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アジアのソーシャルセクター比較調査Doing Good Index 2024で、日本のソーシャルセクターが活躍できる環境を検証!

Centre for Asian Philanthropy and Society (香港) と日本NPOセンターが調査。日本は5グループ中2位の「良 (Doing Better)」の順位を維持。




[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/16609/96/16609-96-ad7e2e8c69cea846fdc18468ee23f042-320x423.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


Centre for Asian Philanthropy and Society(CAPS:香港)と認定特定非営利活動法人日本NPOセンター(所在地:東京都千代田区)はアジアのソーシャルセクター比較調査であるDoing Good Index 2024報告書において、日本のソーシャルセクターの実績を評価しました。2024年の報告書では、日本のソーシャルセクターにおける強みや、セクターをさらに発展させるための可能性について明らかにされています。

日本NPOセンターは調査パートナーとしてDoing Good Indexの日本側調査に協力しましたが、このたび日本の読者に向けて、Doing Good Index 2024からエグゼクティブサマリー(概要)と第1章と第2章、国別概要(アジアと日本)部分を翻訳した抄訳版(PDF)を公表いたしました。
日本語抄訳版は、以下からダウンロードいただけます。
https://www.jnpoc.ne.jp/en/wp-content/uploads/DGI2024_abridged_Japanese_translation.pdf

「地域紛争から気候変動に至るまで現在進行している危機の中で、アジアはより公平な未来を創造するための困難な戦いに直面しています。」CAPSのCEO兼共同創設者であるルース・シャピーロ博士はこう述べるとともに、一方でこう語っています。「よいニュースは、民間の富の増加により、アジアは地域の問題を解決するために飛躍的に前進し、政策やプログラムを実施する絶好の機会に恵まれています。」

Doing Good Indexは、必要とされるフィランソロピー関連の資金を引き出すための政策と実践の工程表を提供しています。アジアにおけるソーシャルセクターの発展を阻む根底にある構造的状況を明らかにする一方で、アジアが抱える課題に取り組むために政府や企業、個人(慈善家)、NPOが、各々のリソースを活用し、協力し合うことを可能にする要因も明らかにしています。

2024年調査でも、日本は引き続き「良(Doing Better)」グループの順位を維持しました。日本は健全な法的規制の恩恵を受ける一方で、ソーシャルセクターへの信頼の欠如が喫緊かつ根深い課題となっています。報告書は、政府と民間の寄付者、ソーシャルセクターが協力して信頼を築き、民間資本をソーシャルセクターに誘導する必要性を指摘しています。
Doing Good Index 2024 の主な調査結果
1.アジアのソーシャルセクターではデジタル技術の利用が一般的になっているが、ソーシャルセクターの団体はテクノロジーに関する将来的備えが不十分である。
- アンケートに回答した日本を含むアジアの団体の95%が業務遂行にデジタル技術を利用しており、88%が今後2年間にデジタル技術の利用を増やす意向を示している。一方で59%の団体がデジタルツールの効果的活用スキルがスタッフに不足していると回答。
- 他のアジア諸国と同様、日本のNPOもデジタル技術の活用が進んでいる。調査アンケートに回答した日本のNPOの54%はオンライン・サービスの提供を増加させ、57%が日常業務でのテクノロジー利用を増やしている。
- 日本のNPOにとってハードウェアの入手は課題。39%のNPOがデジタル技術に関する最重要ニーズのひとつに挙げている。また、86%の団体がインターネットへの十分かつ信頼できるアクセスを有する一方、スタッフ用に十分な数のコンピュータを備えている団体は59%に過ぎず、これはアジア平均(69%)より低い数値である。
- 日本の多くのNPOは、デジタル技術の次段階に進むのにも苦労している。99%のNPOはMicorosoft OfficeやGoogle Workspaceといった基本的なツールを使用しているが、これが高度なソフトウェアの使用となるとこの数値はぐっと下がる(37%)。
- 日本のソーシャルセクターは、サイバーセキュリティに関する優先順位を上げる必要がある。75%のNPOが自団体でセキュリティ計画を策定していない、あるいは策定しているか不明と回答している。これはアジア平均(70%)より悪い数値である。


2.ソーシャルセクターの規制に関して、アジアの各国政府は多岐にわたるメッセージを送り続けている。
- 日本の非営利法人の登録手続きはアジア諸国と比較して短時間で効率的。必要な許可/認証は平均して2つだけで、67日以内に完了できる。これは、アジア平均の3つの許可/認証プロセスと123日の必要日数と比較してのことである。
- ソーシャルセクターに関する法律を理解するのは比較的困難で、その執行についての見解はまちまち。日本のNPOの71%が非営利法人関連の法律を理解するのは困難と答えているが、アジア平均は55%である。また、それらの法律がきちんと執行されていると考える団体は53%で、アジア平均の63%を下回っている。


3.ソーシャルセクターに流れる資金はおおむね横ばいで推移している。
- 日本のNPOにとって個人や財団、企業などからの国内資金が最も重要な資金源。団体予算に占める国内資金の割合は、アジア平均の42%に対し、日本では49%。
- とはいえ、日本のNPOの大多数(84%)は、国内資金の水準は少ないと考えている。


4.アジア中のソーシャルセクターの団体にとって、人材確保は依然として大きな課題である。
- 日本では、94%のNPOが「スタッフの確保が難しい」と回答。これはアジア平均の73%を大きく上回り、アジアで最も高い数値となっている。
- 日本の80%のNPOが、非営利組織で働くスタッフは営利組織よりも低収入であるべきだという世間の認識があると信じている。これはアジア平均の69%と比べて高い。
- 日本のNPOのうち、団体のキャパシティビルディングのために寄付者から安定した支援を得られている団体はわずか4%に過ぎず、アジア平均の15%を大きく下回っている。現に66%はキャパシティビルディングへの寄付者支援を受けたことがないと回答。これはアジアで最も高い数値である。


5.企業はNPOに積極的に関与しているが、さらなる努力の余地がある。
- 日本の51%のNPOが企業からの資金的援助を受けており、これはアジア平均の56%とほぼ同じである。ただし、企業からの資金は団体の予算総額の6%に過ぎない。
- 日本の48%のNPOが企業ボランティアと協働しているが、アジア平均の63%に及ばない。
- 日本は、証券取引所の上場規定にESG報告が義務付けられている、もしくは強く奨励されていると回答した10カ国・地域のうちの1つである。


6.NPOなどのソーシャルセクターの団体は、依然として重要な役割を担っている。
- 団体のサービス受益者数とサービス需要が過去12カ月で増加したと回答した日本のNPOは、それぞれ47%と49%に及ぶ。
- しかしながら、NPOの信用については依然喫緊の課題。社会から信頼されていると感じる日本のNPOは、アジア平均の44%に対してわずか8%に過ぎない。同様に、政府から信頼されていると感じる団体は、アジアでは36%であるのに対し、日本ではわずか17%。


[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/16609/96/16609-96-6e2a4f445a6fc1be3520e2cb343ae6c9-852x565.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


- Doing Good Index 2024報告書(英語版)のダウンロードはこちらから。
- データの検索・比較ができるインタラクティブなマイクロサイトはこちらから。

Doing Good Index 2024について
Doing Good Indexは、アジアにおける「社会のためになる活動を行う(Doing Good)」ための民間資本を取り巻く法的規制や社会環境を対象にした調査です。今回で4回目となる本調査は、民間資本をソーシャルセクターに向かわせる政策やインセンティブを明らかにし、ステークホルダーがより強固で信頼できるつながりを構築する方法を考察しています。調査結果は、政策立案者やフィランソロピスト(慈善活動家)、研究者、非営利組織のリーダーにとって、エビデンスに基づくリソースであり、慈善寄付を増やし、促進させるための綿密な洞察とベストプラクティスを提供します。
Doing Good Index 2024は、日本をはじめバングラデシュ、カンボジア、中国、香港、インド、インドネシア、韓国、マレーシア、ネパール、パキスタン、フィリピン、シンガポール、 スリランカ、台湾、タイ、ベトナムの17カ国・地域において、2,183のソーシャルセクター組織と140名の専門家を対象に調査を行いました。本報告書では、アジアのソーシャルセクターにおけるデジタル技術の影響についての特設テーマの章も設けています。

実施団体について:
Centre for Asian Philanthropy and Society (CAPS)
2013年香港にて設立されたCentre for Asian Philanthropy and Society (CAPS)は、アジア唯一の独立した行動指向的な調査・助言を行う団体で、アジア全域で慈善寄付の質と量を向上させることに尽力しています。私たちのミッションは、システムの積極的な変革に貢献できるベストプラクティス、モデル、政策、戦略を研究し、助言することによって、アジアのソーシャルセクターをより良くしていくことです。CAPSの調査研究・サービスに関する詳細は、http://caps.org/ をご覧ください。

日本NPOセンター
民間非営利セクターに関するインフラストラクチャー・オーガニゼーション(基盤的組織)として、NPOの社会的基盤の強化を図り、市民社会づくりの共同責任者としての企業や行政との新しいパートナーシップの確立を目指し1996年に設立された非営利組織(NPO法人)です。
所在地:東京都千代田区大手町2-2-21 新大手町ビル245
代表:代表理事 大島誠
URL: http://www.jnpoc.ne.jp/ 

本リリースに関するお問い合わせ:
Centre for Asian Philanthropy and Society (CAPS)
担当者:Willa Wong
Email: comms@caps.org
電話: +852 3611 0250

認定特定非営利活動法人日本NPOセンター
担当者:土屋
Email: ktsuchiya@jnpoc.ne.jp
電話: 03 3510 0855
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