処方薬の当日配達機能・薬局DXについてのメディアブリーフィング 事後レポート
[24/05/09]
提供元:PRTIMES
提供元:PRTIMES
〜薬局DXの課題や現状、調剤薬局のDXへの取組み状況や最新事例を紹介〜
[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/13108/103/13108-103-1e521ca9eeebc413493a5fab72541392-1280x670.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
株式会社メドレー(以下、メドレー)は、患者向け総合医療アプリ「CLINICS(クリニクス)」でオンライン診療やオンライン服薬指導を受けた患者に向け、Uber Eatsの配送網と連携してオンライン服薬指導後、約30分で処方薬をお届けする「当日配達機能」の提供に合わせ、2024年4月にメディアブリーフィングを実施しました。
本会では、メドレーで薬局向け事業の責任者を務める亀井翔太と、メドレーのかかりつけ薬局支援システム「Pharms(ファームス)」を通じて、業務効率化や患者満足度向上を目指して薬局DXにおけるさまざまな取り組みを実施されている、コンフィード社代表・薬剤師の中澤裕太氏が、薬局DXにおける課題や現状、推進における両社の取組みについて紹介しました。
●薬局DX時代における現状と、薬局向けサービス「Pharms」について/株式会社メドレー Pharms事業推進室長 亀井翔太
■薬局のあり方に関する現状と課題
従前より推進されてきた”医薬分業”ですが、公的規制の改革について調査・審議する規制改革会議では、2015年に”医薬分業”に関する議論がなされ、患者主体の医薬分業となっていない点や、医薬分業の推進により増加した患者の費用負担に見合う効果が見えていない点などについて指摘がされました。これを受けて、厚生労働省は2015年10月に、2025年までに薬局が目指すべき姿を明確化したものとして「患者のための薬局ビジョン」を策定し、薬局のあり方として3つの基本的な考え方を示しました。
しかし、2022年に開催された”薬局薬剤師の業務及び薬局の機能に関するワーキンググループ”では、「対物から対人業務にシフトしていく薬局のあるべき将来像を示した一方、これまで必要な情報基盤が十分整っていなかったこともあり、患者からの聞き取り等、断片的な情報に基づき対人業務に従事せざるを得ず、ビジョンに示された薬局の価値が十分に発揮されているとは言い難い状況である」(※1)との患者のための薬局ビジョンに対する現状分析がなされています。
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/13108/103/13108-103-8ee2b7b6d6c3fbdd5ddb893ac81472aa-512x303.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
※1 出典:令和4年3月10日 第2回薬局薬剤師の業務及び薬局の機能に関するワーキンググループ資料 2-1
https://www.mhlw.go.jp/content/11121000/000910847.pdf
■データヘルス改革によるICT活用
薬局のあり方として示された3つの基本的な考え方のなかでも、対物業務から対人業務へのシフトに向けては、薬局における専門性発揮のための業務の煩雑化や人手不足が課題となりますが、オンライン資格確認システムや電子処方箋などを活用して厚生労働省が推進するデータヘルス改革は、患者・医療機関の双方にとってより良い医療体験を授受・提供することができるようになる取り組みです。
現状では、患者の医療情報は医療機関ごとに蓄積されていて情報連携がされていないケースが多いため、重複した検査・投薬が行われるリスクがある状態となっているのが実態です。図1(※2)のようなICTを活用して情報連携がなされることで、調剤薬局であれば業務の効率化が進むだけでなく、より質の高い服薬指導を行うことができるようになるため、患者・薬剤師の双方にとってのメリットが期待されます。一方で、それだけでは薬局を主体としたデータヘルス改革にとどまり、患者の直接的なニーズを満たす手段としては不十分という声を聞くこともあります。
患者の直接的なニーズとしては、「薬剤師の専門性を発揮したコミュニケーション」、「オンラインでの服薬指導」、「待ち時間の短さ」などが挙げられ、これらに応えるためには国が示す方針へ対応するだけではなく、薬局個々で取り組んで行かなくてはならないものも多々あります。
[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/13108/103/13108-103-647dabb0d980d6d13e66448514de8408-1021x606.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
図1
※2 出典:令和4年3月10日 第2回薬局薬剤師の業務及び薬局の機能に関するワーキンググループ資料 2-1
https://www.mhlw.go.jp/content/11121000/000910847.pdf
■患者の直接的なニーズに応える調剤薬局向けシステム「Pharms」
メドレーが提供するかかりつけ薬局支援システム「Pharms」は、患者の直接的なニーズを満たすための以下のような機能をオールインワンで提供しています。
・薬剤師の専門性の発揮:「服薬フォローアップ機能」
薬剤の服用期間中、患者に服薬状況の確認、有害事象の発生有無、残薬確認などのフォローアップを行う機能。有害事象の発見による服用停止や医薬間の連携にも繋がっています。
・待ち時間の短さ:「処方箋ネット受付機能」
スマートフォンなどで処方箋を撮影し、写真を事前に薬局に送付、処方薬が完成したら呼び出してもらう「処方箋ネット受付機能」を活用した結果、30分〜1時間弱かかっていた待ち時間を10〜20分程度に短縮できた事例もあります。
・利便性の高さ:「オンライン服薬指導機能」「薬の当日配達機能」
これまでは、薬局の予約から決済までの機能を提供していましたが、今回新たに提供した「当日配達機能」により、47都道府県において約30分で患者の自宅などに処方薬を届けることが可能になりました。薬の当日配達を開始するにあたり、患者に安全に処方薬をお届けするため、連携先であるUber Eats社と、配送できない禁止薬剤の制限や配送時のルールを厳格に定めています。
[画像4: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/13108/103/13108-103-7d15266de203a4ff56d593c9e61a21cd-1664x822.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
Pharmsは、今後も患者のニーズや利便性向上に繋がるさまざまな機能を開発・提供し、対物業務から対人業務へのシフトや、門前薬局からかかりつけ薬局への転換に取り組む薬局を支援していきます。
●調剤薬局におけるDXの取り組みについて/株式会社コンフィード代表取締役 中澤裕太氏
■対物業務から対人業務にシフトするためのDX活用
様々な業界でDX化が進み業務が効率化される中、薬局では未だに手や紙で行うアナログな業務が多く存在しています。このような運用は保管や管理にもリソースが割かれるだけでなく、ヒューマンエラーのリスクも孕んでいます。これらを改善し、より患者と向き合い、患者の医療体験の向上を目指すため、当社では薬局業務における一連で様々なITツールを活用しています。
■脱対物業務に向けたDXツールの導入例
患者が来店して退店するまでに薬剤師が行う業務フローを「受付」「処方箋情報の入力」「処方薬のピッキング」「医薬品の監査」「服薬指導」「会計」の大きく6つに分けると、当社が運営する麻布十番調剤薬局では、以下のようなITツールの導入を行っています。
1.受付:WEB問診票
紙で問診票を記入する場合、感染症対策でボールペンを消毒する工数や、記入に必要なバインダーなどのコストがかかっていましたが、患者のスマートフォンから回答してもらうWEB問診システムを活用することで消毒の工数やコストが削減され、業務の効率化にも繋がります。
2.処方箋情報の入力:AI-OCR技術を用いた処方箋入力補助
紙の処方箋情報をレセコンに手入力する作業を、文字情報をデジタル化するOCR技術を活用して効率化しています。紙の処方箋をスマートフォンのカメラで撮影すると内容がデータ化され、生成されたQRコードをバーコードリーダーで読み込むことで、レセコンへ自動反映されます。
3.処方薬のピッキング:iPad写真
処方箋のコピーを取り、それを見ながら処方薬のピッキングを行う場合、コピーや紙の処理にかかる工数、印刷をするためのコストがかかります。iPadで処方箋を撮影し、それをもとにピッキングを行うことでコストや業務負担がなくなり、またレセコンへの入力が完結する前にピッキングが開始できるため、時間の削減にも繋がっています。
[画像5: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/13108/103/13108-103-4ede0ce5a838a2e0300590b30044b501-512x341.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
iPadを活用した処方薬のピッキング
4.監査:スマートフォンアプリ医薬品監査システム
スマートフォンのアプリを活用し、医薬品のバーコードを読み込むことで、レセコンに入力した医薬品との齟齬がないかを確認し、取り違えを防止しています。
5.服薬指導:クラウド防犯カメラ
「薬が足りなかった」「薬が入っていなかった」という問い合わせへの事後検証のため、クラウドの防犯カメラを設置し、投薬カウンターの上から撮影しています。お問い合わせがあった場合は、適正にお渡しできているかを検証できるため、確認などの対応時間が軽減されます。
6.会計:レセコン、POSレジ、キャッシュレス端末、自動釣り銭機の連動
患者ごとの決済データが、レセコンから金銭のやり取りなどの情報をリアルタイムで記録・集計するシステムを完備したPOSレジへ自動で飛びます。それを自動釣り銭機もしくはキャッシュレス端末へ連動させることで、釣り銭ミスや、キャッシュレス端末への金額入力ミスといったエラー回避、レジ締め時の工数削減を実現しています。
■患者の医療体験向上に向けた取り組み事例
調剤薬局を薬を提供する場としてだけではなく、より良い医療体験を提供できる場にするため、患者の利便性の向上に繋がる取り組みを実施しています。その中の1つである「オンライン服薬指導」においては、前述の事後検証のためのツールだけではなく、より幅広い患者のニーズにお応えできるよう、服薬指導、決済、薬のお渡しというステップ毎に様々なツールを活用しています。
服薬指導では、Pharmsのような調剤薬局向けのシステムやビデオ通話機能のある無料サービスなどのツールを採用しており、調剤費・薬剤の支払いは、現金だけでなく、電子決済や銀行振込、代引き支払いなど、複数の決済手段に対応しています。医薬品の配送は、コロナ禍がきっかけとなり、外部委託配送サービスを活用しながらコストと工数の最適化をした上で、当日での配送を実現しています。
[画像6: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/13108/103/13108-103-629d6d0dbbac573e281c640c9d3e1cee-1552x1036.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
配送サービスを活用した処方薬の当日配達
薬局におけるDXは、利便性を最優先したツール先行にならずに、日常業務における課題の洗い出しを行い、それに対するITツールや外部サービスを使用することで推進できると考えています。
今まで、オンライン服薬指導の実施にあたっては、ビデオ通話、決済、配送において別々のツールを利用する場合は、それぞれの管理画面で運用する必要があるため業務が煩雑になっていましたが、今回、Pharmsが処方薬の当日配達に対応することで一つのシステムでも完結ができるようになったため、全体工数の削減によって患者と向き合う時間の創出に繋がると期待しています。
<株式会社メドレーについて>
メドレーは、エンジニアと医師・医療従事者を含む開発チームを有し、「医療ヘルスケアの未来をつくる」というミッションのもと、インターネットサービスを提供しています。現在、より良い医療・介護の実現に向けて、以下のサービスを展開しています。
患者向け「総合医療アプリCLINICS」 https://clinics-app.com
診療所・病院向け「クラウド診療支援システムCLINICS」 https://clinics-cloud.com
かかりつけ薬局支援システム「Pharms」 https://pharms-cloud.com
クラウド歯科業務支援システム「Dentis」 https://dentis-cloud.com
医師たちがつくるオンライン医療事典「MEDLEY」 https://medley.life
医療介護の求人サイト「ジョブメドレー」 https://job-medley.com
オンライン動画研修サービス「ジョブメドレーアカデミー」https://jm-academy.jp
納得できる老人ホーム探し「介護のほんね」 https://www.kaigonohonne.com
退院調整業務支援サービス「れんけーさん」 https://renkei-san.com
[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/13108/103/13108-103-1e521ca9eeebc413493a5fab72541392-1280x670.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
株式会社メドレー(以下、メドレー)は、患者向け総合医療アプリ「CLINICS(クリニクス)」でオンライン診療やオンライン服薬指導を受けた患者に向け、Uber Eatsの配送網と連携してオンライン服薬指導後、約30分で処方薬をお届けする「当日配達機能」の提供に合わせ、2024年4月にメディアブリーフィングを実施しました。
本会では、メドレーで薬局向け事業の責任者を務める亀井翔太と、メドレーのかかりつけ薬局支援システム「Pharms(ファームス)」を通じて、業務効率化や患者満足度向上を目指して薬局DXにおけるさまざまな取り組みを実施されている、コンフィード社代表・薬剤師の中澤裕太氏が、薬局DXにおける課題や現状、推進における両社の取組みについて紹介しました。
●薬局DX時代における現状と、薬局向けサービス「Pharms」について/株式会社メドレー Pharms事業推進室長 亀井翔太
■薬局のあり方に関する現状と課題
従前より推進されてきた”医薬分業”ですが、公的規制の改革について調査・審議する規制改革会議では、2015年に”医薬分業”に関する議論がなされ、患者主体の医薬分業となっていない点や、医薬分業の推進により増加した患者の費用負担に見合う効果が見えていない点などについて指摘がされました。これを受けて、厚生労働省は2015年10月に、2025年までに薬局が目指すべき姿を明確化したものとして「患者のための薬局ビジョン」を策定し、薬局のあり方として3つの基本的な考え方を示しました。
しかし、2022年に開催された”薬局薬剤師の業務及び薬局の機能に関するワーキンググループ”では、「対物から対人業務にシフトしていく薬局のあるべき将来像を示した一方、これまで必要な情報基盤が十分整っていなかったこともあり、患者からの聞き取り等、断片的な情報に基づき対人業務に従事せざるを得ず、ビジョンに示された薬局の価値が十分に発揮されているとは言い難い状況である」(※1)との患者のための薬局ビジョンに対する現状分析がなされています。
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/13108/103/13108-103-8ee2b7b6d6c3fbdd5ddb893ac81472aa-512x303.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
※1 出典:令和4年3月10日 第2回薬局薬剤師の業務及び薬局の機能に関するワーキンググループ資料 2-1
https://www.mhlw.go.jp/content/11121000/000910847.pdf
■データヘルス改革によるICT活用
薬局のあり方として示された3つの基本的な考え方のなかでも、対物業務から対人業務へのシフトに向けては、薬局における専門性発揮のための業務の煩雑化や人手不足が課題となりますが、オンライン資格確認システムや電子処方箋などを活用して厚生労働省が推進するデータヘルス改革は、患者・医療機関の双方にとってより良い医療体験を授受・提供することができるようになる取り組みです。
現状では、患者の医療情報は医療機関ごとに蓄積されていて情報連携がされていないケースが多いため、重複した検査・投薬が行われるリスクがある状態となっているのが実態です。図1(※2)のようなICTを活用して情報連携がなされることで、調剤薬局であれば業務の効率化が進むだけでなく、より質の高い服薬指導を行うことができるようになるため、患者・薬剤師の双方にとってのメリットが期待されます。一方で、それだけでは薬局を主体としたデータヘルス改革にとどまり、患者の直接的なニーズを満たす手段としては不十分という声を聞くこともあります。
患者の直接的なニーズとしては、「薬剤師の専門性を発揮したコミュニケーション」、「オンラインでの服薬指導」、「待ち時間の短さ」などが挙げられ、これらに応えるためには国が示す方針へ対応するだけではなく、薬局個々で取り組んで行かなくてはならないものも多々あります。
[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/13108/103/13108-103-647dabb0d980d6d13e66448514de8408-1021x606.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
図1
※2 出典:令和4年3月10日 第2回薬局薬剤師の業務及び薬局の機能に関するワーキンググループ資料 2-1
https://www.mhlw.go.jp/content/11121000/000910847.pdf
■患者の直接的なニーズに応える調剤薬局向けシステム「Pharms」
メドレーが提供するかかりつけ薬局支援システム「Pharms」は、患者の直接的なニーズを満たすための以下のような機能をオールインワンで提供しています。
・薬剤師の専門性の発揮:「服薬フォローアップ機能」
薬剤の服用期間中、患者に服薬状況の確認、有害事象の発生有無、残薬確認などのフォローアップを行う機能。有害事象の発見による服用停止や医薬間の連携にも繋がっています。
・待ち時間の短さ:「処方箋ネット受付機能」
スマートフォンなどで処方箋を撮影し、写真を事前に薬局に送付、処方薬が完成したら呼び出してもらう「処方箋ネット受付機能」を活用した結果、30分〜1時間弱かかっていた待ち時間を10〜20分程度に短縮できた事例もあります。
・利便性の高さ:「オンライン服薬指導機能」「薬の当日配達機能」
これまでは、薬局の予約から決済までの機能を提供していましたが、今回新たに提供した「当日配達機能」により、47都道府県において約30分で患者の自宅などに処方薬を届けることが可能になりました。薬の当日配達を開始するにあたり、患者に安全に処方薬をお届けするため、連携先であるUber Eats社と、配送できない禁止薬剤の制限や配送時のルールを厳格に定めています。
[画像4: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/13108/103/13108-103-7d15266de203a4ff56d593c9e61a21cd-1664x822.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
Pharmsは、今後も患者のニーズや利便性向上に繋がるさまざまな機能を開発・提供し、対物業務から対人業務へのシフトや、門前薬局からかかりつけ薬局への転換に取り組む薬局を支援していきます。
●調剤薬局におけるDXの取り組みについて/株式会社コンフィード代表取締役 中澤裕太氏
■対物業務から対人業務にシフトするためのDX活用
様々な業界でDX化が進み業務が効率化される中、薬局では未だに手や紙で行うアナログな業務が多く存在しています。このような運用は保管や管理にもリソースが割かれるだけでなく、ヒューマンエラーのリスクも孕んでいます。これらを改善し、より患者と向き合い、患者の医療体験の向上を目指すため、当社では薬局業務における一連で様々なITツールを活用しています。
■脱対物業務に向けたDXツールの導入例
患者が来店して退店するまでに薬剤師が行う業務フローを「受付」「処方箋情報の入力」「処方薬のピッキング」「医薬品の監査」「服薬指導」「会計」の大きく6つに分けると、当社が運営する麻布十番調剤薬局では、以下のようなITツールの導入を行っています。
1.受付:WEB問診票
紙で問診票を記入する場合、感染症対策でボールペンを消毒する工数や、記入に必要なバインダーなどのコストがかかっていましたが、患者のスマートフォンから回答してもらうWEB問診システムを活用することで消毒の工数やコストが削減され、業務の効率化にも繋がります。
2.処方箋情報の入力:AI-OCR技術を用いた処方箋入力補助
紙の処方箋情報をレセコンに手入力する作業を、文字情報をデジタル化するOCR技術を活用して効率化しています。紙の処方箋をスマートフォンのカメラで撮影すると内容がデータ化され、生成されたQRコードをバーコードリーダーで読み込むことで、レセコンへ自動反映されます。
3.処方薬のピッキング:iPad写真
処方箋のコピーを取り、それを見ながら処方薬のピッキングを行う場合、コピーや紙の処理にかかる工数、印刷をするためのコストがかかります。iPadで処方箋を撮影し、それをもとにピッキングを行うことでコストや業務負担がなくなり、またレセコンへの入力が完結する前にピッキングが開始できるため、時間の削減にも繋がっています。
[画像5: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/13108/103/13108-103-4ede0ce5a838a2e0300590b30044b501-512x341.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
iPadを活用した処方薬のピッキング
4.監査:スマートフォンアプリ医薬品監査システム
スマートフォンのアプリを活用し、医薬品のバーコードを読み込むことで、レセコンに入力した医薬品との齟齬がないかを確認し、取り違えを防止しています。
5.服薬指導:クラウド防犯カメラ
「薬が足りなかった」「薬が入っていなかった」という問い合わせへの事後検証のため、クラウドの防犯カメラを設置し、投薬カウンターの上から撮影しています。お問い合わせがあった場合は、適正にお渡しできているかを検証できるため、確認などの対応時間が軽減されます。
6.会計:レセコン、POSレジ、キャッシュレス端末、自動釣り銭機の連動
患者ごとの決済データが、レセコンから金銭のやり取りなどの情報をリアルタイムで記録・集計するシステムを完備したPOSレジへ自動で飛びます。それを自動釣り銭機もしくはキャッシュレス端末へ連動させることで、釣り銭ミスや、キャッシュレス端末への金額入力ミスといったエラー回避、レジ締め時の工数削減を実現しています。
■患者の医療体験向上に向けた取り組み事例
調剤薬局を薬を提供する場としてだけではなく、より良い医療体験を提供できる場にするため、患者の利便性の向上に繋がる取り組みを実施しています。その中の1つである「オンライン服薬指導」においては、前述の事後検証のためのツールだけではなく、より幅広い患者のニーズにお応えできるよう、服薬指導、決済、薬のお渡しというステップ毎に様々なツールを活用しています。
服薬指導では、Pharmsのような調剤薬局向けのシステムやビデオ通話機能のある無料サービスなどのツールを採用しており、調剤費・薬剤の支払いは、現金だけでなく、電子決済や銀行振込、代引き支払いなど、複数の決済手段に対応しています。医薬品の配送は、コロナ禍がきっかけとなり、外部委託配送サービスを活用しながらコストと工数の最適化をした上で、当日での配送を実現しています。
[画像6: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/13108/103/13108-103-629d6d0dbbac573e281c640c9d3e1cee-1552x1036.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
配送サービスを活用した処方薬の当日配達
薬局におけるDXは、利便性を最優先したツール先行にならずに、日常業務における課題の洗い出しを行い、それに対するITツールや外部サービスを使用することで推進できると考えています。
今まで、オンライン服薬指導の実施にあたっては、ビデオ通話、決済、配送において別々のツールを利用する場合は、それぞれの管理画面で運用する必要があるため業務が煩雑になっていましたが、今回、Pharmsが処方薬の当日配達に対応することで一つのシステムでも完結ができるようになったため、全体工数の削減によって患者と向き合う時間の創出に繋がると期待しています。
<株式会社メドレーについて>
メドレーは、エンジニアと医師・医療従事者を含む開発チームを有し、「医療ヘルスケアの未来をつくる」というミッションのもと、インターネットサービスを提供しています。現在、より良い医療・介護の実現に向けて、以下のサービスを展開しています。
患者向け「総合医療アプリCLINICS」 https://clinics-app.com
診療所・病院向け「クラウド診療支援システムCLINICS」 https://clinics-cloud.com
かかりつけ薬局支援システム「Pharms」 https://pharms-cloud.com
クラウド歯科業務支援システム「Dentis」 https://dentis-cloud.com
医師たちがつくるオンライン医療事典「MEDLEY」 https://medley.life
医療介護の求人サイト「ジョブメドレー」 https://job-medley.com
オンライン動画研修サービス「ジョブメドレーアカデミー」https://jm-academy.jp
納得できる老人ホーム探し「介護のほんね」 https://www.kaigonohonne.com
退院調整業務支援サービス「れんけーさん」 https://renkei-san.com