中等度から重症の尋常性乾癬治療における48週時点でのPASI90達成において、セクキヌマブに対するグセルクマブの優越性を示す第3相試験の新データを発表
[18/12/19]
提供元:PRTIMES
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本資料は、米国ジョンソン・エンド・ジョンソングループの医薬品部門であるヤンセン社が2018年12月12日(米国時間)に発表したプレスリリースの一部を日本語に翻訳し、12月19日、皆さまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容および解釈については英語が優先します。本資料全文(英文)は、https://www.janssen.com/news/news-releasesをご参照下さい。
主要評価項目である48週目時点でPASI 90を達成した患者さんの割合は、セクキヌマブ投与群では70.0%であったのに対し、グセルクマブ投与群では84.5%であった
ECLIPSE試験は、IL-23阻害薬グセルクマブと、市場の主流であるIL-17阻害薬セクキヌマブの有効性を比較する最初の第3相直接比較試験である
ペンシルベニア州ホーシャム(2018年12月12日) – ジョンソン・エンド・ジョンソングループの医薬品部門であるヤンセン ファーマシューティカル カンパニーズ(以下、ヤンセン)は、中等度から重症の尋常性乾癬を有する成人患者さんの治療における48週目時点に評価された主要評価項目において、グセルクマブがセクキヌマブより優れていたことを示すECLIPSE試験の結果を発表しました。多施設、無作為化、二重盲検の第3相直接比較試験によるデータは、グセルクマブで治療を受けた患者さんの84.5%が、48週目にPASI 90(乾癬の面積および重症の指標で90%以上の改善)を達成したのに対し、セクキヌマブで治療を受けた患者さんでは70.0%であったことを示しました(p<0.001)。
12月12〜15日にウィーンで開催された第3回炎症性皮膚疾患サミット(the 3rd Inflammatory Skin Disease Summit)で発表されたこれらのデータは、インターロイキン(IL)-23標的生物学的製剤(グセルクマブ)をIL-17阻害薬(セクキヌマブ)と直接比較する試験から得られた最初の結果でした。ECLIPSE試験は、ヤンセンにとって4番目となる尋常性乾癬を対象としたグセルクマブの第3相試験であり、関節症性乾癬とクローン病を対象に進めている3件の第3相試験も含めた包括的な臨床開発プログラムの一部を構成するものです。
ECLIPSE試験には、多重比較を管理するために固定順序法を用いた6つの主要な副次評価項目が設定され、短期的および長期的解析の双方が含まれました。最初の主要な副次評価項目である12週目と48週目の双方でPASI 75を達成した患者さんの割合は、グセルクマブで84.6%となり、80.2%であったセクキヌマブに対する非劣性を示したものの(p<0.001)、優越性は示しませんでした(p=0.062)。最初の主要な副次評価項目において優越性を示さなかったことから、これ以降すべての主要な副次評価項目におけるp値は名目上の値が考慮されました。
残りの主要な副次評価項目のうちの3つは48週目での有効性の評価で、PASI 100および医師による全般的評価(IGA)スコア「0(皮膚病変なし)」、または「0または1(皮膚病変なしまたは軽微)」を評価するものでした。48週時点で、グセルクマブ投与群の58.2%がPASI 100を達成したのに対し、セクキヌマブ投与群ではこの割合が48.4%でした。また、グセルクマブ投与群の 62.2%がIGAスコア0を達成したのに対し、セクキヌマブ投与群では50.4%でした。さらに、グセルクマブ投与群の85.0%がIGAスコア0または1を達成したのに対し、セクキヌマブ投与群では74.9%という結果が得られました(すべての比較で名目上のP値≤ 0.001)。
残りの主要な副次評価項目は、12週目においてセクキヌマブに対するグセルクマブの非劣性を評価するものでした。12週目でPASI 75を達成した患者さんの割合は、グセルクマブで89.3%、セクキヌマブで91.6%(非劣性についてp<0.001)、12週目でPASI 90を達成した患者さんの割合は、グセルクマブで69.1%、セクキヌマブで76.1%(非劣性についてp=0.127)でした。
「長期的反応の曲線は、グセルクマブ治療の最大の反応率が6か月後に達成され、これが1年間にわたり持続したことを示しており、本試験の主要評価項目における優越性が達成されました。」と治験総括医師である、ダウハウジー大学医学部臨床皮膚学および皮膚科学部門教授であるRichard Langley 医師(FRCPC)は述べています。「本試験結果では、セクキヌマブで効果の発現がやや速いことが確認されましたが、重要なことは、乾癬のような慢性疾患において、これらの結果が長期的な有効性の比較に新しい見識を提供するということです。」
44週目までに、グセルクマブ治療群に無作為化された 27例(5.1%)の患者さんが治療を中止したのに対し、セクキヌマブ治療群に無作為化された患者さんのうち中止となったのは48例(9.3%)でした。
ECLIPSE試験においてグセルクマブとセクキヌマブで確認された安全性プロファイルは、それぞれの治験で確認されていた既存の安全性プロファイルおよび現在の処方情報と一致したものでした。グセルクマブとセクキヌマブの投与を受けた患者さんのうち同程度の割合(それぞれ77.9%と81.6%)で少なくとも1件の有害事象が報告されました。重篤な有害事象はグセルクマブ投与を受けた患者さんの6.2%、セクキヌマブ投与を受けた患者さんの7.2%で報告されました。重篤な感染症はグセルクマブ投与を受けた患者さん6例、セクキヌマブ投与を受けた患者さん5例にみられました。
「患者さんにとって幸運なことに、今日では尋常性乾癬に対して利用できる優れた治療選択肢がたくさんあります。しかし、これらの選択肢の中から患者さんに対して最善の提案を行うために、安全性と有効性の長期的な比較データを必要とします。臨床での使用の指標となりうる今回の重要な試験を行ったこと、そして最初のIL-23阻害薬であるグセルクマブの強固な臨床情報データベースを今後も構築し続けていくことを、私たちは誇らしく思っています。」とヤンセン・リサーチ・アンド・ディベロップメント社の免疫領域部門 開発責任者であるNewman Yeilding医師は述べています。
ECLIPSE試験について
この第3相、多施設、無作為化、二重盲検、実薬対照比較臨床試験は、中等症から重症度の尋常性乾癬を有する成人を対象として、グセルクマブの有効性および安全性をセクキヌマブとの比較で評価することを目的としてデザインされました。患者さん(1048例)を無作為化し、0、4および12週目に皮下注射によってグセルクマブ100mgを投与、その後引き続き8週ごとに投与する群、または0、1、2、3、4週目に皮下注射によってセクキヌマブ300 mgを投与、その後引き続き4週ごとに投与する群に割り付けました。本試験の主要評価項目は、48週目の時点でPASI 90を達成した患者さんの割合としました。副次評価項目を12および48週目で評価し、56週目まで安全性モニタリングを実施しました。
乾癬について
乾癬は、皮膚細胞の異常増殖をきたす慢性の免疫疾患で、隆起した炎症性の赤みを帯びた皮疹や銀白色の細かいかさぶたに覆われたような鱗屑(りんせつ)が特徴で、一部の患者さんは関節の腫れや痛みを引き起こすこともあります。世界で約1億2,500万人、日本では約50〜60万人1,2の患者さんがいるとされ、近年増加傾向にあります3。
グセルクマブについて
グセルクマブは、ヤンセンが開発したヒト型モノクローナル抗体であり、乾癬の病態形成に関与するIL-23を選択的に阻害します。米国、カナダ、欧州等において、中等症から重症の尋常性乾癬に対する治療薬として承認されています。日本においては、2018 年5 月、既存治療で効果不十分な尋常性乾癬、関節症性乾癬、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症を適応症としてトレムフィア皮下注100 mgシリンジの販売名で販売を開始しました。2018 年11月には、既存治療で効果不十分な掌蹠膿疱症の効能・効果の追加に係る製造販売承認事項一部変更承認を取得しました。
活動期の関節症性乾癬の治療においてグセルクマブを評価する2件の第3相臨床試験およびクローン病を対象とした1件の第2/3相試験が進行中です。
安全性情報について
グセルクマブの安全性に関する情報は、プレスリリース原文(英語)を参照ください。
https://www.janssen.com/new-phase-3-data-demonstrate-superiority-tremfyar-guselkumab-vs-cosentyxr-secukinumab-delivering
参考文献
1 Kubota K. et al. BMJ Open. 2015 Jan 14;5(1)
2 照井正 他:臨床医薬, 30:279, 2014.
3 T. Ito et al; J Dermatol. 2018 Mar;45:293-301
ヤンセンについて
ジョンソン・エンド・ジョンソングループの医薬品部門であるヤンセンは、病気のない世界を実現するために日々努力しています。今までにない、より良い方法で疾患を予防・撲滅・治療・治癒し、人々の命に貢献することが私たちの望みです。そして、常に患者さんのことを考え、最も有望なサイエンスを追及しています。私たちヤンセンは、人々の希望と命を明日につなぐため、世界中とコラボレーションしています。さらに詳しい情報はwww.janssen.com/japanをご覧ください。
主要評価項目である48週目時点でPASI 90を達成した患者さんの割合は、セクキヌマブ投与群では70.0%であったのに対し、グセルクマブ投与群では84.5%であった
ECLIPSE試験は、IL-23阻害薬グセルクマブと、市場の主流であるIL-17阻害薬セクキヌマブの有効性を比較する最初の第3相直接比較試験である
ペンシルベニア州ホーシャム(2018年12月12日) – ジョンソン・エンド・ジョンソングループの医薬品部門であるヤンセン ファーマシューティカル カンパニーズ(以下、ヤンセン)は、中等度から重症の尋常性乾癬を有する成人患者さんの治療における48週目時点に評価された主要評価項目において、グセルクマブがセクキヌマブより優れていたことを示すECLIPSE試験の結果を発表しました。多施設、無作為化、二重盲検の第3相直接比較試験によるデータは、グセルクマブで治療を受けた患者さんの84.5%が、48週目にPASI 90(乾癬の面積および重症の指標で90%以上の改善)を達成したのに対し、セクキヌマブで治療を受けた患者さんでは70.0%であったことを示しました(p<0.001)。
12月12〜15日にウィーンで開催された第3回炎症性皮膚疾患サミット(the 3rd Inflammatory Skin Disease Summit)で発表されたこれらのデータは、インターロイキン(IL)-23標的生物学的製剤(グセルクマブ)をIL-17阻害薬(セクキヌマブ)と直接比較する試験から得られた最初の結果でした。ECLIPSE試験は、ヤンセンにとって4番目となる尋常性乾癬を対象としたグセルクマブの第3相試験であり、関節症性乾癬とクローン病を対象に進めている3件の第3相試験も含めた包括的な臨床開発プログラムの一部を構成するものです。
ECLIPSE試験には、多重比較を管理するために固定順序法を用いた6つの主要な副次評価項目が設定され、短期的および長期的解析の双方が含まれました。最初の主要な副次評価項目である12週目と48週目の双方でPASI 75を達成した患者さんの割合は、グセルクマブで84.6%となり、80.2%であったセクキヌマブに対する非劣性を示したものの(p<0.001)、優越性は示しませんでした(p=0.062)。最初の主要な副次評価項目において優越性を示さなかったことから、これ以降すべての主要な副次評価項目におけるp値は名目上の値が考慮されました。
残りの主要な副次評価項目のうちの3つは48週目での有効性の評価で、PASI 100および医師による全般的評価(IGA)スコア「0(皮膚病変なし)」、または「0または1(皮膚病変なしまたは軽微)」を評価するものでした。48週時点で、グセルクマブ投与群の58.2%がPASI 100を達成したのに対し、セクキヌマブ投与群ではこの割合が48.4%でした。また、グセルクマブ投与群の 62.2%がIGAスコア0を達成したのに対し、セクキヌマブ投与群では50.4%でした。さらに、グセルクマブ投与群の85.0%がIGAスコア0または1を達成したのに対し、セクキヌマブ投与群では74.9%という結果が得られました(すべての比較で名目上のP値≤ 0.001)。
残りの主要な副次評価項目は、12週目においてセクキヌマブに対するグセルクマブの非劣性を評価するものでした。12週目でPASI 75を達成した患者さんの割合は、グセルクマブで89.3%、セクキヌマブで91.6%(非劣性についてp<0.001)、12週目でPASI 90を達成した患者さんの割合は、グセルクマブで69.1%、セクキヌマブで76.1%(非劣性についてp=0.127)でした。
「長期的反応の曲線は、グセルクマブ治療の最大の反応率が6か月後に達成され、これが1年間にわたり持続したことを示しており、本試験の主要評価項目における優越性が達成されました。」と治験総括医師である、ダウハウジー大学医学部臨床皮膚学および皮膚科学部門教授であるRichard Langley 医師(FRCPC)は述べています。「本試験結果では、セクキヌマブで効果の発現がやや速いことが確認されましたが、重要なことは、乾癬のような慢性疾患において、これらの結果が長期的な有効性の比較に新しい見識を提供するということです。」
44週目までに、グセルクマブ治療群に無作為化された 27例(5.1%)の患者さんが治療を中止したのに対し、セクキヌマブ治療群に無作為化された患者さんのうち中止となったのは48例(9.3%)でした。
ECLIPSE試験においてグセルクマブとセクキヌマブで確認された安全性プロファイルは、それぞれの治験で確認されていた既存の安全性プロファイルおよび現在の処方情報と一致したものでした。グセルクマブとセクキヌマブの投与を受けた患者さんのうち同程度の割合(それぞれ77.9%と81.6%)で少なくとも1件の有害事象が報告されました。重篤な有害事象はグセルクマブ投与を受けた患者さんの6.2%、セクキヌマブ投与を受けた患者さんの7.2%で報告されました。重篤な感染症はグセルクマブ投与を受けた患者さん6例、セクキヌマブ投与を受けた患者さん5例にみられました。
「患者さんにとって幸運なことに、今日では尋常性乾癬に対して利用できる優れた治療選択肢がたくさんあります。しかし、これらの選択肢の中から患者さんに対して最善の提案を行うために、安全性と有効性の長期的な比較データを必要とします。臨床での使用の指標となりうる今回の重要な試験を行ったこと、そして最初のIL-23阻害薬であるグセルクマブの強固な臨床情報データベースを今後も構築し続けていくことを、私たちは誇らしく思っています。」とヤンセン・リサーチ・アンド・ディベロップメント社の免疫領域部門 開発責任者であるNewman Yeilding医師は述べています。
ECLIPSE試験について
この第3相、多施設、無作為化、二重盲検、実薬対照比較臨床試験は、中等症から重症度の尋常性乾癬を有する成人を対象として、グセルクマブの有効性および安全性をセクキヌマブとの比較で評価することを目的としてデザインされました。患者さん(1048例)を無作為化し、0、4および12週目に皮下注射によってグセルクマブ100mgを投与、その後引き続き8週ごとに投与する群、または0、1、2、3、4週目に皮下注射によってセクキヌマブ300 mgを投与、その後引き続き4週ごとに投与する群に割り付けました。本試験の主要評価項目は、48週目の時点でPASI 90を達成した患者さんの割合としました。副次評価項目を12および48週目で評価し、56週目まで安全性モニタリングを実施しました。
乾癬について
乾癬は、皮膚細胞の異常増殖をきたす慢性の免疫疾患で、隆起した炎症性の赤みを帯びた皮疹や銀白色の細かいかさぶたに覆われたような鱗屑(りんせつ)が特徴で、一部の患者さんは関節の腫れや痛みを引き起こすこともあります。世界で約1億2,500万人、日本では約50〜60万人1,2の患者さんがいるとされ、近年増加傾向にあります3。
グセルクマブについて
グセルクマブは、ヤンセンが開発したヒト型モノクローナル抗体であり、乾癬の病態形成に関与するIL-23を選択的に阻害します。米国、カナダ、欧州等において、中等症から重症の尋常性乾癬に対する治療薬として承認されています。日本においては、2018 年5 月、既存治療で効果不十分な尋常性乾癬、関節症性乾癬、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症を適応症としてトレムフィア皮下注100 mgシリンジの販売名で販売を開始しました。2018 年11月には、既存治療で効果不十分な掌蹠膿疱症の効能・効果の追加に係る製造販売承認事項一部変更承認を取得しました。
活動期の関節症性乾癬の治療においてグセルクマブを評価する2件の第3相臨床試験およびクローン病を対象とした1件の第2/3相試験が進行中です。
安全性情報について
グセルクマブの安全性に関する情報は、プレスリリース原文(英語)を参照ください。
https://www.janssen.com/new-phase-3-data-demonstrate-superiority-tremfyar-guselkumab-vs-cosentyxr-secukinumab-delivering
参考文献
1 Kubota K. et al. BMJ Open. 2015 Jan 14;5(1)
2 照井正 他:臨床医薬, 30:279, 2014.
3 T. Ito et al; J Dermatol. 2018 Mar;45:293-301
ヤンセンについて
ジョンソン・エンド・ジョンソングループの医薬品部門であるヤンセンは、病気のない世界を実現するために日々努力しています。今までにない、より良い方法で疾患を予防・撲滅・治療・治癒し、人々の命に貢献することが私たちの望みです。そして、常に患者さんのことを考え、最も有望なサイエンスを追及しています。私たちヤンセンは、人々の希望と命を明日につなぐため、世界中とコラボレーションしています。さらに詳しい情報はwww.janssen.com/japanをご覧ください。