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英医学雑誌Lancetにトラゼンタ(R)(リナグリプチン)の高齢2型糖尿病患者における有効性、安全性に関するデータが掲載

血糖コントロール不十分の高齢2型糖尿病患者において、リナグリプチンが血糖(HbA1c)低下および安全性、忍容性を示す

この資料は、ドイツベーリンガーインゲルハイムと米国イーライリリー・アンド・カンパニーが8月15日に発表したプレスリリースを日本語に翻訳したものです。なお、日本の法規制などの観点から一部、削除、改変または追記している部分があります。この資料の内容および解釈についてはオリジナルが優先することをご了承ください。


2013年8月15日 ドイツ/インゲルハイム 米国/インディアナポリス
ベーリンガーインゲルハイムとイーライリリー・アンド・カンパニーが販売しているDPP-4阻害薬トラゼンタ(R)(リナグリプチン)に関するデータが、Lancet誌に掲載されました。本データでは、24週間リナグリプチンの投与を受けた高齢の2型糖尿病患者に、プラセボ投与群の患者と比較して有意な血糖(HbA1c)の低下がみられました。さらに、リナグリプチン群の安全性および忍容性に関する特性は同程度であり、低血糖の発現率はプラセボ群に比べて有意差は認められませんでした1。

英国王立医師協会特別会員(FRCP)であり、ハート・オブ・イングランドNHSファウンデーション・トラストおよびバーミンガム大学(英国バーミンガム)のProf. アンソニー・バーネットは次のように述べています。「2型糖尿病患者の約15%が高齢者ですが2、こうした患者集団を対象に検討されている血糖降下薬はほとんどありません。こうしたエビデンスの欠落により、治療のリスク・ベネフィットが明確になっていないため、臨床的判断が困難になる場合があります。この試験から得られた情報は、高齢患者の個々の血糖値目標達成の改善に向けて治療を決定する際に役立つでしょう」。

掲載されたデータは24週間にわたる二重盲検、並行群間比較の多施設共同第3相試験に関するもので、70歳以上の高齢2型糖尿病患者241例を、従来の血糖降下薬(メトホルミンおよび/またはスルホニル尿素薬および/またはインスリン)に上乗せするかたちで、リナグリプチン 5 mg投与群(n=162)、プラセボ投与群(n=79)のいずれかに割り付けました。主要評価項目はベースラインから24週目までのHbA1cの変化量でした。この試験では、リナグリプチン群における24週目のHbA1cのベースラインからのプラセボ調整後平均変化量は−0.64%(p<0.0001)であり、プラセボ群に対して有意な低下を示しました。また、リナグリプチン群における空腹時血糖のベースラインからのプラセボ調整後平均低下量は−1.15mmol/L[−20.7mg/dL](p<0.0001)でした。

有害事象の発現率はいずれの群でも同率でした(75.9%)。高頻度にみられた有害事象は、低血糖症(リナグリプチン群22.8%、プラセボ群16.5%)、鼻咽頭炎(リナグリプチン群10.5%、プラセボ群8.9%)、下痢(リナグリプチン群5.6%、プラセボ群2.5%)、高血糖症(リナグリプチン群5.6%、プラセボ群10.1%)でした。治験薬の投与中止に至った副作用の発現率はいずれの群でも同程度でした(各群1例 )。

ベーリンガーインゲルハイム医薬開発担当上級副社長Prof. クラウス・デュギは次のように述べています。「従来用いられている血糖降下薬では十分な血糖コントロールが得られない高齢の2型糖尿病患者の血糖降下作用に関する待望のデータがこの試験から得られました。この結果から、高齢2型糖尿病患者という、他の治療選択肢では限界があると思われる患者集団におけるリナグリプチンの有効性および安全性が裏付けられました」。


この試験について
この試験は、5ヵ国(オーストラリア、カナダ、デンマーク、オランダ、スウェーデン)の33ヵ所の医療機関で実施されました。HbA1c 値が7.0%以上であり、メトホルミンおよび/またはスルホニル尿素薬および/または基礎インスリンの投与を受けていた70歳以上の2型糖尿病患者241例を、リナグリプチン 5 mg 1日1回経口投与群、プラセボ群(いずれも24週間)のいずれかに2:1の割合で割り付けました。

トラゼンタ(R)(リナグリプチン)について
トラゼンタ(R)(リナグリプチン)は、ベーリンガーインゲルハムとイーライリリーが共同販促を行っているDPP-4阻害薬です。作用機序の異なる他の血糖降下薬(スルホニル尿素薬、速効型インスリン分泌促進薬、α-グルコシダーゼ阻害薬、ビグアナイド薬、チアゾリジン薬、インスリン製剤)との併用が可能で、主に未変化体で胆汁に排泄されるため、腎機能の程度によらず投与することができます。

糖尿病について
1型および2型糖尿病の患者数は、世界で3億7100万人と推定されています3。大半が2型糖尿病であり、糖尿病全体のおよそ90%を占めます4。糖尿病は、インスリンというホルモンを生体が適切に分泌したり、利用しにくくなったりした場合に発症する慢性疾患です5。日本では、糖尿病の患者数は、糖尿病が強く疑われる人は890万人、糖尿病の可能性が否定できない人が1,320万人、合計で、約2,210万人6と推定されています。 

イーライリリー・アンド・カンパニーとベーリンガーインゲルハイムの提携について
2011年1月、ベーリンガーインゲルハイムとイーライリリー・アンド・カンパニーは、糖尿病領域におけるアライアンスを結び、同領域において大型製品に成長することが期待される治療薬候補化合物を中心に協働していくことを発表しました。同アライアンスは、ベーリンガーインゲルハイムが持つ研究開発主導型イノベーションの確かな実績とイーライリリー・アンド・カンパニーが持つ糖尿病領域での革新的な研究、経験、先駆的実績を合わせ、世界的製薬企業である両社の強みを最大限に活用するものです。この提携によって両社は、糖尿病患者ケアへのコミットメントを示し、患者のニーズに応えるべく協力しています。このアライアンスに関する詳細は、www.boehringer-ingelheim.com またはwww.lilly.comをご参照ください。

イーライリリー・アンド・カンパニーについて
1876年創業のイーライリリー・アンド・カンパニーは130年の歴史ある研究開発主導型の先進企業であり、世界140カ国以上、約38,000人の社員が自社の研究施設の最新の成果を応用するとともに、社外の研究機関との提携を通じて医薬品のポートフォリオを拡大しています。米インディアナ州インディアナポリスに本社を置くイーライリリー・アンド・カンパニーは、医薬品と情報を通じて「こたえ」を提供し、世界で最も急を要する医療ニーズを満たしています。イーライリリー・アンド・カンパニーについての詳細は以下のホームページをご覧ください。 www.lilly.com

イーライリリー・アンド・カンパニーの糖尿病事業について
イーライリリー・アンド・カンパニーは1923年に世界初の商業用インスリンを開発して以来、糖尿病ケアの分野において常に世界をリードしています。現在もなお、研究開発や事業提携を通じて、幅広い製品ポートフォリオの充実と糖尿病領域へのたゆまぬ企業活動の継続による実質的なソリューションの提供により、糖尿病を患う人々の様々なニーズにおこたえすることを目指しています。薬剤開発やサポートプログラムそして更なる活動を通じて、糖尿病患者さまの生活をより豊かなものにするお手伝いをしてまいります。詳細は以下のウェブサイトをご覧ください。 www.lillydiabetes.com

日本イーライリリー株式会社について
日本イーライリリー株式会社は、イーライリリー・アンド・カンパニーの子会社で、革新的な医薬品の輸入・開発・製造・販売を通じて日本の医療に貢献しています。統合失調症、うつ、双極性障害、注意欠陥・多動性障害(AD/HD)、がん(非小細胞肺がん、膵がん、胆道がん、悪性胸膜中皮腫、尿路上皮がん、乳がん、卵巣がん)、糖尿病、成長障害、骨粗鬆症をはじめとする、ニューロサイエンス領域、がん領域、糖尿病領域、成長障害領域や筋骨格領域における治療法を提供しています。詳細はホームページをご覧ください。 www.lilly.co.jp

ベーリンガーインゲルハイムについて
ベーリンガーインゲルハイムグループは、世界でトップ20の製薬企業のひとつです。ドイツのインゲルハイムを本拠とし、世界で140の関連会社と46,000人以上の社員が、事業を展開しています。1885年の設立以来、株式公開をしない企業形態の特色を生かしながら、臨床的価値の高いヒト用医薬品および動物薬の研究開発、製造、販売に注力してきました。
2012年度は147億ユーロ(約1兆5,086億円)の売上を示しました。革新的な医薬品を世に送り出すべく、医療用医薬品事業の売上の22.5%相当額を研究開発に投資しました。ベーリンガーインゲルハイムの詳細については以下のホームページをご覧ください。www.boehringer-ingelheim.com
ベーリンガーインゲルハイム ジャパン株式会社について
日本ではベーリンガーインゲルハイム ジャパン株式会社が持ち株会社として、その傘下にある完全子会社の日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社(医療用医薬品)、エスエス製薬株式会社(一般用医薬品)、ベーリンガーインゲルハイム ベトメディカ ジャパン株式会社(動物用医薬品)、ベーリンガーインゲルハイム製薬株式会社(医薬品製造)の4つの事業会社を統括しています。詳細は以下のホームページをご覧ください。 www.boehringer-ingelheim.co.jp


このプレスリリースには、2型糖尿病治療薬トラゼンタ(R)(リナグリプチン)に関する将来予想に関する記述が含まれています。リリーの現在の予測に基づいていますが、他の医薬品同様、医薬品の研究開発と商業化には多大なリスクと不確実性が伴います。今後の臨床試験結果や患者さんの体験が、これまでの臨床試験で得られた知見と一致するという保証も、トラゼンタ(R)(リナグリプチン)商業的に成功するという保証もありません。これらやその他のリスク要因、並びに、不確実要因については、米国証券取引委員会に提出されたリリーの最新のフォーム10-Qおよび10-Kをご覧ください。なお、リリーは将来予想に関する記述を更新する義務を負いません。


References
1.Barnett A et al. Treatment of elderly patients (?70 years) with Type 2 Diabetes inadequately controlled on common anti-diabetes therapies: A randomised, double-blind, placebo-controlled trial with the dipeptidyl peptidase-4 inhibitor linagliptin. Lancet. 2013 Aug 13. Doi: pii: S0140-6736(13)61693-1 [Epub ahead of print]
2.Merck Manuals; Hormonal and Metabolic Disorders; Diabetes Mellitus; Accessed online: 29 July 2013
3.International Diabetes Federation. IDF Diabetes Atlas Poster. 2012 Update. 2012(5th Edition).
4.World Health Organization: Fact Sheet No. 312 What is Diabetes?, 2010.
5.International Diabetes Federation. What is Diabetes?. IDF Diabetes Atlas. 2011(5th Edition)
6.厚生労働省2007年国民健康・栄養調査
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