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肝疾患を有する成人2型糖尿病患者および65歳以上のアジア人2型糖尿病患者におけるトラゼンタ(R) (リナグリプチン)の有効性と安全性を、AASD(アジア糖尿病学会)にて発表

この資料は、ドイツ ベーリンガーインゲルハイムと米国 イーライリリー・アンド・カンパニーが11月7日に発表したプレスリリースを日本語に翻訳したものです。尚、日本の法規制などの観点から一部、削除、改変または追記している部分があります。また海外の試験であるため、日本の承認内容と異なることがあります。この資料の内容および解釈についてはオリジナルが優先することをご了承ください。


2013年11月7日 ドイツ/インゲルハイム、米国/インディアナポリス 
ベーリンガーインゲルハイムとイーライリリー・アンド・カンパニーは、肝疾患を有する成人2型糖尿病患者および65歳以上のアジア人2型糖尿病患者において、リナグリプチンの有効性と忍容性を示す新しいデータを発表しました。本データはリナグリプチンの幅広い2型糖尿病患者に対する投与を支持する臨床成績になります。データは2013年国際糖尿病代謝疾患会議と第5回アジア糖尿病学会(AASD)の年次学術集会にて発表されました。
肝疾患および胆道疾患を有する2型糖尿病患者や65歳以上の患者は、治療選択肢が限られています。アジア地域では2型糖尿病の患者が急増し1、さらに肝胆道系疾患の有病率も高いことから2、有効で安全な治療選択肢の需要が高まっています。さらに、リナグリプチンは大半が肝胆道を介して腸管に排出されることから、肝胆道系に合併症のある2型糖尿病患者におけるリナグリプチンの有効性と安全性を明確化することは大変重要です。

肝胆道系疾患のある2型糖尿病患者における有効性と安全性
肝胆道系疾患の既往あるいは合併が報告された2型糖尿病患者におけるリナグリプチンの有効性と忍容性を調査し、17件の無作為化二重盲検プラセボ対照試験の併合解析において、以下の結果が得られました。

・ リナグリプチン群は、肝胆道系疾患がある患者および無い患者のいずれにおいても24週目のベースラインからのHbA1c変化量をプラセボに対して統計学的に有意に低下させ、その低下量はそれぞれ0.52%および0.62%でした。3
・ 有害事象の発現率は、肝胆道系疾患がある患者(リナグリプチン群65.1%、プラセボ群68.0%)、および無い患者(リナグリプチン群56.7%、プラセボ群62.0%)で同程度でした。
・ 重篤な有害事象は、肝胆道系疾患がある患者ではリナグリプチン群で7.9%、プラセボ群で9.9%、無い患者ではリナグリプチン群で4.7%、プラセボ群で6.6%に発現しました。
・ 副作用はプラセボ群と比較してリナグリプチン群で低頻度でした(肝胆道系疾患がある患者で12%と15.3%;無い患者で11.6%と13.6%);低血糖症はプラセボと比較してリナグリプチンで低頻度でした(肝胆道疾患がある患者で12.2%と19.2%;無い患者で11.9%と14.8%)。

高齢のアジア人2型糖尿病患者における有効性と安全性
65歳以上のアジア人2型糖尿病患者におけるリナグリプチン(単剤または併用)の有効性と安全性に関する併合解析において以下の結果が得られました。

・ 24週後のHbA1cは、リナグリプチン群で0.90%低下し、統計学的に有意な低下を示しました。一方、プラセボ群は0.08%低下し、その群間差は0.82%でした。4 
・ リナグリプチン群における有害事象(AE)と重篤な有害事象(SAE)の発現率はプラセボ群と同程度でした(AE:リナグリプチン群 53.6%、プラセボ群61.9%。SAE:リナグリプチン群 4.5%、プラセボ群6.9%)。 .
・ 副作用の発現率は、プラセボ群と比較してリナグリプチン群で低い結果でした。(リナグリプチン群12.6%、プラセボ群17.5%);治験責任医師の判定による低血糖症の発現率も同様にリナグリプチン群で低い結果でした(リナグリプチン群9.5%、プラセボ群18.1%)。
・ インスリンまたはSU薬による治療を受けていなかった場合の症候性低血糖症の発現率はプラセボ群と同程度でした(リナグリプチン群1.1%、プラセボ群1.5%)。

ベーリンガーインゲルハイム医薬開発担当上級副社長のPfof.クラウス・デュギは次のように述べています。「高齢2型糖尿病患者さんや肝疾患を有する2型糖尿病患者さんは治療選択肢が限られており、最も適切な治療を選択する上で、有効性と安全性を検討しなければなりません。今回AASDで発表された結果は、こうした患者集団におけるリナグリプチンの有効性と安全性を支持し、リナグリプチンが重要な治療選択肢であることを示すものです。」


この試験について
(AASD抄録番号192)肝疾患のある成人2型糖尿病患者に対するリナグリプチンの有効性と忍容性:17件の無作為化プラセボ対照二重盲検試験の併合解析3
リナグリプチン(肝胆道疾患がある患者n=418;肝胆道疾患が無い患者n=4207)またはプラセボ(肝胆道疾患がある患者n=203;肝胆道疾患が無い患者n=2181)を投与された被験者7009例の併合解析です。肝胆道疾患のうち、最も頻度が高かった疾患は脂肪肝、胆石症、胆のう炎の既往がある患者621名でした。各治療群(肝胆道疾患がある患者と肝胆道疾患が無い患者)の被験者の約40%がアジア人となっています。すべての試験で主要評価項目はHbA1cのベースラインからの変化としました。

(AASD抄録番号170)65歳以上のアジア人2型闘病病患者における有効性と安全性に関する併合解析4
プラセボ対照のリナグリプチン単独または他剤との併用療法による併合解析データです。有効性データはアジア人成人2型糖尿病の患者337名(リナグリプチンn=239;プラセボn=108)を含む11件の治験から24週間以上にわたる併合解析の結果であり、安全性データはアジア人の成人2型糖尿病患者518名(リナグリプチン群n=358;プラセボ群n=160)を含む15件の試験からの併合解析となっています。

トラゼンタ(R)(リナグリプチン)について
トラゼンタ(R)(リナグリプチン)は、ベーリンガーインゲルハムとイーライリリーが共同販促を行っているDPP-4阻害薬です。作用機序の異なる他の血糖降下薬(SU薬、速効型インスリン分泌促進薬、α-グルコシダーゼ阻害薬、ビグアナイド薬、チアゾリジン薬、インスリン製剤)との併用が可能で、肝臓でほとんど代謝を受けず主に未変化体で胆汁に排泄されるため、腎機能・肝機能の程度に関わらず同一用量で投与することができます。

糖尿病について
1型および2型糖尿病の患者数は、世界で3億7100万人と推定されています5。大半が2型糖尿病であり、糖尿病全体のおよそ90%を占めます6。糖尿病は、インスリンというホルモンを生体が適切に分泌したり、利用しにくくなったりした場合に発症する慢性疾患です7。日本では、糖尿病の患者数は、糖尿病が強く疑われる人は890万人、糖尿病の可能性が否定できない人が1,320万人、合計で、約2,210万人8と推定されています。 

イーライリリー・アンド・カンパニーとベーリンガーインゲルハイムの提携について
2011年1月、ベーリンガーインゲルハイムとイーライリリー・アンド・カンパニーは、糖尿病領域におけるアライアンスを結び、同領域において大型製品に成長することが期待される治療薬候補化合物を中心に協働していくことを発表しました。同アライアンスは、ベーリンガーインゲルハイムが持つ研究開発主導型イノベーションの確かな実績とイーライリリー・アンド・カンパニーが持つ糖尿病領域での革新的な研究、経験、先駆的実績を合わせ、世界的製薬企業である両社の強みを最大限に活用するものです。この提携によって両社は、糖尿病患者ケアへのコミットメントを示し、患者のニーズに応えるべく協力しています。このアライアンスに関する詳細は、http://www.boehringer-ingelheim.com またはhttp://www.lilly.comをご参照ください。

イーライリリー・アンド・カンパニーについて
1876年創業のイーライリリー・アンド・カンパニーは130年の歴史ある研究開発主導型の先進企業であり、世界140カ国以上、約38,000人の社員が自社の研究施設の最新の成果を応用するとともに、社外の研究機関との提携を通じて医薬品のポートフォリオを拡大しています。米インディアナ州インディアナポリスに本社を置くイーライリリー・アンド・カンパニーは、医薬品と情報を通じて「こたえ」を提供し、世界で最も急を要する医療ニーズを満たしています。イーライリリー・アンド・カンパニーについての詳細は以下のホームページをご覧ください。 http://www.lilly.com

イーライリリー・アンド・カンパニーの糖尿病事業について
イーライリリー・アンド・カンパニーは1923年に世界初の商業用インスリンを開発して以来、糖尿病ケアの分野において常に世界をリードしています。現在もなお、研究開発や事業提携を通じて、幅広い製品ポートフォリオの充実と糖尿病領域へのたゆまぬ企業活動の継続による実質的なソリューションの提供により、糖尿病を患う人々の様々なニーズにおこたえすることを目指しています。薬剤開発やサポートプログラムそして更なる活動を通じて、糖尿病患者さまの生活をより豊かなものにするお手伝いをしてまいります。詳細は以下のウェブサイトをご覧ください。 http://www.lillydiabetes.com

日本イーライリリー株式会社について
日本イーライリリー株式会社は、イーライリリー・アンド・カンパニーの子会社で、革新的な医薬品の輸入・開発・製造・販売を通じて日本の医療に貢献しています。統合失調症、うつ、双極性障害、注意欠陥・多動性障害(AD/HD)、がん(非小細胞肺がん、膵がん、胆道がん、悪性胸膜中皮腫、尿路上皮がん、乳がん、卵巣がん)、糖尿病、成長障害、骨粗鬆症をはじめとする、ニューロサイエンス領域、がん領域、糖尿病領域、成長障害領域や筋骨格領域における治療法を提供しています。詳細はホームページをご覧ください。 http://www.lilly.co.jp

ベーリンガーインゲルハイムについて
ベーリンガーインゲルハイムグループは、世界でトップ20の製薬企業のひとつです。ドイツのインゲルハイムを本拠とし、世界で140の関連会社と46,000人以上の社員が、事業を展開しています。1885年の設立以来、株式公開をしない企業形態の特色を生かしながら、臨床的価値の高いヒト用医薬品および動物薬の研究開発、製造、販売に注力してきました。
2012年度は147億ユーロ(約1兆5,086億円)の売上を示しました。革新的な医薬品を世に送り出すべく、医療用医薬品事業の売上の22.5%相当額を研究開発に投資しました。ベーリンガーインゲルハイムの詳細については以下のホームページをご覧ください。http://www.boehringer-ingelheim.com
ベーリンガーインゲルハイム ジャパン株式会社について
日本ではベーリンガーインゲルハイム ジャパン株式会社が持ち株会社として、その傘下にある完全子会社の日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社(医療用医薬品)、エスエス製薬株式会社(一般用医薬品)、ベーリンガーインゲルハイム ベトメディカ ジャパン株式会社(動物用医薬品)、ベーリンガーインゲルハイム製薬株式会社(医薬品製造)の4つの事業会社を統括しています。詳細は以下のホームページをご覧ください。 http://www.boehringer-ingelheim.co.jp


このプレスリリースには、2型糖尿病治療薬トラゼンタ(R)(リナグリプチン)に関する将来予想に関する記述が含まれています。リリーの現在の予測に基づいていますが、他の医薬品同様、医薬品の研究開発と商業化には多大なリスクと不確実性が伴います。今後の臨床試験結果や患者さんの体験が、これまでの臨床試験で得られた知見と一致するという保証も、トラゼンタ(R)(リナグリプチン)商業的に成功するという保証もありません。これらやその他のリスク要因、並びに、不確実要因については、米国証券取引委員会に提出されたリリーの最新のフォーム10-Qおよび10-Kをご覧ください。なお、リリーは将来予想に関する記述を更新する義務を負いません。

References
1. Ramachandran A, et al. Trends in prevalence of diabetes in Asian countries. World J Diabetes. 2012 June 15; 3(6): 110-117.
2. Bell DS, Allbright E. The multifaceted associations of hepatobiliary disease and diabetes. 2007 May-Jun:13(3): 300-12
3. Inagaki N et al. Efficacy and tolerability of linagliptin, a dipeptidyl peptidase (DPP)-4 inhibitor, in people with Type 2 Diabetes mellitus (T2DM) and liver disease: A pooled analysis of 17 randomised placebo-controlled double-blind studies. Abstract NO.ICDM2013-192. Oral presentation at the 2013 International Conference on Diabetes and Metabolism & 5th Asian Association for the Study of Diabetes. November 6-9, Seoul, Korea
4. Sheu Wh et al. Efficacy and safety of linagliptin in Asian patients aged a ?65 years: results of a pooled analysis. Abstract NO.ICDM2013-170. Oral presentation at the 2013 International Conference on Diabetes and Metabolism & 5th Asian Association for the Study of Diabetes. November 6-9, Seoul, Korea
5. International Diabetes Federation. IDF Diabetes Atlas Poster. 2012 Update. 2012(5th Edition).
6. World Health Organization: Fact Sheet No. 312 What is Diabetes?, 2010.
7. International Diabetes Federation. What is Diabetes?. IDF Diabetes Atlas. 2011(5th Edition).
8. 厚生労働省2007年国民健康・栄養調査
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