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株式会社ストラテジックキャピタルが株式会社ダイドーリミテッドが提案する取締役6名の候補者について、反対意見を公表

ダイドーは、2024年5月24日に現任取締役6名のうち、?子田圭一氏を除く5名が取締役を退任し、これに代わるものとして新たに5名の新任取締役(うち、4名は外部から招集)を選任することを6月の株主総会に提案する旨、発表いたしました。
しかしながら、SCは、今般のダイドーの提案内容はダイドーの株主価値を著しく棄損する懸念があると判断いたしました。
そのため、ダイドーの提案内容等を承認または黙認していると考えられるダイドーが提案する取締役6名全員に反対し、
SCが当初より提案している取締役候補6名の選任に賛成いたします。




[画像1: https://prtimes.jp/i/52343/79/resize/d52343-79-38cefabcefb9957e6e2d-0.jpg ]

弊社は、INTERTRUST TRUSTEES (CAYMAN) LIMITED SOLELY IN ITS CAPACITY AS TRUSTEE OF JAPAN-UP(以下「ファンド」といいます。)と投資一任契約を締結しており、ファンド及び株式会社ストラテジックキャピタル(以下「SC」と総称します。)は株式会社ダイドーリミテッド(以下「ダイドー」といいます。)の議決権の約32%を保有しております。
ダイドーは赤字が続いているほか、様々な問題を抱え、経営不振に陥っています。そのため、SCはこの状況を招いたダイドーの経営陣を刷新し、そのような問題を解決するために、現経営陣に代わる新たな6名の取締役を選任することをこの6月の株主総会に提案しています。
これに対しダイドーは、2024年5月20日に中期経営計画を公表したほか、2024年5月24日付書面「株主提案に関する書面の受領及び当該株主提案に対する当社取締役会意見に関するお知らせ」にて現任取締役6名のうち、白子田圭一氏を除く5名が取締役を退任し、これに代わるものとして新たに5名の新任取締役(うち、4名は外部から招集)を選任することを6月の株主総会に提案する旨、発表いたしました。
SCは2024年5月21日にダイドーより上記方針の通知を受け、翌日22日にダイドーが代表取締役候補として提案する山田政弘氏と面談しています。ダイドーおよび山田氏からの説明を受け、SCは以下にご説明する通り、今般のダイドーの提案内容はダイドーの株主価値を著しく棄損する懸念があると判断いたしました。そのため、ダイドーの提案内容等の以下の論点を承認または黙認していると考えられるダイドーが提案する取締役6名全員に反対し、SCが当初より提案している取締役候補6名の選任に賛成いたします。今般のダイドーの提案に反対する理由は以下の通りです。

【反対理由1.:代表取締役候補者が多数の兼職を有し、継続する意向を表明している】
ダイドーが代表取締役候補として提案する山田政弘氏及び成瀬功一郎氏には、以下の兼職があります。
[画像2: https://prtimes.jp/i/52343/79/resize/d52343-79-603930beed9f0e7e76b2-1.png ]

出典:ダイドー公表資料及びジェミニストラテジーグループウェブサイト

ダイドーは両名を社外取締役ではなく、常勤の代表取締役候補として提案していますが、特に山田氏はフルタイムを含む多数の兼職があり、ダイドーの経営にコミットしているとは到底考えられません。SCは、山田氏が仮にダイドーの取締役に就任した場合は、これらの兼職を直ちに終了し、ダイドーの経営に専念すべきである旨、お伝えいたしました。しかしながら、山田氏はこれらを継続することを表明しています。上場企業の代表取締役で子会社・関連会社以外の代表取締役等をこれほど兼任することは極めて異例です。
なお、SCが提案する常勤取締役候補の中山俊彦氏は、現在個人で経営・投資コンサルティング業務を行っていますが、ダイドーの取締役に選任された場合は、ダイドーの業務に専念するため、当該業務は取締役選任の日をもって直ちに終了することを表明しています。

【反対理由2.:山田氏とダイドー株主との重大な利益相反懸念がある】
山田氏及び成瀬氏が所属するジェミニストラテジーグループ(以下、「ジェミニ」といいます。)は、現在ダイドーに対し経営コンサルティング等のサービスを提供しており、ダイドーから手数料を受け取っています。また、今後はそれに加え、M&Aのアドバイザー等も務める方針です。
つまり、ジェミニ側は山田氏及び成瀬氏の取締役報酬に加え、別途コンサルティングフィー等をダイドーから受け取り続けることになります。
山田氏はジェミニの創業者・代表取締役社長であり、関連当事者間取引が継続・拡大することで、山田氏とダイドー株主との間に重大な利益相反の懸念があります。このような状況も上場企業としては極めて異例かつ不適切です。

【反対理由3.:現経営陣は顧問として会社に関与し続ける】
現在のダイドーの代表取締役社長である鍋割宰氏及び取締役上席執行役員の渡部克男氏は、取締役を退任後は顧問としてダイドーに残る方針である旨、鍋割氏はSCに表明しました。しかしながらSCは、現経営陣は経営不振を招いた責任を取り、取締役退任後はダイドーに関与すべきではないと考えます。
ダイドーの現経営陣は、SCから株主提案を受けたことで取締役に再任することが難しいと判断し、顧問といった形で会社に関与し続けるために、形式的に外部人材を代表取締役に立てた疑いがあります。

【反対理由4.:ジェミニの選定プロセス、トラックレコードに懸念がある】
ジェミニとダイドーは現代表取締役社長の鍋割氏の知人経由で知り合ったとのことですが、約1年前にジェミニがコンサルティングを開始した際も、今回の協業拡大の際も、他のコンサルティング会社とのコンペ等は行われていません。
また、ダイドーは中期経営計画において、ジェミニの実績としてダイドーと同様にアパレル事業を営むバロックジャパンリミテッドを挙げています。バロックジャパンリミテッドは、主力ブランドでダイドーと同じジェミニのサービスを導入することを2021/2に公表していますが、その後、バロックジャパンリミテッドの業績がどのように改善したかについて、ダイドーは「把握していない」とコメントしています(なお、バロックジャパンリミテッドの連結営業利益は右肩下がりで全く改善しておらず、導入発表後の株価パフォーマンスは同業他社、TOPIXに大きく劣後しています)。
ダイドーは、代表取締役の派遣から、経営コンサルティングまで全面的にジェミニに依存する方針ですが、このような選定プロセス、トラックレコードを鑑みるとジェミニにダイドーの再建を託すことは出来ません。

【反対理由5.:実現性の乏しい中期経営計画】
ダイドーが発表した中期経営計画はジェミニが作成に携わっています(今回、この中期経営計画策定に関する手数料もダイドーから支払われました)。
しかしながら、当該中期経営計画は具体性・実現性に乏しく、数値の検証も行われておらず、これを監修した山田氏がダイドーの株主価値向上に資するとは到底思えません。現に、中期経営計画の発表以降、株価は全く上昇していません。

<ダイドーの中期経営計画に対するSCの見解>
■営業利益15億円の目標は数値の検証がなされておらず、実現性に疑問がある
ダイドーは中期経営計画の最終年度である27/3期の営業利益目標を15億円としています。
まず、既存事業における27/3期の営業利益目標908百万円は、以下のダイドーの中期経営計画の表から計算すると836百万円(売上総利益17,009百万円-販管費16,173百万円)となるため、内訳若しくは908百万円の数値自体に大きな誤りがあります。また、販管費は「人件費上昇などを踏まえ年率1.7%の増加を計画」としておきながら、27/3期に約▲4億円と大幅に削減されることになっていますが(上記の誤りを修正すると約▲5億円)、その理由についての説明はありません(面談、決算説明会において、SCがこの点をダイドーに質問したところ、「即答できない」と回答されています)。
[画像3: https://prtimes.jp/i/52343/79/resize/d52343-79-f6c214a998bd106211ec-2.png ]

出典:ダイドー中期経営計画

また、営業利益を改善させる新たな施策のうち、改善効果の約半分の金額(592百万円)を新規事業・M&Aに頼っています。特に、M&Aのターゲットは「アパレル関係全般」とされ、「具体的な対象事業・地域等は幅広く検討する」と説明を受けており、全く具体性がありません。
[画像4: https://prtimes.jp/i/52343/79/resize/d52343-79-28da9d73c60ee3c0a821-3.png ]

出典:ダイドー中期経営計画

■ROE8%の目標は、願望に過ぎない
ダイドーは中期経営計画の最終年度である27/3期にROE8%を目標に掲げています。
しかしながら、BSのシミュレーション等は作成しておらず、8%とした根拠は「株主資本コスト7%を上回る目標とするため」と説明を受けています。つまり、何の根拠もない願望であるといえます。なお、8%ではダイドーの株主資本コストを上回っているとも思えません(2024/5/24時点でダイドーの株主資本コストをBloombergは約9.6%、Quickは約9.7%としています)。
そもそも、ダイドーは時価総額約180億円に対し、約230億円の賃貸等不動産の含み益があり、簿価ベースのROEは意味を成さず、仮に達成したとしても株価上昇は見込めません。

■保有不動産の売却のうち、ダイナシティのみを対象外とすることに合理性がない
ダイドーは新規事業、M&Aの資金を確保するため、中期経営計画の期間中に、昨年取得したばかりのビジネスホテル(23/4取得)及びオフィスビル(23/12取得)の売却を検討する一方、含み益が約230億円ある小田原のショッピングセンター「ダイナシティ」については「中期経営計画の期間は売却対象としない。将来的には検討を行う」としています。
ダイドーは「ダイナシティは、収益率が高いため他の不動産とは別で考えている」とのことですが、簿価約30億円、時価約260億円のダイナシティを簿価で収益管理していると説明を受けており、高収益となるのは当たり前のことです。
また、ダイドーは約200億円※の繰越欠損金があり、そのうち約64億円が中期経営計画最終年度である27/3期までに失効します。もしダイナシティを売却するのであれば、この繰越欠損金を活用することで多額の税メリットを享受できますが、この観点からの検討は全くなされていません。
※ダイドー23/3期有価証券報告書に記載の繰越欠損金額(法定実効税率を乗じた金額)から、税率30%を割り戻し試算

https://prtimes.jp/a/?f=d52343-79-d7fa5959d5422554485e591e62fa027a.pdf
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