フリースケール、世界最小サイズのARM(R)マイクロコントローラ「Kinetis KL02」を発表
[13/02/27]
提供元:PRTIMES
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フリースケール・セミコンダクタ・ジャパン株式会社(本社:東京都目黒区下目黒1-8-1、代表取締役社長:ディビッド M. ユーゼ、以下 フリースケール)は、世界最小サイズの最新ARMマイクロコントローラ「Kinetis(キネティス)KL02」を発表しました。これは、「Internet of Things(IoT)」の時代が進み、ますます多くの小型、高性能、バッテリ駆動型の機器がつながる中、その基盤を形成するマイクロコントローラにおいて、優れた性能、エネルギー効率、コネクティビティをこれまで以上の小型サイズで実現することを求めるトレンドに対応するものです。KL02は、ポータブル民生用機器、リモート・センサ・ノード、ウェアラブル・デバイス、経口摂取型ヘルスケア・センサといったアプリケーションにおいて超小型製品を実現します。
既存ARM(R)マイクロコントローラの、25%サイズダウンを実現
わずか1.9mm × 2.0mmのKinetis KL02マイクロコントローラは、業界で2番目に小さいARM(R)マイクロコントローラと比べても25%小さなサイズを実現し、なおかつ、最新の32ビットARM Cortex(TM)-M0+プロセッサ、最先端の低消費電力性能、幅広いアナログ/通信ペリフェラルを備えています。そのため、処理性能や機能の統合性、消費電力性能など、重要な要素を一切犠牲にすることなく、ボードや製品のサイズを大幅に削減したシステム設計が可能になります。また、これまではマイクロコントローラを組み込むことができなかったスペース制約の厳しいアプリケーションにおいても、スマート・デバイス化したアップグレードが可能になるため、IoTエコシステムに新たなジャンルが誕生します。
フリースケールの上席副社長兼マイクロコントローラ・グループのジェネラル・マネージャであるジェフ・リースは、次のように述べています。「Kinetisポートフォリオを幅広く展開するフリースケールは、さまざまな点においてARMマイクロコントローラ市場のパイオニアです。ARMのCortex-M4プロセッサやCortex-M0+プロセッサをベースとするマイクロコントローラを業界で初めて製品化したのもフリースケールであり、エントリレベル・マイクロコントローラの新たなエネルギー効率基準を確立したのもフリースケールです。そして今、世界最小のARMマイクロコントローラを生み出し、“Internet of Things”の時代を牽引します。」
ARMの組込みプロセッサ製品担当ディレクターであるRichard York氏は、次のように述べています。「Internet of Thingsが進むことで、近い将来、ネットワーク対応型スマート・デバイス/スクリーンの広範かつ多様なエコシステムが形成されるようになり、私たちの生活のさまざまな分野でスマート・デバイス化が実現するでしょう。たとえば、小さなセンサにより、作物をモニタリングして自動で灌漑を実施したり、マイクロコントローラを通じて、建物全体のエネルギー効率を改善したりすることが可能になります。さらに、このようなデータの制御と管理をモバイル・デバイスで行えるようになるため、生活環境の管理が容易になります。Kinetis KL02 CSPマイクロコントローラは、IoT最先端のアプリケーションに向けて、ARMとフリースケール両社の最高技術を組み合わせており、消費電力効率に優れた超小型スマート・デバイスの新ジャンルを切り開きます。」
先進的なチップ・スケール・パッケージ
Kinetis KL02は、ウエハレベルのチップ・スケール・パッケージ(CSP)マイクロコントローラです。フリースケールのCSPマイクロコントローラは、最新のパッケージ製造技術を用いて、チップ、はんだボール相互接続部、プリント基板(PCB)を直接接続します。これにより、ボンド・ワイヤやインターポーザ接続部が不要になるため、チップとPCB間のインダクタンスが最小化され、熱伝導とパッケージの耐久性が向上し、物理的に過酷な環境にも対応可能になります。KL02は、大きな120/143ピンのKinetis Kシリーズ「K60/K61」に続き、Kinetisポートフォリオの3番目のCSPマイクロコントローラとなります。なお、性能、メモリ、機能のオプションを拡張した次世代Kinetis CSPマイクロコントローラが2013年中に発表される予定です。
エネルギー効率と機能統合
エネルギー効率に優れたCortex-M0+コアをベースとするKinetis KL02マイクロコントローラは、Kinetis Lシリーズの消費電力水準をさらに押し下げるため、消費電力要件の厳しい小型のIoT対応システムに理想的です。超高効率のKL02は、15.9 CoreMark/mA(*)の性能を実現し、他のKinetisマイクロコントローラと同様、自律的なスマート消費電力ペリフェラル(今回の場合、ADC、UART、タイマ)、10種類の柔軟な消費電力モード、幅広いクロック/電力ゲート制御を備えており、電力損失を最小化します。低消費電力のブート・モードにより、ブート・シーケンスやディープ・スリープからのウェイクアップの際の瞬時的な消費電力増加を抑制します。この仕組みは、ポータブル機器によく利用されるリチウムイオン(Li-Ion)バッテリなど、ピーク電流に制限があるバッテリを活用したシステムの場合に役立ちます。
Kinetis KL02マイクロコントローラの主な特長は次のとおりです。
・48MHz ARM Cortex-M0+コア、1.71V〜3.6Vの動作電圧
・ビット操作エンジンにより、高速でコード効率に優れたビット指向の演算を実現
・32KBのFlashメモリ、4KBのRAM
・高速12ビット・アナログ・デジタル・コンバータ
・高速アナログ・コンパレータ
・低消費電力のUART、SPI、2×IIC(I2C)
・モータ制御など、幅広いアプリケーションに対応する強力なタイマ
・-40℃〜+85℃の動作温度範囲
Embedded Worldでのデモ
フリースケールは、2月26日〜28日にドイツのニュルンベルクで開催される「Embedded World」において、Kinetis Lシリーズ・マイクロコントローラの優れたエネルギー効率についてデモンストレーションを行います(ホール番号:4A、ブース番号:206)。Kinetis KL02 CSPのサンプルも展示する予定です。
供給、開発ツール
Kinetis KL02 CSPマイクロコントローラは、2013年3月に特定顧客向けのサンプル出荷を開始する予定です。一般向けのサンプル出荷は、2013年7月に開始する予定です。10万個購入時の1個あたりの参考価格は、75セント(USD)です。
新しいFRDM-KL02フリースケールFreedom開発プラットフォームや、フリースケール製/サードパーティ製の開発ツールも7月に提供される予定です。なお、3月末より、FRDM-KL05ZフリースケールFreedom開発プラットフォームを利用して開発を開始することも可能です。このプラットフォームには、上位バージョンのKinetis KL05マイクロコントローラが含まれており、コアや主要なペリフェラル、フリースケール製/サードパーティ製開発ツールにアクセスできます。
詳細については、freescale.com/Kinetis/KL02CSPのWebサイトをご覧ください。
(*)CoreMark 1.0:108.69(IAR for ARM V6.50、--debug --endian=little --cpu=Cortex-M0 -e --fpu=None -Ohs --use_c++_inline。コード:内部Flash、データ:内部RAM、スタック。プロセッサ動作周波数:48MHz、動作電圧:3.0V)
製品画像に関しては、下記よりダウンロードください。
http://www.businesswire.com/multimedia/home/20130226005373/en/
フリースケール・セミコンダクタについて
フリースケール・セミコンダクタ(NYSE:FSL)は、先進の自動車、民生、産業、およびネットワーク市場において、業界を牽引する製品を提供する組込みプロセッシング・ソリューションの世界的リーダーです。マイクロプロセッサ、およびマイクロコントローラ、センサ、アナログ製品やコネクティビティといった私たちの技術は、世界中の環境、安全、健康を向上させ、そしてそれらをよりつなげるイノベーションの基盤となります。また、オートモーティブ・セーフティ、ハイブリッドや電気自動車、次世代のワイヤレス・インフラストラクチャ、スマートエナジー、ポータブル医療機器、家電やスマート・モバイル製品といったアプリケーション向けの製品を提供しています。フリースケールは、テキサス州オースチンを本拠地に、世界各国で半導体のデザイン、研究開発、製造ならびに営業活動を行っています。詳細は、http://www.freescale.com/jaをご覧ください。
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