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世界基金増資会合で示された資金調達額をうけて

世界エイズ・結核・マラリア対策基金(世界基金)の増資会合が、12月3日まで米国ワシントンDCで開催され、今後3年間の資金として、目標最低額の150億米ドルを下回る総額120億米ドルの拠出金を受領したことが発表された。国境なき医師団(MSF)は以下のコメントを発表し、今回の資金調達額について懸念を表明する。

「一部の資金拠出国などからの融資増はあったものの、世界基金の調達額は、世界的なエイズ、結核、マラリア予防・治療拡大のための目標最低額を30億ドルも下回りました。こうした感染症を抱えて生きる人びとがいる一方で、拠出国が手をこまねき、病気の拡大を抑制する機会を逃してはなりません。米国が他の拠出国の出資額に応じた融資(他国の拠出額2ドルにつき1ドルを最大50億ドルまで拠出)を確約した今こそが好機なのです。これからも治療を受けられる人の数を増やしていかなければなりませんが、ドイツ、欧州委員会、オランダの例に見たように、横ばいや微増の資金では達成できないでしょう。

MSFも日々の医療プログラムで、治療が人命救助に果たす効果を目のあたりにし、HIVと結核の感染を抑制することも把握しています。今は拠出国・ドナーが減速するときではありません。拠出国と感染症まん延国の双方が救命治療の拡大を加速すべき時なのです。

そのためにも世界基金には、良質な医薬品を可能な限りの最低額で調達し、最大多数の人に最速で治療が届くよう尽力が望まれます」。

シャロナン・リンチ
MSF必須医薬品キャンペーンHIV・結核政策顧問
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