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【フリマアプリで売れる価格が新品の購買意思決定に与える影響を調査】フリマアプリでの売却比率が10%上がれば、フリマアプリ利用者が新品に支払える上限金額も上昇

「メルカリ」での取引が多いジーンズで+約2,000円、タブレット端末で+約2,400円

メルカリ総合研究所(運営:株式会社メルカリ)は、慶應義塾大学大学院経営管理研究科 山本晶准教授と共同で、20代〜30代のフリマアプリ利用者・非利用者1,648名を対象に、フリマアプリで売れる価格が新品の購買意思決定に与える影響を調査しました。




メルカリ総合研究所(運営:株式会社メルカリ)は、慶應義塾大学大学院経営管理研究科 山本晶准教授と共同で、20代〜30代のフリマアプリ利用者・非利用者1,648名を対象に、フリマアプリで売れる価格が新品の購買意思決定に与える影響を調査しました。
2020年2月にメルカリ総合研究所と国際大学グローバル・コミュニケーション・センター講師山口真一氏が共同で実施した調査では、フリマアプリ利用により、年間約484億円に及ぶ新品への消費喚起効果※があることがわかりました。

この結果をふまえ、「フリマアプリで売れる価格が新品購入にどのような影響を及ぼすか」を明らかにすべく、新たに調査を実施しました。
今回の調査は、「メルカリ」での取引量が多い「ジーンズ」ならびに「タブレット端末」の買い物シーンを想定しました。「新品価格」「売却比率(新品価格に占めるフリマアプリで売れる価格の割合)」「売却日数(フリマアプリ出品後に何日で売れるか)」「すでに保有しているアイテムとのフィット」の4つの要因の組み合わせが、一次流通市場における新品の購入にどのような影響を及ぼすかを分析しました。
※メルカリ「フリマアプリ利用による新品商品への消費喚起効果」の実態調査(2020年2月)
https://about.mercari.com/press/news/article/20200213_consumer_survey/


[表1: https://prtimes.jp/data/corp/26386/table/96_1.jpg ]



【調査コメント:慶應義塾大学大学院経営管理研究科 山本 晶 准教授】
[画像1: https://prtimes.jp/i/26386/96/resize/d26386-96-624150-0.png ]

●プロフィール
1996年慶應義塾大学法学部政治学科卒業。外資系広告代理店勤務を経て、2001年東京大学大学院経済学研究科修士課程修了。2004年同大学院博士課程修了。博士(経済学)。東京大学大学院助手、成蹊大学経済学部専任講師および准教授を経て、2014年4月より慶應義塾大学大学院経営管理研究科准教授。専門はマーケティングで、主に対人影響の研究に従事。日本マーケティング・サイエンス学会、日本消費者行動研究学会、日本マーケティング学会(常任理事)、日本商業学会、INFORMS、AMAの各会員。主著に『キーパーソン・マーケティング: なぜ、あの人のクチコミは影響力があるのか』(東洋経済新報社、2014年)。

■コメント
一般論として、中古品が新品と代替関係にある場合は、二次流通市場は一次流通市場にとって脅威となります。しかし今回の調査結果からは、二次流通市場の存在が一次流通市場における顧客単価の上昇という意味でプラスの影響があることが明らかになりました。実は健全な二次流通市場の存在が一次流通市場に好影響をもたらす場合があることは、メジャーリーグのチケットの研究などでも検証されています。二次流通市場の存在は、消費者に自らが購入した商品を使用しない場合は「出品する」という新しい選択肢を提供しています。今回の調査では、特に出品経験のある消費者がこの新しい選択肢のメリットを享受し、一次流通市場でより高価格な商品を選択する傾向がみられました。

スマートフォンを用いてフリマアプリを活用する消費者は、二次流通市場における価格や使用後の販売可能性を把握したうえで、一次流通市場での購入を検討することが可能です。二次流通市場で出品するという選択肢を持つ消費者は、自ら商品を利用して得られる効用だけでなく、二次流通市場での売却から得られる効用も享受することができます。こうした売却益を含めると、消費者が支払う事実上の価格は、一次流通の販売価格より低くなる可能性があります。また、一次流通で購入した商品を消費者が十分に使いこなせない場合、消費者にとっては損失となりますが、二次流通市場で売却できればこうした損失の可能性を低下することができます。こうした効果により、二次流通市場の存在は一次流通市場における購買のハードルを低下させ、購買を後押しし、新品に支払える上限金額を上昇させると考えられます。

二次流通での売却可能性や売却益を含めた購買意思決定は、以前から自動車や住宅といった製品カテゴリーで行われてきました。今回、ジーンズやタブレットのような製品カテゴリーで二次流通での売却を含めた意思決定が確認されたのはフリマアプリの登場による消費行動の変化と言えます。

[表2: https://prtimes.jp/data/corp/26386/table/96_2.jpg ]



[表3: https://prtimes.jp/data/corp/26386/table/96_3.jpg ]




調査結果詳細

1.フリマアプリ出品経験者は、非利用者に比べ、新品購入を検討する際、価格の影響を受けにくい傾向。

[画像2: https://prtimes.jp/i/26386/96/resize/d26386-96-464554-1.png ]


[表4: https://prtimes.jp/data/corp/26386/table/96_4.jpg ]



2.フリマアプリ出品経験者は、新品ジーンズの購入を検討する際、フリマアプリで高く・早く売れる商品ならば、安価な新品より高価な新品を選好する傾向。
フリマアプリ出品経験者は、『新品価格の30%・5日で売却可能』な5,000円のジーンズより、『新品価格の50%・3日で売却可能』である10,000円のジーンズを購入したいと思うことがわかりました。

[画像3: https://prtimes.jp/i/26386/96/resize/d26386-96-601066-2.png ]

コンジョイント分析では、購入意向が高まる属性とその水準の組み合わせを導き出すことが可能です。「既に保有しているアパレルとのフィット」という属性は、「高」「中」「低」3つの水準で調査をしましたが、ここでは「中」の場合のみ(手持ちのアパレルとのフィット感は中程度感じる商品)を抽出し、「価格」「売却比率」「売却日数」の3属性において購入意向の高まる水準の組み合わせを分析。組み合わせ別に、フリマアプリ出品経験者の購入しやすさをスコアリングすると以下のような結果となりました。スコアが大きくなるほど購入しやすいことを示しています。


新品価格の30%・5日で売却可能な5,000円のジーンズのスコア→10.10
新品価格の50%・3日で売却可能な10,000円のジーンズのスコア→10.12

売却可能な価格の比率がより高く、フリマアプリでより早く売却できる場合、販売価格が高いジーンズのほうがフリマアプリ出品経験者に購入されやすくなります。

<参考>購入されやすさをスコアリングした組み合わせ例(一部抜粋)
[画像4: https://prtimes.jp/i/26386/96/resize/d26386-96-346817-3.png ]

最も購入されにくい5,000円のジーンズは「新品価格の30%・5日で売却可能」なジーンズです。このジーンズより購入されやすい10,000円のジーンズを見たとき、「新品価格の70%で売却可能」なジーンズが多いなか、「新品価格の50%で売却可能」な10,000円のジーンズでも5,000円のジーンズより購入されやすいことに注目しました。
※別紙:ジーンズ効用値一覧 https://merc.li/qebac4a

3.フリマアプリ出品経験者は、新品タブレット端末の購入を検討する際、フリマアプリで高く売れる商品ならば、安価な新品より高価な新品を選好する傾向。
フリマアプリ出品経験者は、『新品価格の40%・1日で売却可能』な10,000円のタブレット端末より、『新品価格の60%・7日で売却可能』な30,000円のタブレット端末を購入したいと思うことがわかりました。
[画像5: https://prtimes.jp/i/26386/96/resize/d26386-96-302935-4.png ]

前述のジーンズ同様の条件で、フリマアプリ出品経験者の購入しやすさをスコアリングすると以下のような結果となりました。


新品価格の40%・1日で売却可能な10,000円のタブレット端末のスコア→10.34
新品価格の60%・7日で売却可能な30,000円のタブレット端末のスコア→10.41


売却可能な価格の比率がより高い場合、フリマアプリで早く売却できないとしても、販売価格が高いタブレット端末のほうがフリマアプリ出品経験者に購入されやすくなります。
<参考>購入されやすさをスコアリングした組み合わせ例(一部抜粋)
[画像6: https://prtimes.jp/i/26386/96/resize/d26386-96-963429-5.png ]

最も購入されにくい10,000円のタブレット端末は「新品価格の40%で売却可能」なタブレット端末です。このタブレット端末より購入されやすい30,000円のタブレット端末を見たとき、「新品価格の80%〜60%で売却可能」なタブレット端末が多いなか、「新品価格の60%・7日で売却可能」な30,000円のタブレット端末でも10,000円のタブレット端末より購入されやすいことに注目しました。
※別紙:タブレット端末効用値一覧 https://merc.li/qebac4a

4.フリマアプリ出品経験者は、フリマアプリでの売却比率が10%上昇すると、新品に支払える上限金額も上昇。ジーンズでは+約2,000円、タブレット端末では+約2,400円。
フリマアプリ出品経験者は、売却比率が10%上昇すると、新品ジーンズに支払える上限金額が約2,000円、タブレット端末では約2,400円上昇します。

[画像7: https://prtimes.jp/i/26386/96/resize/d26386-96-449436-6.png ]

[画像8: https://prtimes.jp/i/26386/96/resize/d26386-96-786028-7.png ]


■メルカリ総合研究所について
メルカリ総合研究所は、外部有識者とともに、フリマアプリの社会的影響から二次流通市場の可能性、その先にある循環型社会が未来にどのような影響をもたらすかを研究する組織です。社会・次世代消費・生活など、さまざまな視点から研究を行い、生活者の意識や行動の変化、次世代の「豊かさ」について新たな視点を見出していくための活動を行っています。
https://pj.mercari.com/souken/

【メルカリ概要】
会社名:株式会社メルカリ
所在地:〒106-6118 東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー
事業内容:スマートフォン向けフリマアプリ「メルカリ」の企画・開発・運営
代表者名:山田進太郎
Webサイト:https://about.mercari.com/
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