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「人工知能(AI)が私たちの仕事を奪う?」 朝日新聞未来メディア塾 オープンカフェ開催報告

社会的な課題について専門家や記者から学びながら、一般の参加者が共に解決策を考える「朝日新聞・未来メディア塾」の「オープンカフェβ vol.4」が5月18日、東京・渋谷の朝日新聞メディアラボ渋谷分室で開催された。「人工知能(AI)が私たちの仕事を奪う?」と題した今回は、AIを東大入試に合格させるプロジェクト(東ロボプロジェクト)を率いる新井紀子・国立情報学研究所教授をゲストに招聘。経済記者として長年AIの進化に注目してきた原真人・論説委員と、AIが雇用の未来に与える影響について討議した。




[画像1: http://prtimes.jp/i/9214/96/resize/d9214-96-692387-1.jpg ]



AIの近年の進化はめざましく、1997年にチェスの世界王者を破り、近年は米国の有名クイズ番組でクイズ王に勝利。日本でも2年前、プロ棋士を初めて下した。新井教授が取り組む「東ロボ」の現状についても報告があり、昨年の大手予備校のセンター試験模擬試験で、900点中386点をマーク。プロジェクト開始から6年で偏差値も50を狙えるところまで来ており、8割の私立大学でA判定を受けたという。

[画像2: http://prtimes.jp/i/9214/96/resize/d9214-96-658128-0.jpg ]



その一方で、新井教授は「プロ棋士になる人よりも東大に入る人が多いので、東ロボが東大に入ってもおかしくないと思われそうですが、そんなに簡単な話ではない」と指摘。ここまで進化を遂げてきたAIだが、検索や識別ができたとしても、抽出した言葉の意味について理解しているわけではない、という。新井教授は一例として国語の現代文の問題を挙げ、夏目漱石の『吾輩は猫である』で「天璋院様のご祐筆の妹のお嫁に行った先のおっかさんの甥の娘」が誰を指すかという出題があった場合、AIは人間の受験生のように前後の文脈から判断して回答することができない、とした。そのことは、たとえば災害救助でロボットを活用する際、瓦礫と人間の区別ができても、瓦礫に埋まった人間を傷つけないようなプログラムを実現するためにはまだ課題があることを示している。

しかし、確率を計算して結論を弾き出すような作業はAIの方が人間を上回る。保険の審査担当、簿記会計監査の事務員、クレジットアナリスト(クレジットカードの承認担当)……原記者が英オックスフォード大学の研究者の論文を引用するなどして具体的な「消える職業」を列挙されていくと会場の注目は一層高まった。その流れの中で新井教授は、ある大ヒットドラマの主人公の職業も挙げた。
[画像3: http://prtimes.jp/i/9214/96/resize/d9214-96-351156-2.jpg ]



コンピューターが人知を超える「シンギュラリティ」が訪れる日が来るのか---セッションの終盤にかけては、人間とAIの強みと弱みを見極めながら、未来の職業がどう変わっていくかも討議。会場からの質問タイムでは「(人間の方に)新しく生まれる仕事はあるか?」といった問いかけが出され、新井教授がある職業を例示し、機械に置きかわりにくい仕事に必要な要素も挙げられた。


詳しくは朝日新聞デジタル「未来メディアプロジェクト」未来メディア塾の開催報告レポート(上下編)をご覧ください。

(上)http://www.asahi.com/miraimedia/juku/20150602.html

(下)http://www.asahi.com/miraimedia/juku/20150605.html
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