2型糖尿病患者を対象とするリナグリプチンの 心血管アウトカム試験(CAROLINA)の患者登録が完了
[12/11/12]
提供元:PRTIMES
提供元:PRTIMES
この資料は、ドイツ ベーリンガーインゲルハイムと米国イーライリリー・アンド・カンパニーが11月8日に発表したプレスリリースを日本語に翻訳したものです。尚、日本の法規制などの観点から一部、削除、改変または追記している部分があります。また海外の試験であるため、日本の承認内容と異なることがあります。この資料の内容および解釈についてはオリジナルが優先することをご了承ください。
*日本では、心血管系合併症への臨床効果及び安全性は確立していません。2012年11月8日 ドイツ/インゲルハイム、米国/インディアナポリス
ベーリンガーインゲルハイムと米国イーライリリー・アンド・カンパニー(NYSE: LLY)は、CAROLINA試験(2型糖尿病患者を対象にリナグリプチンとスルホニル尿素薬を比較する心血管アウトカム試験)1の患者登録を完了した旨、発表しました。現在のところリナグリプチンは、長期のプロスペクティブ心血管アウトカム試験において実薬対照群と比較が行われている唯一のDPP-4阻害薬です。
ベーリンガーインゲルハイム医薬開発担当上級副社長Prof. クラウス・デュギは「糖尿病治療薬が心血管合併症にどのような影響を及ぼすのかについてはよく分かっていません。2型糖尿病患者さんに心血管合併症が高率にみられることから、心血管系への影響を理解することは、医師にとって重要な治療上の課題です。CAROLINA試験は、リナグリプチンとスルホニル尿素薬の長期投与がもたらす心血管アウトカムへの影響について、不足している科学的根拠を埋めるものとなるでしょう。この試験には、最良の治療選択肢について確固たる科学的根拠を提供しようという我々のコミットメントが示されています」と述べています。
CAROLINA試験には、日本を含む世界43カ国、670以上の施設から6,000人を超える患者が登録されています。この試験の目的は、約6-7年にわたって、心血管疾患の罹患率および死亡率に対するリナグリプチン投与とスルホニル尿素薬投与の長期的影響を比較検討することです1。またこの試験では、血糖降下の有効性や、体重および低血糖症の発現率を含む安全性パラメータも、副次評価項目として比較検討されます1。過去に実施した試験では、リナグリプチンとスルホニル尿素薬の2年間にわたる投与による血糖降下作用が、主要評価項目として比較検討されました。血糖降下作用については両剤で同様でしたが、リナグリプチン投与群はスルホニル尿素薬投与群と比較して低血糖症の発現率が低く、体重増加も抑制されました。ただし、この試験はもともと、両剤の心血管系への影響を徹底的に評価するためにデザインされた試験ではありませんでした2。
CAROLINA試験の主要評価項目は、心血管死、非致死的心筋梗塞、非致死的脳卒中、または不安定狭心症による入院のうちいずれかの初発までの時間です1。この試験の終了は2018年を予定しています。
リナグリプチンについて
リナグリプチン(5 mg、1日1回投与)は、欧州ではTrajenta(R)、米国ではTradjenta(R)の商品名で、2型糖尿病成人患者の血糖コントロール改善を目的に食事療法や運動療法と併用する1日1回服用の錠剤として発売されています。リナグリプチンは、1型糖尿病患者や糖尿病性ケトアシドーシス(血中または尿中のケトン値が高い)の治療に対しては共に適応外となります。リナグリプチンは、患者さんの腎・肝機能の程度にかかわらず用量の調整を必要としません3。
日本では、2011年7月1日に食事療法、運動療法のみで十分な効果が得られない2型糖尿病患者の治療薬(単独療法)として、日本ベーリンガーインゲルハイムが、「トラゼンタ(R)錠 5mg」(一般名:リナグリプチン)の製造販売承認を取得しました。現在、他の糖尿病治療薬との併用についての臨床効果及びや安全性は確立されていません。
糖尿病について
1型および2型糖尿病の患者数は世界全体で3億6,600万人と推定されています4。大半が2型糖尿病であり、糖尿病全体のおよそ90%を占めます5。糖尿病は、インスリンというホルモンを生体が適切に分泌、利用しにくくなったりした場合に発症する慢性疾患です6。
ベーリンガーインゲルハイムとイーライリリー・アンド・カンパニー
2011年1月、ベーリンガーインゲルハイムとイーライリリー・アンド・カンパニーは、糖尿病領域におけるアライアンスを結び、同領域において大型製品に成長することが期待される4つの治療薬候補化合物を中心に協働していくことを発表しました。同アライアンスは、ベーリンガーインゲルハイムが持つ研究開発主導型イノベーションの確かな実績とイーライリリーが持つ糖尿病領域での革新的な研究、経験、先駆的実績を合わせ、世界的製薬企業である両社の強みを最大限に活用するものです。この提携によって両社は、糖尿病患者のケアにおけるコミットメントを示し、患者のニーズに応えるべく協力しています。このアライアンスに関する詳細はwww.boehringer-ingelheim.comまたはwww.lilly.comをご覧ください。
ベーリンガーインゲルハイムについて
ベーリンガーインゲルハイムグループは、世界でトップ20の製薬企業のひとつです。ドイツのインゲルハイムを本拠とし、世界で145の関連会社と44,000人以上の社員が、事業を展開しています。1885年の設立以来、株式公開をしない企業形態の特色を生かしながら、臨床的価値の高いヒト用医薬品および動物薬の研究開発、製造、販売に注力してきました。
2011年度は132億ユーロ(約1兆4,624億円)の売上を示しました。革新的な医薬品を世に送り出すべく、医療用医薬品事業の売上の23.5%相当額を研究開発に投資しました。
日本ではベーリンガーインゲルハイム ジャパン株式会社が持ち株会社として、その傘下にある完全子会社の日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社(医療用医薬品)、エスエス製薬株式会社(一般用医薬品)、ベーリンガーインゲルハイム ベトメディカ ジャパン株式会社(動物用医薬品)、ベーリンガーインゲルハイム製薬株式会社(医薬品製造)の4つの事業会社を統括しています。日本のグループ全体で約2,700人の社員が、革新的な医薬品の研究、開発、製造、販売に従事しています。
詳細は下記をご参照ください。
www.boehringer-ingelheim.co.jp
イーライリリー・アンド・カンパニーについて
1876年創業のイーライリリーは130年の歴史ある研究開発主導型の先進企業であり、世界140カ国以上、約38,000人の社員が自社の世界各地の研究施設から生まれ、また、社外の著名研究機関との提携から生まれる最新の成果を応用して医薬品のポートフォリオを拡大しています。米インディアナ州インディアナポリスに本社を置くリリーは、医薬品と情報を通じて「こたえ」を提供し、世界で最も急を要する医療ニーズを満たしています。リリーについての詳細は以下のウェブサイトをご覧ください。 www.lilly.com
リリーの糖尿病事業について
リリーは1923年に世界初の商業用インスリンを開発して以来、糖尿病ケアの分野において常に世界をリードしています。現在もなお、研究開発や事業提携を通じて、幅広い製品ポートフォリオの充実と糖尿病領域へのたゆまぬ企業活動の継続による実質的なソリューションの提供により、糖尿病を患う人々の様々なニーズにおこたえすることを目指しています。薬剤開発やサポートプログラムそして更なる活動を通じて、糖尿病患者さまの生活をより豊かなものにするお手伝いをしてまいります。詳細は以下のウェブサイトをご覧ください。 www.lillydiabetes.com
このプレスリリースには、2型糖尿病の治療に用いられるリナグリプチン錠に関する将来予想に関する記述が含まれています。リリーの現在の予測に基づいていますが、医薬品の研究開発プロセスおよび商品化には多大なリスクと不確実性が伴います。将来の研究結果や患者体験が、現在までの研究知見と一致するという保証はありませんし、リナグリプチンが商業的に成功を収めるという保証もありません。リリーの業績に影響する可能性のあるその他のリスク要因、並びに、不確実要因については、米国証券取引委員会に提出されたリリーの最新のフォーム10-Qおよび10-Kをご覧ください。なお、リリーは将来予想に関する記述を更新する義務を負いません。
REFERENCES
1. Rosenstock. American Diabetes Association, 71st Scientific Sessions, San Diego, CA, 1103-P; NCT01243424. 2011.
2. Gallwitz B, Rosenstock J, Rauch T, Bhattacharya S, Patel S, von Eynatten M, et al. 2-year efficacy and safety of linagliptin compared with glimepiride in patients with type 2 diabetes inadequately controlled on metformin: a randomised, double-blind, non-inferiority trial. Lancet. 2012; 380(9840): 475-83.
3. Brown JB, Nichols GA, Perry A. The burden of treatment failure in type 2 diabetes. Diabetes Care. 2004; 27(7): 1535-40.
4. International Diabetes Federation. The Global Burden. IDF Diabetes Atlas (5th Edition); 2011.
5. World Health Organization. Fact Sheet No. 312 What Is Diabetes? Available from: http://www.who.int/mediacentre/factsheets/fs312/en/print.html
6. International Diabetes Federation. What is diabetes? . IDF Diabetes Atlas (5th Edition) 2011.
*日本では、心血管系合併症への臨床効果及び安全性は確立していません。2012年11月8日 ドイツ/インゲルハイム、米国/インディアナポリス
ベーリンガーインゲルハイムと米国イーライリリー・アンド・カンパニー(NYSE: LLY)は、CAROLINA試験(2型糖尿病患者を対象にリナグリプチンとスルホニル尿素薬を比較する心血管アウトカム試験)1の患者登録を完了した旨、発表しました。現在のところリナグリプチンは、長期のプロスペクティブ心血管アウトカム試験において実薬対照群と比較が行われている唯一のDPP-4阻害薬です。
ベーリンガーインゲルハイム医薬開発担当上級副社長Prof. クラウス・デュギは「糖尿病治療薬が心血管合併症にどのような影響を及ぼすのかについてはよく分かっていません。2型糖尿病患者さんに心血管合併症が高率にみられることから、心血管系への影響を理解することは、医師にとって重要な治療上の課題です。CAROLINA試験は、リナグリプチンとスルホニル尿素薬の長期投与がもたらす心血管アウトカムへの影響について、不足している科学的根拠を埋めるものとなるでしょう。この試験には、最良の治療選択肢について確固たる科学的根拠を提供しようという我々のコミットメントが示されています」と述べています。
CAROLINA試験には、日本を含む世界43カ国、670以上の施設から6,000人を超える患者が登録されています。この試験の目的は、約6-7年にわたって、心血管疾患の罹患率および死亡率に対するリナグリプチン投与とスルホニル尿素薬投与の長期的影響を比較検討することです1。またこの試験では、血糖降下の有効性や、体重および低血糖症の発現率を含む安全性パラメータも、副次評価項目として比較検討されます1。過去に実施した試験では、リナグリプチンとスルホニル尿素薬の2年間にわたる投与による血糖降下作用が、主要評価項目として比較検討されました。血糖降下作用については両剤で同様でしたが、リナグリプチン投与群はスルホニル尿素薬投与群と比較して低血糖症の発現率が低く、体重増加も抑制されました。ただし、この試験はもともと、両剤の心血管系への影響を徹底的に評価するためにデザインされた試験ではありませんでした2。
CAROLINA試験の主要評価項目は、心血管死、非致死的心筋梗塞、非致死的脳卒中、または不安定狭心症による入院のうちいずれかの初発までの時間です1。この試験の終了は2018年を予定しています。
リナグリプチンについて
リナグリプチン(5 mg、1日1回投与)は、欧州ではTrajenta(R)、米国ではTradjenta(R)の商品名で、2型糖尿病成人患者の血糖コントロール改善を目的に食事療法や運動療法と併用する1日1回服用の錠剤として発売されています。リナグリプチンは、1型糖尿病患者や糖尿病性ケトアシドーシス(血中または尿中のケトン値が高い)の治療に対しては共に適応外となります。リナグリプチンは、患者さんの腎・肝機能の程度にかかわらず用量の調整を必要としません3。
日本では、2011年7月1日に食事療法、運動療法のみで十分な効果が得られない2型糖尿病患者の治療薬(単独療法)として、日本ベーリンガーインゲルハイムが、「トラゼンタ(R)錠 5mg」(一般名:リナグリプチン)の製造販売承認を取得しました。現在、他の糖尿病治療薬との併用についての臨床効果及びや安全性は確立されていません。
糖尿病について
1型および2型糖尿病の患者数は世界全体で3億6,600万人と推定されています4。大半が2型糖尿病であり、糖尿病全体のおよそ90%を占めます5。糖尿病は、インスリンというホルモンを生体が適切に分泌、利用しにくくなったりした場合に発症する慢性疾患です6。
ベーリンガーインゲルハイムとイーライリリー・アンド・カンパニー
2011年1月、ベーリンガーインゲルハイムとイーライリリー・アンド・カンパニーは、糖尿病領域におけるアライアンスを結び、同領域において大型製品に成長することが期待される4つの治療薬候補化合物を中心に協働していくことを発表しました。同アライアンスは、ベーリンガーインゲルハイムが持つ研究開発主導型イノベーションの確かな実績とイーライリリーが持つ糖尿病領域での革新的な研究、経験、先駆的実績を合わせ、世界的製薬企業である両社の強みを最大限に活用するものです。この提携によって両社は、糖尿病患者のケアにおけるコミットメントを示し、患者のニーズに応えるべく協力しています。このアライアンスに関する詳細はwww.boehringer-ingelheim.comまたはwww.lilly.comをご覧ください。
ベーリンガーインゲルハイムについて
ベーリンガーインゲルハイムグループは、世界でトップ20の製薬企業のひとつです。ドイツのインゲルハイムを本拠とし、世界で145の関連会社と44,000人以上の社員が、事業を展開しています。1885年の設立以来、株式公開をしない企業形態の特色を生かしながら、臨床的価値の高いヒト用医薬品および動物薬の研究開発、製造、販売に注力してきました。
2011年度は132億ユーロ(約1兆4,624億円)の売上を示しました。革新的な医薬品を世に送り出すべく、医療用医薬品事業の売上の23.5%相当額を研究開発に投資しました。
日本ではベーリンガーインゲルハイム ジャパン株式会社が持ち株会社として、その傘下にある完全子会社の日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社(医療用医薬品)、エスエス製薬株式会社(一般用医薬品)、ベーリンガーインゲルハイム ベトメディカ ジャパン株式会社(動物用医薬品)、ベーリンガーインゲルハイム製薬株式会社(医薬品製造)の4つの事業会社を統括しています。日本のグループ全体で約2,700人の社員が、革新的な医薬品の研究、開発、製造、販売に従事しています。
詳細は下記をご参照ください。
www.boehringer-ingelheim.co.jp
イーライリリー・アンド・カンパニーについて
1876年創業のイーライリリーは130年の歴史ある研究開発主導型の先進企業であり、世界140カ国以上、約38,000人の社員が自社の世界各地の研究施設から生まれ、また、社外の著名研究機関との提携から生まれる最新の成果を応用して医薬品のポートフォリオを拡大しています。米インディアナ州インディアナポリスに本社を置くリリーは、医薬品と情報を通じて「こたえ」を提供し、世界で最も急を要する医療ニーズを満たしています。リリーについての詳細は以下のウェブサイトをご覧ください。 www.lilly.com
リリーの糖尿病事業について
リリーは1923年に世界初の商業用インスリンを開発して以来、糖尿病ケアの分野において常に世界をリードしています。現在もなお、研究開発や事業提携を通じて、幅広い製品ポートフォリオの充実と糖尿病領域へのたゆまぬ企業活動の継続による実質的なソリューションの提供により、糖尿病を患う人々の様々なニーズにおこたえすることを目指しています。薬剤開発やサポートプログラムそして更なる活動を通じて、糖尿病患者さまの生活をより豊かなものにするお手伝いをしてまいります。詳細は以下のウェブサイトをご覧ください。 www.lillydiabetes.com
このプレスリリースには、2型糖尿病の治療に用いられるリナグリプチン錠に関する将来予想に関する記述が含まれています。リリーの現在の予測に基づいていますが、医薬品の研究開発プロセスおよび商品化には多大なリスクと不確実性が伴います。将来の研究結果や患者体験が、現在までの研究知見と一致するという保証はありませんし、リナグリプチンが商業的に成功を収めるという保証もありません。リリーの業績に影響する可能性のあるその他のリスク要因、並びに、不確実要因については、米国証券取引委員会に提出されたリリーの最新のフォーム10-Qおよび10-Kをご覧ください。なお、リリーは将来予想に関する記述を更新する義務を負いません。
REFERENCES
1. Rosenstock. American Diabetes Association, 71st Scientific Sessions, San Diego, CA, 1103-P; NCT01243424. 2011.
2. Gallwitz B, Rosenstock J, Rauch T, Bhattacharya S, Patel S, von Eynatten M, et al. 2-year efficacy and safety of linagliptin compared with glimepiride in patients with type 2 diabetes inadequately controlled on metformin: a randomised, double-blind, non-inferiority trial. Lancet. 2012; 380(9840): 475-83.
3. Brown JB, Nichols GA, Perry A. The burden of treatment failure in type 2 diabetes. Diabetes Care. 2004; 27(7): 1535-40.
4. International Diabetes Federation. The Global Burden. IDF Diabetes Atlas (5th Edition); 2011.
5. World Health Organization. Fact Sheet No. 312 What Is Diabetes? Available from: http://www.who.int/mediacentre/factsheets/fs312/en/print.html
6. International Diabetes Federation. What is diabetes? . IDF Diabetes Atlas (5th Edition) 2011.