AltPaperストレスチェックの2019年実施レポート公開 製造業に次いで宿泊・飲食サービスに高ストレス者が集中
[20/06/19]
提供元:PRTIMES
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〜2019年実施の962事業者・約15万3000人の回答結果から業種別ストレス平均値を算出〜
東大発ベンチャーである株式会社情報基盤開発(本社:東京都文京区、代表取締役:鎌田長明)は、弊社サービス「AltPaperストレスチェックキット」をご利用いただいたお客様からデータ※1をご提供いただき、高ストレス者※2の割合・総合健康リスク※3・各種ストレス尺度について業種別に平均値を算出しました。
各業種の詳細な分析結果につきましては、弊社公式ブログ「AltPaperストレスチェックマガジン」(https://www.altpaper.net/b/)にて順次公開して参りますので、そちらをご参照ください。
調査結果概要
今回公開する2019年「業界平均値」データは、当社サービス「AltPaperストレスチェックキット」を2019 年中に実施いただいた事業者を対象に、集団分析結果のご提供の承諾を個別に伺い、同意いただいた事業者のデータのみを用いて分析を行ないました。2019 年 12 月末日までに当社で集計を完了した 962 事業者の男性 84,328
名、女性 68,806 名、計153,134名のデータが含まれます。
※2019年単年の「AltPaperストレスチェックキット」導入事業者数は約1,800社、受検者数は約30万人
事業者ごとに男性と女性のデータを分け、高ストレス者の割合・総合健康リスク・各種ストレス尺度の平均値および業種別の平均値を算出した結果の要旨を以下に示します。
[画像1: https://prtimes.jp/i/16738/77/resize/d16738-77-514429-4.jpg ]
本分析の結果、2019年度に実施されたストレスチェックでは「同業種内では全体的に女性よりも男性の方が高ストレス者の割合及び総合健康リスクが高い傾向」にあることが分かりました。
2017年・2018年度業界平均値(弊社調べ)においてもこの傾向は確認されています。この結果から、日本全国において就労の現場で「男性の方がより肉体的・業務的に高負荷の業務にあたる」ケースがいまだ一般的なのではないかと推測されます。
また、E. 製造業/M. 宿泊業,飲食サービス業の従事者については、男女共に高ストレス者の割合及び総合健康リスクが高く出ています。
さらに、業種別に見ていくと、男性の高ストレス者の割合が15%以上を占めたのは、
E. 製造業
G. 情報通信業
I. 卸売業,小売業
M. 宿泊業,飲食サービス業
P84-85. 保健衛生、社会保険・社会福祉・介護事業
です。
一方で、女性については、高ストレス者の割合が15%を超える業種は
E. 製造業
M. 宿泊業,飲食サービス業
の二種類でした。
総合健康リスクについては、ほとんどの業種で全国平均の100前後に納まる数値が見られています。健康問題発生リスクが全国平均より10%高いと推定される業種(全国平均100を10上回っている業種)はE. 製造業のみという結果になりました。
----------------------
男性で総合健康リスクが100を超えたのは、
E. 製造業
H. 運輸業,郵便業
I. 卸売業,小売業
M. 宿泊業,飲食サービス業
P83. 医療業
P84-85. 保健衛生、社会保険・社会福祉・介護事業
Q. R.複合サービス事業・ 公務(他に分類されないもの)
T. 分類不能の産業
です。
女性では総合健康リスクが110を超えた業種は見られませんでしたが、E. 製造業、H. 運輸業,郵便業では、比較的高い数値が出ています。
従業員数別では、中小企業にあたる50〜99人、100〜299人レベルの企業は比較的総合健康リスクが高くなるが、高ストレス者割合では小規模・大規模である〜49人、1000人〜レベルの企業で高まるという傾向が見られます。
全体を通して見ると総合的に健康リスクは100前後に納まる業界が多く、就労環境の改善が現れていると考えられます。また、2019年度も「高ストレス者の割合が高いにも関わらず総合健康リスクは低い」という、通常想定される結果とは逆の関係性が生じた業種が見られました。
今後、さらなる要因の特定のため、現在主に用いられている高ストレス者の定義づけや総合健康リスクの算出に追加して別の検討方法を模索していく必要があると思われます。
その他、健康リスクの数値を表す「仕事のストレス判定図」、「高ストレス者と総合健康リスクの関係性」につきましては、以下の【業種別ストレス平均値 調査結果詳細】をご覧ください。
----------------------
1. データの取り扱いについて
・各事業者様にご提供いただいたデータにつきましては、業種・規模・地域をお伺いして分類することとし、個々の事業者様・受検者様を識別できないようにして取り扱っております。
・各受検者様の回答につきましては、性別・職種と57項目・80項目の回答データのみ使用することとし、個人を識別できないようにして取り扱っております。
2.「高ストレス者」とは
厚生労働省(令和元年7月)が公表したマニュアルに基づいており、以下(1)及び(2)に該当する者を指します。(1)及び(2)に該当する者の割合については、概ね全体の10%程度を基準とします。
(1)「心身のストレス反応(29項目6尺度)」の合計が12点以下
(2)「心身のストレス反応(29項目6尺度)」の合計が17点以下で「仕事のストレス要因(17項目9尺度)」及び「周囲のサポート(9項目3尺度)」の合計が26点以下
3.「健康リスク」とは
基準値として設定された全国平均値100からどの程度乖離しているかで算出されます。また、健康リスクの数値を表す「仕事のストレス判定図」は、量-コントロール判定図と職場の支援判定図の二つをさらに男女別に分けたもので構成されます。この二つの調和平均が「総合健康リスク」となります。
◆仕事のストレス判定図
(1)量-コントロール判定図…仕事の量的負担とそれに対するコントロールの度合い(裁量権)による健康リスク
(2)職場の支援判定図…上司の支援と同僚の支援の状況・バランスによる健康リスク
----------------------
【関連サイト】
・公式ブログ「AltPaperストレスチェックマガジン」
https://www.altpaper.net/b/
・「AltPaperストレスチェックキット」サービス詳細
https://www.altpaper.net/sc/
【株式会社情報基盤開発とは】
株式会社情報基盤開発は東京大学発のベンチャー企業です。学内で研究・開発された画像処理技術及びデータベース技術を用いて紙への書き込みをデータ化し、オフィスの生産性を向上することをミッションにしています。
アンケート自動集計システム「AltPaper」によって紙アンケートのデータ入力業務を効率化する事業をはじめ、ストレスチェックキットの販売やOEM提供、メンタルヘルスなどの相談窓口代行を行うEAP(従業員支援プログラム)サービスの提供等、働き方改革や健康経営につながる事業に取り組んでいます。
【報道関係者様・研究機関関係者様】
弊社は、ストレスチェック制度の更なる充実化・労働者のメンタルヘルスの向上に貢献したいと考えております。調査データのご提供や研究協力などのお役に立てたらと思っておりますので、興味・関心をお持ちいただけましたら、下記お問い合わせ先までご連絡ください。
【本件に関するお問い合わせ先】
株式会社情報基盤開発 広報部
Tel:0120-922-552
E-mail:pr@altpaper.net
URL:https://www.altpaper.net/
東京都文京区湯島4丁目1番地11号 南山堂ビル3F
【業種別ストレス平均値 調査結果詳細】
調査方法
業種別ストレス平均値は、弊社の「AltPaperストレスチェックキット」をご利用いただいた事業者様の中で集団分析データをご提供いただいた事業者様のデータのみを用いて、男女別・業種別に分析しました。2019年にストレスチェックを実施され、2019年12月末日までに弊社で集計を完了した934事業者様の男性84,328名、女性68,806名のデータを使用しています。
比較の基準としている「全国(厚労省データ)」は、“厚生労働省科学研究費補助金労働安全衛生総合研究事業「職業性ストレス簡易調査票及び労働者の疲労蓄積度自己診断チェックリストの職種に応じた活用法に関する研究」平成19年度総括・分担報告書 表4 職業性ストレス簡易調査票下位尺度の職種別平均値及び標準集団との比較”が出典です。
集計につきましては、事業者様ごとに男性と女性を分けて、高ストレス者の出現割合、健康リスク、各尺度の平均値を業種ごとに算出しました。
----------------------
※業種の分類:日本標準産業分類の大分類(一部中分類)
A. 農業・林業,B. 漁業,D. 建設業
E. 製造業
F. 電気・ガス・熱供給・水道業
G. 情報通信業
H. 運輸業,郵便業
I. 卸売業,小売業
J. 金融業・保険業, K. 不動産業・物品賃貸業
L. 学術研究,専門・技術サービス業
M. 宿泊業,飲食サービス業
N. 生活関連サービス業,娯楽業
O. 教育,学習支援業
P83. 医療業
P84-85. 保健衛生、社会保険・社会福祉・介護事業
Q. 複合サービス事業,R. サービス業(他に分類されないもの),S. 公務(他に分類されるものを除く)
T. 分類不能の産業
を使用しています。
「C.鉱業、採石業、砂利採取業」については、今回の調査で該当する事業者様がございませんでしたので、省略しています。
仕事のストレス判定図
[画像2: https://prtimes.jp/i/16738/77/resize/d16738-77-787078-5.jpg ]
[画像3: https://prtimes.jp/i/16738/77/resize/d16738-77-133721-6.jpg ]
[画像4: https://prtimes.jp/i/16738/77/resize/d16738-77-857515-7.jpg ]
業種別に見た時に、総合健康リスクが110を超えたのは、男性のE. 製造業のみとなりました。女性の総合健康リスクについては、110を超えた業種は見られませんでしたが、E. 製造業では全国平均(100)を上回る数値が出ています。この業種については、量-コントロールによるリスク、職場の支援によるリスクも共に男女平均を超えており、特に男性の職場の支援リスクは110近くなっています。
一方で、量-コントロール、職場の支援リスクが男女ともに100未満であったのは、
F. 電気・ガス・熱供給・水道業
N. 生活関連サービス業,娯楽業
O. 教育,学習支援業
です。
全体的に総合健康リスクの値は女性よりも男性の方が高いことが見て取れますが、例外的にF. 電気・ガス・熱供給・水道業については女性の総合健康リスクの方が高い結果がでました。
高ストレス者と総合健康リスクの関係性について
[画像5: https://prtimes.jp/i/16738/77/resize/d16738-77-559482-2.jpg ]
通常は高ストレス者の割合が高いほど総合健康リスクの値は高くなると考えられます。
高ストレス者の割合と総合健康リスクが共に低かったのは、「T. 分類不能の産業」を除き、
男性の
F. 電気・ガス・熱供給・水道業、
J. 金融業・保険業, K. 不動産業・物品賃貸業
女性の
F. 電気・ガス・熱供給・水道業、
H. 運輸業,郵便業、
N. 生活関連サービス業,娯楽業
です。
男性のE. 製造業については、高ストレス者の割合が19%以上かつ総合健康リスクの値は110を超えています。
その他に高ストレス者の割合が高かった業種の中でも、
男性の
I. 卸売業,小売業、
M. 宿泊業,飲食サービス業
P84-85. 保健衛生、社会保険・社会福祉・介護事業
女性の
M. 宿泊業,飲食サービス業
P83. 医療業
については、総合健康リスクも比較的高い数値が出ています。
一方で、高ストレス者の割合が高いにも関らず総合健康リスクが低い業種も散見されました。
例えば、男女ともに
G. 情報通信業
M. 宿泊業,飲食サービス業
O. 教育,学習支援業
P83. 医療業
は、総合健康リスクは100以下にもかかわらず、高ストレス者割合は10%を超え注意が必要な範囲を示しています。
逆に総合健康リスクが高いけれど、高ストレス者が低い業種はこの結果には見られず、「総合健康リスクの改善と並行して、従業員個別のストレスケアが必要」という仮説が考えられます。
「総合健康リスクが低い=職場のメンタルヘルスに問題がない」と一概には言えません。今後も各職場にあった継続的な対応・改善策の実施が望まれます。
東大発ベンチャーである株式会社情報基盤開発(本社:東京都文京区、代表取締役:鎌田長明)は、弊社サービス「AltPaperストレスチェックキット」をご利用いただいたお客様からデータ※1をご提供いただき、高ストレス者※2の割合・総合健康リスク※3・各種ストレス尺度について業種別に平均値を算出しました。
各業種の詳細な分析結果につきましては、弊社公式ブログ「AltPaperストレスチェックマガジン」(https://www.altpaper.net/b/)にて順次公開して参りますので、そちらをご参照ください。
調査結果概要
今回公開する2019年「業界平均値」データは、当社サービス「AltPaperストレスチェックキット」を2019 年中に実施いただいた事業者を対象に、集団分析結果のご提供の承諾を個別に伺い、同意いただいた事業者のデータのみを用いて分析を行ないました。2019 年 12 月末日までに当社で集計を完了した 962 事業者の男性 84,328
名、女性 68,806 名、計153,134名のデータが含まれます。
※2019年単年の「AltPaperストレスチェックキット」導入事業者数は約1,800社、受検者数は約30万人
事業者ごとに男性と女性のデータを分け、高ストレス者の割合・総合健康リスク・各種ストレス尺度の平均値および業種別の平均値を算出した結果の要旨を以下に示します。
[画像1: https://prtimes.jp/i/16738/77/resize/d16738-77-514429-4.jpg ]
本分析の結果、2019年度に実施されたストレスチェックでは「同業種内では全体的に女性よりも男性の方が高ストレス者の割合及び総合健康リスクが高い傾向」にあることが分かりました。
2017年・2018年度業界平均値(弊社調べ)においてもこの傾向は確認されています。この結果から、日本全国において就労の現場で「男性の方がより肉体的・業務的に高負荷の業務にあたる」ケースがいまだ一般的なのではないかと推測されます。
また、E. 製造業/M. 宿泊業,飲食サービス業の従事者については、男女共に高ストレス者の割合及び総合健康リスクが高く出ています。
さらに、業種別に見ていくと、男性の高ストレス者の割合が15%以上を占めたのは、
E. 製造業
G. 情報通信業
I. 卸売業,小売業
M. 宿泊業,飲食サービス業
P84-85. 保健衛生、社会保険・社会福祉・介護事業
です。
一方で、女性については、高ストレス者の割合が15%を超える業種は
E. 製造業
M. 宿泊業,飲食サービス業
の二種類でした。
総合健康リスクについては、ほとんどの業種で全国平均の100前後に納まる数値が見られています。健康問題発生リスクが全国平均より10%高いと推定される業種(全国平均100を10上回っている業種)はE. 製造業のみという結果になりました。
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男性で総合健康リスクが100を超えたのは、
E. 製造業
H. 運輸業,郵便業
I. 卸売業,小売業
M. 宿泊業,飲食サービス業
P83. 医療業
P84-85. 保健衛生、社会保険・社会福祉・介護事業
Q. R.複合サービス事業・ 公務(他に分類されないもの)
T. 分類不能の産業
です。
女性では総合健康リスクが110を超えた業種は見られませんでしたが、E. 製造業、H. 運輸業,郵便業では、比較的高い数値が出ています。
従業員数別では、中小企業にあたる50〜99人、100〜299人レベルの企業は比較的総合健康リスクが高くなるが、高ストレス者割合では小規模・大規模である〜49人、1000人〜レベルの企業で高まるという傾向が見られます。
全体を通して見ると総合的に健康リスクは100前後に納まる業界が多く、就労環境の改善が現れていると考えられます。また、2019年度も「高ストレス者の割合が高いにも関わらず総合健康リスクは低い」という、通常想定される結果とは逆の関係性が生じた業種が見られました。
今後、さらなる要因の特定のため、現在主に用いられている高ストレス者の定義づけや総合健康リスクの算出に追加して別の検討方法を模索していく必要があると思われます。
その他、健康リスクの数値を表す「仕事のストレス判定図」、「高ストレス者と総合健康リスクの関係性」につきましては、以下の【業種別ストレス平均値 調査結果詳細】をご覧ください。
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1. データの取り扱いについて
・各事業者様にご提供いただいたデータにつきましては、業種・規模・地域をお伺いして分類することとし、個々の事業者様・受検者様を識別できないようにして取り扱っております。
・各受検者様の回答につきましては、性別・職種と57項目・80項目の回答データのみ使用することとし、個人を識別できないようにして取り扱っております。
2.「高ストレス者」とは
厚生労働省(令和元年7月)が公表したマニュアルに基づいており、以下(1)及び(2)に該当する者を指します。(1)及び(2)に該当する者の割合については、概ね全体の10%程度を基準とします。
(1)「心身のストレス反応(29項目6尺度)」の合計が12点以下
(2)「心身のストレス反応(29項目6尺度)」の合計が17点以下で「仕事のストレス要因(17項目9尺度)」及び「周囲のサポート(9項目3尺度)」の合計が26点以下
3.「健康リスク」とは
基準値として設定された全国平均値100からどの程度乖離しているかで算出されます。また、健康リスクの数値を表す「仕事のストレス判定図」は、量-コントロール判定図と職場の支援判定図の二つをさらに男女別に分けたもので構成されます。この二つの調和平均が「総合健康リスク」となります。
◆仕事のストレス判定図
(1)量-コントロール判定図…仕事の量的負担とそれに対するコントロールの度合い(裁量権)による健康リスク
(2)職場の支援判定図…上司の支援と同僚の支援の状況・バランスによる健康リスク
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【関連サイト】
・公式ブログ「AltPaperストレスチェックマガジン」
https://www.altpaper.net/b/
・「AltPaperストレスチェックキット」サービス詳細
https://www.altpaper.net/sc/
【株式会社情報基盤開発とは】
株式会社情報基盤開発は東京大学発のベンチャー企業です。学内で研究・開発された画像処理技術及びデータベース技術を用いて紙への書き込みをデータ化し、オフィスの生産性を向上することをミッションにしています。
アンケート自動集計システム「AltPaper」によって紙アンケートのデータ入力業務を効率化する事業をはじめ、ストレスチェックキットの販売やOEM提供、メンタルヘルスなどの相談窓口代行を行うEAP(従業員支援プログラム)サービスの提供等、働き方改革や健康経営につながる事業に取り組んでいます。
【報道関係者様・研究機関関係者様】
弊社は、ストレスチェック制度の更なる充実化・労働者のメンタルヘルスの向上に貢献したいと考えております。調査データのご提供や研究協力などのお役に立てたらと思っておりますので、興味・関心をお持ちいただけましたら、下記お問い合わせ先までご連絡ください。
【本件に関するお問い合わせ先】
株式会社情報基盤開発 広報部
Tel:0120-922-552
E-mail:pr@altpaper.net
URL:https://www.altpaper.net/
東京都文京区湯島4丁目1番地11号 南山堂ビル3F
【業種別ストレス平均値 調査結果詳細】
調査方法
業種別ストレス平均値は、弊社の「AltPaperストレスチェックキット」をご利用いただいた事業者様の中で集団分析データをご提供いただいた事業者様のデータのみを用いて、男女別・業種別に分析しました。2019年にストレスチェックを実施され、2019年12月末日までに弊社で集計を完了した934事業者様の男性84,328名、女性68,806名のデータを使用しています。
比較の基準としている「全国(厚労省データ)」は、“厚生労働省科学研究費補助金労働安全衛生総合研究事業「職業性ストレス簡易調査票及び労働者の疲労蓄積度自己診断チェックリストの職種に応じた活用法に関する研究」平成19年度総括・分担報告書 表4 職業性ストレス簡易調査票下位尺度の職種別平均値及び標準集団との比較”が出典です。
集計につきましては、事業者様ごとに男性と女性を分けて、高ストレス者の出現割合、健康リスク、各尺度の平均値を業種ごとに算出しました。
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※業種の分類:日本標準産業分類の大分類(一部中分類)
A. 農業・林業,B. 漁業,D. 建設業
E. 製造業
F. 電気・ガス・熱供給・水道業
G. 情報通信業
H. 運輸業,郵便業
I. 卸売業,小売業
J. 金融業・保険業, K. 不動産業・物品賃貸業
L. 学術研究,専門・技術サービス業
M. 宿泊業,飲食サービス業
N. 生活関連サービス業,娯楽業
O. 教育,学習支援業
P83. 医療業
P84-85. 保健衛生、社会保険・社会福祉・介護事業
Q. 複合サービス事業,R. サービス業(他に分類されないもの),S. 公務(他に分類されるものを除く)
T. 分類不能の産業
を使用しています。
「C.鉱業、採石業、砂利採取業」については、今回の調査で該当する事業者様がございませんでしたので、省略しています。
仕事のストレス判定図
[画像2: https://prtimes.jp/i/16738/77/resize/d16738-77-787078-5.jpg ]
[画像3: https://prtimes.jp/i/16738/77/resize/d16738-77-133721-6.jpg ]
[画像4: https://prtimes.jp/i/16738/77/resize/d16738-77-857515-7.jpg ]
業種別に見た時に、総合健康リスクが110を超えたのは、男性のE. 製造業のみとなりました。女性の総合健康リスクについては、110を超えた業種は見られませんでしたが、E. 製造業では全国平均(100)を上回る数値が出ています。この業種については、量-コントロールによるリスク、職場の支援によるリスクも共に男女平均を超えており、特に男性の職場の支援リスクは110近くなっています。
一方で、量-コントロール、職場の支援リスクが男女ともに100未満であったのは、
F. 電気・ガス・熱供給・水道業
N. 生活関連サービス業,娯楽業
O. 教育,学習支援業
です。
全体的に総合健康リスクの値は女性よりも男性の方が高いことが見て取れますが、例外的にF. 電気・ガス・熱供給・水道業については女性の総合健康リスクの方が高い結果がでました。
高ストレス者と総合健康リスクの関係性について
[画像5: https://prtimes.jp/i/16738/77/resize/d16738-77-559482-2.jpg ]
通常は高ストレス者の割合が高いほど総合健康リスクの値は高くなると考えられます。
高ストレス者の割合と総合健康リスクが共に低かったのは、「T. 分類不能の産業」を除き、
男性の
F. 電気・ガス・熱供給・水道業、
J. 金融業・保険業, K. 不動産業・物品賃貸業
女性の
F. 電気・ガス・熱供給・水道業、
H. 運輸業,郵便業、
N. 生活関連サービス業,娯楽業
です。
男性のE. 製造業については、高ストレス者の割合が19%以上かつ総合健康リスクの値は110を超えています。
その他に高ストレス者の割合が高かった業種の中でも、
男性の
I. 卸売業,小売業、
M. 宿泊業,飲食サービス業
P84-85. 保健衛生、社会保険・社会福祉・介護事業
女性の
M. 宿泊業,飲食サービス業
P83. 医療業
については、総合健康リスクも比較的高い数値が出ています。
一方で、高ストレス者の割合が高いにも関らず総合健康リスクが低い業種も散見されました。
例えば、男女ともに
G. 情報通信業
M. 宿泊業,飲食サービス業
O. 教育,学習支援業
P83. 医療業
は、総合健康リスクは100以下にもかかわらず、高ストレス者割合は10%を超え注意が必要な範囲を示しています。
逆に総合健康リスクが高いけれど、高ストレス者が低い業種はこの結果には見られず、「総合健康リスクの改善と並行して、従業員個別のストレスケアが必要」という仮説が考えられます。
「総合健康リスクが低い=職場のメンタルヘルスに問題がない」と一概には言えません。今後も各職場にあった継続的な対応・改善策の実施が望まれます。