起業家が知っておくべき資金調達勉強会 vol.1
[19/12/10]
提供元:PRTIMES
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https://fundoor.com/contents/83
起業家が知っておくべき資金調達勉強会 vol.1のイベントレポート
[画像1: https://prtimes.jp/i/21941/94/resize/d21941-94-287359-1.png ]
<ある起業家の悲劇>
ある投資家からの資金調達までとりつけた起業家Sさん。後日、その投資家から投資契約書が送られてきます。読んでも内容が全くわからないながら、Sさんはとり急ぎお金が必要だったのでそのままサインして送り返し、その後投資家からお金が振り込まれました。
数ヶ月経ち、事業拡大のためにM&Aが必要だと判断したSさんは、大企業とのM&Aを決めましたが、そのことを投資家に伝えると様々な理由から「ダメ」と言われます。
なぜ投資家は社長でもないのに「ダメ」と言えるのでしょう? それは持ち分比率が70%あるからです。投資契約書にはそのことが明記されていましたが、起業して日が浅かった起業家は知識がないままに同意してしまったのでした。
大企業とのM&Aは破談となり、ほどなくして会社も幕を下ろすことになりました。
これは決して特殊な例ではなく、ベンチャー企業にままある事故のような現実です。
そんな悲しい起業家が一人でも減るように、そして成長するベンチャー企業が一社でも増えるようにと、祈りを込めて日本クラウドキャピタルが開発した、事業計画と資本政策を作成できるツール「FUNDOOR」を使った資金調達の勉強会が先日行われました。
[画像2: https://prtimes.jp/i/21941/94/resize/d21941-94-668355-0.png ]
講師は日本クラウドキャピタルの住永匠です。住永はFUNDOORの開発とFUNDOORを使用した資金調達支援をしています。公認会計士試験に合格後、監査法人において監査業務に従事した住永は、その後日本クラウドキャピタルにおいて資金調達予定の企業様へのDD業務(Due Diligence:投資やM&Aなどの取引に際して行われる、対象企業や不動産・金融商品などの資産の調査活動)を行い、資金調達の実行支援等を多数経験してきました。
「資金調達での失敗をなくそう」という趣旨を元に開催されたこの勉強会に向けて、住永講師が作成した渾身のスライドは120枚。持ち時間90分の中で見事に消化すること実に時速80枚でした!
ファイナンスの初心者にもわかりやすいスライドに集中しつつ、ワークもあり、ファイナンスの知識を身につけつつ、事業計画や資本政策を「自分ごと化」して学ぶことができました。
さて、先ほどの起業家の悲劇の根本原因は何でしょう?
それは、起業家と投資家の「情報の非対称性」です。
起業家にとって資金調達はほぼ初めての経験です。しかし、投資家はVCともなれば何十回も投資をしているので、多くの知見があります。行動に伴う結末を、多くの事例で経験しているので、当然、交渉は投資家が有利になります。
そうなった時、起業家はどうすべきなのか、、、。今回は失敗事例を多く見ることで資金調達の失敗を避ける「起業家脳」のトレーニングを行いました。
[画像3: https://prtimes.jp/i/21941/94/resize/d21941-94-120712-2.png ]
<当日の内容>
1:初心者向けファイナンスの基礎知識解説
2:実際の資金調達例を見る
3:今後役立つ事業計画と資本政策の考え方
1:初心者向けファイナンスの基礎知識解説
はじめに「忙しい人のためのベンチャーファイナンス 最低限の基礎説明」と題して、10分でファイナンスの基礎が解説されました。
ファイナンスには
?お金を使う(投資側の視点)
?お金を調達する(資金調達側の視点)
の2つがあります。
?投資
投資家の視点から見ると、メインテーマは会社の株式をいくらで買うかということです。
ここで会社の価値(企業価値)についておさらいをしました。
企業価値とは、利益、社長の営業力、従業員の能力、会社のノウハウや特許、商材の将来性などが全て評価対象となるとのことで、これをどう評価するかというのがVCや投資家の視点です。だからこそ、資金調達側がよく知らなければいけない視点でもあります。
企業価値の評価法は大きく4つに分かれます。
1.純資産評価法
2.類似企業比準法
3.DCF法(Discounted Cash Flow Method)
4.VCメソッド
それぞれの評価法にメリットデメリットがありますが、3.のDCF法が、完璧ではないものの評価方法として適しているというのが住永講師の判断でした。DCF法は5年ほどの将来獲得見込みのキャッシュフローをベースに企業価値を算定する方法で、この方法を利用する前提としてきちんとした事業計画ができていることが必要です。なお、業種によっては、VCメソッドが適している場合もあります。
?資金調達
お金は、基本的に負債による調達か、資本による調達化の2つしかありません。B/Sを見ると、各企業がどのような資金調達手段を取っているか知ることができます。
1 負債調達 調達額した額について、返済義務があり、相手に返すべきリターンは借入額と利息の合計です。
2 資本調達(新株・新株予約権発行)新株予約権はJ-KISS(500 Startups Japanがオープンソースとして無償公開した、シード投資のための契約書)などで、返済義務はなく、相手に返すべきリターンは株の値上がり益です。
3 資本調達(負債からの振替え:Debt Equity Swap) 借入金等の債務額をそのまま出資額として株式に転換する方法で、返済義務はなくなり、相手に返すべきリターンは株の値上がり益に変わります。
以上、ベンチャーファイナンスの基礎を押さえておくことにより、起業家は資金調達のスタートラインに立つことができます。
2 実際の資金調達事例を見る
ここからは資金調達の実例を見ていきました。数多くのベンチャー企業の資金調達を支援してきた住永講師が、その知見を惜しげもなく披露してくれました。
資金調達事例 の一つ目は、望ましい創業期の調達の流れについてです。
資本金100万円で設立し、設立後すぐに資金調達を実施した場合、調達はどのようにしたら良いかの三択について、それぞれについて考えました。
考えるポイントは
? 新規性のあるビジネスを行っていること
? 創業のタイミングであり信頼性がないこと
? 希薄化を出来る限り抑制すること
の3点です。
新規性の高いビジネスを創業した段階では、日本政策金融公庫による融資等を除き、融資を受けることは難しく、株式による調達を行うことが一般的です。
また、必要以上の資金を創業段階において調達してしまうと、持分の希薄化が大きくなってしまうので、適切な額を適切なタイミングで調達する必要があります。
ただし、どうしても創業段階から多くの資金が必要な場合があります。この場合に、株式発行による資金調達と、融資による資金調達を組み合わせる方法があります。
この方法によれば、持分の希薄化を適度に抑えつつ、必要な資金額を調達することが出来ます。
資金調達事例の2つ目は、望ましいバリュエーションについてです。
望ましいバリュエーションとは、その先の事業運営にできるだけ支障をきたさない企業評価ということです。
考えるポイントは
?割安Valuation
?割高Valuation
のどちらにもならないように気をつけることです。
例として出たのがWeWork。誰もが爆速で成長していけると思っていたのに成長が思うように進まず、期待値の差から企業価値の大幅な低下を招きました。WeWork事件はダウンラウンドの顕著な例であり、非常に参考になります。勉強のために、公開されている目論見書を読んでみることを、住永講師はお勧めしていました。
3 今後役立つ事業計画と資本政策の考え方
以上の事例から、住永講師が再度強調するのは、事業計画をしっかり作ることです。事業を成長させるためには、ベースの段階で計画を立てて、それを実行することがとても大切だからです。
事業計画について
事業計画の作成は、各科目を適切に因数分解し、分解式を関数に組み込み、財務三表を作成しますが、考える変数が多く、とてもエネルギーがいる作業で、会計士でも3日以上かかります。このうち、作業部分を楽にしようと考えたのがFUNDOORなのです。
事業計画の活用方法としては3つあります。
1、経営方針の明確化と社内への浸透
2、目標管理の導入
3、企業価値評価
資本政策について
ベンチャー企業の資金調達のコンセプトは、事業に沿って、必要な資金を、必要な分だけ、適切な者から調達することです。過剰な資金調達は持ち分比率の大幅な希薄化を招き、過少な資金調達は資金ショートのリスクを高めます。
以上より、資金調達においては、増資と借入のバランスをとり、事業計画と資本政策を連携させていくことが重要だということが、実際の事例と住永講師の適切な解説から明快に理解することができました。
[画像4: https://prtimes.jp/i/21941/94/resize/d21941-94-918499-3.png ]
質問タイム
以上で120枚のスライドを消化し切り、質問タイムとなりました。
質問は「Sli.do」を使って行われ、なかなかマニアックな質問も出て、住永講師が全ての質問に答えきれないほど活発な質疑応答となりました。
ここで幾つかあった質疑応答をご紹介します。
Q1:他に悪い資金調達の事例があれば教えてください。逆に、どのようにしたら良い投資家から良い資金調達ができるのでしょうか。
A1:投資家によって得意なことも異なり、資金調達で次のラウンドに投資家を連れてきてくれるのが得意な人もいれば、商品を売る支援をするのが得意な投資家も、また、ある業界に特化した知見を持つ投資家もいます。VC等はサイトなどで得意な分野を開示していることがあるので、それを見た上で、投資家を選ぶと良いと思います。
Q2:小口投資家とのマッチングはどのようにすればいいでしょうか?
A2: 小口投資家として見つけられるのはほとんどが有名なエンジェル投資家だけです。彼らは直接DMを送れば会ってくれることもありますが、他の小口投資家はなかなか発掘しにくい状況があります。宣伝になりますが、FUNDINNOは10万円からできるエンジェル投資のサービスで、19,000人くらいの投資家が登録しているので、小口投資家とのマッチングについては、FUNDINNOで行うことができます。
Q3:海外投資家へのアプローチの方法があれば教えてください
A3:海外VCが日本に支社を持っている場合があるので、そういった海外VCに一度投資していただいた後、次のラウンドで海外投資家へ繋いでもらう手があります。
基本的には直接DM等を送って交渉することだと思います。
感想
「資金調達」の視点は、調達側と投資側で全く異なります。調達側は、投資側の視点をよく知り、自分たちのためだけではなく、投資家にとっても、社会にとっても利益を出す「三方よし」の精神を持つことが重要であることを、改めて実感しました。同時に、その時に必須なのが、丁寧に綿密に作られた事業計画と資本政策であることもよくわかりました。
「何をやったらいいのか」と同時に、知らなければいけないのは「何をしたらいけないのか」。失敗例をたくさん知ることができ、起業前の人にも起業後に資金調達しようとしている人にも、貴重な学びのある時間となりました。
◆資金調達のための情報メディア
https://fundoor.com/contents/
起業家が知っておくべき資金調達勉強会 vol.1のイベントレポート
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<ある起業家の悲劇>
ある投資家からの資金調達までとりつけた起業家Sさん。後日、その投資家から投資契約書が送られてきます。読んでも内容が全くわからないながら、Sさんはとり急ぎお金が必要だったのでそのままサインして送り返し、その後投資家からお金が振り込まれました。
数ヶ月経ち、事業拡大のためにM&Aが必要だと判断したSさんは、大企業とのM&Aを決めましたが、そのことを投資家に伝えると様々な理由から「ダメ」と言われます。
なぜ投資家は社長でもないのに「ダメ」と言えるのでしょう? それは持ち分比率が70%あるからです。投資契約書にはそのことが明記されていましたが、起業して日が浅かった起業家は知識がないままに同意してしまったのでした。
大企業とのM&Aは破談となり、ほどなくして会社も幕を下ろすことになりました。
これは決して特殊な例ではなく、ベンチャー企業にままある事故のような現実です。
そんな悲しい起業家が一人でも減るように、そして成長するベンチャー企業が一社でも増えるようにと、祈りを込めて日本クラウドキャピタルが開発した、事業計画と資本政策を作成できるツール「FUNDOOR」を使った資金調達の勉強会が先日行われました。
[画像2: https://prtimes.jp/i/21941/94/resize/d21941-94-668355-0.png ]
講師は日本クラウドキャピタルの住永匠です。住永はFUNDOORの開発とFUNDOORを使用した資金調達支援をしています。公認会計士試験に合格後、監査法人において監査業務に従事した住永は、その後日本クラウドキャピタルにおいて資金調達予定の企業様へのDD業務(Due Diligence:投資やM&Aなどの取引に際して行われる、対象企業や不動産・金融商品などの資産の調査活動)を行い、資金調達の実行支援等を多数経験してきました。
「資金調達での失敗をなくそう」という趣旨を元に開催されたこの勉強会に向けて、住永講師が作成した渾身のスライドは120枚。持ち時間90分の中で見事に消化すること実に時速80枚でした!
ファイナンスの初心者にもわかりやすいスライドに集中しつつ、ワークもあり、ファイナンスの知識を身につけつつ、事業計画や資本政策を「自分ごと化」して学ぶことができました。
さて、先ほどの起業家の悲劇の根本原因は何でしょう?
それは、起業家と投資家の「情報の非対称性」です。
起業家にとって資金調達はほぼ初めての経験です。しかし、投資家はVCともなれば何十回も投資をしているので、多くの知見があります。行動に伴う結末を、多くの事例で経験しているので、当然、交渉は投資家が有利になります。
そうなった時、起業家はどうすべきなのか、、、。今回は失敗事例を多く見ることで資金調達の失敗を避ける「起業家脳」のトレーニングを行いました。
[画像3: https://prtimes.jp/i/21941/94/resize/d21941-94-120712-2.png ]
<当日の内容>
1:初心者向けファイナンスの基礎知識解説
2:実際の資金調達例を見る
3:今後役立つ事業計画と資本政策の考え方
1:初心者向けファイナンスの基礎知識解説
はじめに「忙しい人のためのベンチャーファイナンス 最低限の基礎説明」と題して、10分でファイナンスの基礎が解説されました。
ファイナンスには
?お金を使う(投資側の視点)
?お金を調達する(資金調達側の視点)
の2つがあります。
?投資
投資家の視点から見ると、メインテーマは会社の株式をいくらで買うかということです。
ここで会社の価値(企業価値)についておさらいをしました。
企業価値とは、利益、社長の営業力、従業員の能力、会社のノウハウや特許、商材の将来性などが全て評価対象となるとのことで、これをどう評価するかというのがVCや投資家の視点です。だからこそ、資金調達側がよく知らなければいけない視点でもあります。
企業価値の評価法は大きく4つに分かれます。
1.純資産評価法
2.類似企業比準法
3.DCF法(Discounted Cash Flow Method)
4.VCメソッド
それぞれの評価法にメリットデメリットがありますが、3.のDCF法が、完璧ではないものの評価方法として適しているというのが住永講師の判断でした。DCF法は5年ほどの将来獲得見込みのキャッシュフローをベースに企業価値を算定する方法で、この方法を利用する前提としてきちんとした事業計画ができていることが必要です。なお、業種によっては、VCメソッドが適している場合もあります。
?資金調達
お金は、基本的に負債による調達か、資本による調達化の2つしかありません。B/Sを見ると、各企業がどのような資金調達手段を取っているか知ることができます。
1 負債調達 調達額した額について、返済義務があり、相手に返すべきリターンは借入額と利息の合計です。
2 資本調達(新株・新株予約権発行)新株予約権はJ-KISS(500 Startups Japanがオープンソースとして無償公開した、シード投資のための契約書)などで、返済義務はなく、相手に返すべきリターンは株の値上がり益です。
3 資本調達(負債からの振替え:Debt Equity Swap) 借入金等の債務額をそのまま出資額として株式に転換する方法で、返済義務はなくなり、相手に返すべきリターンは株の値上がり益に変わります。
以上、ベンチャーファイナンスの基礎を押さえておくことにより、起業家は資金調達のスタートラインに立つことができます。
2 実際の資金調達事例を見る
ここからは資金調達の実例を見ていきました。数多くのベンチャー企業の資金調達を支援してきた住永講師が、その知見を惜しげもなく披露してくれました。
資金調達事例 の一つ目は、望ましい創業期の調達の流れについてです。
資本金100万円で設立し、設立後すぐに資金調達を実施した場合、調達はどのようにしたら良いかの三択について、それぞれについて考えました。
考えるポイントは
? 新規性のあるビジネスを行っていること
? 創業のタイミングであり信頼性がないこと
? 希薄化を出来る限り抑制すること
の3点です。
新規性の高いビジネスを創業した段階では、日本政策金融公庫による融資等を除き、融資を受けることは難しく、株式による調達を行うことが一般的です。
また、必要以上の資金を創業段階において調達してしまうと、持分の希薄化が大きくなってしまうので、適切な額を適切なタイミングで調達する必要があります。
ただし、どうしても創業段階から多くの資金が必要な場合があります。この場合に、株式発行による資金調達と、融資による資金調達を組み合わせる方法があります。
この方法によれば、持分の希薄化を適度に抑えつつ、必要な資金額を調達することが出来ます。
資金調達事例の2つ目は、望ましいバリュエーションについてです。
望ましいバリュエーションとは、その先の事業運営にできるだけ支障をきたさない企業評価ということです。
考えるポイントは
?割安Valuation
?割高Valuation
のどちらにもならないように気をつけることです。
例として出たのがWeWork。誰もが爆速で成長していけると思っていたのに成長が思うように進まず、期待値の差から企業価値の大幅な低下を招きました。WeWork事件はダウンラウンドの顕著な例であり、非常に参考になります。勉強のために、公開されている目論見書を読んでみることを、住永講師はお勧めしていました。
3 今後役立つ事業計画と資本政策の考え方
以上の事例から、住永講師が再度強調するのは、事業計画をしっかり作ることです。事業を成長させるためには、ベースの段階で計画を立てて、それを実行することがとても大切だからです。
事業計画について
事業計画の作成は、各科目を適切に因数分解し、分解式を関数に組み込み、財務三表を作成しますが、考える変数が多く、とてもエネルギーがいる作業で、会計士でも3日以上かかります。このうち、作業部分を楽にしようと考えたのがFUNDOORなのです。
事業計画の活用方法としては3つあります。
1、経営方針の明確化と社内への浸透
2、目標管理の導入
3、企業価値評価
資本政策について
ベンチャー企業の資金調達のコンセプトは、事業に沿って、必要な資金を、必要な分だけ、適切な者から調達することです。過剰な資金調達は持ち分比率の大幅な希薄化を招き、過少な資金調達は資金ショートのリスクを高めます。
以上より、資金調達においては、増資と借入のバランスをとり、事業計画と資本政策を連携させていくことが重要だということが、実際の事例と住永講師の適切な解説から明快に理解することができました。
[画像4: https://prtimes.jp/i/21941/94/resize/d21941-94-918499-3.png ]
質問タイム
以上で120枚のスライドを消化し切り、質問タイムとなりました。
質問は「Sli.do」を使って行われ、なかなかマニアックな質問も出て、住永講師が全ての質問に答えきれないほど活発な質疑応答となりました。
ここで幾つかあった質疑応答をご紹介します。
Q1:他に悪い資金調達の事例があれば教えてください。逆に、どのようにしたら良い投資家から良い資金調達ができるのでしょうか。
A1:投資家によって得意なことも異なり、資金調達で次のラウンドに投資家を連れてきてくれるのが得意な人もいれば、商品を売る支援をするのが得意な投資家も、また、ある業界に特化した知見を持つ投資家もいます。VC等はサイトなどで得意な分野を開示していることがあるので、それを見た上で、投資家を選ぶと良いと思います。
Q2:小口投資家とのマッチングはどのようにすればいいでしょうか?
A2: 小口投資家として見つけられるのはほとんどが有名なエンジェル投資家だけです。彼らは直接DMを送れば会ってくれることもありますが、他の小口投資家はなかなか発掘しにくい状況があります。宣伝になりますが、FUNDINNOは10万円からできるエンジェル投資のサービスで、19,000人くらいの投資家が登録しているので、小口投資家とのマッチングについては、FUNDINNOで行うことができます。
Q3:海外投資家へのアプローチの方法があれば教えてください
A3:海外VCが日本に支社を持っている場合があるので、そういった海外VCに一度投資していただいた後、次のラウンドで海外投資家へ繋いでもらう手があります。
基本的には直接DM等を送って交渉することだと思います。
感想
「資金調達」の視点は、調達側と投資側で全く異なります。調達側は、投資側の視点をよく知り、自分たちのためだけではなく、投資家にとっても、社会にとっても利益を出す「三方よし」の精神を持つことが重要であることを、改めて実感しました。同時に、その時に必須なのが、丁寧に綿密に作られた事業計画と資本政策であることもよくわかりました。
「何をやったらいいのか」と同時に、知らなければいけないのは「何をしたらいけないのか」。失敗例をたくさん知ることができ、起業前の人にも起業後に資金調達しようとしている人にも、貴重な学びのある時間となりました。
◆資金調達のための情報メディア
https://fundoor.com/contents/