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ベター・プレイス、東京大学教育学部高橋研究室と共同研究を実施。保育士の離職プロセスを分析し、望まない離職の予防・低減に貢献する




「福祉はぐくみ企業年金基金」(以下、「はぐくみ企業年金」)を中心に、企業年金・退職金制度の導入・設計をサポートする株式会社ベター・プレイス(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:森本 新士、https://bpcom.jp/、以下、ベター・プレイス)は、2021年より東京大学大学院教育学研究科(所在地:東京都文京区)の教授で臨床心理学を専門とする高橋美保氏とともに、「保育士の離職プロセスに関する質的検討」についての共同研究を実施しました。この度、その研究結果が日本心理臨床学会第43回大会(2024年8月23日〜25日)にて発表されましたことをお知らせいたします。今後、学術誌に投稿するとともに、介護領域における離職防止介入のための実態把握の調査を実施してまいります。
[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/74850/81/74850-81-91f331d5723b0f71a59aa207ef658a84-765x402.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


■本研究の概要
少子高齢化社会において、家庭における保育や介護といったケアワークを社会化する必要があるなか、保育所で勤務する常勤の保育士の2020年の離職率は8.4%*?となっており、保育士の有効求人倍率は他の職種と比べても依然高い水準で推移しています。社会や保育業界、保育施設、保育士個人にとって避けるべき離職を減らしていく必要があると考えます。
保育士の主な離職理由は「職場の人間関係」33.5%、「給料が安い」29.2%、「仕事量が多い」27.7%*?とされています。しかし、このような社会統計データとして示される離職理由からは保育士自身の体験を理解することは難しく、離職のプロセスも含めた複合的かつ力動的な理解をする必要性が指摘されていますが(高橋・伴・植竹・野村、 2023)、保育士の離職体験を質的に検討した研究は少ない状況です。本研究は、ベター・プレイスから助成を受け、また、ベター・プレイスの顧客の経営者、保育士の方の協力を得て、離職体験についてインタビュー調査を行いました。

また、離職は個人の問題だけでなく組織の問題でもあることから、経営者の視点も必要であり、そして、個人の問題を掘り下げて理解するためには、保育園で働く心理職の視点も有効と考えられます。本研究は保育士・経営者・心理職の視点から、保育士の離職の体験プロセスを質的に検討しました。

(出所)
*? 厚生労働省(2022).厚生労働白書-社会保障を支える人材の確保
https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/21/dl/1-01.pdf
*? 東京都福祉保健局(2019).平成30年度東京都保育士実態調査報告書 
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/kodomo/shikaku/30hoikushichousa.html

・方法
調査は2022年1月〜2023年12月まで実施、福祉事業会社A社の関係者の機縁法およびウェブでの公開募集により参加協力者を募集し行った。事前に、予備調査として、福祉業界のコンサルティング会社の経営者1名と社会保険労務士2名に合同でインタビューを行った。保育士7名、経営者8名、心理職5名(計男性10名、女性10名)に対して、半構造化インタビューを行った。なお、予備調査の内容は経営者の情報として分析に含んだ。
・倫理的配慮
本研究は東京大学倫理審査専門委員会の承認を受けて実施された。事前に同意説明書を送付するとともに、インタビュー当日に研究概要、データの取り扱い方と守秘義務、参加は自由意志であることを説明、同意を得て実施した。
■本研究の結果
分析焦点者は、離職経験を持つ心理職で、分析テーマは、保育士はどのようなプロセスを経て離職に至るのかであった。分析の結果、8つのカテゴリ、34の概念が得られた。ストーリーラインを作成し、仮説モデル図を生成した(Figure1参照)。

【行政の政策と保育業界】という前提の下で【保育園経営】が行われる。一方で、保育士の個性もあり、その両方から【職場における潜在的問題】につながる。さらに、そこから【問題・不満】と【対応・対処】が生じるが、いずれも経営・組織、職場、関係し、業務・負荷、個人の4つに分類された。各々の領域において【問題・不満】と【対応・対処】の間に葛藤が生じる。その結果、【就労継続】に至る場合と、【離職】に至る場合に分かれた。

総合考察
問題が発生する前に職場には潜在的問題があると考えられた。また、問題が起こってもすぐに離職に至るわけではなく、問題と対処の間に逡巡するプロセスがあることが示唆された。ここに、心理職の活用可能性があると考えられる。また、多様な辞め方があることを尊重し、主体性を重視した離職経験を持つことが重要と考えられた。

Figure1.保育士の離職のプロセス仮説モデル図
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/74850/81/74850-81-7aff455900c06b9f3e19cef122cb7fd6-1912x1089.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


■高橋 美保教授のコメント
日本の将来を担う子どもたちを社会で見守り、育んでいくためには、保護者や養育者を支える仕組みが重要となります。保育士は健やかな子どもの成長を社会で支える存在でもあることから、保育士が気持ちよく働き続けられる職場や環境づくりが欠かせません。本研究では、多様な視点から“保育士の離職”を捉えてみました。この研究が育児支援、労働者支援の一助になることを願っています。
■本研究に関する当社代表 森本のコメント
はじめに、本研究にご協力いただいた「はぐくみ企業年金」の導入企業および加入者の方にお礼を申し上げます。
私たちベター・プレイスは、「やさしい人がやさしいままでいられる世界へ」をビジョンとして掲げ、人々が「お金の心配なく」「自分らしく働ける」社会を目指して活動しています。その一環として、高橋先生との共同研究があります。保育士の方の離職プロセスを分析する本研究をとおして、保育士の方の働く環境が良くなっていくよう、長期的に活動していきたいと考えています。
■株式会社ベター・プレイス
私たちは「ビジネスを通じて、子育て世代と子どもたちが希望を持てる社会をつくる。」という企業理念を掲げ、富裕層ではない一般の人たちが「お金の心配なく」「自分らしく働ける」社会を目指しています。

エッセンシャルワーカーや中小企業従業員の多くは、世の中を支える大切な仕事をしているにもかかわらず、大企業で働く人々と比べて所得水準が高くありません。また、勤務先に企業年金・退職金制度が設けられていないことが多いため、その恩恵を十分に享受できていません。

将来のお金の心配を抱えることは、QOL(クオリティ・オブ・ライフ)の低下や、子どもを望んでも安心して生み育てることができない心理状態につながります。

将来への「希望格差」ーベター・プレイスは、この課題を解決するために事業活動を行っています。

<主なサービス>
企業年金DXシステム「はぐONE」の提供
「福祉はぐくみ企業年金基金」企業年金・退職金制度導入設計・サポート
企業型確定拠出年金導入設計・サポート
福祉業界向けITシステム開発

<会社概要>
会社名:株式会社ベター・プレイス
所在地:東京都新宿区四谷坂町9-9 三廣ビル9F
代表者:代表取締役社長 森本 新士、 代表取締役COO 古市 成樹
設立: 2011年10月17日
URL: https://bpcom.jp/

■「はぐくみ企業年金」について
現在我が国は、人口減少と超高齢化による「就労人口の減少」が進み、慢性的な人手不足の現状があります。また、若年労働者が企業を退職する理由は経済的な理由が最多*?であり、働く世代の老後の不安の第一位は「お金」*?となっています。

勤務する企業規模や居住する地域によって生じている経済格差、これは将来の資産形成、老後資金にも大きく影響しています。私たちは、中小企業とそこで働く方を支えるため、企業にも労働者にもメリットがある企業年金制度「はぐくみ企業年金」の導入を推進しています。

「はぐくみ企業年金」は厚生年金被保険者であれば、従業員(非正規雇用含む)でも役員でも加入可能な確定給付企業年金(DB)で、事業主側はコストを抑えながら企業年金・退職金制度を構築することができます。企業年金・退職金制度の充実が従業員満足度向上・離職率低下につながることから、特に人手不足が深刻化している福祉業界において、人材定着をはかるための福利厚生のひとつとしてご好評いただいています。

従業員側のメリットには、難しい投資の知識が不要で、元本が保証されていることがあげられます。また、原則60歳以上にならないと受け取りができない企業型DC(企業型確定拠出年金)やiDeCo(個人型確定拠出年金)に比べて、年金として受け取れるほか、退職時や休職時、育児・介護休業時にも受け取ることが可能なため、育児や介護を将来に控える従業員から厚い支持を集めています。

サービス紹介サイトURL:https://bpcom.jp/hagukumikikin/

(出所)
*? 厚生労働省 平成 30 年若年者雇用実態調査の概況
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/4-21c-jyakunenkoyou-h30_gaikyou.pdf
*? 金融庁 金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」2019年6月
https://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/tosin/20190603.html

[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/74850/81/74850-81-db589a5e4d01c36b207b8d0fe49a8d87-658x284.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]



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