世界中で拷問が行われている
[14/05/13]
提供元:PRTIMES
提供元:PRTIMES
過去5年の調査で少なくとも141カ国で、2014年だけでも79カ国で拷問が確認されている
アムネスティ・インターナショナルは、本日5月13日、全世界で一斉に拷問廃止に向けた2年間のキャンペーンを開始した。キャンペーン開始に先立ち、世界21カ国で拷問に関する意識調査を行った。また、過去5年の調査結果に基づく拷問の実態を資料にまとめた。拷問等禁止条約が誕生し拷問が法的に禁止されてから30年たった今も、拷問はなくならず、世界中で広く行われている。政府はその正当化に治安を持ち出す。しかし拷問は残虐で非人道的な犯罪であり、どんな理由であろうと決して許されるものではない。世界中の人が拷問する者とされる者の間に立ちはだかれば、拷問は根絶できる。アムネスティは、拷問を防止するメカニズムの導入を各国政府に求めるよう、世界中の人びとに呼びかけていく。
1984年に拷問など残虐で非人道的で尊厳を奪う行為を禁止する国際条約が誕生した。条約では「拷問」を公務員など公的資格を持つ者が情報収集や罰するために身体的、精神的な重い苦痛を故意に与える行為と定義している。そして、各締約国が「拷問」を刑法上の犯罪とすること、そのような犯罪を引き渡し犯罪とすること、拷問の防止に努めることなどを義務づけている。しかし30年たった今も、根絶とはほど遠い状況にある。
アムネステイは過去5年間にわたり、141カ国の拷問を報告してきた。2014年も79カ国が拷問を行っていることが調査で明らかになったが、拷問は秘密裏に行われるため、その実数はもっと多いと考えられる。拷問等禁止条約には現在155カ国が加盟している。各国は拷問を法律で禁じていても、その裏で実際には拷問を容認、黙認しているのだ。その言い訳には、安全保障が持ち出されることが多い。
拷問は、究極の非人道的な行為である。安全保障の名の下に拷問が正当化される傾向に危機感を募らせたアムネスティは、本日、4回目の拷問キャンペーンを開始した。最初の2回のキャンペーンは拷問を阻止する国際的な仕組みづくりを求めた。そして、拷問等禁止条約の成立に大きな貢献を果たした。3回目は、世の中から拷問をなくすために「一人ひとりが一歩を踏み出そう」と呼びかけ、各国政府に拷問阻止の措置をとるよう要請した。そして4回目の今回は、世界各国へのロビー活動を展開しながら、特に5カ国に対して個別の拷問事件を取り上げながら集中的に具体的な改善措置を要請し、拷問廃止への道筋を確立し、近隣諸国への波及を狙っていく。
その5カ国とはメキシコ、ナイジェリア、フィリピン、ウズベキスタン、モロッコである。日本支部ではそのうち、メキシコ、ナイジェリア、フィリピンに特に力を入れていく。
また、日本でも拷問が行われていることに関する認知を広め、その具体的な防止策を政府に求めていく。
■日本における拷問
取調べ中に弁護士が立ち会うことができる、取調べの全過程の録音・録画制度がある、取調べ時間の制限がある、取調べと拘禁する場所が同じではない・・・これはみな、取調べ中の拷問を予防するために必要な対策として国際的に必要と考えられている基準であり、実際にそうした措置を講じることで、拷問の行使が減少することが確認されている。
しかし日本では、いずれも守られていない。
日本では、被疑者を警察署内に勾留できる「代用監獄」制度がある。これは他の国にはないシステムである。その期間は最大23日間で、これも別件逮捕でいくらでも延長できる。ヨーロッパでは警察による取調べ時間は24時間から長くて48時間であることを考えれば、異常な長さであることがわかる。1年以上勾留された事例もある。事実上期間に上限のない拘禁は、立派な拷問である。
「代用監獄」の下、被疑者は1日中、警察の管理下に置かれ、時間制限もないまま取調べを受ける。そのため、精神的に追い詰められてウソの自白をする人は少なくなくない。「えん罪の温床」と言われるゆえんだ。
2014年3月27日、死刑が確定していた袴田巌さんに対して 静岡地裁は再審開始を決定たが、袴田さんを「ウソの自白」に追い込んだのは、「代用監獄」の下で長期間の身柄拘束と時間制限のない取調べであった。
「代用監獄」は、国連拷問禁止委員会が廃止を求めている。
※拷問の意識調査
キャンペーン開始に先駆け、アムネスティは5大陸21カ国2万1千人を対象に、拷問の意識調査を行った。その結果、回答者の半数近くが、もし身柄を拘束されたら拷問を受けるかもしれないという恐怖を感じていることが明らかになった。ここにも拷問がまん延していることが、表れている。そして、8割が法で明確に拷問を禁ずるべきだとする一方で、3割近くが拷問が正当化される場合もあると考えているという結果も出た。そこにも、アムネスティは危機感を覚える。どんな例外も許すべきではない。例外の規制はたやすく崩れるものだし、そもそも拷問は例外を正当化できる行為ではない。
アムネスティ日本のキャンペーンサイトはこちら
アムネスティ・インターナショナルは、本日5月13日、全世界で一斉に拷問廃止に向けた2年間のキャンペーンを開始した。キャンペーン開始に先立ち、世界21カ国で拷問に関する意識調査を行った。また、過去5年の調査結果に基づく拷問の実態を資料にまとめた。拷問等禁止条約が誕生し拷問が法的に禁止されてから30年たった今も、拷問はなくならず、世界中で広く行われている。政府はその正当化に治安を持ち出す。しかし拷問は残虐で非人道的な犯罪であり、どんな理由であろうと決して許されるものではない。世界中の人が拷問する者とされる者の間に立ちはだかれば、拷問は根絶できる。アムネスティは、拷問を防止するメカニズムの導入を各国政府に求めるよう、世界中の人びとに呼びかけていく。
1984年に拷問など残虐で非人道的で尊厳を奪う行為を禁止する国際条約が誕生した。条約では「拷問」を公務員など公的資格を持つ者が情報収集や罰するために身体的、精神的な重い苦痛を故意に与える行為と定義している。そして、各締約国が「拷問」を刑法上の犯罪とすること、そのような犯罪を引き渡し犯罪とすること、拷問の防止に努めることなどを義務づけている。しかし30年たった今も、根絶とはほど遠い状況にある。
アムネステイは過去5年間にわたり、141カ国の拷問を報告してきた。2014年も79カ国が拷問を行っていることが調査で明らかになったが、拷問は秘密裏に行われるため、その実数はもっと多いと考えられる。拷問等禁止条約には現在155カ国が加盟している。各国は拷問を法律で禁じていても、その裏で実際には拷問を容認、黙認しているのだ。その言い訳には、安全保障が持ち出されることが多い。
拷問は、究極の非人道的な行為である。安全保障の名の下に拷問が正当化される傾向に危機感を募らせたアムネスティは、本日、4回目の拷問キャンペーンを開始した。最初の2回のキャンペーンは拷問を阻止する国際的な仕組みづくりを求めた。そして、拷問等禁止条約の成立に大きな貢献を果たした。3回目は、世の中から拷問をなくすために「一人ひとりが一歩を踏み出そう」と呼びかけ、各国政府に拷問阻止の措置をとるよう要請した。そして4回目の今回は、世界各国へのロビー活動を展開しながら、特に5カ国に対して個別の拷問事件を取り上げながら集中的に具体的な改善措置を要請し、拷問廃止への道筋を確立し、近隣諸国への波及を狙っていく。
その5カ国とはメキシコ、ナイジェリア、フィリピン、ウズベキスタン、モロッコである。日本支部ではそのうち、メキシコ、ナイジェリア、フィリピンに特に力を入れていく。
また、日本でも拷問が行われていることに関する認知を広め、その具体的な防止策を政府に求めていく。
■日本における拷問
取調べ中に弁護士が立ち会うことができる、取調べの全過程の録音・録画制度がある、取調べ時間の制限がある、取調べと拘禁する場所が同じではない・・・これはみな、取調べ中の拷問を予防するために必要な対策として国際的に必要と考えられている基準であり、実際にそうした措置を講じることで、拷問の行使が減少することが確認されている。
しかし日本では、いずれも守られていない。
日本では、被疑者を警察署内に勾留できる「代用監獄」制度がある。これは他の国にはないシステムである。その期間は最大23日間で、これも別件逮捕でいくらでも延長できる。ヨーロッパでは警察による取調べ時間は24時間から長くて48時間であることを考えれば、異常な長さであることがわかる。1年以上勾留された事例もある。事実上期間に上限のない拘禁は、立派な拷問である。
「代用監獄」の下、被疑者は1日中、警察の管理下に置かれ、時間制限もないまま取調べを受ける。そのため、精神的に追い詰められてウソの自白をする人は少なくなくない。「えん罪の温床」と言われるゆえんだ。
2014年3月27日、死刑が確定していた袴田巌さんに対して 静岡地裁は再審開始を決定たが、袴田さんを「ウソの自白」に追い込んだのは、「代用監獄」の下で長期間の身柄拘束と時間制限のない取調べであった。
「代用監獄」は、国連拷問禁止委員会が廃止を求めている。
※拷問の意識調査
キャンペーン開始に先駆け、アムネスティは5大陸21カ国2万1千人を対象に、拷問の意識調査を行った。その結果、回答者の半数近くが、もし身柄を拘束されたら拷問を受けるかもしれないという恐怖を感じていることが明らかになった。ここにも拷問がまん延していることが、表れている。そして、8割が法で明確に拷問を禁ずるべきだとする一方で、3割近くが拷問が正当化される場合もあると考えているという結果も出た。そこにも、アムネスティは危機感を覚える。どんな例外も許すべきではない。例外の規制はたやすく崩れるものだし、そもそも拷問は例外を正当化できる行為ではない。
アムネスティ日本のキャンペーンサイトはこちら