ロシア・ウクライナ国際的武力紛争:行方不明者は23,000名
[24/02/28]
提供元:PRTIMES
提供元:PRTIMES
[画像: https://prtimes.jp/i/53225/78/resize/d53225-78-dd12181c1a215d8fa8aa-0.jpg ]
赤十字国際委員会(ICRC)は、2万3,000人の行方不明者の安否確認に努めています。捕虜になったか、殺害されたか、あるいは故郷を逃れて連絡が取れなくなったか、さまざまな事情により家族はその消息をつかめていません。戦争がもたらす筆舌に尽くしがたい損失と苦しみの上に、離れた身内を思う心の痛みが加わります。紛争激化から2年が経過した今、両国の国境周辺、また国境を遠く離れたところに避難している数百万人を含め、人道ニーズは高まっています。
“愛する人の身に何が起こったのかわからない現実は耐え難く、何万もの家族が絶え間ない苦悩の中で暮らしているという悲劇的状況です。家族には、自分の身内に何が起こったのかを知る権利があり、状況が許す場合は、連絡を取り合う権利もあるのです”―ICRC中央追跡調査局ロシアーウクライナ紛争事務局ブヤシャニ代表
2024年1月末までに、ICRCは、ウクライナやロシアなどで活動している赤十字社、赤新月社と協力し、8,000の家族が行方不明の身内の安否と所在に関する情報を得る手助けをしました。この2年間で、行方不明の身内を探している家族から、電話やオンライン、手紙、または直接の訪問を受けるなどして、両国合わせて11万5,000件以上の問い合わせがありました。
「数千に及ぶ離散家族に対して、最愛の人との通信や安否確認ができるよう取り組んできました。しかし、いまだ多くの人が消息不明のままです。私たちは、より多くの家族を助けるために日々全力を尽くしています」と、ブヤシャニンは語りました。
家族の語り:
「今度夫に会ったら、昨日私たちの赤ちゃんが生まれたと伝えてください。私たちは元気で、彼を待ち続けます」
「息子が生きていると聞いてとても嬉しいです。2カ月もの間何の知らせも届かず、私は死人同然でした」
「涙は枯れ、今あるのは痛みだけ。心が張り裂けてしまいました」
2022年3月に中央追跡調査局がロシアーウクライナ紛争関連の窓口を設立。紛争当事者と協力して失踪を防ぎ、前線の両側で親族を探す人々を支援しています。
両国の当局は、ジュネーブ諸条約に基づいて国家情報局を設置し、保護されるべき人々(戦争捕虜や民間人の被拘束者など)に関する情報の収集、一元管理、伝達を担っています。
ICRCの中央追跡調査局は、ロシアとウクライナの中立的な仲介として、これらの情報を収集し、一元管理し、保護し、双方へそれぞれ伝達します。ジュネーブ諸条約では、当事国がその手中にあるすべての被保護者についてICRCに報告することが定められていて、これは失踪を防ぐために大きく貢献します。
「家族からの追跡依頼と国家情報局から受け取った情報が一致することで、愛する人の安否に心を煩わせる長い月日が終わるのです」とブヤシャニンは言います。
ICRCは、約50カ国で活動する赤十字パートナーと緊密に協力し、行方不明者や捕虜の家族に知らせを届けられるよう努めています。また、必要に応じて中立的な仲介役を務めることで、遺骨の回収や身元確認、移送や送還など、国際的武力紛争の当事者が法的義務を果たすことができるよう支援しています。
国際人道法は、家族が行方不明の親族の安否と所在を知る権利を支持しています。国際的武力紛争の当事者はみな、人々の失踪を防ぎ、行方不明者の家族にその安否を知らせる義務があります。紛争当事者に拘束された人々は、人道的に扱われなければならず、死者も尊厳のある方法で処置されなければなりません。