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生産や人員計画の最適化などの「組合せ最適化問題」を高速で解くソフトウェアを開発

従来のPCを利用して、企業や社会の課題解決に活用

大日本印刷株式会社(本社:東京 代表取締役社長:北島義斉 資本金:1,144億円 以下:DNP)は、GPU(Graphics Processing Unit)搭載の従来のパソコン(PC)を使用し、個々の課題に合わせて、膨大な選択肢から最適な解を抽出する「組合せ最適化問題」を高速で処理する「DNPアニーリング・ソフトウェア」を開発しました。




本ソフトウェアは、高価な量子コンピューターやスーパーコンピューターを使用する必要がありません。工場の生産計画や人員計画の最適化、物流や運送便の経路の最適化、複数エリアでの最適なセールス経路の決定など、社会生活や企業活動で直面する多様な「組合せ問題」に関して、高額な投資をしなくても最適解を高速で導くことができます。
[画像: https://prtimes.jp/i/69194/81/resize/d69194-81-4d3d904aa51d80da3114-0.jpg ]

【「DNPアニーリング・ソフトウェア」開発の背景と概要】
人々の暮らしや企業活動などでデジタル化・ネットワーク化が進み、より複雑で大量のデータを高速に処理するニーズが増加しています。例えば、交通の渋滞解消や経路最適化、企業の生産計画や人員配置の最適化、投資のポートフォリオ分析といった課題に対して、膨大な選択肢から最適な解を抽出する「組合せ最適化」を行うことが有効とされています。この「組合せ最適化問題」は、課題の規模や選択肢の数などによって、最終的な解の候補が指数関数的に増加するため、コンピューターで処理する際は非常に高い計算能力が必要となります。近年、さまざまな企業が「組合せ最適化問題」に対応するハードウェアや量子コンピューティングの技術・方法などを開発していますが、専用コンピューターの導入・運用などには、膨大な設備投資や人的負荷が必要となります。
DNPは今回、こうした課題に対して、印刷事業で培った文字・画像処理や自然言語処理の技術・ノウハウを活用して、GPU搭載の従来のPCで膨大なデータを高速に処理して、「組合せ最適化問題」を解くことができる「DNPアニーリング・ソフトウェア」を開発しました。アニーリング(annealing)は、金属を加熱した後、徐々に冷却して安定した状態にする「焼きなまし」という金属加工の工程を指す言葉で、「組合せ最適化問題」では、各種条件を変化させながら、最も安定した状態である最適解を探索することを意味しています。DNPはすでに、この「DNPアニーリング・ソフトウェア」を印刷工程の予定の自動作成に活用しており、従来の方法と比べて約10倍の高速化を実現しています。従来、夕方から翌朝にかけて時間がかかっていた印刷工程の予定表作成が約1時間に短縮でき、急な予定変更にも対応が可能になりました。

【「DNPアニーリング・ソフトウェア」の特長】
1.複数のアニーリング手法により、多様な課題への対応が可能
本ソフトウェアには、アルゴリズムが異なる3つの演算手法(シミュレーテッドアニーリング、パラレルテンパリング、量子モンテカルロ)を搭載しており、課題に応じて手法を使い分けながら最適解を求めることができます。また3つの手法を同時に用いて最適解を求めることも可能で、企業が抱える多様な課題に対応できます。

2.企業の既存システムに組み込んだ利用が可能
本ソフトウェアは、量子コンピューターやスーパーコンピューターといった専用ハードウェアではなく、PCで運用できるため、企業の既存のシステムやプログラムに替えて導入することができます。DNPは、顧客企業等から受領したデータをもとに、本ソフトウェアを使った「組合せ最適化問題」の解決業務を受託するほか、将来的には本ソフトウェアを企業等に販売していく予定です。

3.入力データの整備や要求事項の調整作業など付随する機能・サービスも提供
「組合せ最適化問題」の演算処理には、入力する分析データの整備や、導き出した解に基づいて最適化していく各種システムやアプリとの調整作業などが必要になります。DNPは、こうした一連の作業について支援するAI(人工知能)技術やコンサルティングなども提供していきます。

■「DNPアニーリング・ソフトウェア」の主なスペック

[表: https://prtimes.jp/data/corp/69194/table/81_1_98fe7d17bbbf103bce56664b26e2c0ef.jpg ]


【今後の展開】
DNPは、「DNPアニーリング・ソフトウェア」を自社内で活用するほか、企業・団体等からのデータ処理を受託して、ソフトウェアの運用ノウハウの蓄積や精度向上を図るとともに、2022年度内に本ソフトウェアを販売するなどの事業化を目指します。このサービスの提供先として、需要に応じた生産予測が必要な製造業のほか、配達業務の所用時間最小化を図る物流・交通分野、素材・材料の研究・開発の分野などを予定しています。

※記載されている会社名・商品名は、各社の商標または登録商標です。
※ニュースリリースに記載された製品の仕様、サービス内容などは発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。
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