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Qualcomm、2020年第2四半期に市場トップを維持。しかし、低下したシェアをHiSiliconに奪われる。

Huaweiの中国国内出荷が増えた結果、Qualcommのシェアが低下。Huaweiへの規制強化はHiSiliconの出荷数に響き、その分、QualcommとMediaTekのシェアが拡大するだろう。

カウンターポイント・テクノロジー・マーケット・リサーチ (英文名: Counterpoint Technology Market Research 以下、カウンターポイント社)は、スマートフォン向けアプリケーション・プロセッサ(AP)の市場は、COVID-19流行による規制を起因とし、売上が急落したことを受け、2020年第2四半期は26%の減少となり、Qualcommは29%のシェアで市場首位の座を維持したが、昨年と比べると3%減り、その反面、HiSiliconの市場シェアが増えたという調査結果を含む最新調査を発表致しました。




Qualcommのシェア低下に関して、カウンターポイント社のリサーチVPであるNeil Shah氏は以下の通りコメントしました。
「コロナウイルスの流行でスマートフォン市場全体が縮小したが、Qualcommのシェア低下のもうひとつの要因はHuaweiにある。Huaweiは、米国による貿易規制を受けた後、HiSilicon製のAPの採用を増やしており、その結果、世界最大のスマートフォン市場である中国においてHiSiliconのシェアが伸びた。Huawei(HONORブランドを含む)製端末へのQualcomm製品の搭載率は2019年第2四半期の12%から、2020年第2四半期には3%へと低下した。」

主要地域でこれまでに積みあがった需要があったため、製造のペース自体は回復基調にありますが、Huaweiの(あるいはHiSiliconの)TSMCへのチップセット製造委託がさらに制限されてしまうと、同社のスマートフォン売上において、今後の大きな懸念材料になっています。

Shah氏はさらに以下の通り述べています。
「スマートフォン市場に明るい材料が全く無いわけではない。例えば、前四半期と比較して、2020年第2四半期の5Gスマートフォンの売上は倍以上(+126%)に伸びた。この流れは、上半期の市場全体の落ち込みを救済するものだし、2021年に市場が復調するための起爆剤でもある。また、APサプライヤーにとっては、たとえ今年の市場全体が低調なままだったとしても、半導体製品のシェアを高める絶好の機会となる。加えて、Huaweiに対する規制はQualcomm、MediaTek、Unisocを後押しすることを意味する。」

図1: 世界のアプリケーション・プロセッサのシェア - 2019年第2四半期と2020年第2四半期の比較
[画像1: https://prtimes.jp/i/33140/78/resize/d33140-78-131974-1.png ]


Huaweiに対する規制が競合各社に与える影響について、リサーチアナリストのShobhit Srivastava氏は以下の通り述べています。
「OPPO、vivo、Realme、Xiaomiは、短中期的にHuaweiが後退する隙間を埋めようと狙っており、それがQualcommやMediaTekにとっての成長のドライバーとなるだろう。高級機セグメント(メーカー卸値400米ドル以上)、特にHuaweiが4割のシェアで支配している中国では、Qualcommの方が恩恵を受けるだろう。欧州などの市場における中位〜高級機セグメントも同様である。一方、中位〜低位セグメントではMediaTekの値ごろな4G/5Gソリューションが、中国、ロシア、中東、アフリカ市場向けに採用を増やすとみられる。RealmeやXiaomiがこれらの地域でHuaweiのシェアを狙っているからである。Unisocの低価格5Gソリューションも、中国や新興国市場での値ごろな5Gスマートフォンへの需要を受けて、伸びるとみられる。中東・アフリカは市場も大きく、将来この地域向けに安価な5G端末を提供する上でUnisocは重要な役割を果たすだろう。」

図2: スマートフォンAP地域別シェア - 2019年第2四半期と2020年第2四半期の比較
[画像2: https://prtimes.jp/i/33140/78/resize/d33140-78-691139-2.png ]


APベンダーの成長の機会に関して、Srivastava氏は以下の通り述べています。
「5Gの活用で、クラウド型ゲームの新しい体験を高級機セグメントで提供できる。これが、5Gのキラーアプリのひとつになるだろう。加えて、一般向けにも、もっと手軽ながら進化したゲームの需要は増している。このため、値ごろな価格帯ながらゲームに対応できるスマートフォンは2020年中に1011%の急成長をとげると予測されている。スマートフォンAPベンダー各社は、この商機を活かそうと、投資を加速している。GPUクロック周波数の高速化や、90Hz, 120Hz, あるいは144Hzのような高リフレッシュレート表示のサポートによって、値ごろなスマートフォンでのゲーム体験をワンランクアップできるソリューションを提供するためである。5Gが低価格帯に普及するにつれ、低遅延を武器に、モバイルゲームはさらに成長するとみられる。携帯端末メーカー各社は、APベンダーと共に、MediaTekのGシリーズや、Qualcomm Snapdragon 6シリーズのGバージョンなどのソリューションを用いて、ゲーム機能強化型の端末を商品ラインナップに追加しつつある。」

全体的に見て、スマートフォン向けAPの市場は2021年以降成長軌道に乗り、5Gが新興国に普及するのと並行して、あと3年は成長軌道を維持するだろうとカウンターポイントは予測しています。

【カウンターポイント社概要】
Counterpoint Technology Market ResearchはTMT(テクノロジー・メディア・通信)業界に特化した国際的な調査会社である。主要なテクノロジー企業や金融系の会社に、月報、個別プロジェクト、およびモバイルとハイテク市場についての詳細な分析を提供している。主なアナリストは業界のエキスパートで、平均13年以上の経験をハイテク業界で積んだ経験を持つ。
公式ウェブサイト: https://www.counterpointresearch.com/
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