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アクセンチュア最新レポート――国をまたぐデータ流通などへの規制が企業成長を阻害することが判明




【ニューヨーク発:2017年12月6日】
アクセンチュア(NYSE:ACN)の最新レポートによると、国境をまたいだ自由なデータのやり取り、IT製品・サービス間の相互連携、IT人材の交流が進まなければ、企業の成長戦略やイノベーション戦略に支障をきたす恐れがあることが判明しました。

アクセンチュアのレポート「Digital Fragmentation: Adapt to Succeed in a Fragmented World」(英語のみ)では、データプライバシーやサイバーセキュリティの強化などに関する国の政策が、本来の意図と反して、しばしば企業の成長とイノベーションを抑制していることを明らかにしています。また、こうした政策における本来の目標を達成するためには、イノベーションの創出や新興技術の利用を妨げるのではなく、企業と政府のより深い連携によって促進させていくことが必要だと指摘しています。本レポートでは、国境をまたぐ自由なデータのやり取り、IT製品・サービスの連携、IT人材の交流が抑制されることを「デジタル・フラグメンテーション(デジタル世界における分断化)」と表現しています。

レポート作成にあたり、アクセンチュアが日本を含む世界8カ国400人以上の最高情報責任者(CIO)および最高技術責任者(CTO)に調査したところ、調査対象の74%が「今後3年間、グローバル化の障壁が高まり続ければ、自社は市場からの撤退または新規参入計画の延期や中止を余儀なくされるだろう」と回答しています。本レポートでは、G20構成国で採用されている貿易制限措置が2010年の324件から2016年には4倍の1,263件に増えていることや、データプライバシーに関する法律を定めている国の数が1995年の34カ国から2015年には3倍の100カ国以上に増えていることも解説しています。

自由なデータのやり取りによって進展した「デジタル・グローバリゼーション(デジタル世界のグローバル化)」という潮流は、「デジタル・フラグメンテーション」に変わりつつあります。調査対象となった企業の上級役職者は、グローバル化を妨げる障壁が高まることの影響について次の通り回答しています。


54%が「クラウドベースのサービスの利用・提供が困難になる」と回答(14%は困難にならないと回答)
54%が「データサービスや分析サービスの国をまたいだ利用・提供が困難になる」と回答(15%は困難にならないと回答)
58%が「ITに関する各国の標準規格に対応した効率的な業務が困難になる」と回答(18%は困難にならないと回答)



[画像: https://prtimes.jp/i/19290/95/resize/d19290-95-956718-0.jpg ]

グローバル化を妨げる障壁の拡大による影響について

アクセンチュアの最高戦略責任者(CSO)であるオマール・アボッシュ(Omar Abbosh)は次のように述べています。「グローバル化の流れが逆行すれば、企業は、グローバルITアーキテクチャ、IT人材採用、IT拠点、サイバーセキュリティなどに関する戦略や運用について抜本的な計画変更を余儀なくされます。今日のデジタル経済において、規制によって緊急対策を講じることは可能です。しかし、規制は、企業の成長とイノベーションを阻むのではなく推進するものであるべきです。企業と政府のより緊密な対話が求められています。」

本レポートによると、調査対象者は、グローバル化を妨げる規制が増え続けることの影響について次の通り回答しています。


60%が「グローバルITアーキテクチャを見直す必要がある」と回答
52%が「物理的なIT拠点の戦略を見直す必要がある」と回答
51%が「サイバーセキュリティの戦略および機能を見直す必要がある」と回答
50%が「国内外のITサプライヤーとの関係を見直す必要がある」と回答
50%が「IT人材の配置を見直す必要がある」と回答


また、91%が「グローバル化を妨げる規制が増えることにより、今後3年間でITコストが増えるだろう」と回答しています。規制の増加により、IT人材の調達、データセンターなどITインフラストラクチャの強化、ITに関する各国の標準規格への準拠といった業務領域が、最も影響を受ける見込みです。

アクセンチュア・リサーチのプリンシパル・ディレクターであるアルメン・オーヴァネソフ(Armen Ovanessoff)は次のように述べています。「多くのデジタル・エバンジェリストの主張に反して、デジタル世界での国際協調は重要なテーマです。企業の上級役職者は、デジタルの未来を見据えたルールを作る上で、どのような役割を果たすべきかを認識しはじめています。人工知能やバイオテクノロジー、IoTの分野で起きている変化を考えると、不確実性が増している競争環境で企業が成長していくためには、国境や業界を越えた協調が求められることは明白です。」

本レポートによると、広がりつつある「デジタル・フラグメンテーション」に対して、多くの企業が本格的に対策をとり始めています。調査対象者の80%が、「すでにグローバル化の障壁を考慮に入れた戦略的な計画を策定している」と回答しています。また、約半数(51%)が「グローバルITアーキテクチャとITガバナンス体制の再構築に取り掛かっている」と回答し、67%が「労働に関する制約に対処するため、自動化に投資している」と回答しています。

本レポートでは、企業の上級役職者がデジタル変革への道のりを再考する上で役立つ4つのポイントを紹介しています。

・「戦略計画プロセスを変える」
ビジネス効果の検証に、より多くのリソースを割り当てることが重要です。例えば、マーケットごとに投資を再配分したり、グローバル組織体制を複数の法域にまたがって整備したりするなどの検討が必要になります。

・「データフローを確保し、リスク軽減を図る」
意思決定やビジネスオペレーションに必要な情報の流れを確保することが重要です。国境を越えたデータ流通に関する国の制約や要件など、データ規制がビジネスモデルに与える影響を検証するほか、データのセキュリティとアクセシビリティ(アクセスしやすさ)の間で妥協点を見つけ、各種データの保管場所・方法を再評価することが重要です。

・「地方の強みを生み出す」
適正なバランスで都市と地方に対して投資することは極めて重要なテーマです。企業は、主要市場における地方の経済発展にも目を向け、その地方の人材開発や、テクノロジー・パートナーや政策決定機関との関係構築に取り組まなければなりません。また、複数の市場を俯瞰し、IT戦略、プロセス、インフラストラクチャに対する最適な投資バランスを検証することも不可欠です。

・「ソリューションの一つとしてテクノロジーを活用する」
テクノロジーの活用はさまざまな課題を解決へと導きます。例えば、3D印刷は世界規模の製造業務を柔軟に管理することに役立つほか、人工知能は人材の流動性確保に役立ちます。またブロックチェーン技術は、データ保護やサイバーセキュリティ強化に資する、より安全な分散型システムを可能にします。


調査方法
アクセンチュア・リサーチはRoubini ThoughtLabと共同で、日本、ブラジル、中国、ドイツ、インド、韓国、英国、米国の最高情報責任者(CIO)および最高技術責任者(CTO)402人を対象に調査を行いました。対象業界は、サービス、テクノロジー、製造、資源・日用品、小売・流通、デジタルプラットフォームです。調査対象の企業を年間売上別に見ると、2億5,000万ドルから49億ドルが38%、50億ドルから199億ドルが36%、200億ドル以上が26%です。アクセンチュア・リサーチでは、政策、経済、デジタル領域それぞれの専門家に対するインタビューも行いました。

アクセンチュアについて
アクセンチュアは「ストラテジー」「コンサルティング」「デジタル」「テクノロジー」「オペレーションズ」の5つの領域で幅広いサービスとソリューションを提供する世界最大級の総合コンサルティング企業です。世界最大の規模を誇るデリバリーネットワークに裏打ちされた、40を超す業界とあらゆる業務に対応可能な豊富な経験と専門スキルなどの強みを生かし、ビジネスとテクノロジーを融合させて、お客様のハイパフォーマンス実現と、持続可能な価値創出を支援しています。世界120カ国以上のお客様にサービスを提供する43万5,000人以上の社員が、イノベーションの創出と世界中の人々のより豊かな生活の実現に取り組んでいます。
アクセンチュアの詳細はwww.accenture.comを、アクセンチュア株式会社の詳細はwww.accenture.com/jpをご覧ください。
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