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Arm Mali GPUの仮想化機能により、次世代の車内体験を実現




※本資料は英Armが2020年6月18日に発表したニュースの抄訳です。

英Arm(本社:英国ケンブリッジ、日本法人:神奈川県横浜市、以下Arm)はこのたび、Arm Mali GPUのドライバ開発キット(DDK)に関するアップデートを発表しました。これにより、自動車のデジタルコックピットで求められる重要な要件をサポートできます。さらに、ArmのパートナーであるAudiとSamsungは、2022年モデルの新型車向けにMali IPを採用しました。

スマートフォンのような体験が自動車の中でも求められていることは、自動車メーカーやティア1自動車サプライヤーとの最近の協業から明らかになっている傾向です。事実、昨今の世界経済の状況においても、デジタルミラーやヘッドアップ・ディスプレイなど、より多くのディスプレイを用いる新たなイノベーションに対して、引き続き高い需要が存在しています。

このような、より没入感あふれるスマートフォンのような車内体験に対するニーズを背景に、Armは独自のポジションを確立しています。Armは現在、デジタルコックピット・ソリューションとスマートフォンの両方の分野をリードしており(車載インフォテインメント(IVI)ソリューションの85%、世界のスマートフォンの99%がArmベース)、Arm Mali GPUには、両方のアプリケーションで培われた専門知識が凝縮されています。グラフィックスIPとして業界トップの出荷実績を誇るMali GPUは、世界で最も広く普及したグラフィックス・プロセッサともいえます。

車載ディスプレイの拡充に対して需要が高まると同時に、こうしたディスプレイに対応した、より先進的なアプリケーションが実現する機会も拡大します。Armの広範なエコシステムがこのニーズに応えられるよう、Armはこのたび、Mali GPUのデジタルコックピット向けユースケースに求められる重要な要件をサポートする「Arm Maliドライバ開発キット(DDK)」の最新バージョン(*1)をリリースします。さまざまな機器の画面を横断したシームレスなグラフィックスの実現においてArmは成功を収めており、Mali GPUとMali DDKソリューションは、次世代自動車に求められる主要な車載機能に対応できるよう開発されています。
*1) https://developer.arm.com/ip-products/graphics-and-multimedia/mali-gpus/mali-driver-development-kit?_ga=2.216278559.844130352.1592870752-1858536315.1592870752

Armの自動車ビジネスの醍醐味のひとつは、自動車メーカーによって、Armベースの車内体験が現実化することです。最近の例として、AudiはArmベースSamsung Exynos v9 SoCを使用しており、これは8個の強力なCortex-A76 CPUだけでなく、重要な点として、複数のワークロード間で数個のMali-G76 GPUを共有しており、ダッシュボード全体を通じ、多数のグラフィックリッチなアプリケーションを実現しています。

主要な構成要素
ArmのMali-G76 向けDDK(*2)は、最新の仮想化サポート機能に対応します。これにより、個々の仮想マシンを実行する複数のグラフィックリッチなアプリケーション間でGPUリソースを共有できます。さらにArmは、自社のIPと開発ツールに対して、セキュリティ機能を基本設計から組み込むことを重視しています。この点は、1台の仮想マシンが別の仮想マシンの情報にアクセス不可能という、Mali DDKの仮想化機能からも明らかです。Mali DDKの仮想化機能は、アプリケーションからも全く見えないように設計されており、開発者は、これをサポートするためにアプリケーションを修正する必要はなく、すべてはデバイスドライバとシステムソフトウェア内で処理されます。
*2) https://developer.arm.com/ip-products/graphics-and-multimedia/mali-gpus/mali-driver-development-kit?_ga=2.216278559.844130352.1592870752-1858536315.1592870752
[画像: https://prtimes.jp/i/22759/104/resize/d22759-104-977639-1.png ]

ソフトウェア制御によるGPU仮想化機能

この新たなアプローチの柱となるのが、コックピットのドメインコントローラによる車載グラフィックスの実現です。ドメインコントローラによって、複数の電子制御ユニット(ECU)を単一のECUに統合でき、多くのケースでは単一のSoCが使用されます。従来は、スピードメーターや警告灯を表示するデジタルインストルメント・クラスターなど、単一の機能を単一のECUが実行していましたが、最新のコックピット・ドメイン・コントローラーの場合、単一のSoCから複数のワークロードにリソースを柔軟に割り当てることで、複数の機能を実行できます。一例として、Mali DDKを使用する単一のSoCは、アプリケーションごとに単一のSoCまたはECUを要求するのではなく、インストルメント・クラスター、IVI、ナビゲーション・システムに対して演算リソースを割り当てることが可能です。

Mali DDKはLinuxとAndroidをサポートしており、複数のOSとハイパーバイザを対象に仮想化機能を使用することで、仮想化システム内のタッチスクリーンの高速レスポンスなど、スムーズなユーザー体験がもたらされます。さらに、車載アプリケーション分野でのMali GPUとMali DDKに対するArmのサポート体制は、今後の市場ニーズに合わせてカスタマイズしていくため、ソフトウェアの保守は自動車のライフサイクル全体を通じて約束されます。

自動車業界は現在、消費者の期待に応え続けるため、かつてなく急速にイノベーションを推し進めています。こうした状況を受け、Armの車載エコシステムの重要性もまた、かつてないほど高まっています。没入感あふれる車内体験という魅力的な機会をはじめ、アプリケーションに対する消費者からの厳しい要求に応えることで、Armのエコシステムは世界をリードするコンピューティング・エコシステムとなっています。

Armについて
Armのテクノロジーは、コンピューティングとデータによる革命の中心として、人々の暮らしや企業経営のあり方に変革を及ぼしています。そのエネルギー効率に優れた高度なプロセッサ設計は、1,600億個以上のチップを通してインテリジェントなコンピューティングを実現してきました。Armのテクノロジーは各種センサーからスマートフォン、スーパーコンピュータまで、さまざまな製品をセキュアにサポートしており、世界人口の70%以上に使用されています。さらに、このテクノロジーにIoTソフトウェアやデバイス管理プラットフォームを組み合わせ、顧客がコネクテッドデバイスからビジネス価値を生み出すことを可能にしています。Armは現在1,000社以上のテクノロジーパートナーとともに、チップからクラウドまで、演算が行われるあらゆる分野における設計、セキュリティ、管理を支える技術の最先端を担っています。

全ての情報は現状のまま提供されており、内容について表明および保証を行うものではありません。本資料は、内容を改変せず、出典を明記した上で自由に共有いただけます。ArmはArm Limited(またはその子会社)の登録商標です。その他のブランドあるいは製品名は全て、それぞれのホールダーの所有物です。(C) 1995-2020 Arm Group.
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