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ワールド・フィンテック・レポート 2020: 銀行が顧客重視のオペレーションを実現する上で、フィンテックとの提携がますます重要

コラボレーションに取り組み、Open Xを採り入れ、「独創的な銀行」へと変容できる銀行は、成功の可能性が最も高い

【2020年4月21日、パリ発】
キャップジェミニとEfmaは本日、ワールド・フィンテック・レポート 2020を発表しました。BigTech/チャレンジャーバンクとの間で広がりつつある乖離にも拘わらず、従来型の銀行がOpen X(*1)を採り入れて「独創的な銀行」(*2)へと変容すれば、今日のマーケットで勝ち組になれるチャンスがあることが明らかになりました。




[画像1: https://prtimes.jp/i/25250/118/resize/d25250-118-440491-0.png ]


従来型の銀行が提供しているサービスと、顧客が求める内容との乖離はかつてないほど広がっていますが、銀行がフロントからバックエンドに至るまでシステムを刷新し、最高の顧客体験を提供するには、今が正にその時です。BigTechやチャレンジャーバンクは、データの活用や、一人ひとりに合わせた個別的な顧客体験をリアルタイムで提供することにより、顧客獲得能力が高くなることを示してきました。対照的に、従来型の銀行は顧客体験向上に向けてフロントエンドのITインフラに多額の投資を行ってきたにも拘わらず、これまでの取り組みは、他のセクターで通常見られるような、とりわけテクノロジー企業に顕著な程のレベルまで達していません。本レポートでは「移り変わる潮流の中で訴求力と競争力を保ち続けるために、銀行はOpen Xを採り入れることで俊敏かつ顧客重視の「独創的な銀行」へと変容し、一般的な役割よりも専門性のある役割(新しいオープンなエコシステム内でのアグリゲータやサプライヤ等)に特化すべきである」点を、特に強調しています。

今後の方向性:銀行とフィンテックのパートナーシップが成功するには、効果的・体系的なコラボレーションが不可欠
銀行とフィンテックはいずれも、これまでのコラボレーションで思わしい成果が上がっていない現状を、不満に感じています。ワールド・フィンテック・レポート 2020で、幾つかの問題点が明らかになっています:

自社システムがコラボレーションに十分な俊敏性を備えている、とした銀行は21%に過ぎない。
コラボレーションから当初の目論見通りにROIを達成した銀行はわずか6%。
フィンテックの70%は、銀行パートナーと企業文化的に又は組織面でそりが合わない。
フィンテックの70%以上が、既存ベンダーのプロセス上の障壁に不満を持っている。
フィンテック系経営幹部の半数は、適切な提携相手が見つかっていない、と述べている。


キャップジェミニのFinancial ServicesのCEOであり、Group Executive BoardのメンバーであるAnirban Boseは次のように述べています:「ここ数か月で世界は激変しました。COVID-19危機が収束した後は、ビジネスがこれまでと大きく異なる姿へ変貌を遂げていることでしょう。これは従来型の銀行にとって、フィンテックとの更なるコラボレーションを通じたデジタル体験の必要性がますます先鋭化することを意味します。当社が3年前に本レポートの刊行を始めて以降、フィンテックは破壊的創造者 (Disruptor) から成熟したプレーヤーへと進化しており、従来型の銀行は、フィンテックを手強い競争相手としてのみならず、移り変わる消費者の期待に応えるために、必要に応じて選択すべきパートナーとして捉えることが不可欠です。効果的なコラボレーションには人・ビジネス・プロセスの成熟を要します。従来型の銀行にとって「失敗する」という選択肢はあり得ない一方で、フィンテックは失敗覚悟かつスピード重視で新商品を投入してきます。一定の規模でコラボレーションに取り組み、イノベーションを事業プロセスに採り入れる意欲と能力を持った独創的な銀行は、共有型のOpen Xエコシステムにおいて勝ち組になれる可能性が最も高いのです。」

従来型の銀行は、より良い顧客体験を提供するため、ミドル/バックエンドの業務に投資すべき
ワールド・フィンテック・レポート 2020によると、銀行は消費者にとっての訴求力と競争力を保ち続けるために、データ主導で顧客重視のフィンテックとの提携によるミドル/バックエンドの業務改革を優先すべきであり、それが結局はフロントエンドの改善にもつながります。保守を除く新規IT開発への全体的な投資は、2016年の24%から2019年の33%へと上昇しましたが、ミドル/バックエンドの業務運営は依然として多くが手動かつ複雑なビジネスプロセスに基づいていて、顧客体験のシームレス化を阻んでいます。

本レポートでは、フロントエンドのラスト1マイル体験(商品をパッケージングして顧客へデリバリーする等)が及第点を満たしていない現実を指摘しています。その結果、お客様は銀行から個別的な付き合いをされていないように感じたり (50%)、 幾つかの直販サイトで口座引き落とし払いが出来ない (60%) ことに不満を覚えるのです。一方、新世代の顧客(Y世代やデジタルネイティブ等)の48%は、自身のメインバンク(従来型の銀行)が提供する限られた範囲の商品やサービスに不満を抱いており、自分の好みにマッチし、他のプラットフォームやアプリケーションと連携するサービスを求めて、今後1年以内に新世代の銀行に乗り換えようとする意向に拍車がかかっています。Open Xの波を捉えて、売上高や純利益の成長を加速する・生産性を強化する・顧客エンゲージメントを向上させる・コストを削減する・透明性や従業員の満足度を高める 等のためには、フロントからバックエンドに至るバリューチェーン全体を改善することが不可欠です。

効果的なコラボレーションを重視する銀行とフィンテックが、Open Xのシェアリング経済で成功する
キャップジェミニの「Open X Readiness Index (Open X準備(Readiness)指標)」は、人・ファイナンス・ビジネス・テクノロジーの各方面における銀行の成熟度を測定することで、スタートアップ企業と一定スケールで効果的に提携できる準備があるか(Readiness)を診断してくれるベンチマーキング用のグローバルツールです。ワールド・フィンテック・レポート 2020でも同指標を主要テーマとして取り上げており、提携を重視する銀行は、スタートアップとの協業を担う専任かつ独立性の高いチームを設け、迅速に価値を見定めて損切りする「フェイルファスト(fail-fast)」と呼ばれるイノベーションのためのアプローチを採っていることが示されています。また、準備(Readiness)で先頭に立っている銀行は、先駆者として新興テクノロジーに早くから投資し、レガシーシステムへの依存性も極めて少ないため、フィンテックとの統合が容易です。

EfmaのCEOであるJohn Berryは、次のように述べています:「従来型の銀行は重大な岐路に立たされています。Open Xを採り入れるか、さもなくば存在価値を失うリスクに晒されています。今日のマーケットで、絶えず変転する顧客の期待に応え続けるため、既存の銀行は、実績あるフィンテック系パートナー企業から協力とサポートを得ながら、「独創的な銀行」へと変容すべきです。」

調査手法
ワールド・フィンテック・レポート 2020は、「2020 global FinTech executive interviews (2020年のグローバル・フィンテック幹部インタビュー)」や「キャップジェミニのOpen X準備(Readiness)指標」の調査で得られた洞察・知見に基づいています。

2020年のグローバル・フィンテック幹部インタビュー
本レポートの2020年版は、世界各地の主要銀行シニア幹部をフォーカスグループとして実施したインタビューで得られた洞察・知見を含んでいます。

キャップジェミニのOpen X準備(Readiness)指標
「キャップジェミニのOpen X準備(Readiness)指標」は、98のデータポイントに基づき、人・ファイナンス・ビジネス・テクノロジーの4つの面で、各銀行のコラボレーションに対する準備状況(Readiness)を評価します。各パラメータに相応の重み付けをし、(スコアのベースを100とした上で)最終スコアを散布図にマッピングします。コラボレーション・準備状況に関する銀行の見方をX軸で表す一方、銀行のコラボレーション成功をY軸で表します。

詳細については、https://fintechworldreport.com/ を参照してください。

[画像2: https://prtimes.jp/i/25250/118/resize/d25250-118-693546-1.jpg ]


キャップジェミニについて
キャップジェミニは、コンサルティング、デジタルトランスフォーメーション、テクノロジー&エンジニアリングサービスのグローバルリーダーです。キャップジェミニ・グループはイノベーションの最前線に立ち、進化を続けるクラウド、デジタル及び各種プラットフォーム分野で、顧客のあらゆるビジネス機会に対応致します。キャップジェミニは、50年以上にわたり蓄積してきた優れた実績と業界固有の専門知識を基に、戦略から運用まで、弊社の一連のサービスを通じて、顧客企業が目指すビジネスビジョンの実現をご支援致します。キャップジェミニの信念は、「テクノロジーに関わるビジネス価値は人を通じて具現化される」ことであり、この信念こそが弊社の原動力となっています。キャップジェミニは、世界約50ケ国27万人に及ぶチームメンバーで構成される多文化企業です。Altranを含むグループ全体の2019年度売上は、170億ユーロです。

キャップジェミニ株式会社については、以下をご覧ください。
https://www.capgemini.com/jp-jp/
キャップジェミ二株式会社のソーシャルアカウント
Twitter: https://twitter.com/CapgeminiJapan
Facebook: https://www.facebook.com/CapgeminiJapan/

People matter, results count. (人にこだわり 成果にコミット)


Efmaについて
1971年に銀行および保険会社によって設立されたグローバルな非営利団体であるEfmaは、意思決定者間のネットワーキングを促進します。そして、銀行や保険会社がイノベーションを促進し、組織変革を推進するための正しい決定を下すのに役立つ、質の高い知見を提供します。130ヵ国の3,300を超えるブランドがEfmaのメンバーです。本部:パリ オフィス:ロンドン、ブリュッセル、アンドラ、ストックホルム、ブラチスラバ、ドバイ、ミラノ、モントリオール、イスタンブール、北京、東京、シンガポール
詳しくは、こちらをご覧ください。www.efma.com



Open Xは、オープンバンキングをコンプライアンスに基づくアプローチから一気に飛躍させ、リソースやデータのシームレスなやり取りへ移行させます。それを可能とするのが商品改定サイクルの迅速化であり、顧客体験を継続的に向上させます。
独創的な銀行(Inventive Bank)は、実績あるフィンテックのパートナー企業から協力とサポートを得ながら、新しいオープンなエコシステム内での専門性のある役割を担う用意があります。
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