東北大学大学院農学研究科との共同研究講座油脂の劣化指標「酸価」 新たな上昇経路を証明
[22/07/31]
提供元:PRTIMES
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“フライ食品のおいしさ長持ち” “環境負荷低減” 実現へ
株式会社J‐オイルミルズ(東京都中央区、代表取締役社長:佐藤 達也 以下 当社)と東北大学大学院農学研究科の共同研究チームは、食用油脂を廃棄する際の重要指標「酸価」が水を加えない条件下でも熱による酸化反応で上昇することを初めて証明しました。この知見は食用油脂の劣化を抑制する新技術の開発につながる可能性があり、油脂の使用・廃棄量が減ることで環境負荷も抑えられると期待されます。
酸価は油脂1グラム中に含まれる遊離脂肪酸を中和するのに必要な水酸化カリウムのミリグラム数と定義され、劣化の度合いを表すことから、食品業界では油脂を廃棄する際の指標として広く用いられています(※)。これまで酸価は加水分解により遊離脂肪酸が生じることで上昇すると考えられてきましたが(経路1)、研究チームは無加水条件下で熱によって生じるカルボン酸を初めて特定し(経路2)、遊離脂肪酸と両方とも酸価として測定されることを証明しました。
[画像: https://prtimes.jp/i/38494/136/resize/d38494-136-75eec0165ae466a9720c-0.png ]
本研究結果に関する論文は7月21日付の英国ネイチャー出版グループの科学誌「サイエンティフィック・リポーツ」に掲載されました。
タイトル:Carboxylic acids derived from triacylglycerols that contribute to the increase in acid value during the thermal oxidation of oils (油脂の熱酸化による酸価上昇に寄与するトリアシルグリセロール由来のカルボン酸)
著者:Masayoshi Sakaino, Takashi Sano, Shunji Kato, Naoki Shimizu, Junya Ito, Halida Rahmania, Jun Imagi and Kiyotaka Nakagawa*(*責任著者)(境野眞善, 佐野貴士, 加藤俊治, 清水直紀, 伊藤隼哉, Halida Rahmania, 今義潤, 仲川清隆*)
雑誌名:Scientific Reports, 12, 12460 (2022)
掲載URL:https://www.nature.com/articles/s41598-022-15627-3
全国油脂事業協同組合連合会が4月に公表した資料によりますと、国内で1年間に消費される食用油脂は年間約250万トンに上ります。当社は「おいしさ×健康×低負荷」を目指すべき未来に掲げ、これまでも一般的なフライオイルよりも劣化を抑制する特許製法「SUSTEC(R)(サステック)」を用い、使用期間を最長約4割延ばす商品「長徳(R)」シリーズの開発などに注力してまいりました。本研究で食用油脂の新たな反応メカニズムが明らかになったことで劣化原因をより正確に分析できるようになり、フライ油やフライ食品の品質劣化を抑える技術の開発や管理方法の改善につながる可能性があります。当社は本研究結果を活用して新たな商品やサービスを提供し、食品メーカーとして「環境負荷の抑制」「食資源の維持」に一層努めてまいります。
※ 厚生労働省作成の「弁当及びそうざいの衛生規範について」は、揚げ物に使う油脂の交換基準の目安を「酸価が2.5を超えたもの」などと明示しました(「第5 食品等の取扱い」)。規範は食品衛生管理の国際基準「HACCP」の制度化により2021年6月に廃止されましたが、後継の一律基準は設定されず、現在も事業者の多くが酸価を基に交換の必要性を判断しています。
東北大学大学院農学研究科との共同研究講座について
食用油脂の過度な酸化は食品の味や香りを損なう要因となりますが、その反応メカニズムは複雑で、酸化を完全にコントロールする技術は確立していません。2019年4月に開設した本講座では、東北大学大学院農学研究科生物産業創成科学専攻の仲川清隆教授らの研究チームと当社が共同研究を進め、食用油脂の酸化を制御する技術の確立を目指しています。
J-オイルミルズについて
株式会社J-オイルミルズ(東証プライム市場、証券コード2613)は2004年に製油業界の3社が統合して誕生しました。JOYL「AJINOMOTO オリーブオイル」をはじめとする油脂製品を主力とし、特に業務用油脂では高いシェアを誇ります。マーガリン類、油糧(ミール)、スターチ、機能性素材など幅広い事業を展開しており、プラスチック使用量を6割以上※削減した紙パックの食用油「スマートグリーンパック」シリーズや植物性チーズ&バター代替品「Violife(ビオライフ)」、CFP(Carbon Footprint of Products)マークを取得した業務用の長持ち油「長徳(R)」シリーズなど、植物由来の原料から価値を引き出し「おいしさ×健康×低負荷」の実現を目指しています。
※ 従来のプラスチック製同容量帯容器との比較
詳細については https://www.j-oil.com/ をご参照ください。
株式会社J‐オイルミルズ(東京都中央区、代表取締役社長:佐藤 達也 以下 当社)と東北大学大学院農学研究科の共同研究チームは、食用油脂を廃棄する際の重要指標「酸価」が水を加えない条件下でも熱による酸化反応で上昇することを初めて証明しました。この知見は食用油脂の劣化を抑制する新技術の開発につながる可能性があり、油脂の使用・廃棄量が減ることで環境負荷も抑えられると期待されます。
酸価は油脂1グラム中に含まれる遊離脂肪酸を中和するのに必要な水酸化カリウムのミリグラム数と定義され、劣化の度合いを表すことから、食品業界では油脂を廃棄する際の指標として広く用いられています(※)。これまで酸価は加水分解により遊離脂肪酸が生じることで上昇すると考えられてきましたが(経路1)、研究チームは無加水条件下で熱によって生じるカルボン酸を初めて特定し(経路2)、遊離脂肪酸と両方とも酸価として測定されることを証明しました。
[画像: https://prtimes.jp/i/38494/136/resize/d38494-136-75eec0165ae466a9720c-0.png ]
本研究結果に関する論文は7月21日付の英国ネイチャー出版グループの科学誌「サイエンティフィック・リポーツ」に掲載されました。
タイトル:Carboxylic acids derived from triacylglycerols that contribute to the increase in acid value during the thermal oxidation of oils (油脂の熱酸化による酸価上昇に寄与するトリアシルグリセロール由来のカルボン酸)
著者:Masayoshi Sakaino, Takashi Sano, Shunji Kato, Naoki Shimizu, Junya Ito, Halida Rahmania, Jun Imagi and Kiyotaka Nakagawa*(*責任著者)(境野眞善, 佐野貴士, 加藤俊治, 清水直紀, 伊藤隼哉, Halida Rahmania, 今義潤, 仲川清隆*)
雑誌名:Scientific Reports, 12, 12460 (2022)
掲載URL:https://www.nature.com/articles/s41598-022-15627-3
全国油脂事業協同組合連合会が4月に公表した資料によりますと、国内で1年間に消費される食用油脂は年間約250万トンに上ります。当社は「おいしさ×健康×低負荷」を目指すべき未来に掲げ、これまでも一般的なフライオイルよりも劣化を抑制する特許製法「SUSTEC(R)(サステック)」を用い、使用期間を最長約4割延ばす商品「長徳(R)」シリーズの開発などに注力してまいりました。本研究で食用油脂の新たな反応メカニズムが明らかになったことで劣化原因をより正確に分析できるようになり、フライ油やフライ食品の品質劣化を抑える技術の開発や管理方法の改善につながる可能性があります。当社は本研究結果を活用して新たな商品やサービスを提供し、食品メーカーとして「環境負荷の抑制」「食資源の維持」に一層努めてまいります。
※ 厚生労働省作成の「弁当及びそうざいの衛生規範について」は、揚げ物に使う油脂の交換基準の目安を「酸価が2.5を超えたもの」などと明示しました(「第5 食品等の取扱い」)。規範は食品衛生管理の国際基準「HACCP」の制度化により2021年6月に廃止されましたが、後継の一律基準は設定されず、現在も事業者の多くが酸価を基に交換の必要性を判断しています。
東北大学大学院農学研究科との共同研究講座について
食用油脂の過度な酸化は食品の味や香りを損なう要因となりますが、その反応メカニズムは複雑で、酸化を完全にコントロールする技術は確立していません。2019年4月に開設した本講座では、東北大学大学院農学研究科生物産業創成科学専攻の仲川清隆教授らの研究チームと当社が共同研究を進め、食用油脂の酸化を制御する技術の確立を目指しています。
J-オイルミルズについて
株式会社J-オイルミルズ(東証プライム市場、証券コード2613)は2004年に製油業界の3社が統合して誕生しました。JOYL「AJINOMOTO オリーブオイル」をはじめとする油脂製品を主力とし、特に業務用油脂では高いシェアを誇ります。マーガリン類、油糧(ミール)、スターチ、機能性素材など幅広い事業を展開しており、プラスチック使用量を6割以上※削減した紙パックの食用油「スマートグリーンパック」シリーズや植物性チーズ&バター代替品「Violife(ビオライフ)」、CFP(Carbon Footprint of Products)マークを取得した業務用の長持ち油「長徳(R)」シリーズなど、植物由来の原料から価値を引き出し「おいしさ×健康×低負荷」の実現を目指しています。
※ 従来のプラスチック製同容量帯容器との比較
詳細については https://www.j-oil.com/ をご参照ください。