パフォーマンス後のアスリートの腸内細菌は、酪酸菌などの有用菌が大幅に減少している!?知っておきたいスポーツや運動と腸内細菌の関連について
[24/03/27]
提供元:PRTIMES
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株式会社サイキンソー(本社:東京都渋谷区、代表取締役:沢井 悠、以下サイキンソー)は、スポーツと腸内細菌の関連についてのニュースレター「サイキンソーニュースレター スポーツや運動と腸内細菌の関連編」を発表いたしました。先月よりJリーグ戦(サッカー)が開幕し、今月はメジャーリーグも開幕しました。2024年はスポーツの祭典であるパリ夏季オリンピックも開催され、ますますスポーツや運動への関心が高まっています。
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スポーツと腸内細菌の関連について
本来のパフォーマンスを発揮するためにはコンディション管理が重要ですが、アスリートの 10〜20 %が胃腸の痛みや腹部膨満感、下痢などの消化器症状に悩んでいると言われています。※1
実際に、順天堂大学がウルトラマラソンの日本人ランナーを対象に行った腸内細菌叢(腸内フローラ)に関する研究 ※2 では、非常に負荷の大きい運動は腸内の酪酸産生菌を減少させ、免疫機能に影響を及ぼす可能性があることが判明しています。また、摂南大学ラグビー部を対象とした一般健常人との腸内環境比較研究 ※3 においては、下痢の原因となるコハク酸が高く、大腸炎患者レベルに達している選手がいたことや、研究に参加したラグビー部員の 87 人中 22 人が酪酸が検出限界以下であった(非常に少なかった)ことが報告されています。
激しい運動やトレーニングに伴う体力の消耗や、試合結果やパフォーマンスを追及するうえでの過度な緊張状態、海外を含む遠征など普段と異なる環境での生活が腸内環境を悪化させている要因になっていると考えられています。
サイキンソーでは 2022 年からアスリート支援プロジェクトを開始し、スポーツ選手の腸内フローラのモニタリングとフィードバックを行っております。現在は、プロサッカー選手の 森下 龍矢 選手とウルトラトレイルランナーの 宮崎 喜美乃 選手の 2 名とアンバサダー契約を結んでおります。
※1:Systematic review: exercise-induced gastrointestinal syndrome-implications for health and intestinal disease
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28589631/
※2:Alterations in intestinal microbiota in ultramarathon runners
https://www.nature.com/articles/s41598-022-10791-y
※3:Altered Fecal Microbiotas and Organic Acid Concentrations Indicate Possible Gut Dysbiosis in University Rugby Players: An Observational Study
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34442766/
アスリートのパフォーマンスと腸内環境
アンバサダー契約を結んでいる宮崎選手・森下選手の腸内フローラのモニタリングから、パフォーマンスとの関連が以下のように分かりました。
■宮崎選手の腸内フローラからわかったこと
支援を開始した 2022 年シーズンと2023 年シーズン共に、菌組成自体は概ね良好であったものの、大会の前後で腸内フローラが変化していたことが分かりました。特に 2022 年シーズンの大会では、前後の大会よりも戦績が大きく落ち込んだ際に、フローラスコア判定(腸内環境の良し悪しに関する指標)もレース前後の結果が通常の値よりも低下していました。また、レース直後の検査では、長距離アスリートに多く見られる下痢の原因となる Veillonella 属菌が増加していたことも分かりました。宮崎選手ご本人も、腸内フローラにゆらぎがあったタイミングでは、メンタルの調子が万全でなかったり、特に強い緊張を感じていたようです。今期はこれらの課題克服に向けて、腸内フローラ改善の取り組みへの強い意欲をいただいております。
■森下選手の腸内フローラからわかったこと
もともと、下痢のお悩みをお持ちで、腸内フローラ検査からも下痢優勢タイプであることが判明しました。サイキンソーの管理栄養士が食事改善などの継続的なフォローを実施したことで、腸内細菌タイプも下痢優勢タイプから、酪酸産生菌が豊富でフローラスコアも高いタイプへ推移することができました。森下選手ご本人も、下痢症状が改善したことで体調改善を実感し、パフォーマンスも良くなってきた実感をお持ちです。実際に「 2023 年 Jリーグ 優秀選手賞」を受賞し、 2024 年シーズンからは海外リーグへ移籍するなど活躍の幅を広げています。
マイキンソーデータから見る、運動習慣と腸内環境の関連
アスリートのように激しい運動を行う場合の腸内環境と、一般の方の運動習慣の有無と腸内環境の関係は状況が異なります。サイキンソーが保有する、マイキンソーデータ( 国内最大規模の 10 万人の腸内フローラ検査結果より算出 )からは、運動習慣がある人はない人と比較をして、腸内フローラ判定のスコアが高く、腸内環境の多様性も高い傾向があることが分かりました。
また、アスリートなど激しい運動をする人は運動後に酪酸が大きく減少することが報告されていますが、適度な運動習慣がある人はそうでない人と比較して、酪酸を産生する菌の一種であるフィーカリバクテリウムを多く保有していることが分かっています。
酪酸は天然の薬とも呼ばれる短鎖脂肪酸の一種で、免疫機能の向上に寄与し、健康を維持してくれる働きがあります。こうしたことからも、一般の方が適度に運動習慣を持つことは、良好な腸内環境を保つうえで非常に重要であることが分かります。
総括
■アスリートのパフォーマンスと腸内環境の状態には一定の関連があり
先行研究などから、アスリートの 10〜20 %が胃腸の痛みや腹部膨満感、下痢などの消化器症状に悩んでおり、実際に激しい運動後は免疫機能に大きな影響が出ていることが報告されています。
サイキンソーでは、 2 名のアスリートとアンバサダー契約を結び、腸内フローラのモニタリングを通じてパフォーマンスとの関連を研究しています。その中で大会成績とフローラスコアの相関や、腸活アドバイス後の行動変容とフローラスコアの改善、選手ご本人のパフォーマンス向上の実感など、一定の成果を得ることができています。
■適度な運動は、腸内環境を良好な状態へ導いてくれる
一般的に腸活では、適度に運動を行うことは推奨されており、実際にマイキンソーデータからも運動が腸内環境を良好に保つ一因になることが分かっています。運動習慣がある方は、短鎖脂肪酸の一種である酪酸を作り出す有用菌のフィーカリバクテリウムも多く保有しています。短鎖脂肪酸は、免疫機能の向上に好影響を与えてくれるため、腸内環境を良い状態に導いてくれるのです。
一般の方が適度に運動を習慣化することは、腸活には良い影響を与えるといえるためお勧めです。
しかし、プロのアスリートのように激しい運動を行う際には、酪酸菌など免疫機能の維持に必要な菌が減らないよう、サプリメントなどで直接菌を摂取したり、日頃から腸内細菌が喜ぶ食事を徹底したりするなどより意識を高めることが大事です。
サイキンソー NEWSLETTERについて
個人向け腸内フローラ検査「マイキンソー(Mykinso)」を展開するサイキンソーは、10万件という国内最大規模の腸内フローラデータに加え、生活習慣や病歴等のアンケートデータを保有しています。健常人の腸内フローラビッグデータを活用し、世の中の気になる話題やトピックスについて、独自の見解をニュースレターとして発表いたします。
マイキンソー(Mykinso)について
自宅で誰でも簡単にできる腸内フローラ(腸内細菌叢)検査サービス。腸内フローラの良し悪しを5段階で評価する「腸内フローラ総合判定」の搭載に加え、ビフィズス菌や乳酸産生菌、酪酸産生菌、エクオール産生菌などの有用菌、肥満や大腸がんのリスクに関係がある要注意菌など10項目が確認できます。加えて、菌の項目に合わせて腸内環境を改善するためのアドバイスもお伝えします。全国 1,200 件以上の医療機関で受けられる「マイキンソー プロ(Mykinso Pro)」や乳幼児に特化した検査サービス「マイキンソー キッズ(Mykinso キッズ)」も展開しています。
・サービスサイト:https://mykinso.com/
・紹介動画:https://youtu.be/GtIxFi92RFA
会社概要
「細菌叢で人々を健康に」を企業理念に掲げ、腸内フローラをはじめとする常在細菌叢と心身の健康・疾患リスクとの関連を解明し、全ての人々の日常に個別最適な解を提供することで、誰もが自然と健康になれる社会を目指しています。その一環として、腸内環境の状態を把握することが健康維持・増進に繋がるとの考えから、自宅で手軽にできる腸内フローラ検査「マイキンソー(Mykinso)」を開発しました。日本人の大規模な菌叢データベースと高度なデータサイエンス技術を活用し、検査サービスの拡張やOEM開発、システム構築支援、匿名加工情報の研究利活用推進など、菌叢データに基づく事業を多角的に展開しています。
・会社名:株式会社サイキンソー
・設立 : 2014 年 11 月 19 日
・所在地:東京都渋谷区代々木 1 - 36 - 1 オダカビル 2 階
・代表者:代表取締役 沢井 悠
・主な共同研究先:大阪大学微生物病研究所
・HP :https://cykinso.co.jp/
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スポーツと腸内細菌の関連について
本来のパフォーマンスを発揮するためにはコンディション管理が重要ですが、アスリートの 10〜20 %が胃腸の痛みや腹部膨満感、下痢などの消化器症状に悩んでいると言われています。※1
実際に、順天堂大学がウルトラマラソンの日本人ランナーを対象に行った腸内細菌叢(腸内フローラ)に関する研究 ※2 では、非常に負荷の大きい運動は腸内の酪酸産生菌を減少させ、免疫機能に影響を及ぼす可能性があることが判明しています。また、摂南大学ラグビー部を対象とした一般健常人との腸内環境比較研究 ※3 においては、下痢の原因となるコハク酸が高く、大腸炎患者レベルに達している選手がいたことや、研究に参加したラグビー部員の 87 人中 22 人が酪酸が検出限界以下であった(非常に少なかった)ことが報告されています。
激しい運動やトレーニングに伴う体力の消耗や、試合結果やパフォーマンスを追及するうえでの過度な緊張状態、海外を含む遠征など普段と異なる環境での生活が腸内環境を悪化させている要因になっていると考えられています。
サイキンソーでは 2022 年からアスリート支援プロジェクトを開始し、スポーツ選手の腸内フローラのモニタリングとフィードバックを行っております。現在は、プロサッカー選手の 森下 龍矢 選手とウルトラトレイルランナーの 宮崎 喜美乃 選手の 2 名とアンバサダー契約を結んでおります。
※1:Systematic review: exercise-induced gastrointestinal syndrome-implications for health and intestinal disease
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28589631/
※2:Alterations in intestinal microbiota in ultramarathon runners
https://www.nature.com/articles/s41598-022-10791-y
※3:Altered Fecal Microbiotas and Organic Acid Concentrations Indicate Possible Gut Dysbiosis in University Rugby Players: An Observational Study
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34442766/
アスリートのパフォーマンスと腸内環境
アンバサダー契約を結んでいる宮崎選手・森下選手の腸内フローラのモニタリングから、パフォーマンスとの関連が以下のように分かりました。
■宮崎選手の腸内フローラからわかったこと
支援を開始した 2022 年シーズンと2023 年シーズン共に、菌組成自体は概ね良好であったものの、大会の前後で腸内フローラが変化していたことが分かりました。特に 2022 年シーズンの大会では、前後の大会よりも戦績が大きく落ち込んだ際に、フローラスコア判定(腸内環境の良し悪しに関する指標)もレース前後の結果が通常の値よりも低下していました。また、レース直後の検査では、長距離アスリートに多く見られる下痢の原因となる Veillonella 属菌が増加していたことも分かりました。宮崎選手ご本人も、腸内フローラにゆらぎがあったタイミングでは、メンタルの調子が万全でなかったり、特に強い緊張を感じていたようです。今期はこれらの課題克服に向けて、腸内フローラ改善の取り組みへの強い意欲をいただいております。
■森下選手の腸内フローラからわかったこと
もともと、下痢のお悩みをお持ちで、腸内フローラ検査からも下痢優勢タイプであることが判明しました。サイキンソーの管理栄養士が食事改善などの継続的なフォローを実施したことで、腸内細菌タイプも下痢優勢タイプから、酪酸産生菌が豊富でフローラスコアも高いタイプへ推移することができました。森下選手ご本人も、下痢症状が改善したことで体調改善を実感し、パフォーマンスも良くなってきた実感をお持ちです。実際に「 2023 年 Jリーグ 優秀選手賞」を受賞し、 2024 年シーズンからは海外リーグへ移籍するなど活躍の幅を広げています。
マイキンソーデータから見る、運動習慣と腸内環境の関連
アスリートのように激しい運動を行う場合の腸内環境と、一般の方の運動習慣の有無と腸内環境の関係は状況が異なります。サイキンソーが保有する、マイキンソーデータ( 国内最大規模の 10 万人の腸内フローラ検査結果より算出 )からは、運動習慣がある人はない人と比較をして、腸内フローラ判定のスコアが高く、腸内環境の多様性も高い傾向があることが分かりました。
また、アスリートなど激しい運動をする人は運動後に酪酸が大きく減少することが報告されていますが、適度な運動習慣がある人はそうでない人と比較して、酪酸を産生する菌の一種であるフィーカリバクテリウムを多く保有していることが分かっています。
酪酸は天然の薬とも呼ばれる短鎖脂肪酸の一種で、免疫機能の向上に寄与し、健康を維持してくれる働きがあります。こうしたことからも、一般の方が適度に運動習慣を持つことは、良好な腸内環境を保つうえで非常に重要であることが分かります。
総括
■アスリートのパフォーマンスと腸内環境の状態には一定の関連があり
先行研究などから、アスリートの 10〜20 %が胃腸の痛みや腹部膨満感、下痢などの消化器症状に悩んでおり、実際に激しい運動後は免疫機能に大きな影響が出ていることが報告されています。
サイキンソーでは、 2 名のアスリートとアンバサダー契約を結び、腸内フローラのモニタリングを通じてパフォーマンスとの関連を研究しています。その中で大会成績とフローラスコアの相関や、腸活アドバイス後の行動変容とフローラスコアの改善、選手ご本人のパフォーマンス向上の実感など、一定の成果を得ることができています。
■適度な運動は、腸内環境を良好な状態へ導いてくれる
一般的に腸活では、適度に運動を行うことは推奨されており、実際にマイキンソーデータからも運動が腸内環境を良好に保つ一因になることが分かっています。運動習慣がある方は、短鎖脂肪酸の一種である酪酸を作り出す有用菌のフィーカリバクテリウムも多く保有しています。短鎖脂肪酸は、免疫機能の向上に好影響を与えてくれるため、腸内環境を良い状態に導いてくれるのです。
一般の方が適度に運動を習慣化することは、腸活には良い影響を与えるといえるためお勧めです。
しかし、プロのアスリートのように激しい運動を行う際には、酪酸菌など免疫機能の維持に必要な菌が減らないよう、サプリメントなどで直接菌を摂取したり、日頃から腸内細菌が喜ぶ食事を徹底したりするなどより意識を高めることが大事です。
サイキンソー NEWSLETTERについて
個人向け腸内フローラ検査「マイキンソー(Mykinso)」を展開するサイキンソーは、10万件という国内最大規模の腸内フローラデータに加え、生活習慣や病歴等のアンケートデータを保有しています。健常人の腸内フローラビッグデータを活用し、世の中の気になる話題やトピックスについて、独自の見解をニュースレターとして発表いたします。
マイキンソー(Mykinso)について
自宅で誰でも簡単にできる腸内フローラ(腸内細菌叢)検査サービス。腸内フローラの良し悪しを5段階で評価する「腸内フローラ総合判定」の搭載に加え、ビフィズス菌や乳酸産生菌、酪酸産生菌、エクオール産生菌などの有用菌、肥満や大腸がんのリスクに関係がある要注意菌など10項目が確認できます。加えて、菌の項目に合わせて腸内環境を改善するためのアドバイスもお伝えします。全国 1,200 件以上の医療機関で受けられる「マイキンソー プロ(Mykinso Pro)」や乳幼児に特化した検査サービス「マイキンソー キッズ(Mykinso キッズ)」も展開しています。
・サービスサイト:https://mykinso.com/
・紹介動画:https://youtu.be/GtIxFi92RFA
会社概要
「細菌叢で人々を健康に」を企業理念に掲げ、腸内フローラをはじめとする常在細菌叢と心身の健康・疾患リスクとの関連を解明し、全ての人々の日常に個別最適な解を提供することで、誰もが自然と健康になれる社会を目指しています。その一環として、腸内環境の状態を把握することが健康維持・増進に繋がるとの考えから、自宅で手軽にできる腸内フローラ検査「マイキンソー(Mykinso)」を開発しました。日本人の大規模な菌叢データベースと高度なデータサイエンス技術を活用し、検査サービスの拡張やOEM開発、システム構築支援、匿名加工情報の研究利活用推進など、菌叢データに基づく事業を多角的に展開しています。
・会社名:株式会社サイキンソー
・設立 : 2014 年 11 月 19 日
・所在地:東京都渋谷区代々木 1 - 36 - 1 オダカビル 2 階
・代表者:代表取締役 沢井 悠
・主な共同研究先:大阪大学微生物病研究所
・HP :https://cykinso.co.jp/