと考えています。
2022年度は、いよいよ最終年度になります。2021年度よりも授業実施時間数も増やし、宮城教育大附属小学校に留まらず、多くの学校現場の先生方や教育関係者の皆様にも展開できるよう取り組む予定です。これからもみんなのコードは、日本の公教育におけるテクノロジー教育のアップデートを推進し、「子どもがテクノロジーの価値創造者となることで、次の世界を創っていく。」のビジョンの実現を目指します。
■NPO法人みんなのコード 未来の学び探究部 プロジェクトリーダー 釜野 由里佳
本実証研究2年目となる2021年度は、宮城教育大学附属小とみんなのコードとの連携をさらに強化することができました。校内での全体会やコンピュータサイエンス研究全体会など、学校全体での取り組みを実施することができました。また、放課後の時間を使い、先生方と関連教材について勉強会を行うだけではなく、みんなのコードがオリジナルで開発した教材を実際に先生方に授業で実践していただくなど、新しい視点からの授業づくりを行いました。本報告書に掲載している授業実践例が2020年度よりも大幅に増えましたので、ぜひご覧ください。
2022年度は、本実証研究の最終年度となります。これまで宮城教育大附属小とみんなのコードで積み上げてきた2年間のコンピュータサイエンス教育の実証研究を活かしながら、学校内のみならず、外部にも広く展開できるよう、全力で取り組んで参ります。
本実証研究の概要については、以下のプレスリリースもあわせてご覧ください。
■2020年9月30日発表 「みんなのコードと宮城教育大学附属小学校、国内初「コンピュータサイエンス教育」のカリキュラム開発に向けて実証研究をスタート」(※)(https://code.or.jp/news/4344/)
■2021年4月1日発表 「みんなのコードと宮城教育大附属小のコンピュータサイエンス教育の実証研究報告書を発表」(https://code.or.jp/news/9946/)