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ドライアイ未診断者を特定し、その危険因子を明らかに

〜 iPhoneアプリ「ドライアイリズム(R)」を用いた医療ビッグデータによる臨床研究 〜

順天堂大学大学院医学研究科眼科学の村上 晶 教授、猪俣 武範 助教らの研究グループは、 ドライアイの症状はあるが、未だに診断を受けず症状に苦しんでいる「ドライアイ未診断者」の特徴を明らかにしました。本研究では、リサーチキット(ResearchKit)*1を用いたiPhoneアプリケーション「ドライアイリズム(R)?」*2を開発・運用し、クラウド型大規模臨床研究*3を実施しました。その結果、ドライアイ未診断者では「若年齢、男性、膠原病・精神疾患・眼手術の既往がないこと、コンタクトレンズの装用経験がないこと」などが危険因子であることが明らかになりました。この成果は「症状はあるがドライアイの診断に至っていない」ドライアイ未診断者に対して早期の予防および効果的な介入につながる可能性があります。本研究は米国医師会の眼科学雑誌JAMA Ophthalmology (2019年11月27日付) オンライン版に掲載されました。




本研究成果のポイント


iPhoneアプリケーション「ドライアイリズム(R)?」によるクラウド型大規模臨床研究を実施した
4,454名の医療ビッグデータを検証し、53.8%(2,395名)のドライアイ未診断者を特定した
ドライアイ未診断者では、若年齢、男性、膠原病・精神疾患・眼手術歴の既往がないこと、コンタクトレンズの装用経験がないことが危険因子であることが明らかになった


背景
ドライアイは本邦で2,000万人以上が罹患するとされる最も多い眼疾患の一つであり、超高齢社会、デジタル作業の増加などにより今後も増えることが予想されています。ドライアイに罹患すると、眼不快感、眼精疲労、視機能低下により生活の質(QOL)や仕事の生産性を低下させることがわかっています。しかし、これまでの当研究グループの調査*4から、症状は有するがドライアイと診断されず、症状に苦しんでいるドライアイ未診断者が多くいることが明らかになっていました。そこで、本研究ではドライアイ未受診者の特徴を明らかにすることを目的に、アプリで収集したデータをもとに大規模臨床研究による調査を実施しました。

内容
今回の研究では、 iPhoneアプリ「ドライアイリズム(R)?」を2016年11月から2018年1月の間(1年2か月)にダウンロードした本邦のユーザーを対象に、ドライアイの自覚症状と参加者の基本情報、病歴、生活習慣などとの関連を解析し、ドライアイ未診断者の危険因子を導出いたしました。ドライアイの自覚症状の評価には、ドライアイ疾患特異的問診票であるOcular Surface Disease Index (OSDI)*5を使用し、OSDIのスコアが13点以上をドライアイ症状ありと定義しました。また、「ドライアイ症状あり(OSDI13点以上)」かつ「過去にドライアイの診断なし」と回答した参加者をドライアイ未診断群と定義しました。
ドライアイリズム(R)?は上記の対象期間に18,891回ダウンロードされ、21,394の個別医療ビッグデータを収集しました。そのうち、基本情報、病歴、生活習慣、OSDIなどに回答した4,454名を本研究の対象としました。ドライアイリズム(R)?では、年齢、性別などの基本情報と、高血圧、糖尿病、血液疾患、脳疾患、心疾患、腎疾患、肝疾患、悪性腫瘍、呼吸器疾患、花粉症、精神疾患、眼手術歴などの病歴、コーヒー摂取量、コンタクトレンズ装用の有無、点眼使用の有無、モニターを見る時間、睡眠時間、喫煙、飲水量などの生活習慣、抑うつ症状との関連を調査しました。
分析の結果、4454名の研究対象者のうち、53.8%(2,395名)がドライアイ症状はあるがドライアイと診断されていない「ドライアイ未診断者」として特定しました(図1)。さらに、ドライアイ未診断者の危険因子として「若年齢、男性、膠原病・精神疾患・眼科手術・コンタクトレンズの装用がないこと」が明らかになりました(図2)。
[画像1: https://prtimes.jp/i/21495/144/resize/d21495-144-210265-0.jpg ]

図1: ドライアイ未診断者の割合
ドライアイ症状ありは3,294名(74.0%)であり、そのうち過去にドライアイと診断ありと回答した人は899名(27.3%)であった。その結果53.8%(2,395/4,454)の人はドライアイの症状があるのに、ドライアイと診断されていないドライアイ未診断者であることが明らかになった。

[画像2: https://prtimes.jp/i/21495/144/resize/d21495-144-544473-2.jpg ]

図2: 本研究で明らかになったドライアイ未診断者の危険因子
年齢は1歳増える毎に0.96倍、女性は男性と比較して0.55倍、膠原病ありは0.23倍、精神疾患の既往ありは0.50倍、眼手術の既往ありは0.41倍、コンタクトレンズの装用歴はコンタクトレンズ非装用者と比較して現在装用が0.64倍、過去に装用が0.45倍、喫煙習慣ありは1.53倍、ドライアイ未診断者であることが明らかになった。
なお、オッズ比は、ある事象の起こりやすさを2つの群で比較して示す統計学的な尺度である。オッズ比が1とは、ある疾患への罹りやすさが両群で同じということであり、1より大きいとは、疾患への罹りやすさがある群でより高いことを示す。

今後の展開
本研究から、ドライアイ未診断者の危険因子が明らかになりました。これにより、症状はあるがドライアイの診断に至っていない「ドライアイ未診断者」に対して早期の予防および効果的な介入につながる可能性があります。また、発展的には、人工知能を用いた個別のドライアイの発症予測アルゴリズムの創出につなげたいと考えています。 これにより将来のスマートフォンアプリを使った個別医療や先制医療に資することが可能になります。
また、ドライアイリズムは、さらなるドライアイの啓発と予防のため、アンドロイド版の開発およびPPI *6によるスマホアプリのアップデートを行う予定です。

≪参考情報≫
順天堂大学が開発・公開しているiPhoneアプリ
https://www.juntendo.ac.jp/university/research/research_news/researchkit/

用語解説
*1 リサーチキット (ResearchKit): 2015年12月にApple社からiPhone用のアプリケーション作成のためのプラットフォームとしてリリースされた医学研究のためのオープンフレームワーク。同意取得、質問・調査およびActive Tasksなどの3つのモジュールで構成されており、それらを組み合わせて使うことが可能である。
*2 ドライアイリズム(R): 2016年11月に順天堂大学眼科がリサーチキットを用いて作成したiPhone用アプリケーションである。まばたき測定、OSDI質問紙票からドライアイ指数の算出が可能である。ドライアイの自覚症状とライフスタイルをアプリ上で表示することが可能である。
*3 クラウド型大規模臨床研究: クラウドとはクラウドコンピューティングの略で、インターネットなどコンピューターネットワークを経由して、サービスを提供する方法である。クラウド型大規模臨床研究とは、実際の問診票や質問紙票を持たなくても、インターネットを通じて大規模に行う研究を指す。
*4 Inomataら、Risk Factors for Severe Dry Eye Disease: Crowdsourced Research Using DryEyeRhythm. Ophthalmology. 2019;126(5):766-8.
*5 Ocular Surface Disease Index (OSDI) : ドライアイ特異的質問紙票で12項目からなる。4段階で各項目を解答し、その結果から100点満点のOSDI総合スコアを算出することが可能である。OSDI総合スコアから正常: 0-12点、軽症: 13-22点、中等症: 23-32点、重症: 33-100点と分類することが可能である。
*6 PPI (医学研究における患者・市民参画, Patient and Public Involvement) : 医学研究・臨床研究プロセスの一環として、研究者が患者・市民の知見を参考にすること。順天堂大学では花粉症アプリ「アレルサーチ」においてPPIを取り入れた研究をすでに開始している (http://allergy-search.com/ppi/)。

原著論文
タイトル: 「Characteristics and Risk Factors Associated With Diagnosed and Undiagnosed Symptomatic Dry Eye Using a Smartphone Application」
タイトル(日本語訳) : ドライアイ未診断者の特徴とリスク因子の同定:ドライアイリズムを用いたクラウド型大規模臨床研究
著者: Inomata T1, Iwagami M2, Nakamura M3, Shiang T4, Yoshimura Y1, Fujimoto K1, Okumura Y1, Eguchi A1, Iwata N1, Miura M1, Hori S1, Hiratsuka Y1, Uchino M5, Tsubota K5, Dana R6, Murakami A1
著者(日本語表記): 猪俣武範1、岩上将夫2、中村正裕3、Shiang Tina4、吉村祐輔1 、藤本啓一1 、奥村雄一1 、江口敦子1 、岩田七奈美1 、三浦真里亜1 、堀 賢1 、平塚義宗1 、内野美樹5 、坪田一男5 、Dana Reza6、村上 晶1
著者所属: 順天堂大学1 、筑波大学2、東京大学3、マサチューセッツ大学4、慶應義塾大学5、ハーバード大学6
掲載誌: JAMA Ophthalmology
DOI : https://doi.org/10.1001/jamaophthalmol.2019.4815

本研究は、株式会社シード、日本アルコン株式会社、ロート製薬株式会社、HOYA株式会社、わかもと製薬株式会社の助成を受け実施されました。しかし、研究および解析は研究者が独立して実施しており、助成元が本研究結果に影響を及ぼすことはありません。
本研究にご協力いただいた参加者の皆様に深謝いたします。
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