新型コロナウイルス感染拡大の中、企業のマーケティング担当がとるべき7つのアプローチとは 〜消費者目線の適切な広告が求められる〜 Appier社チーフAIサイエンティストミン・スン
[20/02/21]
提供元:PRTIMES
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AI(人工知能)テクノロジー企業のAppier(エイピア、共同創業者/CEO:チハン・ユー、以下Appier)のチーフAIサイエンティストであるミン・スンは、世界各地で新型コロナウイルス(COVID-19、以下コロナウイルス)の危機が高まる今、企業のマーケティング担当者がとるべき対策を発表します。
現在、多くの企業がコロナウイルスへの対策に追われています。人々はウイルス感染を避けるために外出を控えるようになり、飲食店や小売店での消費者の姿はまばらです。Nikeや資生堂などの大手ブランドは、製造部門の休業に追い込まれ、物流の滞りや商品の在庫切れも見られます。
このような状況のなかであってもビジネスを継続するために、マーケティング担当者はどのような対策をとるべきでしょうか?ウイルス感染、商品不足、ビジネスの継続に敏感になっている消費者の気持ちを汲み取ったマーケティングを行うための7つのヒントをご紹介します。
1.危機的な状況でこそ、消費者目線のマーケティングが重要
今回のような危機の中でこそ、消費者目線に立つことが重要です。商品やサービスを売ることを優先するよりも顧客をできる限りサポートするという企業の姿勢を表明することが、今後の顧客との関わりに影響します。
中国では、Alibabaを含むEコマース、メディア、IT企業が今回の危機に関するサポートを表明しています。ラグジュアリーグループLVMHは230万ドルを中国赤十字に寄付しており、美容グループL’Orealも72万ドルを寄付するとしています。
企業のサポートは大規模である必要はなく、支援が必要とされるところにサービスや製品、寄付金を提供し、幅広い社会貢献をすることで、企業のPRにも繋がります。
2.AIが分析するトピックとキーワードで、正確なターゲティングが可能
コロナウイルスの流行は多くの消費者行動に影響を与えています。消費者はコロナウイルスについてオンラインで詳細を調べ、自分自身を守るために関連する製品を購入しています。今回の件で、ヘルスケア、ウェルネス、医療業界の企業では、商品の在庫が不足する事態となり、適切な対応を取れるかどうかが今後の消費者との関係に影響すると思われます。
AIを使用してオンラインデータを分析すると、誰がコロナウイルスに関するコンテンツを読んでいるか、どのような内容のコンテンツを読んでいるかを特定できます。その後、関心のあるトピックまたはキーワードに基づいて消費者をセグメント化し、より正確なターゲティングのもと、広告やメッセージを配信することができます。
3.アプリやオンラインコンテンツでお役立ち情報を発信
多くの人が自宅で過ごす時間が増える今、ゲームおよびビデオアプリのダウンロード数は増加傾向になります。中国のStarlist(星榜)が収集しショートビデオワークショップ(短??工?)が分析したレポートによると、Douyin(抖音)とKuaishou(快手)のビデオプラットフォームの574アカウントは、1月20日から2月2日の期間、それぞれ最大50万人のフォロワーを新たに獲得したとのことです。
このことから、ヘルスケアおよびフィットネス業界は、ウイルスに負けない体づくりのための、自宅でできる簡単なエクササイズや健康食の作り方などの動画を紹介することが有効です。
4.適切な広告で企業イメージを確保
プライバシー規制の変更により、Cookieではなく、消費者が閲覧したコンテンツに基づいてターゲティングする手法が注目されています。しかし現在のようなデリケートな時期は、適切なコンテンツであることはもちろん、広告が表示される場所にも、これまで以上に注意を払う必要があります。たとえば、個人や企業が旅行制限をしている状況を考慮すると、旅行の広告を大体的に掲載することは不適切と見なされる場合があります。
企業の評判を損なうことを避けるため、自然言語処理やディープラーニングなどのAI技術を使用して消費者が関心のあるキーワードを分析することができます。的確なキーワードで消費者をよりよく理解した広告を作成し、掲載する場所も考慮すれば、このような危機状況の中でもビジネスを促進することができます。
5.消費者とのコミュニケーションには、多様なチャネルを活用
現在、マスクなど特定の関連商品に対する高い需要や物流の遅れが目立ちますが、こんな時こそ遅延が発生している理由や今後の見通しの情報提供が求められます。消費者からの質問や苦情には、ウェブサイト、メール、ソーシャルメディア、プッシュ通知、アプリ内メッセージングなど、複数のチャネルを使って対応することで、消費者と密接に接触することができ、関係を深めることができます。
6.優先するべきは既存顧客
在庫が不足すると、既存顧客に商品を届けることができないことも想定されます。このような状況下での新規顧客の獲得は一旦停止し、既存顧客を大切にすることに焦点を当てるべきです。そうすることが優良顧客獲得に繋がります。
見込み優良顧客を特定するために、ディープラーニングを活用してデータをより効果的に分析するには、消費者の過去の行動を分析しパターンを見つけ、それに基づくグループ化を行い、各グループのコンバージョン率を予測します。この洞察が得られたら、それに応じて効果的なキャンペーンを実施します。
7.適切な情報発信が急務
コロナウイルスに対する危機感が高まっている中で、危機に関連するキーワードや画像を広告に組み込むことで消費者の関心を得ることは可能です。ただし、関連性のない商品に無差別に使用することは避け、手指消毒剤などの関連商品を使用するべきです。一方、消費者に役立つ情報やメッセージを提供することは効果的です。たとえば、美容会社のパーフェクトダイアリーは安全に生活するためのヒントを広告に入れています。また高級ランジェリーのネイワイ(内外)はWeChatにメッセージを投稿し、消費者に健康状態を保つよう呼びかけています。
[結論]
コロナウイルスが、SARSと同様の収束の動きになる場合には、小売業界は6月までに通常に戻ると予測されます。現在の市場の動向を踏まえて、上記の7つのアプローチを検討する一方、状況の変化に応じて慎重に対処することが、企業の将来に大きく影響します。
Appier について
[画像1: https://prtimes.jp/i/25921/71/resize/d25921-71-574994-0.jpg ]
Appier は、AI(人工知能)テクノロジー企業として、企業や組織の事業課題を解決するための AI プラットフォームを提供しています。詳細は<www.appier.com/jp/> をご覧ください。
※過去の発表は<https://www.appier.com/ja/category/newsletter/>をご覧ください。
ミン・スン プロフィール
[画像2: https://prtimes.jp/i/25921/71/resize/d25921-71-713271-1.png ]
2005年からGoogle Brainの共同設立者の一人であるAndrew Ng(アンドリュー・エン)氏、元Google CloudのチーフサイエンティストであるFei-fei Li(フェイフェイ・リー)氏などのプロジェクトに携わり、AAAI(アメリカ人工知能学会)をはじめ世界トップの人工知能学会で研究論文を発表。
2014年に国立清華大学の准教授に就任。2015年から2017年には、CVGIP(Computer Vision Graphics and Image Processing)Best Paper Awardsを3年連続で受賞。
専門分野は、コンピュータビジョン、自然言語処理、深層学習、強化学習。
2018年には「研究者には肩書きよりもデータが必要」と感じ、AIテクノロジー企業AppierにチーフAIサイエンティストとして参画。新製品の開発、既存製品の機能改善のほか、記述的な課題解決を行う。
現在、多くの企業がコロナウイルスへの対策に追われています。人々はウイルス感染を避けるために外出を控えるようになり、飲食店や小売店での消費者の姿はまばらです。Nikeや資生堂などの大手ブランドは、製造部門の休業に追い込まれ、物流の滞りや商品の在庫切れも見られます。
このような状況のなかであってもビジネスを継続するために、マーケティング担当者はどのような対策をとるべきでしょうか?ウイルス感染、商品不足、ビジネスの継続に敏感になっている消費者の気持ちを汲み取ったマーケティングを行うための7つのヒントをご紹介します。
1.危機的な状況でこそ、消費者目線のマーケティングが重要
今回のような危機の中でこそ、消費者目線に立つことが重要です。商品やサービスを売ることを優先するよりも顧客をできる限りサポートするという企業の姿勢を表明することが、今後の顧客との関わりに影響します。
中国では、Alibabaを含むEコマース、メディア、IT企業が今回の危機に関するサポートを表明しています。ラグジュアリーグループLVMHは230万ドルを中国赤十字に寄付しており、美容グループL’Orealも72万ドルを寄付するとしています。
企業のサポートは大規模である必要はなく、支援が必要とされるところにサービスや製品、寄付金を提供し、幅広い社会貢献をすることで、企業のPRにも繋がります。
2.AIが分析するトピックとキーワードで、正確なターゲティングが可能
コロナウイルスの流行は多くの消費者行動に影響を与えています。消費者はコロナウイルスについてオンラインで詳細を調べ、自分自身を守るために関連する製品を購入しています。今回の件で、ヘルスケア、ウェルネス、医療業界の企業では、商品の在庫が不足する事態となり、適切な対応を取れるかどうかが今後の消費者との関係に影響すると思われます。
AIを使用してオンラインデータを分析すると、誰がコロナウイルスに関するコンテンツを読んでいるか、どのような内容のコンテンツを読んでいるかを特定できます。その後、関心のあるトピックまたはキーワードに基づいて消費者をセグメント化し、より正確なターゲティングのもと、広告やメッセージを配信することができます。
3.アプリやオンラインコンテンツでお役立ち情報を発信
多くの人が自宅で過ごす時間が増える今、ゲームおよびビデオアプリのダウンロード数は増加傾向になります。中国のStarlist(星榜)が収集しショートビデオワークショップ(短??工?)が分析したレポートによると、Douyin(抖音)とKuaishou(快手)のビデオプラットフォームの574アカウントは、1月20日から2月2日の期間、それぞれ最大50万人のフォロワーを新たに獲得したとのことです。
このことから、ヘルスケアおよびフィットネス業界は、ウイルスに負けない体づくりのための、自宅でできる簡単なエクササイズや健康食の作り方などの動画を紹介することが有効です。
4.適切な広告で企業イメージを確保
プライバシー規制の変更により、Cookieではなく、消費者が閲覧したコンテンツに基づいてターゲティングする手法が注目されています。しかし現在のようなデリケートな時期は、適切なコンテンツであることはもちろん、広告が表示される場所にも、これまで以上に注意を払う必要があります。たとえば、個人や企業が旅行制限をしている状況を考慮すると、旅行の広告を大体的に掲載することは不適切と見なされる場合があります。
企業の評判を損なうことを避けるため、自然言語処理やディープラーニングなどのAI技術を使用して消費者が関心のあるキーワードを分析することができます。的確なキーワードで消費者をよりよく理解した広告を作成し、掲載する場所も考慮すれば、このような危機状況の中でもビジネスを促進することができます。
5.消費者とのコミュニケーションには、多様なチャネルを活用
現在、マスクなど特定の関連商品に対する高い需要や物流の遅れが目立ちますが、こんな時こそ遅延が発生している理由や今後の見通しの情報提供が求められます。消費者からの質問や苦情には、ウェブサイト、メール、ソーシャルメディア、プッシュ通知、アプリ内メッセージングなど、複数のチャネルを使って対応することで、消費者と密接に接触することができ、関係を深めることができます。
6.優先するべきは既存顧客
在庫が不足すると、既存顧客に商品を届けることができないことも想定されます。このような状況下での新規顧客の獲得は一旦停止し、既存顧客を大切にすることに焦点を当てるべきです。そうすることが優良顧客獲得に繋がります。
見込み優良顧客を特定するために、ディープラーニングを活用してデータをより効果的に分析するには、消費者の過去の行動を分析しパターンを見つけ、それに基づくグループ化を行い、各グループのコンバージョン率を予測します。この洞察が得られたら、それに応じて効果的なキャンペーンを実施します。
7.適切な情報発信が急務
コロナウイルスに対する危機感が高まっている中で、危機に関連するキーワードや画像を広告に組み込むことで消費者の関心を得ることは可能です。ただし、関連性のない商品に無差別に使用することは避け、手指消毒剤などの関連商品を使用するべきです。一方、消費者に役立つ情報やメッセージを提供することは効果的です。たとえば、美容会社のパーフェクトダイアリーは安全に生活するためのヒントを広告に入れています。また高級ランジェリーのネイワイ(内外)はWeChatにメッセージを投稿し、消費者に健康状態を保つよう呼びかけています。
[結論]
コロナウイルスが、SARSと同様の収束の動きになる場合には、小売業界は6月までに通常に戻ると予測されます。現在の市場の動向を踏まえて、上記の7つのアプローチを検討する一方、状況の変化に応じて慎重に対処することが、企業の将来に大きく影響します。
Appier について
[画像1: https://prtimes.jp/i/25921/71/resize/d25921-71-574994-0.jpg ]
Appier は、AI(人工知能)テクノロジー企業として、企業や組織の事業課題を解決するための AI プラットフォームを提供しています。詳細は<www.appier.com/jp/> をご覧ください。
※過去の発表は<https://www.appier.com/ja/category/newsletter/>をご覧ください。
ミン・スン プロフィール
[画像2: https://prtimes.jp/i/25921/71/resize/d25921-71-713271-1.png ]
2005年からGoogle Brainの共同設立者の一人であるAndrew Ng(アンドリュー・エン)氏、元Google CloudのチーフサイエンティストであるFei-fei Li(フェイフェイ・リー)氏などのプロジェクトに携わり、AAAI(アメリカ人工知能学会)をはじめ世界トップの人工知能学会で研究論文を発表。
2014年に国立清華大学の准教授に就任。2015年から2017年には、CVGIP(Computer Vision Graphics and Image Processing)Best Paper Awardsを3年連続で受賞。
専門分野は、コンピュータビジョン、自然言語処理、深層学習、強化学習。
2018年には「研究者には肩書きよりもデータが必要」と感じ、AIテクノロジー企業AppierにチーフAIサイエンティストとして参画。新製品の開発、既存製品の機能改善のほか、記述的な課題解決を行う。