新作アプリのサービスローンチからユーザー規模が安定化するまでのモデル検証_ゲームアプリのアクティブユーザーはリリース2ヵ月で6割以上が離脱
[22/08/30]
提供元:PRTIMES
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2週目の離脱が最も大きい
ゲームアプリのサービスは「free to play」(基本プレイ無料)で提供されるものがほとんどで、ゲームユーザーの参入障壁は非常に低いと言えます。最初は無料で遊んでもらい、気に入ったらプレイを続けてもらいながら課金につなげていくというビジネスです。その為、サービスがローンチした最初の週にどれだけ多くのユーザーを取り込み、ベースとなるプレーヤー数を確保するのかが最初のマーケティング課題となります。また、サービスがローンチした後は[継続ユーザー]を維持し、[新規ユーザー]をどれだけ増やし、[離脱ユーザー]をどう防ぐのか、また一旦離脱したユーザーを再度[復帰ユーザー]として活性化するかということが次のマーケティング課題となるでしょう。今回は2022年6月にリリースされた新作2タイトル『魔法科高校の劣等生 リローテッド・メモリ』と『最強でんでん』のプレイステータス/デモグラ属性の変化を分析してみたいと思います。
株式会社ゲームエイジ総研(代表取締役社長:光井誠一)は、国内唯一の「ゲームビジネスに特化したマーケティングリサーチ&コンサルティングファーム」として様々な分析を行っています。ゲーム市場規模をまとめた定期刊行レポートとして「Monthly Game Trend Radar(マンスリー・ゲームトレンドレーダー)」の発刊、プラットフォーム別のアクティブユーザー数や、ネットワークサービスでのゲームに関する情報取得などのデータも収集しております。また弊社が運用しているマーケティングデータサービス「iGage(アイゲージ)」では約240万名のスマートデバイスのユーザーのログを自動取得しており、動向やトレンドなども観測しております。
ゲームアプリのサービスは「free to play」(基本プレイ無料)で提供されるものがほとんどで、ゲームユーザーの参入障壁は非常に低いと言えます。最初は無料で遊んでもらい、気に入ったらプレイを続けてもらいながら課金につなげていくというビジネスです。その為、サービスがローンチした最初の週にどれだけ多くのユーザーを取り込み、ベースとなるプレーヤー数を確保するのかが最初のマーケティング課題となります。また、サービスがローンチした後は[継続ユーザー]を維持し、[新規ユーザー]をどれだけ増やし、[離脱ユーザー]をどう防ぐのか、また一旦離脱したユーザーを再度[復帰ユーザー]として活性化するかということが次のマーケティング課題となるでしょう。
弊社のアプリログ自動集計/分析システム【iGage】(アイゲージ)は、アプリのダウンロード数をカウントするのではなく、dailyのアクティブ人数(最小単位は1時間単位)を取得しているので、サービスがローンチした週から[新規][継続][離脱][復帰]ユーザーの変化や、性/年齢別の動向の詳細を把握することができます。
今回は2022年6月にリリースされた新作2タイトル『魔法科高校の劣等生 リローテッド・メモリ』と『最強でんでん』のプレイステータス/デモグラ属性の変化を分析してみたいと思います。
iGageの詳細はこちら:https://www.gameage.jp/igage/
[画像1: https://prtimes.jp/i/39514/104/resize/d39514-104-88ef451a6e837c670ce3-0.jpg ]
■『魔法科高校の劣等生 リローテッド・メモリ』は2週目で9.7万人が離脱
『魔法科高校の劣等生 リローテッド・メモリ』は、サービス開始の6月27日週に26万人近いウィークリーアクティブユーザー(以下WAU)を獲得しましたが、その後6週経過した8月第一週には約10万人と、ローンチ時の約40%にまで減少したことが分かります。【グラフ1.】
特に2週目には9.7万人と約38%の離脱者が発生。その後の3週間でも約10万人が離脱しています。性/年齢別で確認すると10代、20代男性の減少が大きく、10代男性の数は40代男性と同じ規模まで減少しています。【グラフ2.】
※セグメントの定義:[継続]は、前週から続けてプレイしているユーザー。[新規]は、今週初めてプレイしたユーザー。[復帰]は、前週はプレイしていなかったが、前々週以前にプレイしており、今週はプレイしているユーザー。[離脱]は、前週はプレイしていたが、今週はプレイしていないユーザーを指します。
[画像2: https://prtimes.jp/i/39514/104/resize/d39514-104-6ebb67c451a84e7f25fb-1.jpg ]
[画像3: https://prtimes.jp/i/39514/104/resize/d39514-104-921da2f99b6607e8ec43-2.jpg ]
■『最強でんでん』は2週目で20万人が離脱
次に、その独特な世界観と、大規模な広告施策が話題になった『最強でんでん』は、配信週である6月6日週に約34万人のユーザーを獲得しましたが、2週目の6月13日週には約20万人の離脱者が発生。その後、4週目以降は離脱者を抑制できているようですが、残念ながら新規ユーザーの獲得が進まず、結果的に9週目にあたる8月第1週のWAUは8万人弱と、配信週の23%にまで縮小しています【グラフ3.】。
性/年代別にみると、配信週は10代男性が最も多く、約9万人を獲得しましたが、逆に減少率も最も大きく、8月1週には1.2万人に減少し、30代男性が約2万人と最も多くなっています。【グラフ4.】
[画像4: https://prtimes.jp/i/39514/104/resize/d39514-104-b7d1143bea5e2cadeb22-3.jpg ]
[画像5: https://prtimes.jp/i/39514/104/resize/d39514-104-139e993f0a82d49cb6ae-4.jpg ]
今回は、6月の新作アプリから2タイトルをピックアップし、ファクトデータに基づいた約2ヵ月間のアクティブユーザーの変化を紹介するに留めますが、多くのゲームアプリで、ローンチ2週目には[離脱]が[新規]を上回り、アクティブユーザー数は減少トレンドに向かい、概ね8週〜12週あたりで[継続ユーザー]数が安定するという傾向がみられます。
サービス提供者/運営元にとって重要なのは、この変化の要因は何なのか、その背景でユーザーはどのように[継続][離脱][復帰]の意思決定をおこなっているのかを理解することでしょう。
過去に弊社が行ったいくつかのタイトルの離脱要因分析でも、「原作と乖離している」「最初思っていたゲームと違っていた」といった失望型や、類似ジャンルのゲームとの差別化、ゲームシステムの斬新さ不足、エンゲージメント施策が不発など、様々な要因が重なり、SNSやインフルエンサーが不活性のまま、結果的にダウンロード数を大きく左右する[ストアレビュー]も低迷するといったループに陥ったケースが見られました。
長期運営型のモバイルゲームのビジネスにおいて、サービス開始前の受容性、ターゲティングの確認だけではなく、継続動機や離脱要因を分析し、ユーザーにきちんと向き合うことが重要ではないでしょうか。弊社は今後も「ゲームがローンチした後、アクティブユーザーの規模が減衰する傾向と理由」を、デモグラ/プレイステータスデータに基づいて科学していこうと考えています。
ゲームアプリのサービスは「free to play」(基本プレイ無料)で提供されるものがほとんどで、ゲームユーザーの参入障壁は非常に低いと言えます。最初は無料で遊んでもらい、気に入ったらプレイを続けてもらいながら課金につなげていくというビジネスです。その為、サービスがローンチした最初の週にどれだけ多くのユーザーを取り込み、ベースとなるプレーヤー数を確保するのかが最初のマーケティング課題となります。また、サービスがローンチした後は[継続ユーザー]を維持し、[新規ユーザー]をどれだけ増やし、[離脱ユーザー]をどう防ぐのか、また一旦離脱したユーザーを再度[復帰ユーザー]として活性化するかということが次のマーケティング課題となるでしょう。今回は2022年6月にリリースされた新作2タイトル『魔法科高校の劣等生 リローテッド・メモリ』と『最強でんでん』のプレイステータス/デモグラ属性の変化を分析してみたいと思います。
株式会社ゲームエイジ総研(代表取締役社長:光井誠一)は、国内唯一の「ゲームビジネスに特化したマーケティングリサーチ&コンサルティングファーム」として様々な分析を行っています。ゲーム市場規模をまとめた定期刊行レポートとして「Monthly Game Trend Radar(マンスリー・ゲームトレンドレーダー)」の発刊、プラットフォーム別のアクティブユーザー数や、ネットワークサービスでのゲームに関する情報取得などのデータも収集しております。また弊社が運用しているマーケティングデータサービス「iGage(アイゲージ)」では約240万名のスマートデバイスのユーザーのログを自動取得しており、動向やトレンドなども観測しております。
ゲームアプリのサービスは「free to play」(基本プレイ無料)で提供されるものがほとんどで、ゲームユーザーの参入障壁は非常に低いと言えます。最初は無料で遊んでもらい、気に入ったらプレイを続けてもらいながら課金につなげていくというビジネスです。その為、サービスがローンチした最初の週にどれだけ多くのユーザーを取り込み、ベースとなるプレーヤー数を確保するのかが最初のマーケティング課題となります。また、サービスがローンチした後は[継続ユーザー]を維持し、[新規ユーザー]をどれだけ増やし、[離脱ユーザー]をどう防ぐのか、また一旦離脱したユーザーを再度[復帰ユーザー]として活性化するかということが次のマーケティング課題となるでしょう。
弊社のアプリログ自動集計/分析システム【iGage】(アイゲージ)は、アプリのダウンロード数をカウントするのではなく、dailyのアクティブ人数(最小単位は1時間単位)を取得しているので、サービスがローンチした週から[新規][継続][離脱][復帰]ユーザーの変化や、性/年齢別の動向の詳細を把握することができます。
今回は2022年6月にリリースされた新作2タイトル『魔法科高校の劣等生 リローテッド・メモリ』と『最強でんでん』のプレイステータス/デモグラ属性の変化を分析してみたいと思います。
iGageの詳細はこちら:https://www.gameage.jp/igage/
[画像1: https://prtimes.jp/i/39514/104/resize/d39514-104-88ef451a6e837c670ce3-0.jpg ]
■『魔法科高校の劣等生 リローテッド・メモリ』は2週目で9.7万人が離脱
『魔法科高校の劣等生 リローテッド・メモリ』は、サービス開始の6月27日週に26万人近いウィークリーアクティブユーザー(以下WAU)を獲得しましたが、その後6週経過した8月第一週には約10万人と、ローンチ時の約40%にまで減少したことが分かります。【グラフ1.】
特に2週目には9.7万人と約38%の離脱者が発生。その後の3週間でも約10万人が離脱しています。性/年齢別で確認すると10代、20代男性の減少が大きく、10代男性の数は40代男性と同じ規模まで減少しています。【グラフ2.】
※セグメントの定義:[継続]は、前週から続けてプレイしているユーザー。[新規]は、今週初めてプレイしたユーザー。[復帰]は、前週はプレイしていなかったが、前々週以前にプレイしており、今週はプレイしているユーザー。[離脱]は、前週はプレイしていたが、今週はプレイしていないユーザーを指します。
[画像2: https://prtimes.jp/i/39514/104/resize/d39514-104-6ebb67c451a84e7f25fb-1.jpg ]
[画像3: https://prtimes.jp/i/39514/104/resize/d39514-104-921da2f99b6607e8ec43-2.jpg ]
■『最強でんでん』は2週目で20万人が離脱
次に、その独特な世界観と、大規模な広告施策が話題になった『最強でんでん』は、配信週である6月6日週に約34万人のユーザーを獲得しましたが、2週目の6月13日週には約20万人の離脱者が発生。その後、4週目以降は離脱者を抑制できているようですが、残念ながら新規ユーザーの獲得が進まず、結果的に9週目にあたる8月第1週のWAUは8万人弱と、配信週の23%にまで縮小しています【グラフ3.】。
性/年代別にみると、配信週は10代男性が最も多く、約9万人を獲得しましたが、逆に減少率も最も大きく、8月1週には1.2万人に減少し、30代男性が約2万人と最も多くなっています。【グラフ4.】
[画像4: https://prtimes.jp/i/39514/104/resize/d39514-104-b7d1143bea5e2cadeb22-3.jpg ]
[画像5: https://prtimes.jp/i/39514/104/resize/d39514-104-139e993f0a82d49cb6ae-4.jpg ]
今回は、6月の新作アプリから2タイトルをピックアップし、ファクトデータに基づいた約2ヵ月間のアクティブユーザーの変化を紹介するに留めますが、多くのゲームアプリで、ローンチ2週目には[離脱]が[新規]を上回り、アクティブユーザー数は減少トレンドに向かい、概ね8週〜12週あたりで[継続ユーザー]数が安定するという傾向がみられます。
サービス提供者/運営元にとって重要なのは、この変化の要因は何なのか、その背景でユーザーはどのように[継続][離脱][復帰]の意思決定をおこなっているのかを理解することでしょう。
過去に弊社が行ったいくつかのタイトルの離脱要因分析でも、「原作と乖離している」「最初思っていたゲームと違っていた」といった失望型や、類似ジャンルのゲームとの差別化、ゲームシステムの斬新さ不足、エンゲージメント施策が不発など、様々な要因が重なり、SNSやインフルエンサーが不活性のまま、結果的にダウンロード数を大きく左右する[ストアレビュー]も低迷するといったループに陥ったケースが見られました。
長期運営型のモバイルゲームのビジネスにおいて、サービス開始前の受容性、ターゲティングの確認だけではなく、継続動機や離脱要因を分析し、ユーザーにきちんと向き合うことが重要ではないでしょうか。弊社は今後も「ゲームがローンチした後、アクティブユーザーの規模が減衰する傾向と理由」を、デモグラ/プレイステータスデータに基づいて科学していこうと考えています。