ピヴラッツ(R)点滴静注液150mg(クラゾセンタンナトリウム)の韓国における製造販売承認について
[23/12/08]
提供元:PRTIMES
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脳動脈瘤によるくも膜下出血(aSAH)術後の脳血管攣縮発症抑制薬であるピヴラッツ(R)の韓国における製造販売承認を取得ピヴラッツ(R)は韓国で2025年前半に発売予定
当社グループは、脳動脈瘤によるくも膜下出血(aSAH)術後の脳血管攣縮、およびこれに伴う脳梗塞および脳虚血症状の発症抑制薬であるピヴラッツ(R)点滴静注液150mg(一般名:クラゾセンタンナトリウム)について、韓国食品医薬品安全処(MFDS)、より製造販売承認を取得しましたので、お知らせいたします。
今回のMFDSによる製造販売承認は、当社グループのIdorsia Pharmaceuticals Korea Co., Ltd.(以下「IPK」)が提出した、日本における第III相臨床試験結果に基づいています。aSAHに対して血管内コイル塞栓術または脳動脈瘤クリッピング術を行った患者を対象とした試験では、ピヴラッツ(R)が脳動脈瘤によるくも膜下出血発症後6週間における脳血管攣縮関連の合併症、および原因を問わない死亡の発現割合を有意に低下させることが示されました。同試験では、ピヴラッツ(R)の安全性プロファイルも確認されました。
韓国では、IPKがピヴラッツ(R)の製造販売承認を取得し、2025年前半に販売が開始される予定です。
日本では、当社グループのイドルシア ファーマシューティカルズ ジャパン株式会社(以下「IPJ」)が2022年1月にピヴラッツ(R)の製造販売承認を取得し、2022年4月に発売しています。日本では、ピヴラッツ(R)は2023年11月時点で約8,900人の患者さまに使用されています。
脳動脈瘤によるくも膜下出血は、くも膜下腔に突然出血が生じる生命を脅かす疾患であり、脳動脈瘤(脳動脈の壁が弱くなり膨らんだ部分)の破裂によって起こります。出血を止めるには血管内コイル塞栓術または脳動脈瘤クリッピング術などの緊急処置が必要です。隣接する血管内皮や出血によって産生される強力な血管収縮物質であるエンドセリンが放出されることで、aSAH発症後4〜14日の間に脳血管攣縮(脳の動脈の収縮)が発症します。これにより脳への血流が減少し、患者の約3分の1が神経脱落症状を発現します。脳血管攣縮はaSAH患者における合併症および死亡の主要な二次的原因の一つです。
Korean Society of Cerebrovascular Surgeons会長のPark Ik-seong教授(Bucheon St. Mary's Hospital脳神経外科教授)は、次のように述べています。「くも膜下出血術後の脳血管攣縮は死に至ることもある深刻な症状ですが、有効な治療薬がないため治療が困難でした。今回、その発生抑制薬であるピヴラッツ(R)が韓国で製造販売承認されました。患者さまのためにもこの薬が一日も早く発売され、多くの人が利用できるようになることを願っています。」
当社執行役副社長兼IPK代表取締役会長の田中諭は、次のように述べています。「APACの2番目の主要市場でピヴラッツ(R)の製造販売承認を取得できたことは重要な成果であり、人生を変える可能性のあるこの画期的治療法を韓国の患者さまにお届けする段階にまた一歩近づいたことになります。脳血管攣縮は、くも膜下出血術後の後遺症および死亡の主要な二次的原因の一つです。韓国における脳血管攣縮の発生率は10万人年当たり9.0人であり、世界における発生率(10万人年当たり7.9人)と比較して高いことから、ピヴラッツ(R)は患者さまにとって有意義な治療選択肢となり得ます。日本での上市成功のおかげで、当社グループの商業化計画は順調に進んでおり、遅くとも2025年前半には韓国の医師と患者さまにピヴラッツ(R)を提供できると確信しています。」
当社は、2023年7月、IPJおよびIPKの買収の一環として選択的エンドセリン受容体拮抗薬であるピヴラッツ(R)の日本およびAPAC(中国を除く)おける権利をIdorsia Pharmaceuticals Ltdより獲得しました。
本件による当社の2023年12月期の通期業績に与える影響は軽微でありますが、開示すべき事項が生じた場合は速やかにお知らせいたします。
日本での第III相臨床試験について
日本での第III相臨床試験は、2つの無作為化プラセボ対照二重盲検試験で構成され、日本人の成人患者を対象とし、aSAH後の血管攣縮関連の合併症および原因を問わない死亡発現割合の低下におけるクラゾセンタンの有効性および安全性を検証しました。患者は1:1の比で無作為に割り付けられ、aSAH発症後最大15日間、クラゾセンタン10mg/時またはプラセボのいずれかを静脈内持続投与しました。2つの試験の試験デザインは同一で、一方は脳動脈瘤クリッピング術後患者221例を対象とし、もう一方は血管内コイル塞栓術後患者221例を対象としました。
両試験において、クラゾセンタンはaSAH発症後6週間までに脳血管攣縮関連の合併症および原因を問わない死亡発現割合を統計学的に有意に低下させました(両試験ともp<0.01)。また、死亡(原因を問わない)、脳血管攣縮に関連した新規脳梗塞、脳血管攣縮に関連した遅発性虚血性神経脱落症状のうち少なくとも一つを発現することを複合エンドポイントとし、中立的な評価委員会によって盲検下で評価されました。事前に計画されていた2つの試験を統合した解析の結果、あらゆる理由によるMorbidity/Mortalityイベント に対しクラゾセンタンは有意に改善効果が認められました(p<0.05)。また、各個別の試験では、あらゆる理由によるMorbidity/Mortalityイベントの数値的な改善傾向が観察されました。
aSAH発症後の日本人患者を対象としたこれらの第III相臨床試験では、予期せぬ安全性所見は認められませんでした。クラゾセンタン群の5%以上(プラセボ群との差は2%以上)に発現した治療上緊急を要する有害事象は、嘔吐および血液希釈または体液鬱滞の徴候(低ナトリウム血症、低アルブミン血症、貧血、胸水、脳浮腫および肺水腫)でした。
主要文献
・Endo H, et al. J Neurosurg. Published online April 01, 2022; DOI: 10.3171/2022.2.JNS212914
・Daou BJ, et al. CNS Neurosci Ther. 2019; 25(10):1096-1112.
・de Oliveira JG, et al. Neurosurg Rev. 2007; 30(1): 22-31.
・Dankbaar JW, et al. Neuroradiology. 2009;51(12):813-819.
・Frontera JA, et al. Stroke. 2009;40(6):1963-1968.
・Rabinstein AA, et al.. Stroke. 2005;36(5):992- 997.
・Dorsch NW, King MT. J Clin Neurosci. 1994; 1(1): 19-26.
・Etminan N, et al. JAMA Neurol. 2019; 76(5): 588-597.
・Fujimura M, et al. Cerebrovasc Dis. 2017;44(1-2):59-67.
・Vajkoczy P, et al. J Neurosurg. 2005;103(1):9-17.
・Roux S, et al. J Pharmacol Exp Ther. 1997;283(3):1110-1118.
・Macdonald R L, et al. The Lancet Neurology, 2011; 10(7):618-625.
・Macdonald R L, et al. Stroke 2008; 39:3015-3021.
・Kim, JY.et al. Journal of Stroke 2019 Jan;21(1):42-59.
Idorsia Pharmaceuticals Koreaについて
Idorsia Pharmaceuticals Korea(IPK)は、韓国における患者さまのための革新的で有望な化合物の臨床開発・商業化準備のために2022年に設立されました。IPKは、そーせいグループ株式会社の100%子会社です。
Sosei Heptaresについて
当社グループは、フルセットのバイオ医薬品企業であり、世界をリードするサイエンスによって人生を変える医薬品を生み出すことをミッションとし、日本発の国際的なリーディングバイオ医薬品企業になることを目指しています。
当社グループは、英国における世界をリードするGタンパク質共役受容体(GPCR)をターゲットとしたStaR(R)技術、構造ベース創薬(SBDD)ならびに初期開発力と、日本における経験豊富な臨床開発力および商業化事業とを組み合わせ、グローバルに事業を展開しています。
これらの能力を活かし、神経疾患、免疫疾患、消化器疾患、炎症性疾患など複数の治療領域において、新薬候補物質の幅広いパイプラインの創出および研究開発の加速に取り組んでいます。当社グループは、自社開発、あるいは大手グローバル製薬企業や新興バイオ医薬品企業との提携を通じて、日本および世界の患者さまのため価値創出につながる医薬品の開発を図ります。
当社グループは、東京、大阪、ロンドン、ケンブリッジ、バーゼル、ソウルの主要拠点で事業を展開しています。
「Sosei Heptares」は、東京証券取引所に上場しているそーせいグループ株式会社(証券コード4565)のコーポレートブランドです。「そーせい」、「Heptares」、当社グループのロゴおよびStaR(R)は、当社グループの商標または登録商標です。
詳しくは、ホームページhttps://soseiheptares.com/をご覧ください。
LinkedIn: @soseiheptaresco
X: @soseiheptaresco
YouTube: @soseiheptaresco
当社グループは、脳動脈瘤によるくも膜下出血(aSAH)術後の脳血管攣縮、およびこれに伴う脳梗塞および脳虚血症状の発症抑制薬であるピヴラッツ(R)点滴静注液150mg(一般名:クラゾセンタンナトリウム)について、韓国食品医薬品安全処(MFDS)、より製造販売承認を取得しましたので、お知らせいたします。
今回のMFDSによる製造販売承認は、当社グループのIdorsia Pharmaceuticals Korea Co., Ltd.(以下「IPK」)が提出した、日本における第III相臨床試験結果に基づいています。aSAHに対して血管内コイル塞栓術または脳動脈瘤クリッピング術を行った患者を対象とした試験では、ピヴラッツ(R)が脳動脈瘤によるくも膜下出血発症後6週間における脳血管攣縮関連の合併症、および原因を問わない死亡の発現割合を有意に低下させることが示されました。同試験では、ピヴラッツ(R)の安全性プロファイルも確認されました。
韓国では、IPKがピヴラッツ(R)の製造販売承認を取得し、2025年前半に販売が開始される予定です。
日本では、当社グループのイドルシア ファーマシューティカルズ ジャパン株式会社(以下「IPJ」)が2022年1月にピヴラッツ(R)の製造販売承認を取得し、2022年4月に発売しています。日本では、ピヴラッツ(R)は2023年11月時点で約8,900人の患者さまに使用されています。
脳動脈瘤によるくも膜下出血は、くも膜下腔に突然出血が生じる生命を脅かす疾患であり、脳動脈瘤(脳動脈の壁が弱くなり膨らんだ部分)の破裂によって起こります。出血を止めるには血管内コイル塞栓術または脳動脈瘤クリッピング術などの緊急処置が必要です。隣接する血管内皮や出血によって産生される強力な血管収縮物質であるエンドセリンが放出されることで、aSAH発症後4〜14日の間に脳血管攣縮(脳の動脈の収縮)が発症します。これにより脳への血流が減少し、患者の約3分の1が神経脱落症状を発現します。脳血管攣縮はaSAH患者における合併症および死亡の主要な二次的原因の一つです。
Korean Society of Cerebrovascular Surgeons会長のPark Ik-seong教授(Bucheon St. Mary's Hospital脳神経外科教授)は、次のように述べています。「くも膜下出血術後の脳血管攣縮は死に至ることもある深刻な症状ですが、有効な治療薬がないため治療が困難でした。今回、その発生抑制薬であるピヴラッツ(R)が韓国で製造販売承認されました。患者さまのためにもこの薬が一日も早く発売され、多くの人が利用できるようになることを願っています。」
当社執行役副社長兼IPK代表取締役会長の田中諭は、次のように述べています。「APACの2番目の主要市場でピヴラッツ(R)の製造販売承認を取得できたことは重要な成果であり、人生を変える可能性のあるこの画期的治療法を韓国の患者さまにお届けする段階にまた一歩近づいたことになります。脳血管攣縮は、くも膜下出血術後の後遺症および死亡の主要な二次的原因の一つです。韓国における脳血管攣縮の発生率は10万人年当たり9.0人であり、世界における発生率(10万人年当たり7.9人)と比較して高いことから、ピヴラッツ(R)は患者さまにとって有意義な治療選択肢となり得ます。日本での上市成功のおかげで、当社グループの商業化計画は順調に進んでおり、遅くとも2025年前半には韓国の医師と患者さまにピヴラッツ(R)を提供できると確信しています。」
当社は、2023年7月、IPJおよびIPKの買収の一環として選択的エンドセリン受容体拮抗薬であるピヴラッツ(R)の日本およびAPAC(中国を除く)おける権利をIdorsia Pharmaceuticals Ltdより獲得しました。
本件による当社の2023年12月期の通期業績に与える影響は軽微でありますが、開示すべき事項が生じた場合は速やかにお知らせいたします。
日本での第III相臨床試験について
日本での第III相臨床試験は、2つの無作為化プラセボ対照二重盲検試験で構成され、日本人の成人患者を対象とし、aSAH後の血管攣縮関連の合併症および原因を問わない死亡発現割合の低下におけるクラゾセンタンの有効性および安全性を検証しました。患者は1:1の比で無作為に割り付けられ、aSAH発症後最大15日間、クラゾセンタン10mg/時またはプラセボのいずれかを静脈内持続投与しました。2つの試験の試験デザインは同一で、一方は脳動脈瘤クリッピング術後患者221例を対象とし、もう一方は血管内コイル塞栓術後患者221例を対象としました。
両試験において、クラゾセンタンはaSAH発症後6週間までに脳血管攣縮関連の合併症および原因を問わない死亡発現割合を統計学的に有意に低下させました(両試験ともp<0.01)。また、死亡(原因を問わない)、脳血管攣縮に関連した新規脳梗塞、脳血管攣縮に関連した遅発性虚血性神経脱落症状のうち少なくとも一つを発現することを複合エンドポイントとし、中立的な評価委員会によって盲検下で評価されました。事前に計画されていた2つの試験を統合した解析の結果、あらゆる理由によるMorbidity/Mortalityイベント に対しクラゾセンタンは有意に改善効果が認められました(p<0.05)。また、各個別の試験では、あらゆる理由によるMorbidity/Mortalityイベントの数値的な改善傾向が観察されました。
aSAH発症後の日本人患者を対象としたこれらの第III相臨床試験では、予期せぬ安全性所見は認められませんでした。クラゾセンタン群の5%以上(プラセボ群との差は2%以上)に発現した治療上緊急を要する有害事象は、嘔吐および血液希釈または体液鬱滞の徴候(低ナトリウム血症、低アルブミン血症、貧血、胸水、脳浮腫および肺水腫)でした。
主要文献
・Endo H, et al. J Neurosurg. Published online April 01, 2022; DOI: 10.3171/2022.2.JNS212914
・Daou BJ, et al. CNS Neurosci Ther. 2019; 25(10):1096-1112.
・de Oliveira JG, et al. Neurosurg Rev. 2007; 30(1): 22-31.
・Dankbaar JW, et al. Neuroradiology. 2009;51(12):813-819.
・Frontera JA, et al. Stroke. 2009;40(6):1963-1968.
・Rabinstein AA, et al.. Stroke. 2005;36(5):992- 997.
・Dorsch NW, King MT. J Clin Neurosci. 1994; 1(1): 19-26.
・Etminan N, et al. JAMA Neurol. 2019; 76(5): 588-597.
・Fujimura M, et al. Cerebrovasc Dis. 2017;44(1-2):59-67.
・Vajkoczy P, et al. J Neurosurg. 2005;103(1):9-17.
・Roux S, et al. J Pharmacol Exp Ther. 1997;283(3):1110-1118.
・Macdonald R L, et al. The Lancet Neurology, 2011; 10(7):618-625.
・Macdonald R L, et al. Stroke 2008; 39:3015-3021.
・Kim, JY.et al. Journal of Stroke 2019 Jan;21(1):42-59.
Idorsia Pharmaceuticals Koreaについて
Idorsia Pharmaceuticals Korea(IPK)は、韓国における患者さまのための革新的で有望な化合物の臨床開発・商業化準備のために2022年に設立されました。IPKは、そーせいグループ株式会社の100%子会社です。
Sosei Heptaresについて
当社グループは、フルセットのバイオ医薬品企業であり、世界をリードするサイエンスによって人生を変える医薬品を生み出すことをミッションとし、日本発の国際的なリーディングバイオ医薬品企業になることを目指しています。
当社グループは、英国における世界をリードするGタンパク質共役受容体(GPCR)をターゲットとしたStaR(R)技術、構造ベース創薬(SBDD)ならびに初期開発力と、日本における経験豊富な臨床開発力および商業化事業とを組み合わせ、グローバルに事業を展開しています。
これらの能力を活かし、神経疾患、免疫疾患、消化器疾患、炎症性疾患など複数の治療領域において、新薬候補物質の幅広いパイプラインの創出および研究開発の加速に取り組んでいます。当社グループは、自社開発、あるいは大手グローバル製薬企業や新興バイオ医薬品企業との提携を通じて、日本および世界の患者さまのため価値創出につながる医薬品の開発を図ります。
当社グループは、東京、大阪、ロンドン、ケンブリッジ、バーゼル、ソウルの主要拠点で事業を展開しています。
「Sosei Heptares」は、東京証券取引所に上場しているそーせいグループ株式会社(証券コード4565)のコーポレートブランドです。「そーせい」、「Heptares」、当社グループのロゴおよびStaR(R)は、当社グループの商標または登録商標です。
詳しくは、ホームページhttps://soseiheptares.com/をご覧ください。
LinkedIn: @soseiheptaresco
X: @soseiheptaresco
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