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【2023年下半期以降の業種別倒産発生予測ランキングを発表】1位は繊維工業で105社に1社、2位は電気業で106社に1社が倒産可能性あり

〜14,688社・266,495件のネット情報等を分析し要警戒企業を抽出〜

・円安や燃料費高騰により生産コストが増加した様々な業界で倒産が発生
・1位に繊維工業、8位に繊維衣服等卸売業とアパレル業界で倒産増の懸念
・「2024年問題」に直面する運輸業で人材不足や利益減少により倒産リスクが大幅増




AI与信管理サービスを提供するアラームボックス株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役:武田浩和、以下「当社」)は、この度、2022年6月1日〜2023年5月31日の期間に収集された14,688社・266,495件のネット情報等から1年以内に倒産する危険性がある“要警戒企業”を分析・抽出し、「倒産危険度の高い上位10業種」を予測しましたので発表します。

◆倒産可能性の高い業種ランキング
[画像1: https://prtimes.jp/i/24095/71/resize/d24095-71-0f4bfe1344a34ceec4ef-0.jpg ]

◆調査背景
2023年はロシアによるウクライナ侵攻の長期化や円安を起因とした輸入コストの高騰・原油高により、多くの国内企業で生産コストが上昇しました。やむを得ず値上げに踏み切る企業が相次いでいますが、未だ多くの企業が苦境に立たされています。

このような先行き不透明な状況のなか、新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金といった企業支援策の新規受付が終了し、ゼロゼロ融資の返済が本格化します。これにより、倒産リスクが高まる企業が増加していますが、財務基盤がぜい弱な多くの企業にとって、取引先倒産によって引き起こされる代金未回収が資金繰りに与える影響は大きくなっています。これらの経営リスクを回避するべく、企業には取引先の業種動向や倒産リスクを常に把握することが求められます。

当社はこれまで企業の連鎖倒産を防ぐ取り組みとして、AI与信管理クラウドサービス「アラームボックス」で倒産の事由や前兆と見られる情報を収集・解析し、サービス利用者に提供してきました。
以上を踏まえ、“1年以内に倒産する危険性がある要警戒企業”を業界ごとに集計し、内容の分析を行うことで、取引先の与信管理におけるタイムリーな情報収集の重要性と活用法を啓発すべく、本調査の実施と発表に至りました。

◆主な調査結果
今回の調査では、円安や燃料費高騰により生産コストが増加した業種と、それらを主要取引先とする業種に倒産関連情報が多く発生していました。繊維工業と繊維・衣服等卸売業、農業と飲食料品卸売業といったように、同系列の業界内で連鎖する形での倒産も散見されました。
また、高止まりした人件費の影響を受ける業種にも倒産関連情報が多く発生しました。工事業や運輸業は人的コストが大きいうえに、人材不足による外注費の増加が採算性の低下を招いていました。特に運輸業は、これまで常態化してきた長時間労働が制限されることで労働力不足が懸念される「2024年問題」に直面しており、昨年以上に倒産関連情報が多く発生しました。

◆調査結果詳細
1位 繊維工業:105社に1社が倒産する危険性あり
主な事業:製糸業、紡績業、織物業など
過去2回の調査でも10位以内にランクインした繊維工業が、今回初めて1位となりました。もともとコロナ禍による消費者の外出減が影響し需要が縮小した結果、特に財務体質が万全でない中小アパレル企業の財務体質が弱まっていましたが、円安による原料の仕入れ値や輸入コストの増加が拍車を掛ける形で多くの企業で倒産や支払い遅延が発生していました。今後ますます激化する海外企業との競争や物価高の影響が避けられない中、ゼロゼロ融資の返済開始がどれほど影響を与えるのか、繊維工業を取引先とする企業の財務体質には注意が必要です。

2位 電気業:106社に1社が倒産する危険性あり
主な事業:発電所、電力小売りなど
1回目、2回目の調査でも2位にランクインしていた電気業が今回も2位にランクインしました。2016年の電力自由化により発電所を持たない新電力と呼ばれる電力小売り会社が多く台頭しましたが、原油や液化天然ガスなどの燃料価格が高騰した結果、電力の仕入価格が高騰し収益を圧迫している多くの事業者が、事業停止や倒産に陥っていました。また、厳しい経営状況が影響してか粉飾決算や金銭トラブルに関する情報が発生しており、電気業の倒産リスクが高まる要因となっています。

3位 設備工事業:126社に1社が倒産する危険性あり
主な事業:電気工事業、管工事業など
太陽光発電や空調設備の工事業者に破産や支払い遅延が発生していました。設備工事業は小規模の事業者が多く企業体力が頑強ではないため、人件費や資材価格の高止まりによる影響を受けたと考えられます。また、粉飾決算や代表者の資金持ち逃げによる信用失墜で資金調達難に陥っている企業が複数あり、設備工事業と取引等を行う際には業界内での取引先の評判を調べることも重要です。

4位 物品賃貸業:126社に1社が倒産する危険性あり
主な事業:産業用機械リース業、レンタカー業、レンタルビデオ業、貸衣裳業など
業務用照明器具や建設機械のリース会社に倒産情報が発生していました。今回のランキング内に工事業や製造業が多くランクインしており、これら業種の影響を受けた物品賃貸業が同様に業績悪化しているケースが散見されました。同じ物品賃貸業のなかでも、コロナ禍や円安の影響を受けやすい業界に利用される物品を取り扱う企業の倒産危険度が高まる傾向にあるため、与信管理を行う際には取引先の事業構成を理解しておくことが重要です。

5位 運輸業:135社に1社が倒産する可能性あり
主な事業:道路貨物運送業、水運業、航空運輸業、倉庫業など
業務用機械器具製造業と同数で、運輸業が5位にランクインしました。近年の燃料費や人件費の高騰により、採算性が低下したことで資金難に陥っている企業が散見されました。また、人員不足による外注費の増加も深刻化しています。運輸業では、2024年に働き方改革関連法により、自動車運転業務の年間時間外労働時間の上限が960時間に制限され、ドライバー不足がさらに加速する「2024年問題」が差し迫っています。このことから、運輸業に属する企業の倒産リスクが昨年以上に大きく高まっています。

5位 業務用機械器具製造業:135社に1社が倒産する危険性あり
主な事業:医療用機械、アミューズメント機器、光学機器などの業務用器具の製造など
技術力が高いと評判の光学機器メーカーや、老舗のアミューズメント機器メーカーなど、コロナ前には信用力のあった企業で倒産が発生していました。業務用機械器具製造業は前回の調査でも3位にランクインしています。コロナ禍で設備の先行投資による負債が負担となっている企業の息切れ倒産が懸念されていましたが、実際にコロナ支援策が終了したことにより事業再建の見通しが立たず倒産に至っているケースがあり、今後も動向に注意が必要です。

7位 職別工事業(設備工事業を除く):143社に1社が倒産する危険性あり
主な事業:とび工事、内装工事、塗装工事、鉄骨工事など
前回の調査でもランクインした職別工事業が7位にランクインしました。主に下請けとして内装工事や塗装工事を行う事業者に、事業譲渡や破産手続きの決定といった情報が発生していました。識別工事業は元請業者より経営基盤がぜい弱な下請業者が多く、人件費や燃料費の高止まりや建築資材の高騰、同業他社との価格競争などで利益率が低くなることで、倒産リスクが高まる傾向にあります。

8位 繊維・衣服等卸売業:145社に1社が倒産する危険性あり
主な事業:繊維や染材など原料の輸入、既成服の卸売業など
アパレル業界の商社部門である繊維・衣服等卸売業が前回に引き続き8位のランクインとなりました。コロナ禍の長期化による衣料品の需要低下や海外企業との競争激化により収益が低下したことで、資金調達難や破産といった内容が散見されました。近年は、老舗企業の連鎖倒産や上場廃止など厳しい業況が見て取れるため、取引先の業歴に関わらず継続的に与信管理を行うことが重要です。

9位 農業:155社に1社が倒産する危険性あり
主な事業:耕種農業、畜産農業、園芸サービス業など
畜産農業者の倒産や耕種農業者の支払い遅延が発生していました。前回、前々回の調査では1位だった農業ですが、コロナ禍の業務用需要の減少や気候変動による生産力低下に起因する業績低迷が落ち着きこのような結果となりました。一方で、飼料穀物の海外依存度の高さや燃料費高騰による生産コストの増加、過剰生産といった業界課題は依然として残っており、引き続き警戒が必要です。

10位 飲食料品卸売業:160社に1社が倒産する危険性あり
主な事業:農畜産物・水産物卸売業、食料・飲料卸売業など
野菜や食肉、鶏卵といった食材(一次産品)を扱う商社と、加工済みの食品(二次加工品)を扱う商社があり、それぞれ警戒情報は発生していましたが、特に食材を扱う商社に倒産や事業停止の情報が多く発生していました。前回の調査で1位であった農業に連鎖する形で関連企業が倒産したケースや、飲食店を主要顧客にする事業者がコロナ禍により悪化した資金繰りを立て直せず倒産したケースが散見されました。仕入先と卸先のどちらも厳しい業況が続く中で、コロナ支援策が減っていくことから倒産リスクが高まっている可能性があります。

◆考察
前回の調査でもランクインしていた7業種が、今回も10位以内にランクインしました。これらの業種は、コロナ禍で需要が減少し、コロナ後も物価高や以前ほど戻らない需要によって再建の見通しが立ちにくい企業が多く属していることから、倒産リスクが高止まりしています。特に、原材料の輸入や生産面で海外企業に依存する繊維工業や電気業、農業などは円安や燃料費高騰の影響を大きく受けています。これらの業種が衣食住の基盤となるサービスを提供していることから、今後も状況が好転せず倒産が続けば消費者の生活に大きな影響を与えることが予想されます。また、今回は資金繰りの悪化やそれに伴う粉飾決算といった情報が倒産前に発生していた企業が倒産に至るケースが散見されました。さらに、コロナ禍の需要低迷から財政を立て直せない企業が息切れ倒産を起こしている様子が見られました。
コロナは5類感染症に移行され、社会は脱コロナの動きが加速化していきます。一方で、ゼロゼロ融資の返済本格化や原価高騰が長期化することで、資金力のない中小・零細企業の倒産が増加していくことが予想されます。このような不安定な市況において、企業は、取引先の継続的な与信管理を行うことが経営を安定化させる上で重要となります。
なお、本調査で上位にランキングされた業種の企業の中にも財務状況や企業体質が良好な企業はあるため、あくまで適切な個社ごとの判断をするためにも、動向や倒産リスクをタイムリーに把握できる与信管理体制や仕組みを整えた上で取引することを推奨します。

◆調査概要
調査期間:2022年6月1日〜2023年5月31日
対象企業:アラームボックスでモニタリングしていた企業のうち、14,688社
対象データ:アラームボックスで配信されたアラーム情報266,495件

◆アラームボックスについて
AI与信管理クラウドサービス「アラームボックス」( https://alarmbox.jp )は、スマートフォンやPCから取引先を登録しておくだけで、取引先のリスクや状況変化を自動で知らせてくれるクラウドサービスです。収集・判断の難しいネット上の情報を、与信への影響度を診断したうえでお届けするため、インターネット上の情報を活用した「高精度」な与信管理を、「カンタン」に、「低価格」で導入できます。それにより、取引先の情報収集に関わる業務負荷を大幅に削減し、信用状況の変化をいち早くキャッチして、リスクに迅速に対応できます。

[画像2: https://prtimes.jp/i/24095/71/resize/d24095-71-ba4d9f448e6c5d2001fa-1.jpg ]

◆会社概要
会社名:アラームボックス株式会社
代表者:代表取締役社長 武田 浩和
所在地:東京都新宿区市谷本村町3-22
設立 :2016年6月
資本金:3.36億円
企業サイト: https://alarmbox.co.jp
サービスサイト: https://alarmbox.jp
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