【プレスリリース】フィリピン 復興への長い道のり、レジリエンスの強化支援も
[14/03/07]
提供元:PRTIMES
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ユニセフ 4カ月レポートを発表/日本人スタッフ活動中
※本信は ユニセフ本部からの情報を日本ユニセフ協会 広報室が翻訳、独自に編集
したものです
※原文は http://www.unicef.org/media/media_72790.html でご覧いただけます
【2014年3 月7日 マニラ発】
2013年11月8日にフィリピン中部を襲った台風30号から4カ月。被災地では、保健センター
の再開や水道の復旧、仮設学校への子どもたちの通学など、復興は目覚しく進んでいます。
しかし、本日ユニセフが発表する4カ月レポートは、子どもたちのニーズは依然として
大きく、台風30号がもたらした被害の爪あとは、被災した方々や地域の復興のために
やるべきことがあることを強く物語っていると指摘しています。
ユニセフ・フィリピン事務所代表代理のアブドゥル・アリムは「台風が直撃した地域は、
被災前も約40%の子どもたちが貧困下で暮らしていたほど最も貧しい地域です。子ども
たちは台風の影響を最も受けており、ユニセフの取り組みの中心に置かれています。
完全なる復興への長い道のりを歩んでいます」と述べました。
ユニセフとパートナー団体の取り組みをまとめた報告書「台風30号:支援活動4カ月
レポート(原題:Four Months After Typhoon Haiyan)」では、これまでの支援活動が
まとめられています。
■これまでの主な支援
・清潔で安全な水を93万人に供給
・学校や「子どもにやさしい」空間を通じて、23万1,000人の子どもに衛生キットを提供
・はしかの予防接種を約8万3,200人の子どもに実施
・免疫力を高めるビタミンAを5万5,300人に投与
・9万7,000人に栄養状況の調査を実施
・被災した子どもたちが守られる環境を提供し、1万7,000人の児童に心のケアを実施、
これによって災害で受けた心の傷を癒し、虐待や暴力のリスクの高まりを軽減する
ことを支援
■地域のレジリエンス(回復力) 向上の支援も
報告書は、さまざまな取り組みをしてきたものの、復興への道のりは長いものになること
を指摘。今回の災害から被災地が復興するには、数年がかかるとしています。感染症の
集団感染や学習機会の喪失や損失、暴力や搾取、虐待の危険が高まり、女性と子どもが
栄養不良に陥るリスクがあるなど、直近でも様々な問題が子どもたちの前に立ちはだ
かっています。
ユニセフとパートナー団体は、緊急の人道支援や必要不可欠なサービスの復旧と合わせて、
被災した地域のレジリエンス(回復する力)を向上する支援に力をいれてきました。
支援にあたっては、最も支援を必要とする子どもたちと最も被害の大きかった40自治体を
中心に行われています。ユニセフは、政府の関係省庁、市民社会、地域社会とともに、
被災した地域で最も厳しい状況に置かれている人たちに支援を届けるしくみをつくって
います。
アリム代理代表は「今回の大災害に寄せられた世界中からの支援に深く感謝しています。
ご支援のおかげで、さまざまな取り組みが可能となり、子どもたちの命を守ることが
できました。フィリピンの方々自身の不屈の精神と懸命な取り組みと世界中から寄せられた
あたたかいご支援によって、4カ月の間に、多くのことが実現しました」と述べました。
「子ども自身が強さと生活を取り戻すには、時間が必要であり、持続的な取り組みが求め
られます。ユニセフは、復興へのあらゆるプロセスを通じて、被災した子どもたちを支援
し続けます」と続けました。
■支援向上のためのモニタリングと調査を継続
ユニセフは、台風30号への取り組みとして支援状況のモニタリングを強化しており、
人道支援パフォーマンス監視情報システム(Humanitarian Performance Monitoring
Information System :HPMIS)を開発しました。本システムでは、支援物資の供給状況を
入力、パートナー団体への物資の配布を追跡、その取り組みをモニターし、支援の適切さや
質、支援を受けた人の満足度などの情報が把握できます。
2013年12月以降、地域や避難所にいた7,200世帯以上に、水とトイレ、衛生、教育、保健、
子どもの保護、栄養などの人道支援サービスについて調査を実施。さらに、最も被害の
大きかった40自治体の情報が現在集められています。
* * *
被害が大きかったレイテ島タクロバンで、日本人スタッフ1名(専門:教育)が支援活動に
あたっています。
取材をご希望の際は、広報室(後述)までお問い合わせください。
■参考情報:4カ月間の取り組み
<水と衛生>
・貯水用の資材や浄水用の物資の配布などを通じて、93万人が清潔な水の利用が可能に
・7万6,000人以上がトイレの利用が可能に
・沿岸部での子どもの病気、特に下痢を防ぐために、学校で23万1,000人以上の子どもに
衛生用品を提供
<教育>
・被災地で子どもたち43万人に学用品を提供
・15万3,000人近い子どもたちに通学かばんを配布
・学用品や教材などを備えた「仮設学習スペース」1,320カ所を設置し、約13万2,000人の
子どもたちが参加
<保健>
・はしかが確認または疑われた避難所や地域など最も危険性の高い場所に重点を置いて、
5歳未満の子ども8万3,200人にはしかの予防接種、8万2,100人にポリオの予防接種を実施
・災害に強い(disaster-resilient)アプローチに重点を置く一例として、電力不足による
混乱を避けるために太陽光発電によるワクチン保冷庫を50の保健センターに設置
<子どもの保護>
・被災地に89の「子どもにやさしい」空間を設置、約1万7,000人の子どもが利用
・遊びやレクレーション活動、学習を通じて子どもたちの心の回復を支援
・教員が子どもたちの心のケアができるように研修を実施
・ソーシャルワーカーや養育者など350人以上に子どもの心のケアや暴力、搾取、虐待、
人身売買を予防するために必要な子どもへの支援について研修を実施
<栄養>
・はしかの予防接種と並行して、5万5,300人に免疫力を高めるビタミンAを投与
・9万7,000人の栄養状況を調査
・「母親にやさしい」空間を52カ所設置、これまでに1万799人の妊婦や授乳期の母親が利用
・「母親にやさしい」空間では、母乳育児や離乳食の相談も受け付け
・重度の急性栄養不良の子ども6,000人に栄養治療食による治療を提供
■ 本件に関するお問い合わせ
日本ユニセフ協会 広報室
TEL:03-5789-2016 FAX : 03-5789-2036 Eメール:jcuinfo@unicef.or.jp
または
Zafrin Chowdhury, ユニセフ・フィリピン事務所
Tel: +632 901 01 77, Mobile: +63 917 867 8366, zchowdhury@unicef.org
Marge Francia, ユニセフ・フィリピン事務所
Tel: +632 901 01 73, Mobile: +63 917 858 9447, mfrancia@unicef.org
Kate Donovan, ユニセフ・ニューヨーク本部
Tel: 1-212-326-7452; Cell: 1-917-378-2128; kdonovan@unicef.org
■ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進
するために活動する国連機関です。現在190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、
その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子ども
たちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのため
に活動しています。(www.unicef.org)
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する36の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの
任意拠出金で支えられています
■日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国36の国と地域にあるユニセフ国内委員会
のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ
活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 (www.unicef.or.jp)
※本信は ユニセフ本部からの情報を日本ユニセフ協会 広報室が翻訳、独自に編集
したものです
※原文は http://www.unicef.org/media/media_72790.html でご覧いただけます
【2014年3 月7日 マニラ発】
2013年11月8日にフィリピン中部を襲った台風30号から4カ月。被災地では、保健センター
の再開や水道の復旧、仮設学校への子どもたちの通学など、復興は目覚しく進んでいます。
しかし、本日ユニセフが発表する4カ月レポートは、子どもたちのニーズは依然として
大きく、台風30号がもたらした被害の爪あとは、被災した方々や地域の復興のために
やるべきことがあることを強く物語っていると指摘しています。
ユニセフ・フィリピン事務所代表代理のアブドゥル・アリムは「台風が直撃した地域は、
被災前も約40%の子どもたちが貧困下で暮らしていたほど最も貧しい地域です。子ども
たちは台風の影響を最も受けており、ユニセフの取り組みの中心に置かれています。
完全なる復興への長い道のりを歩んでいます」と述べました。
ユニセフとパートナー団体の取り組みをまとめた報告書「台風30号:支援活動4カ月
レポート(原題:Four Months After Typhoon Haiyan)」では、これまでの支援活動が
まとめられています。
■これまでの主な支援
・清潔で安全な水を93万人に供給
・学校や「子どもにやさしい」空間を通じて、23万1,000人の子どもに衛生キットを提供
・はしかの予防接種を約8万3,200人の子どもに実施
・免疫力を高めるビタミンAを5万5,300人に投与
・9万7,000人に栄養状況の調査を実施
・被災した子どもたちが守られる環境を提供し、1万7,000人の児童に心のケアを実施、
これによって災害で受けた心の傷を癒し、虐待や暴力のリスクの高まりを軽減する
ことを支援
■地域のレジリエンス(回復力) 向上の支援も
報告書は、さまざまな取り組みをしてきたものの、復興への道のりは長いものになること
を指摘。今回の災害から被災地が復興するには、数年がかかるとしています。感染症の
集団感染や学習機会の喪失や損失、暴力や搾取、虐待の危険が高まり、女性と子どもが
栄養不良に陥るリスクがあるなど、直近でも様々な問題が子どもたちの前に立ちはだ
かっています。
ユニセフとパートナー団体は、緊急の人道支援や必要不可欠なサービスの復旧と合わせて、
被災した地域のレジリエンス(回復する力)を向上する支援に力をいれてきました。
支援にあたっては、最も支援を必要とする子どもたちと最も被害の大きかった40自治体を
中心に行われています。ユニセフは、政府の関係省庁、市民社会、地域社会とともに、
被災した地域で最も厳しい状況に置かれている人たちに支援を届けるしくみをつくって
います。
アリム代理代表は「今回の大災害に寄せられた世界中からの支援に深く感謝しています。
ご支援のおかげで、さまざまな取り組みが可能となり、子どもたちの命を守ることが
できました。フィリピンの方々自身の不屈の精神と懸命な取り組みと世界中から寄せられた
あたたかいご支援によって、4カ月の間に、多くのことが実現しました」と述べました。
「子ども自身が強さと生活を取り戻すには、時間が必要であり、持続的な取り組みが求め
られます。ユニセフは、復興へのあらゆるプロセスを通じて、被災した子どもたちを支援
し続けます」と続けました。
■支援向上のためのモニタリングと調査を継続
ユニセフは、台風30号への取り組みとして支援状況のモニタリングを強化しており、
人道支援パフォーマンス監視情報システム(Humanitarian Performance Monitoring
Information System :HPMIS)を開発しました。本システムでは、支援物資の供給状況を
入力、パートナー団体への物資の配布を追跡、その取り組みをモニターし、支援の適切さや
質、支援を受けた人の満足度などの情報が把握できます。
2013年12月以降、地域や避難所にいた7,200世帯以上に、水とトイレ、衛生、教育、保健、
子どもの保護、栄養などの人道支援サービスについて調査を実施。さらに、最も被害の
大きかった40自治体の情報が現在集められています。
* * *
被害が大きかったレイテ島タクロバンで、日本人スタッフ1名(専門:教育)が支援活動に
あたっています。
取材をご希望の際は、広報室(後述)までお問い合わせください。
■参考情報:4カ月間の取り組み
<水と衛生>
・貯水用の資材や浄水用の物資の配布などを通じて、93万人が清潔な水の利用が可能に
・7万6,000人以上がトイレの利用が可能に
・沿岸部での子どもの病気、特に下痢を防ぐために、学校で23万1,000人以上の子どもに
衛生用品を提供
<教育>
・被災地で子どもたち43万人に学用品を提供
・15万3,000人近い子どもたちに通学かばんを配布
・学用品や教材などを備えた「仮設学習スペース」1,320カ所を設置し、約13万2,000人の
子どもたちが参加
<保健>
・はしかが確認または疑われた避難所や地域など最も危険性の高い場所に重点を置いて、
5歳未満の子ども8万3,200人にはしかの予防接種、8万2,100人にポリオの予防接種を実施
・災害に強い(disaster-resilient)アプローチに重点を置く一例として、電力不足による
混乱を避けるために太陽光発電によるワクチン保冷庫を50の保健センターに設置
<子どもの保護>
・被災地に89の「子どもにやさしい」空間を設置、約1万7,000人の子どもが利用
・遊びやレクレーション活動、学習を通じて子どもたちの心の回復を支援
・教員が子どもたちの心のケアができるように研修を実施
・ソーシャルワーカーや養育者など350人以上に子どもの心のケアや暴力、搾取、虐待、
人身売買を予防するために必要な子どもへの支援について研修を実施
<栄養>
・はしかの予防接種と並行して、5万5,300人に免疫力を高めるビタミンAを投与
・9万7,000人の栄養状況を調査
・「母親にやさしい」空間を52カ所設置、これまでに1万799人の妊婦や授乳期の母親が利用
・「母親にやさしい」空間では、母乳育児や離乳食の相談も受け付け
・重度の急性栄養不良の子ども6,000人に栄養治療食による治療を提供
■ 本件に関するお問い合わせ
日本ユニセフ協会 広報室
TEL:03-5789-2016 FAX : 03-5789-2036 Eメール:jcuinfo@unicef.or.jp
または
Zafrin Chowdhury, ユニセフ・フィリピン事務所
Tel: +632 901 01 77, Mobile: +63 917 867 8366, zchowdhury@unicef.org
Marge Francia, ユニセフ・フィリピン事務所
Tel: +632 901 01 73, Mobile: +63 917 858 9447, mfrancia@unicef.org
Kate Donovan, ユニセフ・ニューヨーク本部
Tel: 1-212-326-7452; Cell: 1-917-378-2128; kdonovan@unicef.org
■ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進
するために活動する国連機関です。現在190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、
その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子ども
たちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのため
に活動しています。(www.unicef.org)
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する36の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの
任意拠出金で支えられています
■日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国36の国と地域にあるユニセフ国内委員会
のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ
活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 (www.unicef.or.jp)