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2021年のアロマ市場規模は約3,973億円〜コロナ禍においても精油配合製品市場は拡大〜

(公社)日本アロマ環境協会「2021年アロマ市場に関する調査レポート」

 公益社団法人 日本アロマ環境協会(略称:AEAJ、東京都渋谷区)は、2022年7月〜10月に、2021年のアロマ市場の構造と市場規模に関する調査を実施しました。
 AEAJは、公益的観点から、アロマ市場の構造とその規模を把握するとともに、今後の課題や展望を明らかにすることによって、アロマ関連産業の健全な発展に寄与することを目的に、2012年に初めて「アロマ市場に関する調査レポート」を発表。この度、第4回目となる本調査を実施しました。
 その結果、2021年のアロマ市場規模は3,973億円(2018年の前回調査比112%)で、コロナ禍においても引き続き市場が拡大していることが明らかになりました。
 AEAJは、有意なデータの蓄積を目指して、今後も定期的にアロマ市場調査を実施していく予定です。





調査結果(抜粋)

2021年のアロマ市場規模は約3,973億円に
2021年のアロマ市場規模は約3,973億円に2021年のアロマ市場規模は3,973億円で、そのうち、アロマテラピー製品・サービス等による市場規模は460億円、精油を配合した製品等による市場規模は3,513億円と推計され、前回比112%と引き続き伸長していることがわかりました。

引き続き「アロマ化粧品」が市場を牽引
「アロマ化粧品*市場」が、前回(2018年)比126%となる1,821億円に成長。他業界からの参入や、新しいブランドの立ち上がりが目立ち、この数年でさらに市場が広がりました。コロナ禍では在宅時間が増えたことで、時間をかけてじっくりケアをするタイプのスキンケアアイテムや、頭皮ケアの関連アイテムの伸長傾向がみられました。*天然の精油を配合した自然派化粧品

コロナ禍で「アロママスク」が人気となり、アロマを使った製品市場が大きく伸長
新型コロナウイルス感染症の拡大により、精油の香りを付加したアロママスク市場が大きく拡大し、「その他アロマ製品市場」を牽引(前回比269%)。アロマを付加価値とした製品のバリエーションが広がりました。一方で、「アロマ加湿器・空気清浄機市場」はテレワークの広がりによってオフィスでの需要が減った影響で縮小したと考えられます(前回比58%)。


アロマ市場規模の内訳 〜市場規模は3,973億円に〜

2021年のアロマ市場全体の市場規模は、3,973億円(事業者小売売上高ベース)と推計され、2018年と比較し112%伸長した。構成内訳は以下のとおり。

[画像: https://prtimes.jp/i/5249/125/resize/d5249-125-3e6c37ad965583685ed1-0.png ]

<アロマ市場の定義と範囲>
本調査では、アロマ市場を、「アロマテラピー市場と精油配合製品等市場で構成される市場」と定義し、対象範囲を定めた。
1.【アロマテラピー市場】: 生活者が天然の精油を利用してアロマテラピーを楽しむ、あるいはアロマテラピーを学ぶことなどによって創造される市場
2.【精油配合製品等市場】: 天然の精油を配合した化粧品、入浴剤、衣類洗剤、芳香剤などの日用品、アロマも利用できる機能が付加された製品などによって創造される市場
※「アロマ市場」には、「アロマ」と謳っていても天然の精油が含まれていない製品やサービスは含まない。


個別アロマ市場の動向 〜アロマ化粧品市場が市場を牽引〜

1) アロマテラピー市場(460億円)
■アロマテラピー製品市場(133億円)
[対象] 精油、基材、芳香器具、アロマ活用グッズ・クラフト
・アロマテラピー製品市場は前回比29%減。コロナ禍のライフスタイルにおいて、人々の香りに対する興味関心は高まったが、アロマディフューザーで精油を香らせることよりもリードディフューザーのような手軽な商品が好まれ、精油自体の市場に大きな伸びは見られなかった。アロマクラフトを作って楽しむ人も全体的に減少した。
・精油市場においては、SNS等での情報発信や、ECサイトでの購入が進んだ。また、コロナ禍でのライフスタイルの変化を受け、男性利用者も増加している傾向が見られた。

■アロマテラピー教育・資格市場(115億円)
[対象] 資格認定団体の事業、アロマスクール、通信教育、アロマ関連書籍・DVD
・コロナ禍の影響を受け、アロマスクールや各資格認定団体の事業の市場規模は前回調査よりやや縮小。アロマ関連書籍やDVDなどの市場規模は大きく縮小した。

■アロマテラピーサービス市場(213億円)
[対象] アロマトリートメントサービス、アロマ空間サービス、その他サービス
・アロマテラピーサービス市場のうち、「アロマトリートメントサービス」が約9割を占めている。
・「アロマトリートメントサービス」の市場規模は、前回比90%とコロナ禍の影響で減少。消費者の施術控えやサービス提供中断などがあった影響とみられる。
・「アロマ空間サービス」の市場規模は22億円で、前回比112%と伸長。国際的な大型スポーツイベントに備えて新規ホテルの開業が続いたことや、オフィス環境を良くしたいというニーズの増加による影響とみられる。

2) 精油配合製品等市場(3,513億円)
■アロマ化粧品市場(1,821億円)
[対象] 天然の精油を配合し、化学合成成分はできるだけ排除している自然派化粧品(オーガニック化粧品を含む)
のうち、スキンケア化粧品、ヘアケア化粧品、メイクアップ化粧品、ボディケア化粧品
・アロマ化粧品市場は依然として拡大傾向にあり、前回比126%と伸長。他業界からの参入や、新しいブランドの立ち上がりが目立ち、この数年で市場がさらに広がった。
・コロナ禍では在宅時間が増えたことで、時間をかけてじっくりケアをするタイプのスキンケアアイテムや、ストレス解消、睡眠アイテムなどがギフトとして選ばれている。
・ヘアケアにおいては、「頭皮ケア」がキーワードになり、女性だけでなく男性向けの頭皮ケア関連アイテムも充実した。

■アロマ入浴剤市場(235億円)
[対象] 天然の精油が配合されている入浴剤
・アロマ入浴剤市場は前回比119%と大きく伸長。精油や自然由来の成分を配合した入浴剤が支持されていると考えられる。

■アロマ衣類洗剤市場(714億円)
[対象] 天然の精油が配合されている衣料用液体洗剤、柔軟剤
・アロマ衣類洗剤市場は前回比106%と引き続き拡大しているが、一方で「フレグランスフリー」をうたう無香料タイプの製品も定着し、香りに関する嗜好にあわせた多様な製品が投入されている。

■アロマ芳香剤市場(615億円)
[対象] 天然の精油が配合されている室内芳香剤、衣類・布製品消臭剤
・アロマ芳香剤市場は前回比111%と市場は拡大している。
・コロナ禍で生活者の香りに対する興味関心の高まりを受け、手軽に香りを楽しむことができるリードディフューザーの人気が広がり、市場が拡大。

■アロマ住居用洗剤市場(2億円)
[対象] 天然の精油が配合されている住居用洗剤
・この市場への商品投入は停滞しているが、市場規模は小規模ながらやや拡大。

■アロマ加湿器・空気清浄機等市場(67億円)
[対象] アロマ専用ではないが、アロマも使用できる加湿器・空気清浄機
・アロマ加湿器・空気清浄機等市場は前回比58%と大きく減少。アロマ機能を有する空気清浄機はオフィスでのパーソナルユースのものが中心であったが、テレワークの広がりによってオフィス需要がなくなり、アロマ空気清浄機市場も縮小したとみられる。

■その他アロマ製品市場(59億円)
[対象] 天然の精油が使われているアロママスク、防虫剤等
・新型コロナウイルス感染症の拡大により、精油の香りを付加したアロママスク市場が大きく拡大し、「その他アロマ製品市場」を牽引(前回比269%)。アロマを付加価値とした製品のバリエーションが広がった。


アロマ市場の今後の展望 〜天然由来である精油の価値の浸透が鍵〜

・前回調査時に引き続き、精油配合製品等市場が拡大していることから、「より手軽に、簡単にアロマを楽しみたい」というニーズがさらに広がっていることが明らかになった。
・精油配合製品等市場の中では、アロマ化粧品市場が約半数を占めている。ヘアケアやボディケアなどで男性の利用者が拡大しており、男性も含めたジェンダーレスな商品・サービスの提供が求められる。
・精油配合製品の種類の広がりとともに、天然由来でない人工香料を使った製品でも「アロマ」とうたう商品も増加している。アロマ市場の健全な発展のためには、植物から抽出された本物の精油の価値を正しく伝えていくことが求められる。


調査概要

[調査期間] 2022年7月〜10月
[調査対象] AEAJをはじめとするアロマ関連団体およびその会員企業
     アロマ関連商材・サービスを取り扱っている事業者
[調査方法] インターネットアンケート調査(有効回答:77社)、訪問・電話ヒアリング調査(14社)

※アロマ市場は多岐にわたるため、その規模を画一的な方法で推計することは困難であることから、本調査では、アロマ市場を10市場に分類。それぞれの特性をふまえて最適な方法を検討し、事業者への郵送アンケート調査と訪問・電話ヒアリング調査に加え、売上データなどの既存資料を補完的に活用するなど、より実態に即した調査方法で実施。


公益社団法人 日本アロマ環境協会(AEAJ)について

AEAJは内閣府に公益認定された、アロマテラピー関連で唯一の公益法人。植物の香りを用いた「アロマテラピー」を通じて人々の心身の健康に寄与することを目的に、アロマテラピーの普及・調査・研究などの活動を行っています。また、自然の香りある豊かな環境(アロマ環境)を未来につなぐため、環境カオリスタ検定や香育など、自然環境の保全・創造にむけた取り組みも推進しています。2023年2月に、活動の拠点施設として、東京・原宿にアロマの魅力を五感で体験できる「AEAJグリーンテラス」をオープンしました。
【AEAJ会員数】個人正会員49,781名、法人正会員257社(2022年3月31日現在)

※本リリースに含まれる調査結果をご掲載の際は、必ず「(公社)日本アロマ環境協会(AEAJ)調べ」と明記ください。
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