【イベントレポート】現地駐在員が登壇したフィリピン進出セミナーレポート 〜押さえるべき経営実務とは〜
[20/11/10]
提供元:PRTIMES
提供元:PRTIMES
fabbitの開催するイベント情報:https://fabbit.co.jp/event/
スタートアップ企業支援とコワーキングスペース運営のfabbit株式会社(本社:東京都千代田区、CEO:田中 保成)は、フィリピン進出に際し押さえるべき経営実務をテーマにしたセミナーを9月16日(水)に開催し、本日、イベントレポートを公開しました。
<以下、イベントレポート>
[画像1: https://prtimes.jp/i/49690/83/resize/d49690-83-125432-2.png ]
第一部では、フィリピンをはじめ世界27か国に拠点を有する東京コンサルティングファームから、ASEAN地域代表の大橋聖也氏、マニラ駐在中の早川桃代氏をお迎えし、フィリピンの最新情報、フィリピン進出企業が押さえるべき経営実務について、法制度、マネジメント手法の観点からご紹介いただきました。
冒頭では、コロナ感染状況と政府の対応についての説明がありました。フィリピンは、9月14日の感染者数が4,699名、東南アジア1の感染者数となっていますが、病床の使用率は61.3%で、70%を超えると危険とされる中、そういった状況は免れています。ロックダウンについては、警戒度の高さに応じて4段階ある中、9月14日現在GCQという比較的緩やかなロックダウンとなっており、一部の業種では労働力の上限はあるが操業可能で、30%〜50%の店内飲食が可能という状況とのことです。一方入国の規制についてはかなり厳しく、基本的に外国人の入国は禁止となっています。フィリピン人の配偶者がいる者、外交官、また限られた対象のビザを持つ人のみ可能という状況です。
企業の対応としては、日系企業の9割以上が政府発表の安全プロトコルに従いながら、運営を再開しており、政府対応としては、中小零細企業向けの融資プログラムが存在しているが、中小零細企業向けのため、日系企業は基本的には対象にはならないと考えられますが、9月11日に大統領が署名した新型コロナ対策法第2弾で予算が定められ、今後随時補助金や融資制度が実施される予定となっています。
続いて、日系企業の進出パターンについてのご紹介がありました。フィリピンは、進出しやすさランキングでは2020年95位であり、124位⇒95位へ上昇しているものの、依然として低い順位であるのは、東南アジアで最も高い法人税率が主たる要因です。なお、近年の進出パターンとしては、インフラ開発、生き残りをかけた中小中堅企業の進出、チャイナ・プラスワンでの進出、少子高齢化によるフィリピン人材活用、独立起業家の進出等があげられます。従来、輸出製造型でのコストダウンを図るというのが、進出の主たる目的でしたが、今後は国内販売による収益アップというのが海外拠点の役割となっていくと考えられます。
[画像2: https://prtimes.jp/i/49690/83/resize/d49690-83-350942-1.png ]
フィリピンへの進出について、法制度の面からは、ビジネスに大きく影響を与える新制度の成立により、さらに進出しやすい国になっているということです。具体的には、ビジネス環境改善法が2018年に施行され、許認可手続きの自動化、迅速化が図られています。また、法人設立が簡便化され、設立に係る期間が3〜4ヶ月から、2〜3ヶ月へ短縮する見込みです。
外資参入の制限については、外資投資ネガティブリストというものがあり、現在は第11次が最新ですが、約2〜3年ごとに更新されるため、今年もしくは来年に第12次ネガティブリストが公表予定になります。第11次では小売業の外資規制緩和に変更はなかったため、第12次での緩和が期待されています。
また、会社法、税法もそれぞれ改正されています。2019年に39年振りの会社法改正が行われ、発起人/取締役の数が最低5名から2名へ、また取締役の過半数はフィリピン居住者である必要がありましたが、居住者要件は撤廃されました。また、最低資本金について、会社法上での規制は撤廃されたのですが、他の法令での規制が該当する場合があるので注意が必要とのことです。税務について20年ぶりの税制改正が行われており、2018年に第1弾税制改正、現在第2弾税制改正が協議中です。概要は、法人所得税率の見直し(引き下げ) 優遇税制の合理化、等となり、既存の優遇税制を受けている企業が引き続き同様のインセンティブを受けることができる(Sunset)期間が設けられています。その他、戦略的投資優先計画(SIPP)では電気・電子等インセンティブを受けられる業種を定めていますが、今後最新バージョンがアップデートされていくので注視する必要がある、とのことです。
[画像3: https://prtimes.jp/i/49690/83/resize/d49690-83-403701-0.png ]
後半では、海外子会社のマネジメントの要点についてご紹介いただきました。企業の成長曲線において、成果は最初はあがるものの、一定のところで停滞してしまう、こういった成熟期をなぜ迎えてしまうのかというと、一言でいうと”変化”によるものとのことです。フィリピン拠点の役割、駐在員の役割がそれぞれ変化してきています。
そういった変化に対応していくための解決策として、人事と財務の統合、バランススコアカード、また未来会計といった考え方をご紹介いただきました。また評価制度について、狭義の誰にいくら分配するかを決めるものから、分配する財源である利益を大きくするための評価制度を考えること、生産性の向上を目的とした評価制度の重要性について指摘がありました。具体的な業績アップにつながる人事評価制度のポイントをご紹介いただき、また、評価制度はどんなに高性能なものを構築してもそれだけで成果はでないので、運用こそが重要と強調されていました。
成功するには、日系マーケットだけでなく現地のローカルマーケットに参入、日本人だけでなく、経営もローカライゼーションすることがポイントになるようですが、最後に現地駐在員や日本本社による内部統制の重要性についても言及がありました。様々なリスクに備え、必要な文書化を行い、本社でもしっかり目を通すことが大切ということです。
第二部では、日系企業のフィリピン進出状況と背景についてJETRO・マニラ事務所 経済連携促進アドバイザー 安藤 智洋氏よりお話いただきました。
[画像4: https://prtimes.jp/i/49690/83/resize/d49690-83-989960-3.png ]
フィリピンの米ドルベースでの基本給月給は他のASEAN諸国と比較して、安定的に推移していること、生産年齢人口指数が高いこと、製造コスト指数が低いこと等、フィリピンには他のASEAN諸国と比較して、優位性があります。輸出型投資へのインセンティブ見直しを含む税制改革法案は、未成立ながら、フィリピンへの製造業分野の外国投資認可に大きく影響しました。しかし他国との横並びで見た場合のフィリピンの優位も未だ存在しており、世界的な通商環境の変化の下、それが見直される可能性があります、とご説明いただきました。
質疑応答では、フィリピンにおける通関業務の行いやすさ、また現地の労務管理で気を付ける点等様々な質問があり、ご参加者の皆様のフィリピンへの関心の高さが伺えました。製造移管先だけではなく、国内市場が大きくなっていく、人口動態的にも魅力的な市場今後、積極的な海外展開を考えられてはいかがでしょうか。刻々と状況は変わりますが、最新の情報を得るには、「ジェトロビジネス短信」が無料でweb上で見られるのでぜひご活用いただきたいと、安藤氏よりご紹介いただきましたので、ぜひご活用ください。
fabbitでは、最先端の情報やビジネストレンド、さらには事業に役立つ情報をお届けする多種多様なイベントや交流会を開催しています。fabbitの開催するイベント情報は下記をご覧ください。
https://fabbit.co.jp/event/
以上
【fabbitの概要】
fabbitは政府の提唱する「日本再興戦略2016」(現「未来投資戦略2018」)の趣旨に賛同し、「スタートアップ企業」や「中小企業の第二創業」の支援およびコワーキング・レンタルオフィス施設fabbitの運営を行っており現在国内23カ所、国外23カ所の拠点を有しており、会員数は10,000名以上に上ります。
※2020年10月末時点。数字は累計、変更になる可能性があります。
会員数・・・fabbit、Compass、及びグループ出資会社を含みます。
拠点数・・・グループ出資先のWorkbarを含んでいます。
【fabbit 株式会社の会社概要】
代表者:代表取締役 田中 保成
本社所在地:東京都千代田区大手町二丁目6番1号 朝日生命大手町ビル3階
◇fabbit 公式SNSはこちら◇
【Facebook】
fabbit 公式Facebook @fabbit.inc
URL: https://www.facebook.com/fabbit.inc/
【Instagram】
fabbit 公式Instagram @fabbit.inc
URL: https://www.instagram.com/fabbit.inc/
【Twitter】
fabbit 公式Twitter @fabbit_inc
URL: https://twitter.com/fabbit_inc
スタートアップ企業支援とコワーキングスペース運営のfabbit株式会社(本社:東京都千代田区、CEO:田中 保成)は、フィリピン進出に際し押さえるべき経営実務をテーマにしたセミナーを9月16日(水)に開催し、本日、イベントレポートを公開しました。
<以下、イベントレポート>
[画像1: https://prtimes.jp/i/49690/83/resize/d49690-83-125432-2.png ]
第一部では、フィリピンをはじめ世界27か国に拠点を有する東京コンサルティングファームから、ASEAN地域代表の大橋聖也氏、マニラ駐在中の早川桃代氏をお迎えし、フィリピンの最新情報、フィリピン進出企業が押さえるべき経営実務について、法制度、マネジメント手法の観点からご紹介いただきました。
冒頭では、コロナ感染状況と政府の対応についての説明がありました。フィリピンは、9月14日の感染者数が4,699名、東南アジア1の感染者数となっていますが、病床の使用率は61.3%で、70%を超えると危険とされる中、そういった状況は免れています。ロックダウンについては、警戒度の高さに応じて4段階ある中、9月14日現在GCQという比較的緩やかなロックダウンとなっており、一部の業種では労働力の上限はあるが操業可能で、30%〜50%の店内飲食が可能という状況とのことです。一方入国の規制についてはかなり厳しく、基本的に外国人の入国は禁止となっています。フィリピン人の配偶者がいる者、外交官、また限られた対象のビザを持つ人のみ可能という状況です。
企業の対応としては、日系企業の9割以上が政府発表の安全プロトコルに従いながら、運営を再開しており、政府対応としては、中小零細企業向けの融資プログラムが存在しているが、中小零細企業向けのため、日系企業は基本的には対象にはならないと考えられますが、9月11日に大統領が署名した新型コロナ対策法第2弾で予算が定められ、今後随時補助金や融資制度が実施される予定となっています。
続いて、日系企業の進出パターンについてのご紹介がありました。フィリピンは、進出しやすさランキングでは2020年95位であり、124位⇒95位へ上昇しているものの、依然として低い順位であるのは、東南アジアで最も高い法人税率が主たる要因です。なお、近年の進出パターンとしては、インフラ開発、生き残りをかけた中小中堅企業の進出、チャイナ・プラスワンでの進出、少子高齢化によるフィリピン人材活用、独立起業家の進出等があげられます。従来、輸出製造型でのコストダウンを図るというのが、進出の主たる目的でしたが、今後は国内販売による収益アップというのが海外拠点の役割となっていくと考えられます。
[画像2: https://prtimes.jp/i/49690/83/resize/d49690-83-350942-1.png ]
フィリピンへの進出について、法制度の面からは、ビジネスに大きく影響を与える新制度の成立により、さらに進出しやすい国になっているということです。具体的には、ビジネス環境改善法が2018年に施行され、許認可手続きの自動化、迅速化が図られています。また、法人設立が簡便化され、設立に係る期間が3〜4ヶ月から、2〜3ヶ月へ短縮する見込みです。
外資参入の制限については、外資投資ネガティブリストというものがあり、現在は第11次が最新ですが、約2〜3年ごとに更新されるため、今年もしくは来年に第12次ネガティブリストが公表予定になります。第11次では小売業の外資規制緩和に変更はなかったため、第12次での緩和が期待されています。
また、会社法、税法もそれぞれ改正されています。2019年に39年振りの会社法改正が行われ、発起人/取締役の数が最低5名から2名へ、また取締役の過半数はフィリピン居住者である必要がありましたが、居住者要件は撤廃されました。また、最低資本金について、会社法上での規制は撤廃されたのですが、他の法令での規制が該当する場合があるので注意が必要とのことです。税務について20年ぶりの税制改正が行われており、2018年に第1弾税制改正、現在第2弾税制改正が協議中です。概要は、法人所得税率の見直し(引き下げ) 優遇税制の合理化、等となり、既存の優遇税制を受けている企業が引き続き同様のインセンティブを受けることができる(Sunset)期間が設けられています。その他、戦略的投資優先計画(SIPP)では電気・電子等インセンティブを受けられる業種を定めていますが、今後最新バージョンがアップデートされていくので注視する必要がある、とのことです。
[画像3: https://prtimes.jp/i/49690/83/resize/d49690-83-403701-0.png ]
後半では、海外子会社のマネジメントの要点についてご紹介いただきました。企業の成長曲線において、成果は最初はあがるものの、一定のところで停滞してしまう、こういった成熟期をなぜ迎えてしまうのかというと、一言でいうと”変化”によるものとのことです。フィリピン拠点の役割、駐在員の役割がそれぞれ変化してきています。
そういった変化に対応していくための解決策として、人事と財務の統合、バランススコアカード、また未来会計といった考え方をご紹介いただきました。また評価制度について、狭義の誰にいくら分配するかを決めるものから、分配する財源である利益を大きくするための評価制度を考えること、生産性の向上を目的とした評価制度の重要性について指摘がありました。具体的な業績アップにつながる人事評価制度のポイントをご紹介いただき、また、評価制度はどんなに高性能なものを構築してもそれだけで成果はでないので、運用こそが重要と強調されていました。
成功するには、日系マーケットだけでなく現地のローカルマーケットに参入、日本人だけでなく、経営もローカライゼーションすることがポイントになるようですが、最後に現地駐在員や日本本社による内部統制の重要性についても言及がありました。様々なリスクに備え、必要な文書化を行い、本社でもしっかり目を通すことが大切ということです。
第二部では、日系企業のフィリピン進出状況と背景についてJETRO・マニラ事務所 経済連携促進アドバイザー 安藤 智洋氏よりお話いただきました。
[画像4: https://prtimes.jp/i/49690/83/resize/d49690-83-989960-3.png ]
フィリピンの米ドルベースでの基本給月給は他のASEAN諸国と比較して、安定的に推移していること、生産年齢人口指数が高いこと、製造コスト指数が低いこと等、フィリピンには他のASEAN諸国と比較して、優位性があります。輸出型投資へのインセンティブ見直しを含む税制改革法案は、未成立ながら、フィリピンへの製造業分野の外国投資認可に大きく影響しました。しかし他国との横並びで見た場合のフィリピンの優位も未だ存在しており、世界的な通商環境の変化の下、それが見直される可能性があります、とご説明いただきました。
質疑応答では、フィリピンにおける通関業務の行いやすさ、また現地の労務管理で気を付ける点等様々な質問があり、ご参加者の皆様のフィリピンへの関心の高さが伺えました。製造移管先だけではなく、国内市場が大きくなっていく、人口動態的にも魅力的な市場今後、積極的な海外展開を考えられてはいかがでしょうか。刻々と状況は変わりますが、最新の情報を得るには、「ジェトロビジネス短信」が無料でweb上で見られるのでぜひご活用いただきたいと、安藤氏よりご紹介いただきましたので、ぜひご活用ください。
fabbitでは、最先端の情報やビジネストレンド、さらには事業に役立つ情報をお届けする多種多様なイベントや交流会を開催しています。fabbitの開催するイベント情報は下記をご覧ください。
https://fabbit.co.jp/event/
以上
【fabbitの概要】
fabbitは政府の提唱する「日本再興戦略2016」(現「未来投資戦略2018」)の趣旨に賛同し、「スタートアップ企業」や「中小企業の第二創業」の支援およびコワーキング・レンタルオフィス施設fabbitの運営を行っており現在国内23カ所、国外23カ所の拠点を有しており、会員数は10,000名以上に上ります。
※2020年10月末時点。数字は累計、変更になる可能性があります。
会員数・・・fabbit、Compass、及びグループ出資会社を含みます。
拠点数・・・グループ出資先のWorkbarを含んでいます。
【fabbit 株式会社の会社概要】
代表者:代表取締役 田中 保成
本社所在地:東京都千代田区大手町二丁目6番1号 朝日生命大手町ビル3階
◇fabbit 公式SNSはこちら◇
【Facebook】
fabbit 公式Facebook @fabbit.inc
URL: https://www.facebook.com/fabbit.inc/
【Instagram】
fabbit 公式Instagram @fabbit.inc
URL: https://www.instagram.com/fabbit.inc/
【Twitter】
fabbit 公式Twitter @fabbit_inc
URL: https://twitter.com/fabbit_inc