「MONEX 個人投資家サーベイ 2014 年2 月調査」
[14/02/21]
提供元:PRTIMES
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消費税率引き上げは、相場下落を引き起こすのか
マネックス証券株式会社(以下「マネックス証券」)は、2009 年10 月より、マネックス証券に口座を保有する個人投資家を対象に、相場環境に対する意識調査を月次で実施しております。
このたび、2014 年2 月7 日〜10 日にインターネットを通じて実施したアンケート調査1,276 件の回答結果を報告書にまとめました。
■調査結果の要約
(1)個人投資家の見通しDI(※1)すべてが軒並み下落 (グラフ1・グラフ2)
【日本株DI】(2014 年1 月)56→(2014 年2 月)25(前回比 -31 ポイント)
【米国株DI】(2014 年1 月)47→(2014 年2 月)38(前回比 -9 ポイント)
【中国株DI】(2014 年1 月)-36→(2014 年2 月)-54(前回比-18 ポイント)
今後3 ヶ月程度の各国(日本、米国、中国)の株式市場見通しについてたずねた。1 月下旬から2 月上旬にかけ、比較的短期間で日経平均株価が約1,400 円近く下がり投資家心理が悪化したこと、1 月下旬に発表された中国のPMI が半年ぶりに50 を割ったことなどが影響してか前回調査時(2014 年1 月実施)と比較して、日本株DI、中国株DI は2 桁の大幅下落となった。
また、米国株DI も下落した。
(※1)「上昇すると思う」と回答した割合(%)から「下落すると思う」と回答した割合(%)を引いたポイント
(2)業種別魅力度ランキング、「自動車」が4 か月連続で首位を維持 (グラフ3)
個人投資家が「魅力的であると思う業種」の上位 3 位は「自動車」、「不動産」、「医薬品」と業種の変更はなかった。トヨタが今期(2014 年3 月期)の連結純利益予想を上方修正し、過去最高益を更新したことなどが影響してか、「自動車」は4 か月連続で首位を維持。「医薬品」が2 位に浮上し「不動産」は、3 位に転落した。その他順位を上げたのは「通信」(6 位→5 位)、「鉄鋼」(11 位→9 位)、「銀行」(7 位→6 位)。反対に順位を下げたのは「ハイテク」(5 位→6位)、「小売」(9 位→11 位)。
(3)今後3 ヶ月程度の米ドル/円相場の見通し:円安を見込む向きは減少し5 割に (グラフ 4)
今後 3 ヶ月程度の米ドル/円相場の見通しについて、円安を見込む層は前回調査時より16ポイント減となった(66→50)。逆に円高を見込む層は14 ポイント増となった(10→24)。
(4)日本株取引の投資意欲DI は軒並み大幅下落 (グラフ5、グラフ5-2)
今後3 ヶ月程度の日本株への投資意欲を「売買頻度」「投資金額」「保有銘柄数」毎にたずねたところ、すべてのDI(※2)が大幅下落となった。
【売買頻度DI】(2014 年1 月)43→(2014 年2 月)31(前回比-12 ポイント)
【投資金額DI】(2014 年1 月)38→(2014 年2 月)25(前回比-13 ポイント)
【保有銘柄数DI】(2014 年1 月)32→(2014 年2 月)19(前回比-13 ポイント)
(※2)「増やしたい」と回答した割合(%)から「減らしたい」と回答した割合(%)を引いたポイント
(5)新興国の金利動向、為替動向に関心が高まる (グラフ6、グラフ6-2)
個人投資家が注目するトピックでは、前回調査時と比較して関心が高まっている項目は、新興国(中国を除く)の金利動向、為替動向であることがわかった。(前回比 新興国の金利動向:+5.5% 新興国の為替動向:+4. 5% )。
(6)日銀が追加緩和を実施する時期について (グラフ7)
日銀による追加緩和実施時期についてたずねたところ、最も多かったのが「2014 年4 月〜6月」(38%)、次に多かったのは「追加緩和なし」(20%)となった。
2014 年3 月まで(9%)、2014 年4 月〜6 月(38%)、2014 年7 月〜9 月(18%)、
2014 年10 月〜12 月(9%)、2015 年1 月以降(6%)、追加緩和なし(20%)
(7)消費税率引き上げが日本株式市場に与える影響について (グラフ 8、グラフ8-2、グラフ8-3)
2014 年4 月の消費税率引き上げに伴う日本株式市場の動向についてたずねたところ、「下落すると思う」と回答した個人投資家が全体の約半分を占め、「上昇すると思う」という回答は全体の15%にとどまった。
また、消費税率引き上げ後の保有株式に対する投資行動についてたずねたところ、「保有株式の状況次第ではあるが、消費税8%になる前に株式の一部(あるいは全部)を売却しようと思う」と考えている投資家は全体の15%であることがわかった。
消費税率引き上げ後の新たな投資先や投資金額の増額などについてたずねたところ「検討している」(28%)「検討していない」(33%)「未だわからない」(38%)「その他」(1%)となった。
■調査結果
1. 株式市場を取り巻く環境について
2. 為替市場について
3. お客さまの日本株取引について
4. 注目するトピック
5. 日銀が追加緩和を実施する時期について
6. 消費税率引き上げの日本株式市場への影響
■総 括 (マネックス証券チーフ・ストラテジスト広木 隆)
消費税増税が株式市場に与える影響を尋ねた質問に対して、回答者の約半数が「株式市場は下落する」と答えている。消費税が5%から8%に引き上げられる4 月に急落するとか、4-6 月期の景気の落ち込みがはっきりする夏場にかけてじり安となるとか、相場下落のイメージは様々であろうが、兎にも角にも株式市場にとってよろしくない影響があると多くのひとが考えている。当然と言えば当然だ。増税は景気にとってマイナス効果を与える。増税して景気がよくなることはない。
では相場にとってはどうか。ここがポイントである。株式相場にとっても景気が良いのに越したことはないとふつうは思う。ところが景気が悪くても株が上がるケースがある。いわゆる「不景気の株高」である。不況になれば政府の景気対策や日銀の金融緩和に期待が集まる。それを見越して株が買われるというわけだ。
今回もまさに「ミニ不景気の株高」現象が起きるのではないか。日銀の追加緩和が消費税増税後に実施されるとの観測は根強いものの、回答者の2 割が「追加緩和なし」と答えているように、今の日銀の様子だと追加緩和を見送る気配さえ伝わってくる。それは円安の影響で輸入品の値段が上がり、結果として消費者物価指数が上昇しているからだが、消費税増税で消費が落ち込めば日銀も安穏とはしていられないだろう。
政府にしても消費税増税後の景気を是が非でも失速させられない事情がある。平成27 年10 月に予定される消費税率8%から 10%への引き上げを年内に判断するとしているからだ。増税後、経済指標は当然のように悪化するだろう。それは避けられない。ならばどうするか?世の中のムードを明るくするのである。アベノミクスが始まって以来、我々はまさに「景気は気から」というのを実感してきたではないか。最近はアベノミクスも評価が落ちている。そこでもう一度、アベノミクスがスタートした時のようなムードを盛り立てる必要がある。「三本の矢」に再び注目を集めるのだ。成長戦略も目に見える形で推進する必要に迫られるだろうし、財政もまた大盤振る舞いするだろう。そして、日銀に対しても政府から強い圧力がかかるに違いない。アンケート回答者の多くが想定した「増税後の株安」シナリオが仮に実現するとしても、それが「催促相場」となって「三本の矢」を引き出し、結果として株式相場は年後半、再び大きく上がるだろうと予想する。
■調査の概要と回答者の属性
調査方式: インターネット調査
調査対象: マネックス証券に口座を保有している個人投資家
回答数: 1,276 件
調査期間: 2014 年2 月7 日〜2 月10 日
本情報は当社が実施したアンケートに基づいて作成したものです。
・ 本情報は売買のタイミング等を反映したものではなく、また示唆するものではありません。
・ 当社は記載した銘柄の取引を推奨し、勧誘するものではありません。
・ 当社は本情報の内容に依拠してお客さまが取った行動の結果に対し責任を負うものではご
ざいません。
・ 銘柄選択や売買タイミングなどの投資にかかる最終決定は、お客さまご自身の判断と責任
でなさるようにお願いいたします。
【マネックス証券株式会社について】
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第165 号
加入協会:日本証券業協会、一般社団法人 金融先物取引業協会、一般社団法人 日本投資顧問業協会
マネックス証券株式会社(以下「マネックス証券」)は、2009 年10 月より、マネックス証券に口座を保有する個人投資家を対象に、相場環境に対する意識調査を月次で実施しております。
このたび、2014 年2 月7 日〜10 日にインターネットを通じて実施したアンケート調査1,276 件の回答結果を報告書にまとめました。
■調査結果の要約
(1)個人投資家の見通しDI(※1)すべてが軒並み下落 (グラフ1・グラフ2)
【日本株DI】(2014 年1 月)56→(2014 年2 月)25(前回比 -31 ポイント)
【米国株DI】(2014 年1 月)47→(2014 年2 月)38(前回比 -9 ポイント)
【中国株DI】(2014 年1 月)-36→(2014 年2 月)-54(前回比-18 ポイント)
今後3 ヶ月程度の各国(日本、米国、中国)の株式市場見通しについてたずねた。1 月下旬から2 月上旬にかけ、比較的短期間で日経平均株価が約1,400 円近く下がり投資家心理が悪化したこと、1 月下旬に発表された中国のPMI が半年ぶりに50 を割ったことなどが影響してか前回調査時(2014 年1 月実施)と比較して、日本株DI、中国株DI は2 桁の大幅下落となった。
また、米国株DI も下落した。
(※1)「上昇すると思う」と回答した割合(%)から「下落すると思う」と回答した割合(%)を引いたポイント
(2)業種別魅力度ランキング、「自動車」が4 か月連続で首位を維持 (グラフ3)
個人投資家が「魅力的であると思う業種」の上位 3 位は「自動車」、「不動産」、「医薬品」と業種の変更はなかった。トヨタが今期(2014 年3 月期)の連結純利益予想を上方修正し、過去最高益を更新したことなどが影響してか、「自動車」は4 か月連続で首位を維持。「医薬品」が2 位に浮上し「不動産」は、3 位に転落した。その他順位を上げたのは「通信」(6 位→5 位)、「鉄鋼」(11 位→9 位)、「銀行」(7 位→6 位)。反対に順位を下げたのは「ハイテク」(5 位→6位)、「小売」(9 位→11 位)。
(3)今後3 ヶ月程度の米ドル/円相場の見通し:円安を見込む向きは減少し5 割に (グラフ 4)
今後 3 ヶ月程度の米ドル/円相場の見通しについて、円安を見込む層は前回調査時より16ポイント減となった(66→50)。逆に円高を見込む層は14 ポイント増となった(10→24)。
(4)日本株取引の投資意欲DI は軒並み大幅下落 (グラフ5、グラフ5-2)
今後3 ヶ月程度の日本株への投資意欲を「売買頻度」「投資金額」「保有銘柄数」毎にたずねたところ、すべてのDI(※2)が大幅下落となった。
【売買頻度DI】(2014 年1 月)43→(2014 年2 月)31(前回比-12 ポイント)
【投資金額DI】(2014 年1 月)38→(2014 年2 月)25(前回比-13 ポイント)
【保有銘柄数DI】(2014 年1 月)32→(2014 年2 月)19(前回比-13 ポイント)
(※2)「増やしたい」と回答した割合(%)から「減らしたい」と回答した割合(%)を引いたポイント
(5)新興国の金利動向、為替動向に関心が高まる (グラフ6、グラフ6-2)
個人投資家が注目するトピックでは、前回調査時と比較して関心が高まっている項目は、新興国(中国を除く)の金利動向、為替動向であることがわかった。(前回比 新興国の金利動向:+5.5% 新興国の為替動向:+4. 5% )。
(6)日銀が追加緩和を実施する時期について (グラフ7)
日銀による追加緩和実施時期についてたずねたところ、最も多かったのが「2014 年4 月〜6月」(38%)、次に多かったのは「追加緩和なし」(20%)となった。
2014 年3 月まで(9%)、2014 年4 月〜6 月(38%)、2014 年7 月〜9 月(18%)、
2014 年10 月〜12 月(9%)、2015 年1 月以降(6%)、追加緩和なし(20%)
(7)消費税率引き上げが日本株式市場に与える影響について (グラフ 8、グラフ8-2、グラフ8-3)
2014 年4 月の消費税率引き上げに伴う日本株式市場の動向についてたずねたところ、「下落すると思う」と回答した個人投資家が全体の約半分を占め、「上昇すると思う」という回答は全体の15%にとどまった。
また、消費税率引き上げ後の保有株式に対する投資行動についてたずねたところ、「保有株式の状況次第ではあるが、消費税8%になる前に株式の一部(あるいは全部)を売却しようと思う」と考えている投資家は全体の15%であることがわかった。
消費税率引き上げ後の新たな投資先や投資金額の増額などについてたずねたところ「検討している」(28%)「検討していない」(33%)「未だわからない」(38%)「その他」(1%)となった。
■調査結果
1. 株式市場を取り巻く環境について
2. 為替市場について
3. お客さまの日本株取引について
4. 注目するトピック
5. 日銀が追加緩和を実施する時期について
6. 消費税率引き上げの日本株式市場への影響
■総 括 (マネックス証券チーフ・ストラテジスト広木 隆)
消費税増税が株式市場に与える影響を尋ねた質問に対して、回答者の約半数が「株式市場は下落する」と答えている。消費税が5%から8%に引き上げられる4 月に急落するとか、4-6 月期の景気の落ち込みがはっきりする夏場にかけてじり安となるとか、相場下落のイメージは様々であろうが、兎にも角にも株式市場にとってよろしくない影響があると多くのひとが考えている。当然と言えば当然だ。増税は景気にとってマイナス効果を与える。増税して景気がよくなることはない。
では相場にとってはどうか。ここがポイントである。株式相場にとっても景気が良いのに越したことはないとふつうは思う。ところが景気が悪くても株が上がるケースがある。いわゆる「不景気の株高」である。不況になれば政府の景気対策や日銀の金融緩和に期待が集まる。それを見越して株が買われるというわけだ。
今回もまさに「ミニ不景気の株高」現象が起きるのではないか。日銀の追加緩和が消費税増税後に実施されるとの観測は根強いものの、回答者の2 割が「追加緩和なし」と答えているように、今の日銀の様子だと追加緩和を見送る気配さえ伝わってくる。それは円安の影響で輸入品の値段が上がり、結果として消費者物価指数が上昇しているからだが、消費税増税で消費が落ち込めば日銀も安穏とはしていられないだろう。
政府にしても消費税増税後の景気を是が非でも失速させられない事情がある。平成27 年10 月に予定される消費税率8%から 10%への引き上げを年内に判断するとしているからだ。増税後、経済指標は当然のように悪化するだろう。それは避けられない。ならばどうするか?世の中のムードを明るくするのである。アベノミクスが始まって以来、我々はまさに「景気は気から」というのを実感してきたではないか。最近はアベノミクスも評価が落ちている。そこでもう一度、アベノミクスがスタートした時のようなムードを盛り立てる必要がある。「三本の矢」に再び注目を集めるのだ。成長戦略も目に見える形で推進する必要に迫られるだろうし、財政もまた大盤振る舞いするだろう。そして、日銀に対しても政府から強い圧力がかかるに違いない。アンケート回答者の多くが想定した「増税後の株安」シナリオが仮に実現するとしても、それが「催促相場」となって「三本の矢」を引き出し、結果として株式相場は年後半、再び大きく上がるだろうと予想する。
■調査の概要と回答者の属性
調査方式: インターネット調査
調査対象: マネックス証券に口座を保有している個人投資家
回答数: 1,276 件
調査期間: 2014 年2 月7 日〜2 月10 日
本情報は当社が実施したアンケートに基づいて作成したものです。
・ 本情報は売買のタイミング等を反映したものではなく、また示唆するものではありません。
・ 当社は記載した銘柄の取引を推奨し、勧誘するものではありません。
・ 当社は本情報の内容に依拠してお客さまが取った行動の結果に対し責任を負うものではご
ざいません。
・ 銘柄選択や売買タイミングなどの投資にかかる最終決定は、お客さまご自身の判断と責任
でなさるようにお願いいたします。
【マネックス証券株式会社について】
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第165 号
加入協会:日本証券業協会、一般社団法人 金融先物取引業協会、一般社団法人 日本投資顧問業協会