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NEDOが「建物設置型太陽光発電システムの設計・施工ガイドライン」を公開しました

従来型太陽光発電システムを建物に設置する際の安全性確保に貢献




 NEDOは、急速に拡大した太陽光発電システムの安全性に対する懸念が高まっている状況の下、公開済みの「特殊な設置形態の太陽光発電システムの設計・施工ガイドライン」に加えて、現在主流の結晶シリコン型太陽電池を中心とした従来型太陽光発電システムを建物の屋根や壁面への設置に対応した「建物設置型太陽光発電システムの設計・施工ガイドライン2024年版」(以下、本ガイドライン)を新たに策定し、本日公開しました。
 本ガイドラインでは、太陽光発電システムの設計・施工に関する要求事項や、既存の文献データ、風洞実験の結果などを基に、建物の屋根や壁面への設置について具体的な設計・施工方法を取りまとめました。
 今後、本ガイドラインが建物設置型の太陽光発電システムの導入または改修を検討している事業者などに広く活用され、太陽光発電システムの高い安全性が確保されることが期待されます。これにより、太陽光発電の主力電源化を推進していきます。
[画像: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/135644/101/135644-101-b8bf8a9f50d482a4265b2ad38994a7a3-334x248.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
図 安全性を考慮した太陽光発電システムを建物に設置した例



1.背景
 2021年10月に閣議決定された第6次エネルギー基本計画において、2050年のカーボンニュートラルの実現に向けて、「再生可能エネルギーの主力電源化を徹底し、再生可能エネルギーに最優先の原則で取り組み、国民負担の抑制と地域との共生を図りながら最大限の導入を促す」とされ、具体的には「地域と共生する形での適地確保、コスト低減、系統制約の克服、規制の合理化、研究開発などを着実に進めていく。こうした取組を通じて、国民負担の抑制や、電力システム全体での安定供給の確保、地域と共生する形での事業実施を確保しつつ、導入拡大を図っていく」との方針が示されました。
 さらには、2022年2月のロシアによるウクライナ侵略以降、エネルギー安定供給の確保が世界的に大きな課題となる中、GX(グリーントランスフォーメーション)を通じて脱炭素、エネルギー安定供給、経済成長の三つを同時に実現するべく、2023年2月に「GX実現に向けた基本方針」が閣議決定され、再生可能エネルギーは改めてその重要性が強調されている状況にあります。
 こうした中で、特に、太陽光発電は、2012年の再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)開始後に急速に拡大した一方で、台風、豪雨、豪雪など自然現象による被害が少なからず発生しており、太陽光発電システムの安全性に対する懸念が高まっています。

2.本ガイドラインの概要
 このような状況の下、NEDOは、地上設置型の太陽光発電システムの自然災害や経年劣化に対して安全性と経済性を確保するため「地上設置型太陽光発電システムの設計ガイドライン※1」を策定、公開しました(2017年度策定、2019年度改定)。その後、太陽光発電システムの建設に適した場所の減少に伴い、傾斜地や農地、さらには水上へと設置環境が拡大したことを背景に、特殊な設置環境における太陽光発電システムの構造設計、電気設計・施工の項目を加えた「特殊な設置形態の太陽光発電システムの設計・施工ガイドライン※2」を策定、公開しました(2021年度策定、2023年度改定)。
 建物への設置は、2030年度におけるエネルギー需給の見通しにおいて追加的な導入が期待されています。民間企業による自家消費型の推進では、各種建物として10GW、公共設備として6GW、空港分野において2.3GW、新築住宅として3.5GW程度が想定されています。一方で、建物設置では飛散事故などが散見されたことから、NEDOは「太陽光発電主力電源化推進技術開発※3」プロジェクトにおいて、国立研究開発法人産業技術総合研究所、一般社団法人構造耐力評価機構、一般社団法人太陽光発電協会、大成建設株式会社、再委託先の公立大学法人大阪 大阪公立大学による調査結果をまとめ、建物設置の太陽光発電設備の安全性確保のための本ガイドラインを作成し、本日公開しました。
本ガイドラインは以下よりダウンロードできます。
https://www.nedo.go.jp/activities/ZZJP2_100060.html

3.本ガイドラインの構成
 本ガイドラインでは、太陽光発電設備の構造と電気に関する設計・施工の要求事項や、建築・土木・電気などの各分野における既存の基準・指針などの文献データ、追加的に行った風洞実験の結果などを基に、太陽光発電システムの建物への設置について具体的な設計・施工方法を取りまとめました。

4.今後の予定
 セミナーなどを通じて本ガイドラインを周知することにより、建物設置型の太陽光発電システムの導入または改修を検討している事業者などに活用され、太陽光発電システムの安全性が確保されることが期待されます。
 NEDOは今後も太陽光発電システムの安全性確保のため、既存のガイドライン・技術資料などの更新や、ペロブスカイト太陽電池などの次世代型太陽電池を念頭に置いた新たなガイドライン・技術資料などの策定を行い、太陽光発電のさらなる導入拡大を目指し、太陽光発電の主力電源化を推進します。

【注釈】
※1 地上設置型太陽光発電システムの設計ガイドライン
   (参考)NEDOニュースリリース(2019年7月9日)
  「地上設置型太陽光発電システムの設計ガイドライン2019年版を公開」
   https://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_101154.html

※2 特殊な設置形態の太陽光発電システムの設計・施工ガイドライン
   (参考)NEDOニュースリリース(2023年4月28日)
  「特殊な設置形態の太陽光発電システムの設計・施工ガイドライン2023年版を公開」
   https://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_101648.html

※3  太陽光発電主力電源化推進技術開発
   事業名:太陽光発電主力電源化推進技術開発
事業期間:2020年度〜2024年度
事業概要:太陽光発電主力電源化推進技術開発
https://www.nedo.go.jp/activities/ZZJP_100174.html
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