2013年の予測トップ7 (ただし、インターネットが現在の姿と変わらないとしたら)
[12/12/19]
提供元:PRTIMES
提供元:PRTIMES
だれがインターネットをコントロールするのかが根本的に変わってしまう?Macを狙うマルウェアが再びまん延する?あなたが視聴しているスマートTVがDDoS攻撃で乗っ取られる?どのようなことが起ころうとも、2013年は興味の尽きない1年になるでしょう。市場で起こりえる事態に関するエフセキュアラボの予測です。
ヘルシンキ発 - フィンランド本社発表資料抄訳
1. 現在の姿のインターネットは終わりを迎える?
「現在ドバイで重要な会議が開催されています。その結果によっては、2013年に数多くの大きな出来事が起こる可能性があります」とエフセキュアラボでセキュリティ・アドバイザーを務めるショーン・サリバンは語ります。この重要な会議とは世界国際電気通信会議(WCIT)のことですが、現在のインターネットの姿に大きな影響をもたらす可能性があります。「インターネットは、一連のより規模の小さなインターネットに分割されるかもしれません。」とサリバンは指摘します。「あるいは、インターネットは違った形で資金提供を受けるようになるかもしれません。たとえば、FacebookおよびGoogleとYouTubeのような大規模なコンテンツプロバイダは、提供するコンテンツに課税されるかもしれません。」
この世界国際電気通信会議は、国際電気通信連合(ITU)が開催し、国際電気通信規則の改正を最終決定することを目的としています。出席者は世界各国の政府を代表する規制当局ですが、これらの規制当局すべてが自由なインターネットの使用について必ずしも賛成しているわけではありません。サリバンが指摘するように、インターネットに対するコントロールを「専門家から政府に」移したいと考えている政治体制もあるだろうという懸念が上がっています。プライバシー擁護派はインターネットのセキュリティを確保するよう呼びかけていますが、そのことを名目として新しい措置も提案されています。こうした措置によって、インターネットの匿名性が失われる可能性があります。
2. 情報の盗難によって、政府が支援するスパイツールの存在がより多く明らかになる
「Stuxnet、FlameおよびGaussによる過去の情報の盗難から判断すると、サイバー空間での軍拡競争が本格化してきているのは明らかです。」とエフセキュアラボで主席研究員を務めるミッコ・ヒッポネンは述べています。私たちがサイバー空間での国家によるスパイ活動に気付かない間に、政府はスパイ活動に一層関与を強めていく可能性があります。2013年には、このことをはっきりと裏付ける情報の盗難がより多くなるでしょう。それも、かつては攻撃元とは考えられなかった国による情報の盗難が増えると考えられます。この軍拡競争が激化するほど、情報の盗難の可能性が高まります。
3. モバイルマルウェアのコモディティ化に拍車がかかる
Androidオペレーティングシステムは、これまでのモバイルオペレーティングシステムとは異なる方法で地位を確立してきており、その対象は、電話だけでなく、タブレット、テレビ、さらには専門的な用途のタブレットにまで広がっています。Androidが普及するほど、「その上で動作するマルウェアの作成がさらに容易になり、犯罪者にビジネスの手口を新しくする一層多くの機会を与えてしまうでしょう。」とサリバンは述べています。モバイルマルウェアがさらにコモディティ化し、ハッキング技術を実際には持たないサイバー犯罪者が、他のサイバー犯罪者が作成したツールキットを購入し、使用できるようになるでしょう。すなわち、Android向けのマルウェア アズ ア サービス(malware-as-a-service)が横行する状況が予想されます。
4. Macを対象としたマルウェアが再びまん延する
2011年には、Mac Defenderというスケアウェアが、2012年にはJavaの脆弱性を突いたFlashbackがまん延しました。エフセキュアラボでは、2013年にMacを狙ったマルウェアが再びまん延し、一定の被害をMacコミュニティに与えてしまうと予測しています。
「トロイの木馬の一種であるFlashbackの作成者は現在も逮捕されていません。そして新しい計画を企てているという噂もあります。」とサリバンは述べています。「Mac OSにはセキュリティ面で優れた変更が行われてきましたが、一方でMacユーザの一部には、Macを狙う脅威があることをそもそも忘れている人たちがいます。こうした人たちは新しいマルウェアのまん延による被害を受けやすくなります。」
5. スマートTVがハッカーの標的にされる
スマートTVはインターネットに接続可能で、処理能力を備えています。ただし、通常はセキュリティ機能が搭載されていないため、攻撃には非常に脆弱です。この脆弱性以外にも、家庭用コンピュータと異なり、スマートTVの多くは、迷惑なトラフィックを迂回させる緩衝機能となるルータを通さずに、直接インターネットに接続されるという弱点があります。また、消費者の多くは、Webでの管理用に工場出荷時に設定されたデフォルトのユーザ名とパスワードを変更しません。そのため、ハッカーにスマートTVへのアクセスを簡単に許してしまいます。
6. モバイルスパイソフトウェアが主流となる
2013年には、ペアレンタルコントロールの目的以外にも、追跡ソフトウェアの人気が高まる可能性があります。子供の活動を監視するチャイルドセーフティアプリは既に普及しています。たとえば、子供によるFacebookでの活動などが監視対象となっています。「もちろん、この種のソフトウェアを使えば、監視対象にできるのは子供だけではありません。だれでも監視対象にすることができるのです。」とサリバンは述べています。「スマートフォンが普及するほど、このようなソフトウェアを探そうとする人も増えていきます。目的としては、以前付き合っていた相手が何をしているのかを知ることなどが考えられます。」
7. タブレットが無償でコンテンツの重要顧客に提供される
タブレットと電子書籍端末が大きな人気を博していますが、こうした機器はiTunesにおけるiPadやAmazonにおけるKindleのようにクローズドなエコシステムでより頻繁に使われるようになるでしょう。Kindleの価格が下落を続ける中、エフセキュアラボでは、2013年には無償のタブレットと電子書籍端末が、AmazonやBarnes & Nobleといったコンテンツに課金する企業の重要顧客に提供される可能性があると予測します。「クローズドなエコシステムは安全性が高いのですが、みなさんのプライバシーが守られるかどうかは、そのプロバイダを信頼するしか方法はありません。」とサリバンは述べています。
*エフセキュアの社名、ロゴ、製品名はF-Secure Corporationの登録商標です。
*本文中に記載された会社名、製品名は各社の商標または登録商標です。
ヘルシンキ発 - フィンランド本社発表資料抄訳
1. 現在の姿のインターネットは終わりを迎える?
「現在ドバイで重要な会議が開催されています。その結果によっては、2013年に数多くの大きな出来事が起こる可能性があります」とエフセキュアラボでセキュリティ・アドバイザーを務めるショーン・サリバンは語ります。この重要な会議とは世界国際電気通信会議(WCIT)のことですが、現在のインターネットの姿に大きな影響をもたらす可能性があります。「インターネットは、一連のより規模の小さなインターネットに分割されるかもしれません。」とサリバンは指摘します。「あるいは、インターネットは違った形で資金提供を受けるようになるかもしれません。たとえば、FacebookおよびGoogleとYouTubeのような大規模なコンテンツプロバイダは、提供するコンテンツに課税されるかもしれません。」
この世界国際電気通信会議は、国際電気通信連合(ITU)が開催し、国際電気通信規則の改正を最終決定することを目的としています。出席者は世界各国の政府を代表する規制当局ですが、これらの規制当局すべてが自由なインターネットの使用について必ずしも賛成しているわけではありません。サリバンが指摘するように、インターネットに対するコントロールを「専門家から政府に」移したいと考えている政治体制もあるだろうという懸念が上がっています。プライバシー擁護派はインターネットのセキュリティを確保するよう呼びかけていますが、そのことを名目として新しい措置も提案されています。こうした措置によって、インターネットの匿名性が失われる可能性があります。
2. 情報の盗難によって、政府が支援するスパイツールの存在がより多く明らかになる
「Stuxnet、FlameおよびGaussによる過去の情報の盗難から判断すると、サイバー空間での軍拡競争が本格化してきているのは明らかです。」とエフセキュアラボで主席研究員を務めるミッコ・ヒッポネンは述べています。私たちがサイバー空間での国家によるスパイ活動に気付かない間に、政府はスパイ活動に一層関与を強めていく可能性があります。2013年には、このことをはっきりと裏付ける情報の盗難がより多くなるでしょう。それも、かつては攻撃元とは考えられなかった国による情報の盗難が増えると考えられます。この軍拡競争が激化するほど、情報の盗難の可能性が高まります。
3. モバイルマルウェアのコモディティ化に拍車がかかる
Androidオペレーティングシステムは、これまでのモバイルオペレーティングシステムとは異なる方法で地位を確立してきており、その対象は、電話だけでなく、タブレット、テレビ、さらには専門的な用途のタブレットにまで広がっています。Androidが普及するほど、「その上で動作するマルウェアの作成がさらに容易になり、犯罪者にビジネスの手口を新しくする一層多くの機会を与えてしまうでしょう。」とサリバンは述べています。モバイルマルウェアがさらにコモディティ化し、ハッキング技術を実際には持たないサイバー犯罪者が、他のサイバー犯罪者が作成したツールキットを購入し、使用できるようになるでしょう。すなわち、Android向けのマルウェア アズ ア サービス(malware-as-a-service)が横行する状況が予想されます。
4. Macを対象としたマルウェアが再びまん延する
2011年には、Mac Defenderというスケアウェアが、2012年にはJavaの脆弱性を突いたFlashbackがまん延しました。エフセキュアラボでは、2013年にMacを狙ったマルウェアが再びまん延し、一定の被害をMacコミュニティに与えてしまうと予測しています。
「トロイの木馬の一種であるFlashbackの作成者は現在も逮捕されていません。そして新しい計画を企てているという噂もあります。」とサリバンは述べています。「Mac OSにはセキュリティ面で優れた変更が行われてきましたが、一方でMacユーザの一部には、Macを狙う脅威があることをそもそも忘れている人たちがいます。こうした人たちは新しいマルウェアのまん延による被害を受けやすくなります。」
5. スマートTVがハッカーの標的にされる
スマートTVはインターネットに接続可能で、処理能力を備えています。ただし、通常はセキュリティ機能が搭載されていないため、攻撃には非常に脆弱です。この脆弱性以外にも、家庭用コンピュータと異なり、スマートTVの多くは、迷惑なトラフィックを迂回させる緩衝機能となるルータを通さずに、直接インターネットに接続されるという弱点があります。また、消費者の多くは、Webでの管理用に工場出荷時に設定されたデフォルトのユーザ名とパスワードを変更しません。そのため、ハッカーにスマートTVへのアクセスを簡単に許してしまいます。
6. モバイルスパイソフトウェアが主流となる
2013年には、ペアレンタルコントロールの目的以外にも、追跡ソフトウェアの人気が高まる可能性があります。子供の活動を監視するチャイルドセーフティアプリは既に普及しています。たとえば、子供によるFacebookでの活動などが監視対象となっています。「もちろん、この種のソフトウェアを使えば、監視対象にできるのは子供だけではありません。だれでも監視対象にすることができるのです。」とサリバンは述べています。「スマートフォンが普及するほど、このようなソフトウェアを探そうとする人も増えていきます。目的としては、以前付き合っていた相手が何をしているのかを知ることなどが考えられます。」
7. タブレットが無償でコンテンツの重要顧客に提供される
タブレットと電子書籍端末が大きな人気を博していますが、こうした機器はiTunesにおけるiPadやAmazonにおけるKindleのようにクローズドなエコシステムでより頻繁に使われるようになるでしょう。Kindleの価格が下落を続ける中、エフセキュアラボでは、2013年には無償のタブレットと電子書籍端末が、AmazonやBarnes & Nobleといったコンテンツに課金する企業の重要顧客に提供される可能性があると予測します。「クローズドなエコシステムは安全性が高いのですが、みなさんのプライバシーが守られるかどうかは、そのプロバイダを信頼するしか方法はありません。」とサリバンは述べています。
*エフセキュアの社名、ロゴ、製品名はF-Secure Corporationの登録商標です。
*本文中に記載された会社名、製品名は各社の商標または登録商標です。