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ファイナリストに輝いた10名が起業に向けて参加するアクセラレーション部門がスタート。東京都主催スタートアップコンテスト「TOKYO STARTUP GATEWAY 2022」

東京都主催、NPO法人ETIC.(エティック、東京都渋谷区)が事務局を担う、今年で9期目の「TOKYO STARTUP GATEWAY(トーキョー・スタートアップ・ゲートウェイ)」は、東京発・400字から世界を変える若き起業家を輩出する育成型のスタートアップコンテストです。11月26日(土)に実施したコンテスト部門の決勝大会「TOKYO STARTUP GATEWAY 2022 THE FINAL」終了後の12月よりアクセラレーション部門のプログラムがスタートしています。
アクセラレーション部門は、コンテストでファイナリストに選出された10名へ約3ヶ月間提供されるプログラムです。




[画像1: https://prtimes.jp/i/12113/157/resize/d12113-157-526650b5bf9e4cfbc104-0.jpg ]

アクセラレーション部門の期間中には、起業家や各分野のプロフェッショナルによる連続メンタリングや、ファイナリスト同士が起業同期として支え合っていく関係性の醸成などを行っています。それらを通じ、ファイナリスト個々に応じた進捗支援、アクセラレーション部門終了後も応援体制が続いていく仕組みとしています。
ファイナリスト一人ひとりには、担当コーディネーターがつき、事業アイデアの進捗に応じた、機会提供、リレーション設計や定期的な面談など、起業に向けた伴走支援をしています。また、本年度は特に起業初期につまづきやすい、防げる失敗に陥らないことに着目し、創業期のファイナンス・資本政策や、陥りやすい失敗などについても触れるような講義を展開しています。

◆本年度アクセラレーションプログラム 講義一覧(一部)
・アクセラレーション部門 キックオフ
・創業期に必要な経営勉強会1. (起業とお金) 日本政策金融公庫による資金調達 (融資) 相談会
・創業期に必要な経営勉強会2. (起業とお金) オウケイウェイブ 杉浦氏による資金調達 (エクイティ)&資本政策 相談会
・事業相談会 複数回開催
・アクセラレーション部門 修了式

◆ファイナリスト一覧
1.大西 安季 さん「誰にも知られずに尿もれを予防できる、漏れないサービス」
2.坂田 莉心 さん「障害を抱えた子どもがありのままの自分を好きでいられるように」
3.隆 祐人 さん「社会全体の内省を支援するAI搭載プラットフォーム」
4.樽本 理子 さん「一瞬の思い出を、一生の宝物に!完全オーダーメイドの月齢フォト」
5.出戸 克尚 さん「再生可能エネルギー中心時代を実現するエネルギーデータマップ」
6.豊田 洋平 さん「習い事専用シャトル運行システム「håb」」
7.安田 莉子 さん「子どもたちの“対話力”を伸ばすオンライン読み聞かせ YOMY!」
8.山本 虎太郎 さん「撮る→つなげる資源活用プラットフォームTrashLens」
9.吉田 南翔 さん「悪者キャラが永遠に輝き続けることができる世界の創造」
10.吉原 嘉唯 さん「あの日の会話を“思い出す”のではなく、“再生”する」


■「TOKYO STARTUP GATEWAY 2022」コンテスト参加者の声
今年で9期目を迎える本コンテストを経て起業した方の声をご紹介します。

毎月30日はは「味噌の日」。「三十」が「みそ」とも読まれることに由来しています。

そこで今回は、完全栄養食の味噌汁を開発・販売する株式会社MISOVATION(ミソベーション)代表取締役の斉藤悠斗さんにお話を伺いました。

[画像2: https://prtimes.jp/i/12113/157/resize/d12113-157-0ed477e668e960d56f25-1.jpg ]

斉藤悠斗(さいとう・ゆうと)さん
株式会社MISOVATION代表取締役/栄養士/TSG2020セミファイナリスト
1994年生まれ。宮崎県出身。栄養士。東京農業大学応用生物科学部にて栄養学を学び、研究室ではうま味に関する研究に従事。大学卒業後、カゴメ株式会社、株式会社リクルートキャリアにて勤務。「重度の認知症となった祖父の介護経験」「味噌の国内需要が減り伝統的な味噌蔵が減少している現状」がきっかけとなり、味噌を通じた食の予防医療推進を行うべく2021年に株式会社MISOVATIONを創業。

https://misovation.com/
https://twitter.com/dr_yuto_life


完全栄養食の味噌汁「MISOVATION(ミソベーション)」をDtoCで販売

株式会社MISOVATIONは、味噌×栄養学のフードテックベンチャー企業で、完全栄養食の味噌汁「ミソベーション」をDtoC※で販売しています。

ミソベーションは、一杯で成人の1食に必要な栄養素31種類(※2)全てを摂取できる味噌汁の冷凍食品で、水を注いで電子レンジで温めるだけで食べられます。
タンパク質19.7g、ビタミン・ミネラル25種類、食物繊維6.5g、カロリーは250kcalで栄養価に優れています。味噌の種類を毎月変えて届けるサブスクリプションサービスです。

食品業界では現在、完全栄養食が注目され、大手企業も参入しています。ミソベーションは、健康意識が高いけど美味しさも妥協したくない方や、今までの健康食品にある種のディストピア感をおぼえていた方から高い評価をいただいているそうです。

筆者が実際に食べてみると、まず具だくさんであることに驚きました。豚バラ肉、かぼちゃ、ブロッコリー、にんじん、大根、揚げなす、しいたけ、小松菜、豆腐がざくざく。出汁の味わい深さとコクのあるスープは、味噌汁や豚汁とも一味違って美味しく、少食の方なら一杯でおなかいっぱいになる満足感があり「置き換えダイエットに最適」というコピーにも納得しました。

[画像3: https://prtimes.jp/i/12113/157/resize/d12113-157-9e0bfc9550fe8f761bf6-4.png ]

栄養士の知識があっても太ってしまった。食べるのが好きだからダイエット中でも1食もおろそかにしたくなかった

斉藤さんが完全栄養食のミソベーション開発に至る経緯は小学生の頃まで遡ります。

「小学校高学年の頃から料理が好きで、家庭科の調理実習ではハンバーグを率先して焼いたり、家では豆乳鍋の豆乳を沸かして湯葉を作ったりしていました。

大学進学でも、調理実習がある東京農業大学の応用生物科学部栄養科学科に進みました。理系でしたが食が好きで、食の学問の道に進み、栄養士の資格もとりました。

大学では、うま味についての研究をしました。日本人は出汁のうま味がわかりますが、海外では感じない方もいます。「うま味」は英語でも「UMAMI(ウマーミ)」と言います。うま味の臨界期という、うま味を感じる器官の発達について研究をしていました」

斉藤さんは、新卒で大手食品メーカーに就職し、野菜ジュースやサラダの営業等に携わった後、人材紹介業に転職します。

「大学時代は毎日自炊でしたが、社会人になって全くしなくなりました。ハンバーガーやラーメンも好きで、太りました。栄養士の知識があるのに、結局太っちゃうんだな、人は、って思ってからダイエットをしたんですけど、簡素な食事は飽きるんですよ。続かない。

健康でいるためには我慢だと言いますが、僕は本当に食べることがめちゃくちゃ好きでした。食事は1日3回しかない。死ぬまでにあと何回食べられるかわからない食事を1食もおそろかにしたくない。それが今の事業に繋がっています」
[画像4: https://prtimes.jp/i/12113/157/resize/d12113-157-5e8dba7008fe3b5f6427-2.png ]

Twitterがきっかけでレシピを組んで気づいた完全栄養食・味噌汁

そしていよいよ、完全栄養食の味噌汁ミソベーションが生まれます。そのきっかけは、Twitterでした。2020年の初夏、いつかはやりたい事を仕事にしたいと思っていた斉藤さんは、東京都主催のビジネスプランコンテスト「TOKYO STARTUP GATEWAY(トーキョースタートアップゲートウェイ、TSG)」にエントリーしました。

エントリー当初の事業プランは冷凍野菜のミールキットでしたが、「味噌汁は完全栄養食だ」というTwitterの投稿を見かけます。

「ハッとして、実際にレシピ組んでみたらマジで完全食になりました。誰のつぶやきかは覚えていないんですけど(笑)」

その後、斉藤さんは、色々模索する中で味噌の可能性に気づきます。25種類もの栄養素、発酵食品の腸内環境を整える効果、糖質は少なく、高血圧予防効果のエビデンスも出始めているそうです。

「体にいいだけではなく、味噌汁って実はもともと栄養学的にパーフェクトです。具に入れる野菜によってビタミンとミネラルが無限にコントロールし放題。昔は一汁一菜で味噌汁を具だくさんにして食べていた家庭もあり、本当にまさに完全栄養食とはこのことだと感銘を受けました。

それに気づいてからは、ちょうど2020年の夏は新型コロナウィルスの影響で在宅勤務でしたので、始業前に炊飯器に野菜を入れて炊飯モードにしておくと、ちょうどお昼休憩の時に出来上がるので、味噌を溶いて食べるという炊飯器味噌汁生活をしていました」


毎月変わる味噌への想い。うま味、甘味、塩味の3つのベクトル。みんなちがってみんないい

ミソベーションには、全国各地の味噌蔵から厳選された味噌が月替わりで使われています。味噌蔵を紹介する「MISO TIMES」というフライヤーも同封されています。

斉藤さんに推しの味噌を聞いてみると、

「日本全国には1200の味噌蔵があると言われています。例えば、兵庫県多可町の足立醸造さんの黒大豆味噌は、黒豆を使った珍しい味噌で、めっちゃくちゃうま味が強くて美味しいです。

神奈川県小田原市の加藤兵太郎商店さんの味噌は200gの小さいサイズからあってパッケージデザインもすごくいいです。

でも本当に選ぶのが難しいぐらい、みんなちがってみんないい。ストーリーも、味も。味にはうま味、甘味、塩味の3つのベクトルがあって、それぞれ違います。味噌は味に多様性があるのが面白い。まずい味噌はないです」

[画像5: https://prtimes.jp/i/12113/157/resize/d12113-157-dcabf19c3869cd160968-3.jpg ]

起業して2年。今感じているのは難しさと、いい痛み

2021年3月に起業してからの2年を振り返って斉藤さんはこう話します。

「難しいなって思っています。顧客に求められる商品じゃないと、爆発的な成長はない。いいものがありふれている時代だからこそ、ユーザーが求めてる物は見えづらくなっていると思うんです。自分が必要だと思うものが、どれぐらい社会に必要なのか、毎日売上として反映されます。

そうなると、今までのような会社の同僚と営業成績を争うということとは、次元が違う。イケてる企業もいっぱいあって、ヤバいプロダクトが毎日出てくる中で、僕らはなんとか2年間サバイブしたけど、めちゃくちゃイケてるスタートアップになってるかと言うと全然そうじゃない。

ユーザーに求められてるものを提供できる余地がまだまだあると思っています。それを提供できるプロダクトに変えて提供し続けていく。再現性のない難しさを感じています。いい痛みです」


常温化で海外を狙う。クラフト味噌汁にも挑戦
「今後の展望としては、3つあります。

1つは、常温化です。今は冷凍食品ですが、フリーズドライ製法で常温保存できる商品を開発しています。重さも価格も輸送費も下げることができます。

2つ目は海外進出を考えています。海外での日本食のプレゼンスは圧倒的で、成長するなら海外です。常温化すれば海外も狙えます。

3つ目は新サービスとして『クラフト味噌汁』の販売です。クラフトビールの味噌汁版です。味噌蔵の皆さんが作っているフリーズドライのクラフト味噌汁があるのですが、実はまだあまり認知されていません。そこで、お客さんの味の好みと栄養状態に合わせてパーソナライズする新しい仕組みを作ろうとしています」

[画像6: https://prtimes.jp/i/12113/157/resize/d12113-157-d9240a2f87074a375b31-5.jpg ]

事業のつくり方がわかったリーンスタートアップ

セミファイナリストに選ばれた2020年当時を振り返って、斉藤さんは株式会社スケールアウト共同代表の飯野将人さんによる「リーンスタートアップ」が効果的だったと話します。

「リーンスタートアップが最高に有益で、早く出会いたかった。こうやって事業を作るんだってわかりました。宿題のユーザーインタビューでは同僚や周囲100人くらいに

・どのくらいの価格帯なら買うか。

・普段野菜不足を感じているか。

・健康的で美味しいものと、健康的でまずいものは、どれぐらいの価格差ならスイッチングするか。

他にも、同世代の起業家10人くらいに話を聞きに行き、環境が変わりました。インタビューやアドバイスを求めるって、その人を巻き込むことなんですよね。“こういう事業をやりたいんです”と言うと、”絶対やったほうがいいよ”と言われて、よりやりたい気持ちが強くなりました」


人生を変える合否のメール

「毎回の合否メールはテンションが上がりましたね。次に進めたら人生変わるんじゃないかという期待感。TSGが自分を違う方向に導いてくれる可能性を感じていて、刺激的でした。ファイナリストに進めなかった時のメールは悔しくて引きずりましたけど(笑)」

斉藤さんはセミファイナリストに選ばれた翌年、2021年2月に人材紹介会社を退職し、3月2日に株式会社MISOVATIONを登記しました。

「具体的にプロダクトを作って商品をリリースするイメージが湧いていたことと、セミファイナリストという評価をいただいたことで自信をもちました。自然と一歩を踏み出していて、重い選択ではなかったんです。

TSGは半年間という長期のコンテストなので、自分の時間をたくさん使いました。だからこそ諦めるのはもったいない。また1年会社員として去年と同じ事やるのか、それで来年また挑戦するのか、でもそれって待っているだけだし、せっかく評価いただいたのにそれでいいのかと。

実は、2次選考を通過したぐらいから、これなんとなく行けんじゃねっていうマインドになって、夏にはもう会社辞めようと思ってるんだよねって周りに話し出していたんです。結果がどうなろうとも」

斉藤さんにとってTSGは、まさに「最初の一歩」だったそうです。

「間口が広くてライトで、得られるものはやばい。そういう『最初の一歩』がTSGです。東京都がやっている圧倒的なお墨付き感があって、ピッチ、リーンスタートアップと進んでいく。僕は起業したいけど何から始めたらいいかわからない人の気持ちがすごくわかるので、そういう人にはいつもおすすめだよって言っています。

最後に、味噌汁は毎日飲んでください。ミソベーションじゃなくてもいいんで毎日飲んでください。味噌をお湯で溶かして飲むだけでもいい。豊富な栄養素が摂れるだけでなく腸内環境も整いますし、味噌汁を飲むと健康になって病気になる人が減ると確信しています。それが僕らの目指している世界です」

斉藤さんと味噌の事業が今後どんな展開を見せるのか、とても楽しみです。

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東京都主催・400文字から世界を変えるスタートアップコンテスト「TOKYO STARTUP GATEWAY 2022」についての詳細はこちらをご覧ください。

●TOKYO STARTUP GATEWAY2022 WEBサイト https://tokyo-startup.jp/

主催:東京都
事務局:特定?営利活動法人ETIC.  https://www.etic.or.jp/
ETIC.は、社会の未来をつくる人を育む認定NPO法人です。1993年の創業以来、手がけてきた実践型インターンシップや起業支援プログラムへの参加を通して、1,900人以上が起業しました。これからも企業・行政・NPOといった多様なセクターを巻き込みながら、挑戦したい人を支える仕組みづくりを続けていきます。
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