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シリア:アレッポへの空爆で死傷者多数、地元病院を圧迫

シリア北部のアレッポ市で起きた大規模な空爆により、この数日間で100人以上が亡くなり、多数が負傷、市内の病院の対応能力は限界に達しているという。地元医療関係者が国境なき医師団(MSF)に伝えた。MSFは域内の病院に医療物資を提供し、緊急対応を支援している。

市東部の複数の場所でシリア政府軍のヘリコプターによる「たる爆弾」の投下が始まったのは12月15日。広範囲に被害が生じたが、無差別攻撃は17日現在も攻勢をゆるめず、民間人の多い地域に著しい破壊をもたらした。

<学校やバス乗り場も標的に>

シリアで活動中のMSFのコーディネーター、アイトール・サバルゴヘアスコアは、「15〜17日の3日間、ヘリの標的にされた場所には学校1ヵ所と、公共交通の乗り場であるハイダルヤ・ロータリーも含まれていました。この2ヵ所の死傷者数も数十人に及びます。十数人の遺体が3病院の前に並べられ、遺族の迎えを待っていました」と話している。

緊急事態に市内の病院間の連携も追いつかず、物資もほぼ枯渇。度重なる武力行使は町を破壊し、保健医療体制にも壊滅的な影響を及ぼしている。内戦勃発以来、アレッポ市内の病院は大半が部分損壊ないし全損壊してきた。今回の攻勢は、既に満身創痍の状態だった保健医療施設にさらなるダメージを加えている。

サバルゴヘアスコアは、「多くの場合、繰り返される攻撃が混乱を呼び、負傷者の治療をいっそう困難にします。そして、亡くなる人が増えるのです。救急車も同時に複数の場所に呼ばれ対応しきれません。医師は相当数の患者に対応するため、極めて難しい判断を迫られます」と現場の苦境を話している。

アレッポ市内の病院支援には構造的な問題があり、医療物資の輸送も難しいことが、医療施設の患者への対応能力に影響している。一連の空爆後、多数の患者が一斉に来院したことで、救命行為に重要な薬や医療物資の備蓄も底をついてしまった。

MSF緊急対応統括責任者のテレサ・サンクリストバルは、「周辺の病院は負荷を支え切れず、医療物資の補給を求めています。MSFはこれに速やかに応じました。市外への移送が必要な患者も大勢います。MSFは紛争に関わるすべての陣営、そして特に今回はシリア政府に、病院や学校といった社会インフラへの攻撃と、市街地での無差別破壊兵器の使用を中止するよう求めます。民間人が最大の被害者になっているのです。全当事者が国際人道法を順守しなければなりません」と訴えている。
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