デロイト調査:日本企業の第四次産業革命への準備の遅れが明らかに
[18/01/25]
提供元:PRTIMES
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第四次産業革命への日本企業の期待は高いが、その機会活用に「大変自信がある」は、わずか3%(全世界:14%)。商品開発には意欲的も、市場変革・開拓への意識が乏しい。
デロイト トーマツ グループ(本社:東京都港区 CEO:小川陽一郎 以下、デロイト トーマツ)は、デロイトグローバルが実施した「第四次産業革命への対応準備調査」について、日本企業の調査結果を発表します。
世界経済フォーラムの年次総会である「ダボス会議」でも2016年以降毎年主要なテーマになっている第四次産業革命は、その実像を着実に現わし始めました。IoT、AI、コグニティブ、アナリティクスなどの、よりスマートなデジタルテクノロジーが、新製品やサービス、仕事の効率化、新しいタイプの仕事、まったく新しいビジネスモデルといった豊富な機会を創出しています。
その一方で、今回の調査では、世界的に見ても第四次産業革命による機会をフルに活用しうる企業は、現時点においてごく一握りであることが示されました。調査結果には、従来からのビジネスの延長線上で第四次産業革命を捉える姿勢が表れており、特に日本企業はその傾向が顕著に見られました。企業は、より能動的にビジネスと社会ニーズの関係を見つめ、最新技術によるブレイクスルーで、顧客、人材、市場、社会へと恩恵をもたらす変革を主導していくことが求められます。それが、自社の成長だけでなく、第四次産業革命による、より平等で安定した世界の創造にもつながると考えられるからです。
【日本企業の主な調査結果】
第四次産業革命の機会を十分に活用することに「大変自信がある」はわずか(日本:3%、全世界:14%)
第四次産業革命に期待する割合は高い(日本:91%、全世界:87%)
第四次産業革命を自社が市場変革、開拓する機会と捉えていない(下記参照)
最新技術を競争上の差別化要因と考えていない(下記参照)
テクノロジーを効率化に活用しているが、「労働力の変化」に注目した本質的な議論は尽くされていない(下記参照)
【第四次産業革命を自社が市場変革、開拓する機会と捉えていない】
日本及び世界の経営幹部の大多数は「第四次産業革命が社会により多くの平等と安定をもたらす」と考え(日本:91%、全世界:87%)、また、企業は、社会に最も大きな影響を与えうると考えています(日本:公開企業70%、非公開企業64%、全世界:公開企業74%、非公開企業67%)。
自社が多大な影響を与えうる課題領域は、「顧客への最良の製品/サービスの提供」、「短期的または、長期的な財務成績の向上」といった企業の従来からの役割に回答が多く集まっており、市場、教育、環境などの社会的課題に大きな影響を及ぼすと考える経営者は少数にとどまっています。特に日本の経営幹部はこの傾向が強く、「公正で開かれた市場の実現に向けた改革の推進」(日本:9%、全世界:24%)、「商品・サービスへのアクセス向上や低価格化などを通じた未充足ニーズへの対応」(日本:14%、全世界:19%)といった、市場環境の改善への影響についても他国企業よりも低い認識となりました。(参照:図表1)
[画像1: https://prtimes.jp/i/202/128/resize/d202-128-557818-0.jpg ]
【最新技術を競争上の差別化要因と考えていない】
「最新技術は競争上の主要な差別化要因と考えるか」と尋ねたところ、日本の経営幹部の回答は「強くそう思う」5%、「そう思う」17%となり、全世界の回答(「強くそう思う」20%、「そう思う」37%)と比べて低い割合でした。最新技術に対する考え方は、第四次産業革命に備えるために、必要な投資に対する意欲の高さを表しますが、日本の経営幹部の78%は「どちらでもない」と様子見の姿勢で、グローバル市場での成長に大きく水をあけられるリスクが浮かび上がりました。
また、日本の経営幹部が最も頻繁に議論したテーマを尋ねたところ、全世界と比較した日本の特徴が表れました。「市場変化への迅速対応」(日本:76%、全世界:49%)、「生産性向上」(日本:70%、全世界:56%)、「新製品・サービスの開発」(日本:51%、全世界:57%)といった従来の事業モデルの延長線上にあるテーマに多くの注意が払われる一方で、「他社の優位性の攪乱・無効化」を議論している日本の経営幹部はわずか12%であり、全世界の24%と比べて低い割合になっています(図表2)。全体として、第四次産業革命を見据えて根本的な変革や新たな競争を主導しようとする発想・姿勢が相対的に乏しい様子がうかがわれました。
【テクノロジーを効率化に活用しているが、「労働力の変化」に注目した本質的な議論は尽くされていない】
高齢化や働き方改革を背景に、日本の経営幹部は調査対象国で最も多い85%が、従業員との関係が、契約による一時的、臨時的な雇用に変わる方向にあると見ています(全世界:61%)。また、実に75%以上がロボットなどの自律的なテクノロジーが人に代わる未来を予測しています(全世界:50%以下)。しかし、人材採用・育成については他のテーマに後回しにされ、経営幹部が議論することは少なく(図表2 日本:2%、全世界:17%)、最新テクノロジーの活用についても、技術主導型の変化が組織構造と従業員に及ぼす影響について、計画し対処できると考えている経営幹部はわずか3%(全世界:7%)でした。他方、最新テクノロジーについては専ら従業員の効率性向上での活用に関心が向けられており、この点に関して組織として「高い能力がある」とした回答者が78%にのぼりました(全世界:47%)。
[画像2: https://prtimes.jp/i/202/128/resize/d202-128-493379-1.jpg ]
調査概要
フォーブス・インサイトがデロイトグローバルの協力の下、2017年8月にアメリカ、アジアおよびヨーロッパの19カ国のCレベルの役員1,603名を調査。うち日本からの回答は100名。全ての回答者は、10億米ドル以上の収益を上げている企業(平均74億米ドル)で、10業種にわたる。
グローバル調査は下記から御覧いただけます(英語)
https://www2.deloitte.com/insights/us/en/deloitte-review/issue-22/industry-4-0-technology-manufacturing-revolution.html?id=gx:2di:3em:4di4364:5awa:6di:MMDDYY:4ireadiness
デロイト トーマツ グループ(本社:東京都港区 CEO:小川陽一郎 以下、デロイト トーマツ)は、デロイトグローバルが実施した「第四次産業革命への対応準備調査」について、日本企業の調査結果を発表します。
世界経済フォーラムの年次総会である「ダボス会議」でも2016年以降毎年主要なテーマになっている第四次産業革命は、その実像を着実に現わし始めました。IoT、AI、コグニティブ、アナリティクスなどの、よりスマートなデジタルテクノロジーが、新製品やサービス、仕事の効率化、新しいタイプの仕事、まったく新しいビジネスモデルといった豊富な機会を創出しています。
その一方で、今回の調査では、世界的に見ても第四次産業革命による機会をフルに活用しうる企業は、現時点においてごく一握りであることが示されました。調査結果には、従来からのビジネスの延長線上で第四次産業革命を捉える姿勢が表れており、特に日本企業はその傾向が顕著に見られました。企業は、より能動的にビジネスと社会ニーズの関係を見つめ、最新技術によるブレイクスルーで、顧客、人材、市場、社会へと恩恵をもたらす変革を主導していくことが求められます。それが、自社の成長だけでなく、第四次産業革命による、より平等で安定した世界の創造にもつながると考えられるからです。
【日本企業の主な調査結果】
第四次産業革命の機会を十分に活用することに「大変自信がある」はわずか(日本:3%、全世界:14%)
第四次産業革命に期待する割合は高い(日本:91%、全世界:87%)
第四次産業革命を自社が市場変革、開拓する機会と捉えていない(下記参照)
最新技術を競争上の差別化要因と考えていない(下記参照)
テクノロジーを効率化に活用しているが、「労働力の変化」に注目した本質的な議論は尽くされていない(下記参照)
【第四次産業革命を自社が市場変革、開拓する機会と捉えていない】
日本及び世界の経営幹部の大多数は「第四次産業革命が社会により多くの平等と安定をもたらす」と考え(日本:91%、全世界:87%)、また、企業は、社会に最も大きな影響を与えうると考えています(日本:公開企業70%、非公開企業64%、全世界:公開企業74%、非公開企業67%)。
自社が多大な影響を与えうる課題領域は、「顧客への最良の製品/サービスの提供」、「短期的または、長期的な財務成績の向上」といった企業の従来からの役割に回答が多く集まっており、市場、教育、環境などの社会的課題に大きな影響を及ぼすと考える経営者は少数にとどまっています。特に日本の経営幹部はこの傾向が強く、「公正で開かれた市場の実現に向けた改革の推進」(日本:9%、全世界:24%)、「商品・サービスへのアクセス向上や低価格化などを通じた未充足ニーズへの対応」(日本:14%、全世界:19%)といった、市場環境の改善への影響についても他国企業よりも低い認識となりました。(参照:図表1)
[画像1: https://prtimes.jp/i/202/128/resize/d202-128-557818-0.jpg ]
【最新技術を競争上の差別化要因と考えていない】
「最新技術は競争上の主要な差別化要因と考えるか」と尋ねたところ、日本の経営幹部の回答は「強くそう思う」5%、「そう思う」17%となり、全世界の回答(「強くそう思う」20%、「そう思う」37%)と比べて低い割合でした。最新技術に対する考え方は、第四次産業革命に備えるために、必要な投資に対する意欲の高さを表しますが、日本の経営幹部の78%は「どちらでもない」と様子見の姿勢で、グローバル市場での成長に大きく水をあけられるリスクが浮かび上がりました。
また、日本の経営幹部が最も頻繁に議論したテーマを尋ねたところ、全世界と比較した日本の特徴が表れました。「市場変化への迅速対応」(日本:76%、全世界:49%)、「生産性向上」(日本:70%、全世界:56%)、「新製品・サービスの開発」(日本:51%、全世界:57%)といった従来の事業モデルの延長線上にあるテーマに多くの注意が払われる一方で、「他社の優位性の攪乱・無効化」を議論している日本の経営幹部はわずか12%であり、全世界の24%と比べて低い割合になっています(図表2)。全体として、第四次産業革命を見据えて根本的な変革や新たな競争を主導しようとする発想・姿勢が相対的に乏しい様子がうかがわれました。
【テクノロジーを効率化に活用しているが、「労働力の変化」に注目した本質的な議論は尽くされていない】
高齢化や働き方改革を背景に、日本の経営幹部は調査対象国で最も多い85%が、従業員との関係が、契約による一時的、臨時的な雇用に変わる方向にあると見ています(全世界:61%)。また、実に75%以上がロボットなどの自律的なテクノロジーが人に代わる未来を予測しています(全世界:50%以下)。しかし、人材採用・育成については他のテーマに後回しにされ、経営幹部が議論することは少なく(図表2 日本:2%、全世界:17%)、最新テクノロジーの活用についても、技術主導型の変化が組織構造と従業員に及ぼす影響について、計画し対処できると考えている経営幹部はわずか3%(全世界:7%)でした。他方、最新テクノロジーについては専ら従業員の効率性向上での活用に関心が向けられており、この点に関して組織として「高い能力がある」とした回答者が78%にのぼりました(全世界:47%)。
[画像2: https://prtimes.jp/i/202/128/resize/d202-128-493379-1.jpg ]
調査概要
フォーブス・インサイトがデロイトグローバルの協力の下、2017年8月にアメリカ、アジアおよびヨーロッパの19カ国のCレベルの役員1,603名を調査。うち日本からの回答は100名。全ての回答者は、10億米ドル以上の収益を上げている企業(平均74億米ドル)で、10業種にわたる。
グローバル調査は下記から御覧いただけます(英語)
https://www2.deloitte.com/insights/us/en/deloitte-review/issue-22/industry-4-0-technology-manufacturing-revolution.html?id=gx:2di:3em:4di4364:5awa:6di:MMDDYY:4ireadiness