アストラセネカのイミフィンジ、米国にて小細胞肺がんの治療薬として希少疾病用医薬品の指定を受ける
[19/07/22]
提供元:PRTIMES
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本資料はアストラゼネカ英国本社が2019年7月12日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。
アストラゼネカ(本社:英国ケンブリッジ、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot]、以下、アストラゼネカ)は、イミフィンジが7月12日に米国食品医薬品局(FDA)より、小細胞肺がん(以下、SCLC)の治療薬として、希少疾病用医薬品指定(ODD)を受けたことを発表しました。
SCLCは、肺がんの約15%に相当し、肺がんの中で最も悪性度が高く、その5年生存率はわずか6%です。FDAは、200,000人未満の米国人患者さんが罹患する希少疾患およびその治療、診断、予防を目的とした新薬に対してODDの指定を付与しています。
2019年6月に発表した第III相CASPIAN試験では、進展型のSCLC患者さんに対して、イミフィンジは全生存期間(OS)の統計学的に有意かつ臨床的に意義のある延長を示し、主要評価項目を達成しました。これらの患者さんは、イミフィンジと標準治療であるエトポシドおよびプラチナ製剤ベースの化学療法併用群と、化学療法単独群に分けられて治療を受けました。試験の最終結果は今後の学術集会で発表する予定です。また、イミフィンジは、同時化学放射線療法後の限局型SCLC患者さんを対象とした第III相ADRIATIC試験も進行中です。
アストラゼネカのオンコロジー研究開発エグゼクティブバイスプレジデントであるJose? Baselgaは次のように述べています。「今回、SCLCに対して免疫療法に異なるプラチナ製剤を組み合わせるといった柔軟性を示した第III相CASPIAN試験での良好な結果に続き、ODDの指定を受けました。SCLCと闘う患者さんのためにも治療選択肢を広げていきたいと強く願っており、規制当局と連携し、新たな選択肢を1日も早く提供できることを期待しています」。
尚、イミフィンジは、第III相PACIFIC試験の結果に基づき、米国、EU、および日本を含む45を超える国で、切除不能なステージIII非小細胞肺がんへの適応で承認されています。
※SCLCに対するイミフィンジの適応は本邦未承認です。
以上
******
小細胞肺がんについて
肺がんは男女共にがん死亡の主な原因であり、がん死亡の約5分の1を占めています[1]。肺がんは非小細胞肺がん(NSCLC)と小細胞肺がん(SCLC)に大別され、約15%がSCLCに分類されます[2]。SCLC患者さんの約2/3は、がんが肺または体の他の部位に広範囲に拡がっている進展型と診断されます[3]。SCLCは悪性度が高く増殖の速いがんであり、初めはプラチナ製剤ベースの化学療法で効果が見られていたとしても、急速に再発・進行することがあります[4]。SCLCの5年生存率はわずか6%であり、予後は特に不良です[3]。
イミフィンジについて
イミフィンジ(デュルバルマブ[遺伝子組換え])はヒトPD-L1に結合するヒトモノクローナル抗体であり、PD-L1に結合しPD-L1とその受容体であるPD-1およびCD80の相互作用を阻害することで、腫瘍の免疫逃避機構を抑制し抗腫瘍免疫反応を誘発します。
イミフィンジは前治療歴のある進行膀胱がん患者さんの治療薬としても米国、カナダ、ブラジル、オーストラリア、イスラエル、インド、アラブ首長国連邦、カタール、マカオおよび香港において承認されています。
様々な癌腫を対象とした開発プログラムの一環として、イミフィンジは、非小細胞肺がん、小細胞肺がん、膀胱がん、頭頸部がん、肝臓がん、子宮頸がん、胆道がんならびにその他の固形がんの治療として、単剤療法ならびに、抗CTLA-4モノクローナル抗体であるトレメリムマブ(遺伝子組換え)および新規薬剤との併用療法においても検討されています。
肺がん領域におけるアストラゼネカについて
アストラゼネカは、この肺がん領域において、すべての病期および治療段階にわたる包括的なポートフォリオを有しています。欧米では10-15%、アジアでは30-40%のNSCLC患者さんがEGFR遺伝子変異を有しており、既承認薬イレッサおよびタグリッソの提供や、現在進行中の第III相試験であるFLAURA、ADAURA、LAURA、および第II相探索的併用投与試験であるSAVANNAH、ORCHARDによって得られる新たなエビデンスを通じて、このような患者さんのアンメットニーズに応えることを目指しています[5-7]。
また、当社の広範ながん免疫療法の後期開発プログラムは、すべての肺がん患者さんの50%にあたる既知の遺伝子変異を持たない患者さんを対象にしています。免疫療法ポートフォリオには、イミフィンジ単剤療法(ADJUVANT、BR.31、PACIFIC-4、PACIFIC-5、および PEARL試験)および抗CTLA-4抗体であるトレメリムマブ(遺伝子組換え)および/または化学療法との併用療法(第III相試験であるAEGEAN、PACIFIC-2、NEPTUNE、POSEIDON、ADRIATIC および CASPIAN)などが含まれます。
がん免疫療法(IO)に対するアストラゼネカの取組みについて
IOはヒトの免疫システムを刺激し腫瘍を破壊するよう設計された治療アプローチです。アストラゼネカおよび当社のバイオ医薬品研究開発部門であるメディミューンにおけるIOポートフォリオは、抗腫瘍免疫抑制を克服するよう設計された免疫治療薬により支えられています。当社は、IOに基づく治療は大多数の患者さんの人生に変革をもたらすがん治療となる可能性を提供するものと信じています。
当社は、患者さんにとって最善となる治療の方向性を見極める決定ツールとしてPD-L1バイオマーカーを使用し、複数のがん腫、病期、および治療の段階におけるイミフィンジ(抗PD-L1抗体)単剤療法およびトレメリムマブ(遺伝子組換え)(抗CTLA-4抗体)との併用療法における包括的な臨床プログラムを追求しています。さらに、当社のIOポートフォリオを当社オンコロジー全パイプラインあるいはパートナーの標的低分子化合物の中から広く併用療法を検討していくことにより、広範な腫瘍に対する新たな治療選択肢を提供できる可能性があります。
アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について
アストラゼネカはオンコロジー領域において歴史的に深い経験を有しており、急速に拡大しつつある患者さんの人生と当社の将来を変革する可能性のある新薬ポートフォリオを保持しています。2014年から2020年までの期間に発売を予定する少なくとも6つの新薬、および低分子・バイオ医薬品の広範な開発パイプラインを有する当社は、肺がん、卵巣がん、乳がんおよび血液がんに焦点を当てたOncologyを成長基盤として進展させることに注力しています。中核となる成長基盤に加え、当社は、Acerta Pharma社を介した血液学領域への投資に象徴されるような、戦略を加速する革新的な提携および投資についても積極的に追求していきます。
アストラゼネカは、がん免疫治療、腫瘍ドライバー遺伝子と耐性、DNA損傷修復および抗体薬物複合体の4つの科学的基盤を強化し、個別化医療を推し進める併用療法の開発に挑戦し続けることでがん治療のパラダイムを再定義し、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。
アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、循環器・腎・代謝疾患、および呼吸器の3つの重点領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。当社は、100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttp://www.astrazeneca.com または、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をフォローしてご覧ください。
References
1. World Health Organization. International Agency for Research on Cancer. Available at http://globocan.iarc.fr/Pages/fact_sheets_population.aspx . Accessed May 2019.
2. LUNGevity Foundation. Types of Lung Cancer. Available at https://lungevity.org/for-patients-caregivers/lung-cancer-101/types-of-lung-cancer . Accessed May 2019.
3. Cancer.Net. Lung Cancer - Small Cell. Available at https://www.cancer.net/cancer-types/33776/view-all . Accessed May 2019.
4. Kalemkerian GP, et al. Treatment Options for Relapsed Small-Cell Lung Cancer: What Progress Have We Made? Journal of Oncology Practice, volume 14, issue no. 6 (June 1 2018) 369-370.
5. Szumera-Ciećkiewicz A, et al. EGFR Mutation Testing on Cytological and Histological Samples in Non-Small Cell Lung Cancer: a Polish, Single Institution Study and Systematic Review of European Incidence. Int J Clin Exp Pathol. 2013:6;2800-12. Accessed May 2019.
6. Keedy VL, et al. American Society of Clinical Oncology Provisional Clinical Opinion: Epidermal Growth Factor Receptor (EGFR) Mutation Testing for Patients with Advanced Non-Small-Cell Lung Cancer Considering First-Line EGFR Tyrosine Kinase Inhibitor Therapy. J Clin Oncol. 2011:29;2121-27. Accessed May 2019.
7. Ellison G, et al. EGFR Mutation Testing in Lung Cancer: a Review of Available Methods and Their Use for Analysis of Tumour Tissue and Cytology Samples. J Clin Pathol. 2013:66;79-89. Accessed May 2019.
アストラゼネカ(本社:英国ケンブリッジ、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot]、以下、アストラゼネカ)は、イミフィンジが7月12日に米国食品医薬品局(FDA)より、小細胞肺がん(以下、SCLC)の治療薬として、希少疾病用医薬品指定(ODD)を受けたことを発表しました。
SCLCは、肺がんの約15%に相当し、肺がんの中で最も悪性度が高く、その5年生存率はわずか6%です。FDAは、200,000人未満の米国人患者さんが罹患する希少疾患およびその治療、診断、予防を目的とした新薬に対してODDの指定を付与しています。
2019年6月に発表した第III相CASPIAN試験では、進展型のSCLC患者さんに対して、イミフィンジは全生存期間(OS)の統計学的に有意かつ臨床的に意義のある延長を示し、主要評価項目を達成しました。これらの患者さんは、イミフィンジと標準治療であるエトポシドおよびプラチナ製剤ベースの化学療法併用群と、化学療法単独群に分けられて治療を受けました。試験の最終結果は今後の学術集会で発表する予定です。また、イミフィンジは、同時化学放射線療法後の限局型SCLC患者さんを対象とした第III相ADRIATIC試験も進行中です。
アストラゼネカのオンコロジー研究開発エグゼクティブバイスプレジデントであるJose? Baselgaは次のように述べています。「今回、SCLCに対して免疫療法に異なるプラチナ製剤を組み合わせるといった柔軟性を示した第III相CASPIAN試験での良好な結果に続き、ODDの指定を受けました。SCLCと闘う患者さんのためにも治療選択肢を広げていきたいと強く願っており、規制当局と連携し、新たな選択肢を1日も早く提供できることを期待しています」。
尚、イミフィンジは、第III相PACIFIC試験の結果に基づき、米国、EU、および日本を含む45を超える国で、切除不能なステージIII非小細胞肺がんへの適応で承認されています。
※SCLCに対するイミフィンジの適応は本邦未承認です。
以上
******
小細胞肺がんについて
肺がんは男女共にがん死亡の主な原因であり、がん死亡の約5分の1を占めています[1]。肺がんは非小細胞肺がん(NSCLC)と小細胞肺がん(SCLC)に大別され、約15%がSCLCに分類されます[2]。SCLC患者さんの約2/3は、がんが肺または体の他の部位に広範囲に拡がっている進展型と診断されます[3]。SCLCは悪性度が高く増殖の速いがんであり、初めはプラチナ製剤ベースの化学療法で効果が見られていたとしても、急速に再発・進行することがあります[4]。SCLCの5年生存率はわずか6%であり、予後は特に不良です[3]。
イミフィンジについて
イミフィンジ(デュルバルマブ[遺伝子組換え])はヒトPD-L1に結合するヒトモノクローナル抗体であり、PD-L1に結合しPD-L1とその受容体であるPD-1およびCD80の相互作用を阻害することで、腫瘍の免疫逃避機構を抑制し抗腫瘍免疫反応を誘発します。
イミフィンジは前治療歴のある進行膀胱がん患者さんの治療薬としても米国、カナダ、ブラジル、オーストラリア、イスラエル、インド、アラブ首長国連邦、カタール、マカオおよび香港において承認されています。
様々な癌腫を対象とした開発プログラムの一環として、イミフィンジは、非小細胞肺がん、小細胞肺がん、膀胱がん、頭頸部がん、肝臓がん、子宮頸がん、胆道がんならびにその他の固形がんの治療として、単剤療法ならびに、抗CTLA-4モノクローナル抗体であるトレメリムマブ(遺伝子組換え)および新規薬剤との併用療法においても検討されています。
肺がん領域におけるアストラゼネカについて
アストラゼネカは、この肺がん領域において、すべての病期および治療段階にわたる包括的なポートフォリオを有しています。欧米では10-15%、アジアでは30-40%のNSCLC患者さんがEGFR遺伝子変異を有しており、既承認薬イレッサおよびタグリッソの提供や、現在進行中の第III相試験であるFLAURA、ADAURA、LAURA、および第II相探索的併用投与試験であるSAVANNAH、ORCHARDによって得られる新たなエビデンスを通じて、このような患者さんのアンメットニーズに応えることを目指しています[5-7]。
また、当社の広範ながん免疫療法の後期開発プログラムは、すべての肺がん患者さんの50%にあたる既知の遺伝子変異を持たない患者さんを対象にしています。免疫療法ポートフォリオには、イミフィンジ単剤療法(ADJUVANT、BR.31、PACIFIC-4、PACIFIC-5、および PEARL試験)および抗CTLA-4抗体であるトレメリムマブ(遺伝子組換え)および/または化学療法との併用療法(第III相試験であるAEGEAN、PACIFIC-2、NEPTUNE、POSEIDON、ADRIATIC および CASPIAN)などが含まれます。
がん免疫療法(IO)に対するアストラゼネカの取組みについて
IOはヒトの免疫システムを刺激し腫瘍を破壊するよう設計された治療アプローチです。アストラゼネカおよび当社のバイオ医薬品研究開発部門であるメディミューンにおけるIOポートフォリオは、抗腫瘍免疫抑制を克服するよう設計された免疫治療薬により支えられています。当社は、IOに基づく治療は大多数の患者さんの人生に変革をもたらすがん治療となる可能性を提供するものと信じています。
当社は、患者さんにとって最善となる治療の方向性を見極める決定ツールとしてPD-L1バイオマーカーを使用し、複数のがん腫、病期、および治療の段階におけるイミフィンジ(抗PD-L1抗体)単剤療法およびトレメリムマブ(遺伝子組換え)(抗CTLA-4抗体)との併用療法における包括的な臨床プログラムを追求しています。さらに、当社のIOポートフォリオを当社オンコロジー全パイプラインあるいはパートナーの標的低分子化合物の中から広く併用療法を検討していくことにより、広範な腫瘍に対する新たな治療選択肢を提供できる可能性があります。
アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について
アストラゼネカはオンコロジー領域において歴史的に深い経験を有しており、急速に拡大しつつある患者さんの人生と当社の将来を変革する可能性のある新薬ポートフォリオを保持しています。2014年から2020年までの期間に発売を予定する少なくとも6つの新薬、および低分子・バイオ医薬品の広範な開発パイプラインを有する当社は、肺がん、卵巣がん、乳がんおよび血液がんに焦点を当てたOncologyを成長基盤として進展させることに注力しています。中核となる成長基盤に加え、当社は、Acerta Pharma社を介した血液学領域への投資に象徴されるような、戦略を加速する革新的な提携および投資についても積極的に追求していきます。
アストラゼネカは、がん免疫治療、腫瘍ドライバー遺伝子と耐性、DNA損傷修復および抗体薬物複合体の4つの科学的基盤を強化し、個別化医療を推し進める併用療法の開発に挑戦し続けることでがん治療のパラダイムを再定義し、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。
アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、循環器・腎・代謝疾患、および呼吸器の3つの重点領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。当社は、100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttp://www.astrazeneca.com または、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をフォローしてご覧ください。
References
1. World Health Organization. International Agency for Research on Cancer. Available at http://globocan.iarc.fr/Pages/fact_sheets_population.aspx . Accessed May 2019.
2. LUNGevity Foundation. Types of Lung Cancer. Available at https://lungevity.org/for-patients-caregivers/lung-cancer-101/types-of-lung-cancer . Accessed May 2019.
3. Cancer.Net. Lung Cancer - Small Cell. Available at https://www.cancer.net/cancer-types/33776/view-all . Accessed May 2019.
4. Kalemkerian GP, et al. Treatment Options for Relapsed Small-Cell Lung Cancer: What Progress Have We Made? Journal of Oncology Practice, volume 14, issue no. 6 (June 1 2018) 369-370.
5. Szumera-Ciećkiewicz A, et al. EGFR Mutation Testing on Cytological and Histological Samples in Non-Small Cell Lung Cancer: a Polish, Single Institution Study and Systematic Review of European Incidence. Int J Clin Exp Pathol. 2013:6;2800-12. Accessed May 2019.
6. Keedy VL, et al. American Society of Clinical Oncology Provisional Clinical Opinion: Epidermal Growth Factor Receptor (EGFR) Mutation Testing for Patients with Advanced Non-Small-Cell Lung Cancer Considering First-Line EGFR Tyrosine Kinase Inhibitor Therapy. J Clin Oncol. 2011:29;2121-27. Accessed May 2019.
7. Ellison G, et al. EGFR Mutation Testing in Lung Cancer: a Review of Available Methods and Their Use for Analysis of Tumour Tissue and Cytology Samples. J Clin Pathol. 2013:66;79-89. Accessed May 2019.