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新しい安全システムがADACイエローエンジェル賞を受賞 コーナリングの安全性を高めるボッシュのモーターサイクル用スタビリティコントロール

数千の人命を守ることができる世界初の技術

・ドイツ自動車連盟(ADAC)のイエローエンジェル賞に輝いたボッシュのイノベーション
・MSCによりコーナーでも最適なブレーキングと加速が可能に
・ドライビングダイナミクスの限界内で最高の安全性を実現
・量産モデルとしてKTM 1190 AdventureとAdventure Rに初めて搭載




モーターサイクルがコーナーに入り、すでに車体が傾いた状態のときに突然障害物が現れた場合、経験豊富なライダーであっても、この状況に対処するのは容易ではありません。ブレーキをかけた場合、前輪もしくは後輪がグリップを失ってスライドし、モーターサイクルを制御しきれなくなる恐れがあるからです。
そして、これがドイツ国内のモーターサイクル死亡事故の半数がカーブで発生しているその一因にもなっています。新しいボッシュのモーターサイクル用スタビリティコントロール(MSC)は、コーナーで急ブレーキをかける際にライダーを支援するシステムです。この支援システムを通じて、さまざまな危機的状況を回避でき、カーブでの死亡者数の著しい減少にも大きく寄与します。

ライダーが急に減速/加速を行った場合にも、より安全に運転できるよう、MSCはブレーキ圧または加速をモーターサイクルで許容できるレベルまで低減します。「MSCは、かなり厳しいコーナーでも安全性を高めることができます」と、ボッシュのシャシーシステム・コントロール事業部長のゲルハルト・シュタイガーは述べています。このシステムは、2013年末にKTMの1190 Adventureと1190 Adventure Rに初めて搭載されました。そして、ドイツの大手自動車連盟であるADACが安全性の著しい向上につながる性能を高く評価し、2014年1月16日、ボッシュのMSCに「イノベーションと環境」部門における2014年イエローエンジェル賞が授与されました。ボッシュのモーターサイクル用の安全技術がイエローエンジェル賞を獲得するのは今回で2回目になります。すでに2010年に新型のABS Generation 9がADACからイエローエンジェル賞を授与されています。

傾斜時に毎秒100回以上の測定を実施
モーターサイクル用スタビリティコントロールは、各種のセーフティ機能を組み合わせることで、直線路の走行だけでなく、コーナリング時の減速と加速を支援します。この制御システムは、物理法則の許す範囲で、モーターサイクルが大きく傾いている場合でも機能する初のシステムです。モーターサイクルの安全性の向上に取り組む日本のボッシュ・コンピテンスセンターのエキスパートたちは、この機能を実現するために、既存のパワフルなABSに加え、センサーボックスを新たに採用しました。このボックスは走行中にモーターサイクルの縦方向加速度、横方向加速度、垂直加速度を測定し、その情報を用いてモーターサイクルのヨーレートとロールレートを毎秒100回以上計算します。そのため、ライダーの操作がやや過剰、あるいはカーブが予想以上にきつい場合でも、ブレーキ圧、制動力の配分、エンジントルクを極めてスピーディに調整できるようになりました。こうして安全性が著しく向上したことで、MSCはボッシュのその他の主要な安全技術革新と同じ高い水準に達しています。「モーターサイクル用スタビリティコントロールは、モーターサイクルの世界のESCとも言うべき存在です」。シュタイガーは乗用車向けの横滑り防止システムを引き合いに出し、こう表現しています。

同時に、MSCはロバート・ボッシュGmbHの「Invented for life」というコーポレート・スローガンを体現する存在でもあります。システム開発の陣頭指揮を執るフェウゼィ・ユルドゥルムはこう述べます。「私たちは多くの人命を救うことを目指しています」。ユルドゥルムは学生の頃友人の1人を16歳の若さで原動機付自転車の事故により失い、その体験がセーフティシステムの開発に強く打ち込む原動力となっています。彼は同僚との協力を通じて、経験の浅い、特に若いライダーにボッシュのアシスタンスシステムによるサポートを提供したいと考えています。もちろん危険な状況下では、経験豊富なライダーもこれらの電子システムの恩恵を受けることができます。

世界中のモーターサイクルとスクーターのための安全ソリューション
MSCの技術は、ボッシュの最先端のモーターサイクル用セーフティシステムを象徴するものとなっています。しかし、シュタイガーはこう述べます。「中国製の小型スクーターであれ、イタリア製のレース向けのパワフルなモーターサイクルであれ、ボッシュは世界中のあらゆる二輪車のために最適なセーフティシステムを提供していきます」。なお、現在の段階ではMSCは主に欧州、日本、米国のプレミアムなモーターサイクルを対象としています。

ABS(アンチロック ブレーキ システム)の市場は急成長を続けています。ボッシュは、エントリーレベルのモーターサイクル向けのベーシックシステムから一連の追加機能がすべて搭載されたABSまで、さまざまなアプリケーションに応じた多様なバージョンを提供できるよう、モジュラー式のアプローチを採用しています。特にアジアの低価格なモーターサイクルやスクーター向けに、ボッシュはいわゆるフロントABSも提供しています。アジアの二輪車の多くは前輪にのみ油圧ブレーキ回路を装備しているため、この1回路システムのABSは前輪だけを制御できるようになっています。インドだけでもモーターサイクルの事故で年間4万人が死亡している現在、この機能もまた、多くの人命を救うことに大きく寄与することになるでしょう。


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自動車機器テクノロジーセクターはボッシュ・グループ最大の事業セクターです。2012年の売上高は 31.1 億ユーロで総売上高の約59%を占めています。自動車機器テクノロジーの売上により、ボッシュ・グループはリーディング・サプライヤーのポジションを確立しています。
全世界において約177,000人の自動車機器テクノロジーセクターの従業員が、内燃機関用噴射技術、代替駆動コンセプト、効率的そしてネットワーク化されたパワーワトレイン周辺機器、アクティブ/パッシブセーフティシステム、運転支援/コンフォート機能、ユーザーに優しいインフォテインメント技術やCar-to-CarおよびCar2Xコミュニケーションとコンセプト、オートモーティブアフターマーケット向けのサービスや技術という7つの事業分野で働いています。
ボッシュ・グループは、電気駆動マネジメントや横滑り防止装置ESC(エレクトロニック・スタビリティ・コントロール)、ディーゼルシステム用コモンレールなどの重要な革新的自動車技術にも対応しています。

ボッシュ・グループは、グローバル規模で革新のテクノロジーとサービスを提供するリーディング・カンパニーです。2012年度の従業員数は約30万6,000人、売上高は525億ユーロを計上しています。また2013年初めからは、自動車機器テクノロジー、産業機器テクノロジー、消費財、エネルギー・建築関連テクノロジーの4事業セクター体制に移行しました。
ボッシュ・グループは、ロバート・ボッシュGmbHとその子会社約360社、世界約50カ国にあるドイツ国外の現地法人で構成されており、販売、サービス代理店のネットワークを加えると、世界の約150カ国で事業展開しています。この開発、製造、販売、サービスのグローバル・ネットワークが、ボッシュのさらなる成長の基盤です。
ボッシュでは2012年に約48億ユーロもの金額を研究開発に投じ、さらに全世界では4,800件以上の国際特許の基礎特許(第一国出願)を出願しています。私たちは革新的で有益なソリューションを提供し、そのすべての製品とサービスを通して、人々を魅了し、人々の生活の質を向上させることを目的にしています。この方針に基づき、ボッシュは全世界において人と社会に役立つ革新のテクノロジーを提供し続けていきます。それこそが「Invented for life」です。

さらに詳しい情報は
www.bosch.com ボッシュ・グローバル・ウェブサイト(英文)
www.bosch-press.com ボッシュ・メディア・サービス(英文)
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