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スーパーゼネコン5社の技術を分析!建設業界の新規事業・事業拡大のチャンスはここにある(前編)

〜今、成長が期待される有望市場と注目すべき技術を解説〜




[表1: https://prtimes.jp/data/corp/7141/table/151_1.jpg ]


 
 日本の大手総合建設会社、いわゆる“ゼネコン”の技術を俯瞰し、中長期的な成長が期待される有望成長領域に関連する保有技術の分析を試みました。そして、該当する有望成長領域における世界の有力なプレイヤーと注目される技術をピックアップし、ゼネコンの持つ技術の応用展開可能性を検討します。さらに、当該技術分野において多額の資金を得ている研究費(グラント)とベンチャー企業を紹介し、新規事業や事業拡大の可能性を示します。
 本レポートではゼネコンの保有技術俯瞰と注目分野1つの分析結果を、続く後編のレポートにて注目分野2つの分析結果をご紹介いたします。
1.ゼネコンの保有技術を俯瞰する

今回は、「スーパーゼネコン」とも称される、ゼネコン大手五社(鹿島建設、大林組、清水建設、大成建設、竹中工務店)が2001年1月1日以降に出願した、22,675件の特許を分析しました。
まず、この2万件あまりの特許を、国際特許分類(International Patent Classification: 以下IPC)を参考に以下の技術領域に分類しました。

(1)建設、土木、建造物
建築構造・部品・工法のほかに、護岸・岸壁・地下・岩石の工事、上下水道に関連する技術が含まれます。
(2)情報処理、制御、測定
計算機、データ処理といった、いわゆる「デジタル化」に関わる技術がこの領域に含まれます。測定に関しては、土質やコンクリート強度の測定技術が多く特許出願されています。
(3)物理的な加工・成形(工作機械等)
廃棄物処理や汚染土壌の処理に関わる特許が多く出願されています。クレーンやベルトコンベアなど運搬装置の技術が続きますが、廃棄物処理に関わる出願数の半分程度にとどまります。
(4)照明、空調
ゼネコンによるこの領域での出願特許のうち、空調の技術が7割以上です。
(5)機械(エンジン・タービン等)、機械部品
この領域での特許出願では、機械部品、なかでも緩衝・振動減衰技術に関わるものが多くなっています。建築物の免震機構に関係する技術を多く保持していることがわかります。
(6)運輸(車両・船舶・航空機等)
(7)材料工学(化学・金属)
(8)農業・食料
(9)その他

図1 スーパーゼネコン出願特許の分類
[画像1: https://prtimes.jp/i/7141/151/resize/d7141-151-927968-0.jpg ]



2.2025年の有望成長領域 ―中長期の成長が期待される有望市場
 アスタミューゼでは、世界80ヵ国以上の新事業、新製品/サービス、新技術/研究、特許情報などを元に構築した約2億件のイノベーションキャピタルデータベースを先端分野のアナリストが分析し、今後10年から20年のスパンで大きく成長が見込まれる有望な市場“未来を創る2025年の有望成長領域136”を独自の目利きで分類、定義しています。


[表2: https://prtimes.jp/data/corp/7141/table/151_2.jpg ]



3.注目技術分野1. “地下大空間・地下構造物”
最も多くの特許が出願されている「建設・土木・建造物」は、ゼネコンの業務内容と最も近い技術領域と言えます。この領域の出願特許を更に詳しく分類すると、「建築構造、足場」に関わるものが過半数を占め、これに次ぐ「基礎工事、河川・海岸の工事」、「地下・岩石の工事(トンネル・坑道、採鉱等)」をあわせた3領域で、「建設・土木・建造物」に関する特許をほとんど(97%以上)カバーしています。

図2 有望成長領域“地下大空間・地下構造物”におけるスーパーゼネコン出願特許
[画像2: https://prtimes.jp/i/7141/151/resize/d7141-151-758031-1.jpg ]

 今回は「地下・岩石の工事(トンネル・坑道、採鉱等)」の技術に注目します。この技術はアスタミューゼが選定している2025年の有望成長領域のうち”地下大空間・地下構造物”との関連が深いと考えられます。この領域における世界の特許、研究費(グラント)、ベンチャー事業者を分析します。

 3-1. 特許に見る有望プレイヤーと技術動向
“地下大空間・地下構造物”の技術分野において、2009年以降に日、米、欧州で出願された特許と国際出願された特許、3,668件の分析を行いました。

表1 有望成長領域”地下大空間・地下構造物”の特許出願数ランキング
[画像3: https://prtimes.jp/i/7141/151/resize/d7141-151-841626-2.jpg ]

 出願数で見ると、上位10社のうち8社が日本企業、さらに6社がゼネコンで占められています。5位のSANDVIK ABはスウェーデン・ストックホルムに本部を置き、切削工具など各種産業向けのエンジニアリングツールや、ステンレス鋼帯などの金属材料を製造・販売する多国籍企業です。7位の林物産発明研究所は茨城県日立市にあり、芝生保護材や雨水貯留浸透槽を製造販売しています。

 アスタミューゼでは、独自に開発した特許の許価値評価ロジックを考案しています。この手法を用いて、”地下大空間・地下構造物”分野の出願特許の一つ一つをスコアリングしました。

表2 アスタミューゼ独自の特許価値評価ロジックによるハイスコア特許top5
(有望成長領域”地下大空間・地下構造物”)
[画像4: https://prtimes.jp/i/7141/151/resize/d7141-151-123558-3.jpg ]

 ハイスコアを得た上位5件の出願 のうち2件が、地下に構造物を形成する際に必要となる素材、1件は地下構造物の健全性(シーリングの状況)の監視に関わる技術です。地下構造物に水などの侵入を防ぎ、気密水密性を保つための技術が高く評価されていると言えます。

 3-2.研究費(グラント)、ベンチャービジネスの状況
 これまで見てきた知財/特許は、おもに企業による研究開発の成果を示していて、当該分野の将来を見通すには必ずしも向いていません。これに対して、ベンチャービジネスへの投資は、資金調達時から数年程度、研究費(グラント)は、資金配分から数年以上先の技術開発可能性の指標となると考えられます。アスタミューゼでは、世界各国の研究テーマ、ベンチャービジネスへの投資情報等のデータベースを保有し、研究段階からビジネス活用段階まで、それぞれの期待回収時期から、当該分野の未来を展望することができます。

図3 研究段階からビジネス活用段階まで、それぞれの期待回収時期
[画像5: https://prtimes.jp/i/7141/151/resize/d7141-151-880051-4.jpg ]

 ベンチャービジネスへの投資状況は、世界中の投資家がその領域に対しそれぞれ判断した結果と捉えており、現在から数年先のビジネスに対する投資家の期待を表すものと考えられます。一方、ここで紹介する研究費(グラント)は、公的機関による研究助成(日本においては科学研究費、通称:科研費に代表される研究資金)を指します。大学・研究機関における、まだビジネスのシーズになる前の段階の研究情報が含まれていて、論文や特許と比較すると、必ずしも成果が約束されない、不確実さを伴う計画ではあります。しかしながら、そこに資金が配分されているという事実は、公的機関がその研究テーマに一定の有望性を認めたものと解釈でき、将来の課題解決に向けた、いわば国家の投資意欲を推し量ることができます。

 アスタミューゼのデータベースから、 “地下大空間・地下構造物”に関わる2000年以降に設立されたベンチャー企業を抽出して資金調達額が多い順にランキングしました。表3に上位5社を示します。長大トンネルを掘削して、全電気式、ゼロエミッション、高速の地下公共交通システム”ループ”の開発を行うThe Boring Company(1位、https://www.boringcompany.com/)が、群を抜いた金額の資金調達を行っています。地下スペースを遊園地の一部として利用するZipWorld(2位、https://www.zipworld.co.uk/)や地下鉄駅でのオープンアクセス無線ネットワークを手掛けるTransit Wireless(3位、https://transitwireless.com/)のように、娯楽目的での地下の利用や、地下スペースの利便性を向上するような動きもみられます。

表3 2000年以降に設立されたベンチャー企業の資金調達額top5
(有望成長領域”地下大空間・地下構造物”)
[画像6: https://prtimes.jp/i/7141/151/resize/d7141-151-967131-5.jpg ]

 一方、研究費(グラント)については、2000年以降に資金が配分された研究テーマを、獲得資金額の順にランキングしました。上位5テーマを表4に示します。

表4 2009年以降に配分された研究費(グラント)の資金調達額top5
(有望成長領域”地下大空間・地下構造物”)
[画像7: https://prtimes.jp/i/7141/151/resize/d7141-151-635066-6.jpg ]

 上位5件のうち4件が、大規模地下構造物において原子核崩壊等を観測する研究課題です。日本では岐阜県神岡鉱山地下1000mに存在した観測装置「カミオカンデ」「スーパーカミオカンデ」が知られていて、さらに大規模な実験施設「ハイパーカミオカンデ」について、2020年2月、初年度予算35億円を含む2019年度補正予算が成立し、2027年の実験開始を目指しています。これらの配分額上位の研究費(グラント)については、近い将来のマネタイズが展望できるものではありませんが、地下構造物の建設に用いることのできる、言い換えればゼネコンと親和性のある研究テーマとしては、損傷が生じても自ら修復する自己修復機能を持つ新素材の開発が挙げられます。英国Cardiff Universityでは、トンネル、地中貯留施設、廃棄物処理施設などの地下構造物に好適な自己修復機能素材の研究で2億円以上の研究資金を獲得しています。日本では東京大学生産技術研究所の安台浩特任准教授による、地下トンネル構造物のひび割れ補修についての研究「ひび割れ自己治癒特性を有する新たな無機系ひび割れ補修材の開発」が、約3千万円の科研費を獲得しています。

 3-3.有望領域におけるゼネコンの技術
 ゼネコンの出願特許と関連の深い有望成長領域のうち、”地下大空間・地下構造物”分野において注目すべき出願特許、ベンチャービジネス、研究費(グラント)を挙げてきました。出願特許では地下構造物の気密性・水密性の確保が高い評価を得ている一方で、ベンチャービジネスでは長大地下トンネルを用いた交通網の開発に資金が集まっています。
 最後に、出願特許、ベンチャービジネスから注目すべき技術に類似していると考えられる、ゼネコンの保有する特許を挙げます。

表5 注目すべき特許、ベンチャービジネスの技術に類似した、ゼネコンの保有する特許
[画像8: https://prtimes.jp/i/7141/151/resize/d7141-151-518123-7.jpg ]



 中長期の成長が期待される有望市場において、今後の新規事業や事業拡大の可能性を考えるとき、高い評価を得ている特許、あるいは投資が集まっている分野を把握して、関連した保有知財を検討することは、より素早く、優位に新しい事業を立ち上げて拡大していくために大きなアドバンテージとなりえます。

 今回は、ゼネコンから最も多くの特許が出願されている「建設・土木・建造物」の分野のうち、有望市場”地下大空間・地下構造物”に関わる世界の特許とベンチャー企業を分析して、それぞれシーリングや気密性保持の技術、地下交通関連技術が相対的に高い評価を得ていることを示しました。次回は、建設・土木のIT化に深く関わる分野と、廃棄物処理・汚染土壌の処理の分野の技術を分析します。

(アスタミューゼ株式会社 テクノロジーインテリジェンス部 川口伸明、*曵地知夏、源泰拓)



[表3: https://prtimes.jp/data/corp/7141/table/151_3.jpg ]



<本件に対する問い合わせ>
アスタミューゼ株式会社 経営企画室 広報担当 press@astamuse.co.jp





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