世界39カ国・地域における訪日旅行関連の急上昇検索キーワードと動向調査【2025年冬期】
[25/03/25]
提供元:PRTIMES
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グローバルマーケティング事業*を展開しているアウンコンサルティング株式会社(東証スタンダード市場:2459、本社:東京都千代田区、代表取締役CEO:信太明、以下「アウンコンサルティング」)はこの度、世界39カ国・地域(日本を除く)を対象に、2024年11月6日から2025年2月5日までの期間で、訪日旅行に関連した急上昇検索キーワードを調査しましたので、その結果をお知らせいたします。
* 海外SEO (検索エンジン最適化)、および海外広告 (サービス概要:
https://www.auncon.co.jp/service/)
** 各検索キーワードのランキングは、単純な検索数の順位ではなく「Googleトレンド」により集計された、検索の注目度を反映したものとなっています。各国・地域別のランキングは、本リリースの最後をご参照ください。
調査結果の概要と主要ポイント
今回の訪日旅行に関連した急上昇検索キーワード調査では、検索キーワードとして、主要都市や観光地などの名称、自然景観やイベントのほか、エンターテインメント関連のワードなど、幅広いカテゴリのキーワードがランクインしており、様々な要素が日本への興味や旅行計画に影響を与えていることが示されています。
・ウィンタースポーツが楽しめる観光地に注目
北海道の「ニセコ」や、“第二のニセコ”ともいわれる長野県の「白馬村」に関するキーワードが、多くの国や地域のランキングでランクインしました。パウダースノーと呼ばれる世界的にも高く評価されている雪質は、水分が少なく、スキーやスノーボードに適した雪質として知られており、冬特有の美しく壮大な雪景色も人気の理由として挙げられます。
・新しい旅行トレンド
エクスペディア・グループが発表した2025年の旅行トレンド「Unpack'25」(※1)によると、世界の旅行者の約63%が、メジャーな観光地に比べて混雑が少ない、いわゆる「第二の旅行先」に興味を示しているとされており、本調査における一部の国や地域のランキングでも、愛知県の「犬山城」や長崎県の「五島」、和歌山県の「熊野古道」などといった、地方の観光名所にも注目が集まっている事が明らかになりました。また、主な旅行の目的としては、SNSを通じたインフルエンサーの影響などを受けた、現地特有の買い物やお土産の他、映画やテレビ番組の影響による「ロケ地巡り旅」などがあり、宿泊施設については、食事やアクティビティなどの料金が宿泊代に含まれた、オールインクルーシブホテルに注目が集まっているとされています。
・春から初夏にかけての旅行計画
ゴールデンウィークに関する検索キーワードや、「5月の天気」といったキーワードがランクインする国もあり、春から初夏にかけての旅行計画や情報収集は、今回の調査対象期間である11月〜2月ごろから行われていることが考えられます。また、2025年の4月からは「日本国際博覧会(大阪・関西万博)」や、「瀬戸内国際芸術祭」といった国際的なイベントも開催され、より多くの観光客が訪れることが予想されます。
さらに、各国や地域ごとのランキングを参照すると、それぞれ異なる観光スポットなどのキーワードがランクインしています。各国や地域における日本のトレンドを理解し、ターゲット層に合わせたプロモーションやサービスを提供することで、旅行者の満足度の向上やビジネスの成功にも繋げることができると考えます。
■韓国では、日本の消化剤が話題
韓国のランキングでは、7位に「日本 消化剤」というキーワードがランクインしました。
これは、日本製の医薬品への注目を示していると考えら、代表的なものとしては、韓国で「カベジン」と呼ばれ注目を集めている、興和株式会社より販売されている胃腸薬「キャベジン」が挙げられます。日本旅行時の買いだめや、家族や友人にお土産として購入されることが多くなっており、考えられる主な要因としては、日本で購入した方が安価な点や、韓国で販売されているキャベジンが日本の旧製品に該当する点、などが挙げられます。
一方で、日本製品の「効果が高く品質が良い」といったイメージを悪用し、海外で製造された製品を、いわゆるフェイク広告やフェイク動画により、日本製品として宣伝・偽造販売される行為があったとして、SNSで話題となる事例もあります。
海外に向けた製品のプロモーションを行う際は、国際的な価格差の考慮や適切な流通戦略、また正規品の購入方法や偽造品との見分け方の周知などを通じて、ブランドの保護と信頼性の維持に加え、消費者の安全を守り、適切な市場拡大戦略の構築が必要になると言えます。
■昨年の冬季における、訪日旅客者の滞在数増加率1位となった「犬山市」と、オーバーツーリズム対策
香港のランキングで「犬山城」というキーワードがランクインしました。株式会社ナビタイムジャパンの発表(※2)によると、愛知県の犬山市は、2023年12月〜2024年1月において、前年同期と比較した訪日旅客者の滞在増加率が国内で最も高く、主に香港や台湾からの訪問者が多く見受けられたとされていました。本調査の対象である2024年11月〜2025年2月のランキングにも「犬山城」がランクインしていることから、冬季における香港からの注目度が引き続き高かったと言えます。
一方で、殺到する観光客によるごみや騒音など様々な問題が発生する「オーバーツーリズム」への対応が課題となっています。犬山市によると、観光客の多くが日帰りであり宿泊客が少なく、犬山城や城下町など、特定の時間帯や人気スポットに観光客が集中する傾向を問題(※3)としており、これらはオーバーツーリズムの一因にもなると考えられます。これを受けて犬山市では、地域資源の活用による観光客の分散や滞在時間の延長が提案されております。
主に訪日回数が多くリピート率の高い香港、台湾、韓国、中国などの近隣アジア諸国や地域においては、犬山市のような地方都市への関心が高まっており、各地方都市でオーバーツーリズム対策の重要性が高まる中で、今後は地域間の連携による広域観光ルートの開発や、プロモーションなどを通じて、観光客、地域住民、観光事業者にとってメリットのある持続可能な観光の実現が期待されます。
■オーストラリアにおける白馬村の人気
ウィンタースポーツが楽しめる観光地として注目を集める長野県の「白馬村」は、近年オーストラリア人観光客の増加が目覚ましく、本調査におけるオーストラリアのランキングでも「白馬村」が検索キーワードの1位にランクインしています。
時差がほとんどなく、オーストラリアの夏場にウィンタースポーツを楽しめるという利便性に加え、2013年ごろから白馬村観光局が中心となり、現地旅行博への参加や旅行代理店との連携など、本格的なプロモーション活動を展開した結果、2018年以降オーストラリアからの観光客が急増しました。また、2023年の訪日オーストラリア人観光客数は既にコロナ禍以前の水準に達しており、白馬村でも引き続きオーストラリア人観光客の増加が見込まれています。
訪日オーストラリア人観光客数推移
[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/34654/139/34654-139-b40ba3404751bd25fd089ea73008daf6-1714x1081.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
出展:日本政府観光局(JNTO)の日本の観光統計データ(※4)を参考にアウンコンサルティングで加工
【白馬村】外国人観光客延宿泊者数の推移
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/34654/139/34654-139-f7a89f358cef1ef59a9aa8a1f7e176e2-989x497.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
出典:白馬村役場 令和5年 外国人観光客延宿泊者数統計データ(※54)を参考に、アウンコンサルティングで加工
・オーストラリア人に聞く白馬村の魅力
当社におけるオーストラリア出身の関係者へ、「白馬村」の魅力や人気の理由について質問をしたところ、魅力のポイントとしてまず挙げられたのは、高い雪質でのスノーボードが楽しめる点でした。オーストラリアではサーフィンも人気で、サーフィン好きな人々はスノーボードも好む傾向があり、そのような人々にとっては白馬村が日本旅行の定番となり、東京や大阪などの主要都市には行かず、白馬村だけを訪れるオーストラリア人も多いとの事です。
また、日本の魅力に惹かれたオーストラリア人が、白馬村で旅館や飲食店などを経営するようになった例も多くあり、「Hakuba International Business Association (HIBA)」というオーストラリア人を中心とした外国人事業者によって構成された商工コミュニティによる、白馬村の国内外へのプロモーション活動や、多言語パンフレットの作成、標識の設置といったインフラ整備などの様々な貢献によって、オーストラリア人をはじめとした訪日旅客者にとって快適な環境が整っていることも人気の理由とのことです。
白馬村は、スノーボードやスキーを楽しむことができるだけでなく、日本の文化や自然に触れながら、訪日旅客者がリラックスできる魅力的な場所と言えます。白馬村の国際的な観光地としてのさらなる発展に今後も注目です。
■アニメを通じた日本への興味
「日本へようこそエルフさん。」というキーワードが、マレーシア、フィリピン、サウジアラビア、アメリカ、イギリス、カナダ、オーストリアの7カ国でそれぞれランクインしました。「日本へようこそエルフさん。」とは、2017年2月から連載されているオンライン小説が原作で、2025年1月10日より日本で放送が開始されているアニメ作品です。このアニメは、異世界から現代日本にやってきたエルフの少女と日本人サラリーマンの物語であり、作中では日本の文化や観光地が魅力的に描かれるシーンが多くあることが特徴です。
マレーシアのランキングでは、同時に「上野公園」というキーワードもランクインしており、これはアニメのプロモーション動画内に登場する上野公園の「不忍池辯天堂」が影響していると考えられ、アニメ作品が実際の旅行計画や訪日観光のプロモーションにも寄与していると言えます。このアニメに限らず、舞台となった場所を訪れる「聖地巡礼」はファンの間で人気を集めており、観光地への関心を高める一因となります。
また、世界中のアニメファンは、SNSやオンラインコミュニティを通じて迅速に情報の収集や共有を行っており、本調査のランキングにおいても、放送開始直後から各国で注目を集めた事が明らかになっています。特に、「聖地巡礼」は地域経済の活性化にもつながるため、今後もアニメファンの情報共有を効果的に活用し、アニメや漫画を通じた日本文化の発信は、訪日観光の促進に大きな役割を果たすと考えられます。
訪日観光の今後
トラベルボイス株式会社が2025年1月に公開した、日本政府観光局(JNTO)理事長の蒲生篤実氏の年頭所感(※6)によると、2025年の方針として、主に地方誘客への取り組みが述べられています。特に「日本国際博覧会(大阪・関西万博)」をきっかけとした地方誘客にも積極的に取り組むとされており、今後は各地域や事業者においても、地域固有の観光資源の磨き上げや、案内表示、パンフレット、ウェブサイトにおける多言語対応の強化、SNSを活用したプロモーション活動への対応などが引き続き重要であり、これらの取り組みを通じた観光産業のさらなる発展に期待です。
世界の観光動向は、国際的な出来事やトレンドによって大きく影響を受けるため、日本の観光業界が多様なニーズに応えるために、世界情勢をリアルタイムにキャッチアップし、魅力的な観光資源を提供をし続けることが求められます。今後も引き続き、訪日外国人の増加による日本国内における各都市や地方の発展と、訪日旅客者の動向に注目です。
本調査レポートの完全版では、調査対象の各国・地域における訪日旅行関連の急上昇検索キーワードランキングを掲載しております。詳しくは、アウンコンサルティングウェブサイトをご覧ください。
詳細を見る
■調査概要
【調査主旨】
世界39カ国・地域における、訪日旅行関連の冬期の急上昇検索キーワードと動向調査
【調査要綱】
・対象国・地域: OECD加盟主要国を中心に当社にて抽出した39カ国・地域
・検索キーワード順位データ:Googleトレンド https://trends.google.co.jp/trends/
<データ取得条件>
[検索キーワード]:「日本」を各国の公用語で設定
※日本に関する検索を行う際に、英語を用いる事がある以下の国については、
キーワードに「Japan」を設定して調査しております。
(アラブ首長国連邦、インド、カナダ、サウジアラビア、エジプト)
[調査対象期間]:2024/11/06〜2025/02/05
[カテゴリ]:旅行
[取得データ]:「注目」の検索クエリで上位10件を取得
・調査実施期間:2025年2月13日〜2025年3月6日
・Googleトレンドの集計に関する詳細:Googleトレンドのデータに関するよくある質問(https://support.google.com/trends/answer/4365533?hl=en)
【出典】
(※1) エクスペディア・グループ - 2025年の旅行トレンド「Unpack ’25」 , https://www.expedia.co.jp/unpack-travel-trends/
(※2) 株式会社ナビタイムジャパン - プレスリリース(2024年3月5日) - 訪日外国人旅行者が訪れる冬の人気急上昇エリアを分析, https://corporate.navitime.co.jp/topics/pr/202403/05_5713.html
(※3) 犬山市観光戦略【概要版】 (2024年10月24日) , https://www.city.inuyama.aichi.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/008/650/gaiyou.pdf
(※4) 日本政府観光局(JNTO) - 国籍/月別 訪日外客数(2003年〜2025年), https://www.jnto.go.jp/statistics/data/_files/20250219_1615-4.pdf
(※5) 白馬村役場 - 令和5年 外国人観光客延宿泊者数統計データ , https://www.vill.hakuba.lg.jp/material/files/group/7/gaikokujinnsyukuhakutoukei_R5.pdf
(※6) トラベルボイス株式会社 - ニュース(2025年01月01日) - 【年頭所感】日本政府観光局 理事長 蒲生篤実氏 ―2025年は観光立国推進基本計画の最終年度、積極的に地方誘客に取り組む , https://www.travelvoice.jp/20250101-156825
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