NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]「ICCアニュアル2022生命的なものたち」の開催について
[22/05/27]
提供元:PRTIMES
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■NTT東日本が運営する文化施設NTTインターコミュニケーション・センター※1(以下、ICC)では、2022年6月25日(土)より、「ICCアニュアル2022 生命的なものたち」を開催します。■「ICC アニュアル」は、これまで「オープン・スペース」展として2006年度から毎年開催し※2、多くの方々に親しんでいただいた展覧会を、その役割やコンセプトを継承しながら、 6ヶ月間の長期展示としてリニューアルするものです。■本展では、その時代のテクノロジー状況やメディア環境を、メディア・アート作品※3や展覧会テーマによってとらえ、毎年展示内容やテーマ、タイトルを変えて開催します※4。新しいメディア・テクノロジーに触発され、更新される、私たちの意識のありようを反映した表現から、現代の社会におけるテクノロジーのあり方を、別の見方でとらえていきます。■ICCにおいて開催される展覧会に、年度中何度でもご入場いただける年間パスポートの販売を開始します。
※1 日本の電話事業100周年記念事業として1991年からのプレ活動を経て、1997年にNTTが設立した科学技術と文化芸術の融合をテーマとする文化施設です。
※2 新型コロナウイルス感染症拡大に伴う臨時休館のため、2020年度は開催しておりません。
※3 コンピュータをはじめとするさまざまな先端メディア・テクノロジーを使用したアート作品を総称する言葉で す。
※4 展示内容については、予告なく変更になる場合があります。
1. 「ICCアニュアル2022 生命的なものたち」開催概要
英展覧会名:ICC Annual 2022: Life / Likeness
開催期間:2022年6月25日(土)〜2023年1月15日(日)
【リアル展示】
会場:NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]ギャラリーB
開館時間:午前11時〜午後6時(入館は閉館の30分前まで)
入場料:一般 500円(400円)、大学生 400円(300円)/高校生以下無料
(事前予約制・当日入場は事前予約者優先)
*( )内は15名様以上の団体料金
*身体障害者手帳をお持ちの方および付添1名,65歳以上の方と高校生以下、ICC年間パスポートをお持ちの方は 無料。
* 予約方法の詳細は、後日ICCウェブサイトにてお知らせします
休館日※5: 毎週月曜日、ビル保守点検日(8/7)、年末年始(12/26〜1/4)
※5 月曜日が祝日もしくは振替休日の場合、翌日を休館日とします。
休館日以外においても、開館時間の変更および臨時休館の可能性があります。
最新情報はICCウェブサイト(https://www.ntticc.or.jp/)などでお知らせします。
【オンライン展示】
会場:ハイパーICC(https://hyper.ntticc.or.jp/)
体験料:無料
主催:NTTインターコミュニケーション・センター [ICC] (東日本電信電話株式会社)
2. 展覧会概要
現在の私たちの生活環境には、コンピュテーショナルなテクノロジーがもたらしたシステムがさまざまに実装されています。人間とコンピュータを媒介する技術は、アルゴリズムが生み出す、生命的な振る舞いによって、これからも、より自然に私たちの生活環境に、ますます浸透していくでしょう。
一方、自然の現象に見られる再帰性や偶然性を読み解き、自然のメカニズムを解析することで、テクノロジーの側からもうひとつの自然をシミュレーションし、新しい生命のあり方を定義することや、自然や生命、私たち自身をとらえ直すことが可能になりました。
このような「組織化する無機的なもの」の時代において、デジタル技術や自然の現象から生み出された新しい「生命的」なシステムとしての環境からインスピレーションを受け、そのシステムとの相互的なフィードバックによって生み出された作品、気候変動やジェンダーなどの社会的な問題、NFTやメタバースなどの同時代的な技術動向にもとづいた、広がりをもった作品の数々によって、これからのテクノロジーのあり方を考えます。
3. 出品作家(五十音順)
ALTERNATIVE MACHINE
菅野創+加藤明洋+綿貫岳海(オンライン・アーティスト・イン・レジデンス)
慶應義塾大学 徳井直生研究室 Computational Creativity Lab
小光(オンライン・アーティスト・イン・レジデンス)
セマーン・ペトラ
nor
エレナ・ノックス
村山悟郎
ラービッツシスターズ
・新進アーティスト紹介コーナー「エマージェンシーズ!」
新進アーティストやクリエイターの最新作品やプロジェクトなどを紹介するコーナーです。
2006年以降、合計41組の作品を展示しています。今年度は2回の開催を予定しています。
エマージェンシーズ! 042 伊敷勇琉
展示期間:2022年6月25日(土)—9月25日(日)
エマージェンシーズ! 043 高橋星乃
展示期間:2022年10月8日(土)—2023年1月15日(日)
キュレーション:畠中実
キュレトリアル・チーム:指吸保子、鹿島田知也
ハイパーICC共同キュレーション:谷口暁彦
・コレクション作品展示(有料エリア内)
グレゴリー・バーサミアン《ジャグラー》
・無料展示エリア展示(予定)
岩井俊雄《マシュマロモニター》
映像アーカイヴHIVE(ハイヴ)
作品例については別紙【参考】をご参照ください。
4. ICC年間パスポートの販売開始について
NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]において開催される展覧会に、年度中何度でもご入場いただけるパスポートを販売します。
販売開始日 :2022年6月25日(土)予定
有効期間 :購入日(お渡し日)より2023年3月31日まで
販売価格 :1,000円
販売場所 :ICC受付
適用対象展覧会 :「ICC アニュアル 2022」、「ICC 2022年度企画展(タイトル未定)」、「Digital×北斎」
*年間パスポート表面記載のご本人様のみ有効となります。
*年間パスポートご購入後の払い戻し・返金はいたしかねます。
*年間パスポートをお忘れの場合、通常の入場料金を頂戴します。
*ご来場予約に関しては、各展覧会のウェブサイトなどで詳細をご確認ください。
*ICC キッズ・プログラム 2022は、どなたでも無料でご入場いただけます。
5. ICC 25周年記念ロゴ
ICC開館25周年にあたり、これからも変化し続けるICCをイメージしたロゴを制作しました。
ICCのロゴも手がけた矢萩喜從郎氏によるデザインです。
[画像1: https://prtimes.jp/i/98811/105/resize/d98811-105-0facfba560a0b0a06fc3-0.jpg ]
6. 新型コロナウイルス感染症対策
NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]では、新型コロナウイルス感染症拡大防止対策のため、お客様ならびにスタッフの健康と安全を考慮し、ご来館される全てのお客様に以下の対応のご協力をお願い申し上げます。
下記に該当する方は、ご入館をお断りさせていただきます。
・ 37.5度以上の発熱症状がある方。
(入館時にサーモカメラ及び、非接触型体温計での体温計測を実施します。)
・ 過去2週間以内に、感染拡大地域や国への渡航をされた方。
・ 発熱、咳、鼻水、倦怠感の症状が続くなど、体調不良の方。
・ マスクを着用されていない方。
最新情報はICCウェブサイト(https://www.ntticc.or.jp/)などでお知らせします。
7. ICCのご案内
所在地: 東京都新宿区西新宿3-20-2 東京オペラシティタワー4階
(京王新線 初台駅東口から徒歩2分)
[画像2: https://prtimes.jp/i/98811/105/resize/d98811-105-a3c6f92ca2e97d056641-1.jpg ]
【参考】
1.出品作家と作品例
ALTERNATIVE MACHINE
新作 *リアル
[画像3: https://prtimes.jp/i/98811/105/resize/d98811-105-a0920528c742669956fc-2.jpg ]
ALTERNATIVE MACHINE 《ANH-01》 2021年(参考図版)
ALTERNATIVE MACHINEは、「人工生命(ALife)」研究から生まれた理論や技術の社会応用に挑戦する研究者集団です。国内外のALife研究者とパートナーを組む、ALifeに特化した世界唯一のテクノロジー企業として、最適化や効率化を追求するテクノロジーのあり方ではなく、自律性や適応性、愛情や親しみ、存在感など、生命的な新たなテクノロジーのあり方を探求し、あらゆるものに生命性をインストールすることをミッションとしています。ALifeの理論や技術の研究開発をはじめ、ALifeの理論や技術を用いたプロダクト開発、アート作品の制作も行なっています。
本展では、無響室内で音響とVRによる体験をする新作の展示を予定しています。
菅野創+加藤明洋+綿貫岳海(オンライン・アーティスト・イン・レジデンス)
《かぞくっち》2022年 *リアル、オンライン
[画像4: https://prtimes.jp/i/98811/105/resize/d98811-105-e60ed9bf4de4d3e5b559-3.jpg ]
菅野創+加藤明洋+綿貫岳海 《かぞくっち》2022年 Photo: Ioto YAMAGUCHI
《かぞくっち》は、現実空間の箱庭に設置された「家」と呼ばれるロボットと、その家に生息するデジタル人工生命体「かぞくっち」の家族によって構成されます。「かぞくっち」の各個体の情報(名前、生年月日、家系)はNFTに登録されており、売買することも可能です。また「かぞくっち」は繁殖可能であり産まれた卵にも自動的にNFTが発行されますが、繁殖が成功するためには、繁殖期にある2体の「かぞくっち」が入居する家が、物理的に適切な位置関係にある必要があります。
物理的なロボットの挙動がNFT(ブロックチェーン)上のアクションに反映されることや、「イエ」「家系」といった人間社会のメタファーが重ねられていることなど、《かぞくっち》にはブロックチェーンやNFTという新しい技術が社会にとってどのような意味をもちうるかといった、新しい社会実装の形などについて、考えるためのヒントが秘められているのではないでしょうか。「ICCアニュアル 2022」では、作品展示と並行して、オンライン・アーティスト・イン・レジデンス プログラムとして、会期を通じて作品のアップデートを行なっていく予定です。
慶應義塾大学 徳井直生研究室 Creative Computing Lab
*リアル
[画像5: https://prtimes.jp/i/98811/105/resize/d98811-105-4486b0a65d3221040182-4.jpg ]
スコット アレン、高石圭人、石井飛鳥、渋谷和史、松岡佑馬、小林篤矢、徳井直生《Compressed Ideograph》2021年(参考図版)
慶應義塾大学SFC徳井直生研究室、Computational Creativity Lab(CC Lab)は、人工知能(AI)を用いた新しい創造性のあり方について、研究と表現の両面からの実践に取り組んでいます。AIを、創造性を拡張する「道具」であると同時に、人の創造的なプロセスがどのように働くのかを写し出す「鏡」として捉え、オルタナティヴな答え/アイディアを求めるためのパートナーとしてのAIのあり方を模索します。また、アートや音楽領域だけでなく、AIが社会全般に及ぼす多様な影響、AIという存在そのものがもつ意義やその本質を、表現の実践を通して問いかけようとしています。本展では、研究室が発足した2019年以降の活動成果を、複数のプロジェクトによって紹介します。また、会期中の展示替えを予定しています。
小光(オンライン・アーティスト・イン・レジデンス)
「小光の部屋」*リアル、オンライン
[画像6: https://prtimes.jp/i/98811/105/resize/d98811-105-38a2d00a323d395ce5b4-5.jpg ]
小光《here AND there》 2017年 撮影:木奥恵三
ICCキッズ・プログラム 2021にも参加した小光が、アーティスト本人の部屋というコンセプトで展示室を設えます。キッズ・プログラムでも出品され好評を博したインタラクティブ作品のアップデート版に加え、最近発表された新作のインタラクティブ作品、さらに小光がコロナ禍の生活において目にしたものをモチーフにした新作のアニメーションをインスタレーションとして展示します。またオンライン・アーティスト・イン・レジデンス プログラムとして、会期中に新作のインタラクティブ作品を制作する予定です。
セマーン・ペトラ
《Openings》2022年 *リアル
[画像7: https://prtimes.jp/i/98811/105/resize/d98811-105-68c9fd0ec26c98aa5641-6.jpg ]
セマーン・ペトラ《Openings》2022年
セマーン・ペトラは、現代の「世界」が、現実に加えてアニメ、ビデオゲームなどのフィクションの領域が重なるもしくは交差する総体として認識されていると捉え、映像作品として発表してきました。2021年度ICC企画展「多層世界の歩き方」に出品された「モノミス:外伝」シリーズにつづく新作《The Openings》では、「聖地巡礼 (アニメや映画などのフィクション作品の舞台として使われた土地に訪れること)」を再度取り上げます。そし て、ビデオゲームのロード画面やアニメ作品のオープニング、さらに鉄道が「リミナルであること(時間または空間を移動する過程で一時的に利用されることが目的とされていること)」において共通するという観点から、作品中で思索を深めていきます。
nor
《syncrowd》2022年 *リアル、オンライン
[画像8: https://prtimes.jp/i/98811/105/resize/d98811-105-ee9bde8fb79c798ca151-7.jpg ]
nor《syncrowd》2022年
「同期現象」と呼ばれる自然現象を利用したキネティック・サウンド・インスタレーション。天井から吊られたフレームに取り付けられた複数の振り子が、フレームを通して互いに干渉しあうことで、まるで制御されているかのように自己同調していきます。個としては単純な振り子の振る舞いが、群衆(crowd)として互いに干渉し合うことで、同期(sync)によるうねりを持った状態や、内乱による無秩序な状態を生成し、環境を複雑に変化させ続けます。また、各振り子の揺れに合わせて鳴る音は、さまざまなパターンとなって有機的に重なり合い、ミニマル・ミュージックの音楽構造にも通じる美しさを生み出していきます。
エレナ・ノックス
《The Masters》2021年 *リアル
[画像9: https://prtimes.jp/i/98811/105/resize/d98811-105-00eafc2d7377dff6c433-8.jpg ]
エレナ・ノックス《The Masters》2021年|Photo: TAKAHASHI Kenji|図版提供:トーキョーアーツアンドスペース
ノックスは、近年展開している「Actroid Series」において、ヒューマノイド(人間型ロボット)をモチーフに、それらが社会において機能するようになった(なりつつある)現在、どのような問題を提起する存在であるのか を、さまざまなシチュエーションを想定して考察しています。「Actroid Series II」の一部を成す《The Masters》では、AIキャラクターがホログラムによって提示される「キャラクター召喚装置」が用いられます。受付や簡単な応対をするために作られたヒューマノイドやAIキャラクターは女性の表象をまとうことが多いですが、ノックスは、社会システムに人間(的なもの)の顔を与えることで、私たちが誰かに制約や制限を課す際の軋轢をどのように和らげようとしているかをテーマにしています。
村山悟郎
新作 *リアル
[画像10: https://prtimes.jp/i/98811/105/resize/d98811-105-427816742b54a3996bb5-9.jpg ]
村山悟郎 《Painting Folding——これと合致する身体を構想せよ》2020年 Photo by Shu Nakagawa(参考図版)
タンパク質は、「タンパク質フォールディング(折り畳み)」と呼ばれるプロセスによって、安定的に存在可能な三次元構造に自発的に折り畳まれます。2018年、AIの機械学習を利用して、タンパク質の形状をアミノ酸の配列情報から高精度で予測できるソフトウェアAlphaFoldが発表され、バイオ・インフォマティクスの分野で大きな注目を集めました。自己組織化するプロセスやパターンを絵画やドローイングを通して表現してきた村山は、自身の「織物絵画」シリーズとタンパク質フォールディングのあいだに構造発展過程の観点から類似性を見出し、2020年に《Painting Folding》と題した作品シリーズを発表しました。本展ではこれをさらに発展させ、村山の織物絵画の三次元情報からアミノ酸配列を算出し、その情報を再度AlphaFoldに予測計算させて、人間の手による織物絵画からミクロな自然に存在し得るタンパク質構造を新しくデザインすることを試みます。
ラービッツシスターズ
《Crypto Miner Car》2020年 *リアル、オンライン
[画像11: https://prtimes.jp/i/98811/105/resize/d98811-105-39ccc1d73a876e141223-10.jpg ]
LarbitsSisters《Crypto Miner Car》2020年
暗号通貨のマイニングを行なう計算処理、またそれに伴い膨大に消費される電力を、いかに現在の都市や社会の基盤構造に組み入れることができるかを、気候変動の文脈から模索するプロジェクトです。展示では、暗号通貨をマイニングするGPUユニットを改造して排熱を回収し、その排熱によってミニチュアの車の動力を賄うシステムを提案します。このプロジェクトは、近代以降のステータス・シンボルとされてきた自動車を、持続的エネルギー生産と自動運転というトピックを絡めながら、富の再分配の象徴として再提示する試みでもあります。
2.関連イベント
会期中には、アーティストや有識者を招いたトーク、レクチャー、シンポジウム、ワークショップ、作品解説ツアーや、国内外からゲストを招いた催しなど、さまざまなプログラムを予定しています。
※1 日本の電話事業100周年記念事業として1991年からのプレ活動を経て、1997年にNTTが設立した科学技術と文化芸術の融合をテーマとする文化施設です。
※2 新型コロナウイルス感染症拡大に伴う臨時休館のため、2020年度は開催しておりません。
※3 コンピュータをはじめとするさまざまな先端メディア・テクノロジーを使用したアート作品を総称する言葉で す。
※4 展示内容については、予告なく変更になる場合があります。
1. 「ICCアニュアル2022 生命的なものたち」開催概要
英展覧会名:ICC Annual 2022: Life / Likeness
開催期間:2022年6月25日(土)〜2023年1月15日(日)
【リアル展示】
会場:NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]ギャラリーB
開館時間:午前11時〜午後6時(入館は閉館の30分前まで)
入場料:一般 500円(400円)、大学生 400円(300円)/高校生以下無料
(事前予約制・当日入場は事前予約者優先)
*( )内は15名様以上の団体料金
*身体障害者手帳をお持ちの方および付添1名,65歳以上の方と高校生以下、ICC年間パスポートをお持ちの方は 無料。
* 予約方法の詳細は、後日ICCウェブサイトにてお知らせします
休館日※5: 毎週月曜日、ビル保守点検日(8/7)、年末年始(12/26〜1/4)
※5 月曜日が祝日もしくは振替休日の場合、翌日を休館日とします。
休館日以外においても、開館時間の変更および臨時休館の可能性があります。
最新情報はICCウェブサイト(https://www.ntticc.or.jp/)などでお知らせします。
【オンライン展示】
会場:ハイパーICC(https://hyper.ntticc.or.jp/)
体験料:無料
主催:NTTインターコミュニケーション・センター [ICC] (東日本電信電話株式会社)
2. 展覧会概要
現在の私たちの生活環境には、コンピュテーショナルなテクノロジーがもたらしたシステムがさまざまに実装されています。人間とコンピュータを媒介する技術は、アルゴリズムが生み出す、生命的な振る舞いによって、これからも、より自然に私たちの生活環境に、ますます浸透していくでしょう。
一方、自然の現象に見られる再帰性や偶然性を読み解き、自然のメカニズムを解析することで、テクノロジーの側からもうひとつの自然をシミュレーションし、新しい生命のあり方を定義することや、自然や生命、私たち自身をとらえ直すことが可能になりました。
このような「組織化する無機的なもの」の時代において、デジタル技術や自然の現象から生み出された新しい「生命的」なシステムとしての環境からインスピレーションを受け、そのシステムとの相互的なフィードバックによって生み出された作品、気候変動やジェンダーなどの社会的な問題、NFTやメタバースなどの同時代的な技術動向にもとづいた、広がりをもった作品の数々によって、これからのテクノロジーのあり方を考えます。
3. 出品作家(五十音順)
ALTERNATIVE MACHINE
菅野創+加藤明洋+綿貫岳海(オンライン・アーティスト・イン・レジデンス)
慶應義塾大学 徳井直生研究室 Computational Creativity Lab
小光(オンライン・アーティスト・イン・レジデンス)
セマーン・ペトラ
nor
エレナ・ノックス
村山悟郎
ラービッツシスターズ
・新進アーティスト紹介コーナー「エマージェンシーズ!」
新進アーティストやクリエイターの最新作品やプロジェクトなどを紹介するコーナーです。
2006年以降、合計41組の作品を展示しています。今年度は2回の開催を予定しています。
エマージェンシーズ! 042 伊敷勇琉
展示期間:2022年6月25日(土)—9月25日(日)
エマージェンシーズ! 043 高橋星乃
展示期間:2022年10月8日(土)—2023年1月15日(日)
キュレーション:畠中実
キュレトリアル・チーム:指吸保子、鹿島田知也
ハイパーICC共同キュレーション:谷口暁彦
・コレクション作品展示(有料エリア内)
グレゴリー・バーサミアン《ジャグラー》
・無料展示エリア展示(予定)
岩井俊雄《マシュマロモニター》
映像アーカイヴHIVE(ハイヴ)
作品例については別紙【参考】をご参照ください。
4. ICC年間パスポートの販売開始について
NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]において開催される展覧会に、年度中何度でもご入場いただけるパスポートを販売します。
販売開始日 :2022年6月25日(土)予定
有効期間 :購入日(お渡し日)より2023年3月31日まで
販売価格 :1,000円
販売場所 :ICC受付
適用対象展覧会 :「ICC アニュアル 2022」、「ICC 2022年度企画展(タイトル未定)」、「Digital×北斎」
*年間パスポート表面記載のご本人様のみ有効となります。
*年間パスポートご購入後の払い戻し・返金はいたしかねます。
*年間パスポートをお忘れの場合、通常の入場料金を頂戴します。
*ご来場予約に関しては、各展覧会のウェブサイトなどで詳細をご確認ください。
*ICC キッズ・プログラム 2022は、どなたでも無料でご入場いただけます。
5. ICC 25周年記念ロゴ
ICC開館25周年にあたり、これからも変化し続けるICCをイメージしたロゴを制作しました。
ICCのロゴも手がけた矢萩喜從郎氏によるデザインです。
[画像1: https://prtimes.jp/i/98811/105/resize/d98811-105-0facfba560a0b0a06fc3-0.jpg ]
6. 新型コロナウイルス感染症対策
NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]では、新型コロナウイルス感染症拡大防止対策のため、お客様ならびにスタッフの健康と安全を考慮し、ご来館される全てのお客様に以下の対応のご協力をお願い申し上げます。
下記に該当する方は、ご入館をお断りさせていただきます。
・ 37.5度以上の発熱症状がある方。
(入館時にサーモカメラ及び、非接触型体温計での体温計測を実施します。)
・ 過去2週間以内に、感染拡大地域や国への渡航をされた方。
・ 発熱、咳、鼻水、倦怠感の症状が続くなど、体調不良の方。
・ マスクを着用されていない方。
最新情報はICCウェブサイト(https://www.ntticc.or.jp/)などでお知らせします。
7. ICCのご案内
所在地: 東京都新宿区西新宿3-20-2 東京オペラシティタワー4階
(京王新線 初台駅東口から徒歩2分)
[画像2: https://prtimes.jp/i/98811/105/resize/d98811-105-a3c6f92ca2e97d056641-1.jpg ]
【参考】
1.出品作家と作品例
ALTERNATIVE MACHINE
新作 *リアル
[画像3: https://prtimes.jp/i/98811/105/resize/d98811-105-a0920528c742669956fc-2.jpg ]
ALTERNATIVE MACHINE 《ANH-01》 2021年(参考図版)
ALTERNATIVE MACHINEは、「人工生命(ALife)」研究から生まれた理論や技術の社会応用に挑戦する研究者集団です。国内外のALife研究者とパートナーを組む、ALifeに特化した世界唯一のテクノロジー企業として、最適化や効率化を追求するテクノロジーのあり方ではなく、自律性や適応性、愛情や親しみ、存在感など、生命的な新たなテクノロジーのあり方を探求し、あらゆるものに生命性をインストールすることをミッションとしています。ALifeの理論や技術の研究開発をはじめ、ALifeの理論や技術を用いたプロダクト開発、アート作品の制作も行なっています。
本展では、無響室内で音響とVRによる体験をする新作の展示を予定しています。
菅野創+加藤明洋+綿貫岳海(オンライン・アーティスト・イン・レジデンス)
《かぞくっち》2022年 *リアル、オンライン
[画像4: https://prtimes.jp/i/98811/105/resize/d98811-105-e60ed9bf4de4d3e5b559-3.jpg ]
菅野創+加藤明洋+綿貫岳海 《かぞくっち》2022年 Photo: Ioto YAMAGUCHI
《かぞくっち》は、現実空間の箱庭に設置された「家」と呼ばれるロボットと、その家に生息するデジタル人工生命体「かぞくっち」の家族によって構成されます。「かぞくっち」の各個体の情報(名前、生年月日、家系)はNFTに登録されており、売買することも可能です。また「かぞくっち」は繁殖可能であり産まれた卵にも自動的にNFTが発行されますが、繁殖が成功するためには、繁殖期にある2体の「かぞくっち」が入居する家が、物理的に適切な位置関係にある必要があります。
物理的なロボットの挙動がNFT(ブロックチェーン)上のアクションに反映されることや、「イエ」「家系」といった人間社会のメタファーが重ねられていることなど、《かぞくっち》にはブロックチェーンやNFTという新しい技術が社会にとってどのような意味をもちうるかといった、新しい社会実装の形などについて、考えるためのヒントが秘められているのではないでしょうか。「ICCアニュアル 2022」では、作品展示と並行して、オンライン・アーティスト・イン・レジデンス プログラムとして、会期を通じて作品のアップデートを行なっていく予定です。
慶應義塾大学 徳井直生研究室 Creative Computing Lab
*リアル
[画像5: https://prtimes.jp/i/98811/105/resize/d98811-105-4486b0a65d3221040182-4.jpg ]
スコット アレン、高石圭人、石井飛鳥、渋谷和史、松岡佑馬、小林篤矢、徳井直生《Compressed Ideograph》2021年(参考図版)
慶應義塾大学SFC徳井直生研究室、Computational Creativity Lab(CC Lab)は、人工知能(AI)を用いた新しい創造性のあり方について、研究と表現の両面からの実践に取り組んでいます。AIを、創造性を拡張する「道具」であると同時に、人の創造的なプロセスがどのように働くのかを写し出す「鏡」として捉え、オルタナティヴな答え/アイディアを求めるためのパートナーとしてのAIのあり方を模索します。また、アートや音楽領域だけでなく、AIが社会全般に及ぼす多様な影響、AIという存在そのものがもつ意義やその本質を、表現の実践を通して問いかけようとしています。本展では、研究室が発足した2019年以降の活動成果を、複数のプロジェクトによって紹介します。また、会期中の展示替えを予定しています。
小光(オンライン・アーティスト・イン・レジデンス)
「小光の部屋」*リアル、オンライン
[画像6: https://prtimes.jp/i/98811/105/resize/d98811-105-38a2d00a323d395ce5b4-5.jpg ]
小光《here AND there》 2017年 撮影:木奥恵三
ICCキッズ・プログラム 2021にも参加した小光が、アーティスト本人の部屋というコンセプトで展示室を設えます。キッズ・プログラムでも出品され好評を博したインタラクティブ作品のアップデート版に加え、最近発表された新作のインタラクティブ作品、さらに小光がコロナ禍の生活において目にしたものをモチーフにした新作のアニメーションをインスタレーションとして展示します。またオンライン・アーティスト・イン・レジデンス プログラムとして、会期中に新作のインタラクティブ作品を制作する予定です。
セマーン・ペトラ
《Openings》2022年 *リアル
[画像7: https://prtimes.jp/i/98811/105/resize/d98811-105-68c9fd0ec26c98aa5641-6.jpg ]
セマーン・ペトラ《Openings》2022年
セマーン・ペトラは、現代の「世界」が、現実に加えてアニメ、ビデオゲームなどのフィクションの領域が重なるもしくは交差する総体として認識されていると捉え、映像作品として発表してきました。2021年度ICC企画展「多層世界の歩き方」に出品された「モノミス:外伝」シリーズにつづく新作《The Openings》では、「聖地巡礼 (アニメや映画などのフィクション作品の舞台として使われた土地に訪れること)」を再度取り上げます。そし て、ビデオゲームのロード画面やアニメ作品のオープニング、さらに鉄道が「リミナルであること(時間または空間を移動する過程で一時的に利用されることが目的とされていること)」において共通するという観点から、作品中で思索を深めていきます。
nor
《syncrowd》2022年 *リアル、オンライン
[画像8: https://prtimes.jp/i/98811/105/resize/d98811-105-ee9bde8fb79c798ca151-7.jpg ]
nor《syncrowd》2022年
「同期現象」と呼ばれる自然現象を利用したキネティック・サウンド・インスタレーション。天井から吊られたフレームに取り付けられた複数の振り子が、フレームを通して互いに干渉しあうことで、まるで制御されているかのように自己同調していきます。個としては単純な振り子の振る舞いが、群衆(crowd)として互いに干渉し合うことで、同期(sync)によるうねりを持った状態や、内乱による無秩序な状態を生成し、環境を複雑に変化させ続けます。また、各振り子の揺れに合わせて鳴る音は、さまざまなパターンとなって有機的に重なり合い、ミニマル・ミュージックの音楽構造にも通じる美しさを生み出していきます。
エレナ・ノックス
《The Masters》2021年 *リアル
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エレナ・ノックス《The Masters》2021年|Photo: TAKAHASHI Kenji|図版提供:トーキョーアーツアンドスペース
ノックスは、近年展開している「Actroid Series」において、ヒューマノイド(人間型ロボット)をモチーフに、それらが社会において機能するようになった(なりつつある)現在、どのような問題を提起する存在であるのか を、さまざまなシチュエーションを想定して考察しています。「Actroid Series II」の一部を成す《The Masters》では、AIキャラクターがホログラムによって提示される「キャラクター召喚装置」が用いられます。受付や簡単な応対をするために作られたヒューマノイドやAIキャラクターは女性の表象をまとうことが多いですが、ノックスは、社会システムに人間(的なもの)の顔を与えることで、私たちが誰かに制約や制限を課す際の軋轢をどのように和らげようとしているかをテーマにしています。
村山悟郎
新作 *リアル
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村山悟郎 《Painting Folding——これと合致する身体を構想せよ》2020年 Photo by Shu Nakagawa(参考図版)
タンパク質は、「タンパク質フォールディング(折り畳み)」と呼ばれるプロセスによって、安定的に存在可能な三次元構造に自発的に折り畳まれます。2018年、AIの機械学習を利用して、タンパク質の形状をアミノ酸の配列情報から高精度で予測できるソフトウェアAlphaFoldが発表され、バイオ・インフォマティクスの分野で大きな注目を集めました。自己組織化するプロセスやパターンを絵画やドローイングを通して表現してきた村山は、自身の「織物絵画」シリーズとタンパク質フォールディングのあいだに構造発展過程の観点から類似性を見出し、2020年に《Painting Folding》と題した作品シリーズを発表しました。本展ではこれをさらに発展させ、村山の織物絵画の三次元情報からアミノ酸配列を算出し、その情報を再度AlphaFoldに予測計算させて、人間の手による織物絵画からミクロな自然に存在し得るタンパク質構造を新しくデザインすることを試みます。
ラービッツシスターズ
《Crypto Miner Car》2020年 *リアル、オンライン
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LarbitsSisters《Crypto Miner Car》2020年
暗号通貨のマイニングを行なう計算処理、またそれに伴い膨大に消費される電力を、いかに現在の都市や社会の基盤構造に組み入れることができるかを、気候変動の文脈から模索するプロジェクトです。展示では、暗号通貨をマイニングするGPUユニットを改造して排熱を回収し、その排熱によってミニチュアの車の動力を賄うシステムを提案します。このプロジェクトは、近代以降のステータス・シンボルとされてきた自動車を、持続的エネルギー生産と自動運転というトピックを絡めながら、富の再分配の象徴として再提示する試みでもあります。
2.関連イベント
会期中には、アーティストや有識者を招いたトーク、レクチャー、シンポジウム、ワークショップ、作品解説ツアーや、国内外からゲストを招いた催しなど、さまざまなプログラムを予定しています。