―辻調グループ2022年度留学生データ発表― 日本留学の決め手は「日本の食・文化への興味」「技術力の高さ」62.0%の留学生が日本での就職を希望
[23/02/22]
提供元:PRTIMES
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辻調理師専門学校、辻製菓専門学校(大阪市、校長:辻芳樹)には、2022年度新入学留学生が209名、進級した在校生と合わせて合計366名の留学生が在学しています。近年の新型コロナウイルス流行により、全学生の約2割を占める本校の留学生も少なからず影響を受けており、入学の延期や休学を余儀なくされていましたが、少しずつ状況が戻りつつあります。(下図参照※)
[画像1: https://prtimes.jp/i/16404/141/resize/d16404-141-30fbb5c443222b7778ed-7.png ]
留学生の在学内訳は、日本料理や西洋料理、中国料理が学べる「辻調理師専門学校」に203名、洋菓子や和菓子、製パンなどが学べる「辻製菓専門学校」に163名となります。国別では、韓国180名、中国80名、台湾49名と上位3ヶ国はこれまでと変わらず、アジア圏を中心に計12ヶ国から留学生が学びにきています。特に、インドネシア、香港からの留学生はここ2-3年で増えてきました。
※新型コロナウイルス流行により入国できず入学延期や休学になった学生の人数はカウントしていません。
2022年度の留学生を対象にアンケート調査実施
飲食業界でのキャリアを志す留学生たちが、なぜ留学先に日本を選び、どのような展望を描いているのか、辻調理師専門学校、辻製菓専門学校の留学生を対象にアンケート調査を実施しました。以前の調査結果と比較して変化も見られ、目指す料理人像やパティシエ像などについても聞くことができました。
[表: https://prtimes.jp/data/corp/16404/table/141_1_c7b8ea019ed396e3c19f5bcd6c838bac.jpg ]
TOPIC1 日本留学の決め手は「日本の食・文化への興味」「技術力の高さ」
留学先に日本を選んだ理由について、あてはまるものを選んでもらうと、例年、料理と菓子を学ぶ学生の間で、志向の違いが垣間見えます。料理を学ぶ学生は「日本の食・文化に興味」を持ち、「日本で仕事をしたい」と願う傾向が強いです。一方菓子を学ぶ学生は「日本の製菓技術のレベルの高さ」に最も魅力を感じ、「日本の菓子が好き」で留学したが、日本で仕事をするより自国での就職を望む傾向があるようです。
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TOPIC2 学びたいジャンルは「日本料理」「洋菓子」、次いで「製パン」「西洋料理」
2022年度は「製パン」の人気が上昇
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留学生が学びたい料理・菓子のジャンルは、「日本料理」が39.7%、「洋菓子」が34.0%で、次に「製パン」「西洋料理」が同率で13.4%となりました。これまで「製パン」は「西洋料理」の次に学びたいジャンルでしたが、2022年度は製パン人気が上昇し、これまでの調査から変化が見られました。特に、新入生だけの集計では、「製パン」は0.6ポイント差で「西洋料理」を上回る結果でした。
それぞれのジャンルを選択した理由として、日本料理は「1品ずつ道理があって美味しいし、見た目も調理法も深く心惹かれた」のほかに、「調理法や食材の扱い方が世界の飲食業界に大きな影響を与えている」「日本料理は世界で人気だから」「自国にも日本料理店がたくさんある」というコメントが多く、日本料理そのものに魅力を感じつつ、世界のトレンドを意識して学ぶジャンルを選択している学生も多いようです。また、洋菓子では「日本にしかない洋菓子を学びたい」や、西洋料理でも「日本と西洋が調和した料理を学びたい」などの意見が多くあり、日本版世界の料理・菓子に高い関心があることがうかがえました。人気が高まっている製パンについては「自国では西洋文化の影響で主食が米からパンに変わったから」「日本では様々な国の多種類のパンが学べると聞いた」「自国の製パン技術はまだ未熟だから日本で学びたい」などを理由にあげており、日本での学びを自国で活かそうと考える学生が多いようです。
TOPIC3 卒業後は「日本で働きたい」と希望する留学生 62.0%
「日本で働くことがキャリアアップにつながる」と考える学生が多い
卒業後の進路について聞いたところ、「日本で働きたい」と希望する留学生は62.0%で、「自国に帰って働く」という留学生24.9%とのポイント差は年々広がっています※。実際、今年3月に卒業する留学生のうち日本での就職を希望し、就職活動を行ったのは109名で、内定を獲得したのは89名です。日本で働くことを希望する理由に、「日本で働くことが将来につながると思う」「日本には優れたレストランが多いから」「技術のレベルが高い日本で仕事をしてみたい」という意見が多く、「日本のミシュラン店で働いて箔を付けたい」と意欲的な留学生もいます。また日本での生活や文化が気に入ったのでそのまま就職したいという声も多く、「日本には飲食浪漫があり、食文化の意識が高いため日本で通じる料理をしてみたい」「日本は“おもてなし”が有名なので、それを経験するために日本で就職することを決めた」というコメントもありました。
また就職先を選ぶ基準として、「自分のキャリアアップにつながる」が最も重視され、次いで「職場の人間関係」「店の知名度が高い」「シェフが魅力的である」という結果でした。「その他」の意見としては、「海外転勤の機会がある会社がいい」「他文化を受け入れる現場であってほしい」「店の料理がおいしい」などがあげられていました。
※昨年データ:「日本で働く」ことを希望する学生60.1%、「自国に帰って働く」ことを希望する学生29.6%
辻調グループ2021年度留学生アンケート調査:https://www.tsuji.ac.jp/press/news/cat890/news-letter-vol412021.html
[画像4: https://prtimes.jp/i/16404/141/resize/d16404-141-bdd8a1dbb3f614db9117-3.png ]
[画像5: https://prtimes.jp/i/16404/141/resize/d16404-141-c3778faf8478a559a848-9.png ]
TOPIC4 全体の66.2%が「将来は自分の店を開く」と回答
目指す姿は「今の自分に満足せず、いつでも自分と業界の発展のために頑張る人」
将来の展望としては、いろいろなところで修業した上でと前置きしつつ、「自分の店を開く」と答えた留学生が、料理に70.2%、菓子に61.3%いました。また目指す料理人・パティシエのイメージは、「今の自分に満足せず、いつでも自分と業界の発展のために頑張る人」「大切な人々を笑顔や幸福にでき、安全で美味しいパンを届ける職人」「ミシュラン3ッ星のシェフになってたくさんの後輩を育てていきたい、そしてたくさんの雇用を作りたい」「自分が決めた1つの料理を研究してその料理の分野で頂点に立つ」「誇りをもって働ける人」などがあげられました。
[画像6: https://prtimes.jp/i/16404/141/resize/d16404-141-82b8aaec9ae8049097cd-4.png ]
留学生のサポート体制も万全に
本校では、留学生が安心して授業に専念できるよう、生活や進路の相談、日本語能力アップの補講授業など実施し、専任スタッフが4ヶ国語でサポートを行っています。また同じ国の留学生同士でつながりが持てるように、留学生交流会を定期的に開催しています。そのなかで、2022年度は日本で就職を希望する留学生を対象に、日本で就職した先輩を招いて講話をしてもらう機会「先輩インタビュー」を実施し、就職活動において留学生ならではの苦労や対応のコツなど経験談を語ってもらいました。日本で就職を希望するものの漠然とした不安を抱いていた留学生たちにとって、先輩の生の声は大きな励みになったようで、「先輩の経験談を聞くことが出来て嬉しかったです」「日本を就職先として考え始めます」など感想を寄せてくれました。
[画像7: https://prtimes.jp/i/16404/141/resize/d16404-141-9c547d5eb694a13bae77-8.png ]
2012年からスタートした一般財団法人日本語教育振興協会 日本語学校教育研究大会主催の「日本留学AWARDS※1」は、全国の日本語学校教員が外国人留学生に勧めたい大学・専門学校に投票を行い、表彰するもので、辻調理師専門学校は2014年より8年連続入賞※2し、3度の大賞もいただきました。世界の食文化発展に貢献すべく、国内外問わず料理人育成を行う本校としては、これらの実績を糧に、これからも学生それぞれが目指す世界での活躍を願い、教育活動を行ってまいります。
※1 https://www.ryugakuawards.org/ ※2新型コロナウイルスの影響により2022年の投票は休止