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旭化成とNEC、秘密計算技術を活用して企業間のデータを安全に連携できる分析基盤を構築

マテリアルズ・インフォマティクスの知見を活かし社外協業における材料開発の加速を目指す




旭化成株式会社(本社:東京都千代田区、社長:工藤 幸四郎、以下「旭化成」)と、日本電気株式会社(本社:東京都港区、代表取締役 執行役員社長 兼CEO:森田 隆之、以下「NEC」)は、「秘密計算技術」を活用し、企業間で共同開発を行う際にデータを秘匿したまま安全に連携できる分析基盤を構築しました。これにより、旭化成は秘密情報を扱うことが多い材料分野の製品開発において、原料サプライヤーや加工メーカー、部品メーカーなどの企業間で安全にデータ連携が可能となります。

旭化成は顧客との協業に向けた取り組みを進めており、蓄エネルギー領域の研究開発において本分析基盤の活用を開始しました。旭化成ではこれまで培ってきた「マテリアルズ・インフォマティクス(MI)」の技術の知見を活かし、企業間の壁を越えたデータ連携により、材料開発のさらなる加速に向けて取り組んでまいります。
[画像: https://prtimes.jp/i/79452/72/resize/d79452-72-8244735c57675d21bf14-0.jpg ]

1.旭化成の取り組み
旭化成では、2017年度から機械学習などの人工知能(AI)技術を応用して材料開発の効率を高める取り組みである「マテリアルズ・インフォマティクス(MI)」を推進しており、社内でのデータ連携・活用によって、短期間で新たな素材の開発につながる成果を多数上げてきました。

一方、社外との協業においては、材料開発に関する情報の機密性が高く、同業他社や川上/川下の企業間でのデータ連携が進んでいないという課題があります。従来、企業間でデータを共有できないために最適な原料物性や組成などにたどり着くのに時間がかかり、開発期間が長期化することがありました。

そこで旭化成は、社内の蓄エネルギー領域の研究開発チームと協力し、データを秘匿化したまま計算できるNECの秘密計算技術を活用して、個別のデータは共有しないまま、連携する企業間のデータを基にMIを実施できる分析基盤を開発しました。複数社がこれまで蓄積したデータを活用して材料開発に取り組むことで、開発期間の大幅な短縮と共に、個社では成し遂げられない革新的な製品を開発し、社会に提案していくことが期待できます。

2.分析基盤の特徴
本分析基盤は、NECが保有する秘密計算技術のうち、ハードウェアを利用した方式(TEE: Trusted Execution Environment)を活用し構築しています。本方式は、分析にかかる時間が比較的短いことに加えて、幅広い分野で使用されているプログラミング言語「Python」で記述された既存の分析アプリケーションを、基本的にはそのまま秘匿化して動作させることができ、難解な秘密計算のプログラミングが不要であるという特長を持っています。

この技術を活用することにより、原料情報や加工条件、評価情報といった重要なデータを暗号化されたまま統合し、そのデータを基に、旭化成のMI技術を応用して材料開発シミュレーションを実行することができます。

3.今後の展望
今後、旭化成は実際の顧客との協業に向けた取組みを推進していく予定です。将来的には、材料開発だけでなく生産計画の最適化など、より広い分野での活用や、非競争領域における同業他社との連携も視野に入れております。

旭化成グループは今後もさらなるDX推進を図ることで、デジタルの力で境界を越えてつながり、社会に提供する価値の共創を加速していきます。

旭化成のマテリアルズ・インフォマティクス(MI)について
https://www.asahi-kasei.com/jp/company/dx/case/

旭化成のDX推進の取り組みについて
https://www.asahi-kasei.com/jp/ir/library/business/pdf/221213.pdf

NECの秘密計算技術について
https://jpn.nec.com/secure-computation/index.html
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