MSC評議員会に新たな会長と評議員が就任
[23/04/30]
提供元:PRTIMES
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MSC(海洋管理協議会)評議員会は、ハートウィグ・シェーファー氏を新しい会長に任命しました。 シェーファー氏は直ちに評議員会に加わり、これまで10年にわたって評議員会を率いてきた現会長のウェルナー・キーン氏が引退する2023年7月下旬に会長として就任する予定です。また、数名の評議員の退任に伴い、新たに5名のメンバーが加わることになります。
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ハートウィグ・シェーファー氏は、世界銀行および欧州連合において30年以上にわたって重要かつ戦略的な役職を歴任してきました。国際的に認められた、課題解決を重視した実務家であり、誰も取り残されることなく人々が生計を得る能力を向上させることにおいて高い実績を誇っています。農業経済学者で、ユストゥス・リービッヒ大学ギーセン校で農業工学の修士号、ノースカロライナ州立大学で経済学の博士号を取得しています。健全な海と沿岸資源を保護し持続可能な利用を支援するプロフィッシュやプロブルーなどの世界規模のプログラムを通じて、サステナビリティに関わる様々な課題に一貫して取り組んできました。
直近では、世界銀行の南アジア地域担当副総裁として、同地域における約600億ドル規模の開発プロジェクトやプログラムを統括しました。それまでは、グローバルテーマ担当副総裁として、気候変動など世界銀行グループの優先課題への取り組みを先導していました。それ以前には、業務政策・被支援国サービス担当副総裁として、世界銀行の全てのプロジェクトに適用されている環境・社会規準の改定を主導しました。かつては、世界銀行のアフリカ、中東地域数カ国の局長を務めたほか、持続可能な開発ネットワークの戦略・運営担当局長を務めていました。
「重要なミッションを掲げ、健全で持続可能な海に欠かすことのできない貢献をしてきたMSCで評議員会の会長を務めることを、たいへん名誉に感じます」と、シェーファー氏は述べています。「MSCの発展にとって重要な時期に任命いただいたことをうれしく思います。ミッションを重視する組織で働いてきたこれまでの経験を生かし、将来の世代にわたって水産物の供給が守られるというMSCのビジョンの実現に貢献していきます。今後、MSC評議員会、経営陣、スタッフ、ガバナンス委員会、パートナー、そしてすべてのステークホルダーと協働できることを心待ちにしています」
MSC評議員会会長のウェルナー・キーン氏は次期会長のシェーファー氏を歓迎し、次のように述べました。
「MSCは、マーケット主導による経済的インセンティブを通じて持続可能な漁業を推進し、そうした漁業の取り組みに報いるために、ビジネスと環境保護双方の観点から様々なステークホルダーと協働してきました。MSCの活動はSDGs(国連の持続可能な開発目標)の達成に向けて重要な貢献を果たしています。小規模ながらも野心的なプログラムとして始動したMSCは、25年余りを経て、水産物市場変革の真の誘因となるまでに発展し、成長を遂げたのです。
MSC評議員会のメンバーとして、また会長として、MSCに貢献できたことを光栄に思います。健全な海を守るうえでMSCプログラムが担う極めて重要な役割について、ハートウィグ・シェーファー氏が十分に認識して会長職を引き継いでくれることをうれしく思っています。会長を退任するにあたり、過去10年間一緒に仕事をしてきた評議員会のメンバー、そして会長在任期間中、私に貴重な助言と支援を与えてくれたMSCの役員やスタッフに敬意を表します」
MSCの最高責任者であるルパート・ハウズは、次のように述べました。
「ウェルナー・キーン氏は10年にわたってMSC評議員会の会長を務めてきました。キーン氏は真のリーダーです。彼の洞察力と人格はMSCにとって大変貴重なものでした。一緒に仕事をするのはとても楽しく、退任することを寂しく思います。彼のリーダーシップのもとで、MSCは二度の中期計画の策定、漁業認証規格とCoC認証規格の改定、そして世界的な感染症の拡大による不確実性への対応など、重要な節目や出来事を経験してきました。
新たな中期計画を実現し、組織として次の段階に進むにあたって、幸運にもハートウィグ・シェーファー氏がこの重要な役割を担うことを快諾してくれました。また、評議員会に新たなメンバーを迎え入れることができうれしく思います。シェーファー氏および多様なメンバーとともに、MSCの重要なビジョンを実現していくことを楽しみにしています」
新しいメンバーがもたらす新たな視点
2023年7月より、4名の新しいメンバーがMSC評議員会に加わることになりました。この重要な任命によって、MSC評議員会は、組織の戦略的方向性を定めるうえで、幅広い知識と専門性を維持し続けることができます。
新メンバーは以下の方々です。
ミケル・ダーラム氏
米国を拠点とするダーラム氏は、25年以上にわたって世界の食品・飲料業界を牽引し、ネイキッドジュース、ペプシ、ギネス、キャドバリーといったブランドの育成に携わってきました。現在はタイソンフーズの取締役を務め、それ以前はアメリカン・シーフーズの最高責任者、アラスカスケトウダラ生産者協会(GAPP)の会長、必要とされている物資を人々に届ける慈善団体のグローバルリーダーであるGood 360の副会長を務めていました。
ダリアン・マクベイン氏
シンガポールを拠点とするマクベイン氏は、サステナビリティに関するコンサルティング会社であるOCSOアジアのチーフ・エグゼクティブであり、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス&ポリティカル・サイエンスの実務家客員教授を務めています。また、「現代奴隷」に反対する非営利団体ビー・スレイバリー・フリーおよびGDST(水産物トレーサビリティのためのグローバル・ダイアログ)の会長でもあります。それ以前にはタイ・ユニオンのコーポレート・アフェアーズ&サステナビリティ担当マネージング・ディレクター、シンガポール通貨監督庁のチーフ・サステナビリティ・オフィサーを務めました。MSCのステークホルダー諮問委員会の元メンバーでもあります。
エドワード・ヌジョロゲ氏
ケニアを拠点とするヌジョロゲ氏は、テレコム・ケニアの会長で、ナイロビ証券取引所の会長をはじめ複数の組織の取締役を務めてきました。ナイロビの水源を保護するためにネイチャー・コンサーヴァンシー(TNC)が設立したナイロビ・タナ川上流水基金の代表を務めています。2020〜21年には、国際標準化機構(ISO)の会長を務めました。
セルヒオ・エスペホ・ヤクシク氏
チリを拠点とする元政治家のエスペホ・ヤクシク氏は、チリ政府の運輸通信大臣をはじめとする複数の要職を歴任しました。現在は、ラス・リラス不動産の最高経営責任者、ヴィタル通信のシニアコンサルタント、そしてコアニル財団の理事を務めています。
また、2024年7月よりビルギット・キャメロン氏が評議員会に加わる予定です。米国を拠点とするキャメロン氏は、アウトドアブランドのパタゴニア社の食品事業部門であるパタゴニアプロビジョンズの共同創業者であり、2022年まで同社の最高責任者を務めました。現在は、アラインEキャピタルのシニアアドバイザー、そしてアトモ・ビーンレス・コーヒーの理事を務めています。
注記
MSC評議員会は、水産業、自然保護、水産科学、政府、消費者、小売業、その他の分野での経験を持つ9名のメンバーで構成されています。メンバーの人選は、意思決定のバランスが保たれ、多様な専門知識、利害、地域性が反映されるように慎重におこなわれます。
評議員は、その知識、専門性、MSCへの支援を考慮して選ばれます。新任の評議員候補者については、外部への告知を経て選定され、最終候補者は、会長、ほかの評議員メンバー、MSCの最高責任者および最高執行責任者との正式な面接を受けます。
評議員は、所属組織の代表としてではなく、個人の能力によって任命されます。その任期は3年で、1回の再任が可能です。会長は、最長で3年の任期を3期まで務めることができます。
MSC(海洋管理協議会)について
将来の世代まで水産資源を残していくために、認証制度と水産エコラベルを通じて、持続可能で適切に管理された漁業の普及に努める国際的な非営利団体です。本部をロンドンとし1997年に設立され、現在は約20カ国に事務所をおき世界中で活動しています。MSCジャパンは2007年に設立。MSC「海のエコラベル」の付いた水産品は、2021年度には世界62カ国で20,000品目以上、日本では500品目以上が販売されました。国内ではイオングループ、生協・コープ、セブン&アイグループ、ライフ、マクドナルドなどで購入できます。
持続可能で適切に管理された漁業のためのMSC漁業認証規格は、世界で広く認知されており、最新かつ確実な科学的根拠に基づき策定されたものです。FAO(国連食糧農業機関)とISEAL(国際社会環境認定表示連合)双方の要求事項を満たした世界で唯一の漁業認証プログラムでもあります。漁業がこの規格を満たすためには、(1)水産資源が持続可能なレベルにあり、(2)漁業による環境への負荷が抑えられており、(3)長期的な持続可能性を確実なものにする管理システムが機能していることを、第三者審査機関による審査を通じて実証することが求められます。
詳しくはMSCウェブサイトをご覧ください:https://www.msc.org/jp
MSC「海のエコラベル」について
MSCの厳格な認証規格に適合した持続可能な漁業で獲られた水産物にのみ認められる証、それがMSC「海のエコラベル」です。
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