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日本人の癒やし空間「和室」に欠かせない畳を扱う業者が多いのは山形県!

〜人口10万人当たりの業種分類「畳」の登録件数は山形県、福島県、熊本県がトップ3に〜

 NTTタウンページ株式会社(代表取締役社長:岡田 昭彦、本社:東京都港区虎ノ門3-8-8)は、タウンページデータベース(職業別電話帳データ)を活用してさまざまなマーケティング情報を提供しており、自社が運営するタウンページデータベース紹介サイト(http://tpdb.jp)では、毎月独自の都道府県ランキングを発表しています。第72回のテーマは、「畳」に関するランキングです。




[画像1: https://prtimes.jp/i/2308/77/resize/d2308-77-337620-4.jpg ]
 生活スタイルの変化から、急激に減少していると言われる「和室」。でも、旅先で和室に通されると、懐かしさを感じたりホッとしてくつろげる人も多いのでは。そんな「畳」の記念日は春と秋、年に2回あります。秋の「畳の日」は9月24日で冬の衣替えを前に、畳を上げて大掃除を推奨する日として。春は4月29日で、畳の原材料イグサが田園をみどり一面に染めて育つ春の記念日として制定されました。
 今月は、日本人の心の風景、「畳」のランキングです。

【古来より、独自に発展した日本の畳文化】
 日本文化には中国伝来のものが数多くありますが、実は畳は日本固有の文化です。その歴史は古く、古事記にも記述されるほど。現在の畳に似た構造になったのは平安時代で、板敷に座具や寝具として置かれたそうです。鎌倉時代に書院造(しょいんづくり)が生まれて部屋全体に畳を敷き詰めるようになり、桃山時代茶道が発展したことで、徐々に町人にも広がりました。庶民が使用できるようになったのは、江戸時代中期以降。畳師・畳屋と呼ばれる人が活躍しました。
 参考サイト:全国畳産業振興会(http://www.tatami.in/history/index.html

 戦後の高度成長に伴い畳の需要も大きく伸びますが、生活・建築の洋風化とともに徐々に減少に向かいました。い草・畳表の生産量日本一を誇る熊本県い業生産販売振興協会の調査によると、畳表の年間需要量は、1993年には4500万畳だったものが2008年には1720万畳と約3分の1にまで減ってしまいました。

 ただ、ちょっと嬉しい兆しも見え始めました。住宅メーカーのアキュラホームが、住まいと暮らしに関する調査研究を行う目的で設立した、アキュラホーム住生活研究所のデータ<図1>を見ると、「和室・畳コーナーのある間取りの割合」はこの3年、増加傾向にあり、「6畳以上の和室」も一旦は減少しましたが昨年は持ち直しています。その理由として挙げられているのは、自宅の来客が減ったり、親や親戚も泊まる機会がなくなってきたことから客間としての和室は不要になっているものの、住まい手がくつろぐ、子供を寝かしつける、洗濯物をたたむ、といった毎日の暮らしの空間として和室や畳コーナーが見直されているから。確かに、フローリングの床に洗濯物を置くのは、抵抗がありますよね。
 参考サイト:アキュラホーム住生活研究所(http://www.aqura.co.jp/lab/ah/ah20170209/

<図1>和室・畳コーナー採用率と六畳以上の和室の割合
[画像2: https://prtimes.jp/i/2308/77/resize/d2308-77-935989-0.jpg ]

 また、畳の持つ保温断熱性、湿度調整、弾力性や環境への優しさなどが見直されていることや、畳縁を無くした琉球畳やカラー畳、和紙畳など、デザイン性に優れた畳の出現も影響しているかもしれません。加えて、急増する訪日外国人客は「布団と畳」を好む人も多く、インバウンド需要が見込める可能性もあります。

【東北と九州は和室好きが多い?】
 業種分類「畳」の登録件数は、この10年で17,472件から12,224件とゆるやかに減少していますが、和室の急激な減り方と比較すると、意外と健闘していることがわかります。やはり、畳コーナーや琉球畳など和モダンの家づくりが功を奏しているのでしょうか。

<図2>業種分類「畳」の登録件数推移(2008年〜2017年)
[画像3: https://prtimes.jp/i/2308/77/resize/d2308-77-893702-1.jpg ]


 人口約10万人当たりの登録件数でみると、1位は山形県(18.17件)、2位は福島県(17.87件)、3位は熊本県(17.40件)になりました。4年間、この順位は変わっておらず、トップ10の中には東北、九州が多く含まれています。

<図3>業種分類「畳」の登録件数による偏差値の都道府県ランキング(2017年)
[画像4: https://prtimes.jp/i/2308/77/resize/d2308-77-636308-2.jpg ]

 1位の山形県は、平成25年総務省の住宅・土地統計調査速報集計によると、都道府県別持ち家率で3位。家で寛ぐスペースとして、畳が欠かせないのでしょう。寒河江市には、輸入物に席巻される畳表の生産現場を知ったことから「国産畳の文化を守る」という使命のもと、い草生産者と畳店を結ぶネットワーク「畳屋道場」を組織したり、「いぐさピロー」や「いぐさロール」といった新商品を開発するなど、新しい畳のあり方を打ち出す鏡畳店があります。
 参考サイト:鏡畳店(http://www.igusa.net/dojo/index.html

 2位の福島県は、畳製造業のレベルの高さに定評のある県。福島県畳工業組合には、技能振興関係優良団体として厚生大臣表彰を受けただけでなく、個人でも技能グランプリで全国優勝を果たした職人や、「現代の名工」を受賞した職人がいます。

 3位の熊本県は、国産い草の生産高では日本一。2015年のシェアは97.8%とほぼ独占状態で、日本で唯一のい草の試験研究機関もあります。最近では、畳縁にくまモンがデザインされた畳も販売されています。全国の畳店で施工が可能とのことですので、畳替えの予定がある方は検討されてはいかがでしょう。

【思わずほっこり。畳店の新たな取り組み】
 畳店では、全国で小学校や保育園に畳を寄付する運動が増えています。和室が減ったことで、畳の上で過ごした経験がない子供や、和室そのものを知らない留学生に畳の良さを経験してもらおうという思いから始まった取り組みです。転げ回ってはしゃいだり、お茶や和菓子を味わったり、お手玉やかるたなど日本の伝統的な遊びを楽しむなど、畳の良さを体験する良い機会になっているそうで、子供達からの反応は上々のようです。

 災害が起きたら、避難所に無料で畳を届ける「5日で5000枚の約束。」というプロジェクトも広がっています。阪神大震災で被災した経験を持つ兵庫県の畳店店主が、東日本大震災の折に体育館の冷たい床で身を寄せ合う被災者の姿を見て、「畳屋としてなんとかしたい」という思いから呼びかけを行いました。全国約500店の畳店が自ら手を上げて「届ける枚数」を約束し、迅速に届ける仕組みを確立、昨年の熊本地震では6,206枚の畳を届けました。
[画像5: https://prtimes.jp/i/2308/77/resize/d2308-77-982758-3.jpg ]



 素足で畳の上を歩いたり、寝転がってくつろいだり、ラグなどを敷かずにそのまま直に置くことが出来るコタツで暖をとるなど、生活がどんなに洋式化しても畳でなければ味わえない「癒し」は計り知れません。そして、畳が日本文化に果たしてきた役割も想像以上に大きいもの。この文化を失くさないよう、私たち大人が畳の良さを子供達に伝えていきたいですね。
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